話し合い決裂!

今日、知事との話し合いを求める2回目の協議がおこなわれましたが、たいへん残念な結果に終わりました。

協議は決裂です。何故そんな結果になったのでしょう。

地権者が求めていた知事との面談について、県はいくつもの条件を出してきました。

①個別に会う(1世帯2~3人)

②代理人はダメ

③非公開(録画もダメ)

④1時間程度

⑤自宅以外の静穏な場所

⑥日程調整はダム事務所がおこなう

 

②や③も問題ですが、何よりも①については受け入れがたい条件です。

地権者の皆さんにとってダム問題は「こうばる」という1つの大家族の問題です。

バラバラに対応するなどあり得ないことです。

しかし、ここで撥ねつけては交渉の余地がなくなるので、
一度持ち帰って相談したいと提案。

すると、県の岩見洋一土木部長(今年4月国交省から出向)は、
「それはかまいませんが、明日から工事は再開します」と明言。

これにはみんな驚きました。

「工事を再開したら話し合うことができなくなる」

「知事との話し合いが終わるまで工事は再開しないでほしい」
と頼みましたが、岩見部長は「工事と話し合いは別問題」と一蹴しました。

しかし、地権者にとって「工事と話し合いは一体」です。

なぜなら、想像してみてください。

工事を再開すると地権者は抗議行動に出ます。
この炎天下、朝から夕方まで、県職員との攻防が続きます。
夜も休日も交代で24時間体制です。
熱中症で倒れるかもしれない。怪我人が出るかもしれない。
事故が起きるかもしれない。

「それでもやるんです。必死です。私たちは命を懸けているんです」

そんな状態の中で冷静な話し合いなどできるわけがありません。感情的になったり、考える余裕がなくなったり…県が望む「静穏な環境」の話し合いなど不可能です。

そのようなことを何度説明しても岩見部長の答えは変わりませんでした。

部長:工事をしても話し合いはできるはず。日曜日とか夜とか。

地権者:できません。こちらは24時間体制でやってるんですよ。そんなのは現場を知らない者の考えです。一度現場に来らさんですか。朝から夕方まで炎天下におらさんですか。

部長:工事の妨害をしてはいけないと仮処分でが出ているはずです。

地権者:今、その工事について差止訴訟をやっています。その判決が出るまで待つべきじゃないですか。

部長:とにかく工事はやります。

 

そこで地権者の皆さんは最後の確認を求めました。

地権者:あなた方は知事と私たちが話し合うことを拒むのですね?

部長:いえ、拒んでいません。

地権者:私たちは工事を再開するなら話し合いはできないと言っているのに、あなたはそれでも明日から再開すると言う。それは話し合いを拒否していることになります。そう判断していいのですね?

部長:それは論理の飛躍です。

地権者:知事の意向を聞かずに工事を再開するのですね?

部長:もう知事の意向は確認しました。

地権者:それは昨日までのこと。今日の話を持ち帰って知事に伝え、明日から工事を再開するかどうか確認しようという気はないんですか?

部長:伝えますが、工事は再開します

地権者:わかりました。私たちもできる限り抗議行動を続けていきます。今後は死を覚悟してやります。

 

本当に残念です。そして、今後のことが懸念されます。
抗議行動はおそらくエスカレートしていくでしょう。
話し合いが決裂したのは、あきらかに土木部長の強硬姿勢です。譲歩するとか妥協するとかいう気はさらさらない方のようです。

実は冒頭、話し合いの本題に入るまでに25分もの時間を浪費していました。

マスコミを入れるかどうか、つまり公開か非公開かで15分間押し問答。
結局、県側が押し切ってマスコミをシャットアウトで話し合い開始。

開始直後、今度は、県側の回答を伝える順番をめぐって対立。

地権者は、まず知事との話し合いについての回答を知りたいと求めたのですが、岩見土木部長は「まず安全上の問題について報告し、その後知事との話し合いについて報告する」と言うのです。

地権者がどんなに望んでも部長は決して譲らず「順を追って」と言うばかり。

そこで地権者の方が譲り、安全面の話は5分ほどでその後本題に移るという約束をしたのですが、この間のやり取りに10分のロス。

しかし、その報告を聞き終わっても、そこまで順番に拘る必要がどこにあったのか、さっぱりわかりませんでした。

要するに自分たちの決めた方針は何が何でも押し通す主義。

決して妥協しない。相手の意向など気にかけない。それでいいと確信なさっているようです。

最近工事の進め方が強引になってきているのは感じていましたが、このような「有能な」官僚の手腕によるものだったのですね。

官邸を守るために「記録がありません」「調べる必要はありません」と答弁し続けて栄転した元理財局長の佐川氏のように、岩見氏も知事を守るために本領発揮されるのでしょうか。

これから長崎県政はどこまで強硬になるのか…

県民としてしっかり注視したいと思います。 (‘_’)