質疑は一切ありません!

今日の毎日新聞が、昨日の佐世保市議会本会議で私たちが提出した請願58号が不採択となったことを報じています。

ここに書かれてある通りですが、一部興味深いやり取りもあったので、少し詳しく報告します。(あくまでも私の主観に基づくものですが)

まずはじめに、都市整備委員会の草津委員長が登壇し、各会派からの意見を読み上げ、「裁決の結果、賛成少数で不採択と決定しました」と報告。

続いて質疑に入りました。

山下議員:
請願者は趣旨説明の中で、本市の漏水量の多さ(年間漏水量は山の田ダム6個分、一日平均では市民5万人分の生活用水に匹敵し…)や、類似都市と比べても漏水率が高いこと(長崎=4.8%、呉=2.8%、佐世保=10.4%)、また昨年度のダム貯水率の推移を記録した県の資料(雨の少ない時期に佐世保の貯水率は県平均より高かった)など様々なデータを示し説明されたようですが、このような説明に対して、委員会ではどのような議論が展開されたのですか?
(山下議員は当時別の委員会に出席していたため、この当ブログ12/15掲載記事を引用し質問)

草津委員長:
いま山下議員が縷々述べられた通りのことについて請願者からの説明があり、それを我々は全員きちんと聞かせて頂きましたが、それに対する質疑は一切ございません!

このきっぱりした言い切りにとても興味を感じました。その心は?
a.説明は聞きましたよ。聞いたからそれでいいでしょ!
b.説明内容は間違っていなかったので、悔しいけれど誰も突っ込みができませんでした!
c.誰かがきちんと受け止め質問してほしいと思っていたが、残念ながらありませんでした!
など、委員長の胸の内をつい想像してしまいました。
どれかな~?

実際には質疑はあったのですが、提示したデータについての質問は確かに一切なく、それがとても残念でした。このような事実を議員はどう受け止めたのか?それを知りたかったです。

本会議では続いて討論に入り、2人の議員が賛成意見を述べました。

永田議員:
請願者は請願に至った根拠として28年に市が行った市民意識アンケート調査の結果をあげています。「水の安定供給」を達成するためには、水源確保よりも水道施設の更新整備を求める声が多かった。また、漏水対策を当局が頑張っているのは認めるが、類似都市と比較するとかなり高い。佐世保の10.4%に対して呉市は2.8%だった。つまりまだまだ改善の余地があるということ。
お金も人も無限ではない。石木ダムにかけるお金を老朽化対策に使えばもっと漏水が防げる。という趣旨でした。
 委員会では水源確保と更新整備は一体であるとの意見が示されました。車の両輪のようなものだということ。しかし、石木ダムは遅々として進んでいない。裁判も始まっているし予算の執行率もごくわずか。つまり片輪しか進んでいない。それならば、確実な水源確保に繋がる漏水対策に石木ダム予算を回すべきという請願者の意見は検討に値する。
 さらに言えば、回っていない車輪を力ずくで回す、行政代執行のような強権的なやり方は市民の支持は得られない。請願者の訴えは多くの市民の声を反映するものであり、市の現状を踏まえた政策の見直しを求めるものです。

山下議員:
この請願は佐世保市自身がおこなった市民アンケートの結果に基づいてなされています。「水の安定供給」は重要な課題だという認識は共有し、それをどういうふうにやっていくかという点で、石木ダムよりも水源施設の更新整備に力を入れるべきとの声が圧倒的に多かった、それに沿った請願です。行政はこのような市民の声を重く受け止めるべきです。
 また、委員会ではダムの改修のためにダムを空にしなければできないという話だったようですが、それは違う。国交省もダムを運用しつつ改修すべきとの方針を出しているし、下の原ダムの嵩上げの時は空にしなかったじゃないですか。そして、嵩上げの結果、日量3000tの新たな水源を確保できたではありませんか。
 いま確実にできる水源確保は漏水を減らすことです。10%台の現状から長崎市並の4%台を目指してやっていくべきです。

そして採決。結果は予想通り「賛成少数」(社民党3・共産党1のみ)で不採択となりました。が、お二人の発言のおかげで、少しは胸の奥底で迷いを感じた議員さんもいたのではないでしょうか…?

永田議員の「車の両輪」という視点、なるほどですねー
山下議員の、請願者が示したデータをなぜきちんと取り上げ議論しないのか?

その通り!
立場が違っても結論は違っても、互いに向かい合うことが大事。
市民も議員も佐世保の未来を良くしたいという願いは同じなのですから。。
              
         (*^-^*)