坂本龍一さん「ホタルの季節に帰ってきたい」 

昨日、夕方のNBCニュースで、石木ダムの特集がありました。3月25日の坂本龍一さんのトークイベントを中心に、「ほたるの川のまもりびと」試写会や、地元の近況など盛り沢山の内容でした。

まもり隊でも、25日の坂本龍一さんの来訪には多大な感謝と感心を持って密着していましたので、遅ればせながらレポートさせて頂きます。


右から辻井氏、津田氏、こうばる総代Sさん、住民S子さん、坂本氏。

こうばる広場に車から降り立った坂本さんらは、SさんとS子さんの案内で、すぐにガードレールのところに歩み寄りました。皆さんが見ていたものは、

春の小川の石木川。

橋に結びつけられた色あせたリボンのメッセージを読む坂本さん。2016年秋のWTK(こうばる田んぼで野外コンサート)のとき、来場者が残していった応援メッセージです。


坂本さんは何を指さしていたのでしょう。

周辺を散策した後、一行は川原公民館へ。

36年前の強制測量時の写真を見せながら説明するS子さん。
「この時はこんなふうにおばあちゃんたちも一緒に座り込んでですね。…もう私たちが、その歳になりました…」

椅子に乗って壁にサインをする坂本さん。その椅子を押さえる辻井さん。
あ、発見!坂本さんって左利きなんですねー

こちらがそのサイン。上が坂本さん、下が津田大介さん。

「川原のうた」の看板に足を止める坂本さん。

その後、長崎へ移動。
14:10、長崎市平和会館ホールにて、いよいよ今日のメインイベント「スペシャルトークセッション」の始まりです。

いしきをかえよう実行委員会のサポーターであるパタゴニア日本支社長の辻井隆行さんから、まずご挨拶があり、スペシャルゲストのお二人をご紹介。

進行は金髪のジャーナリストでお馴染みの津田大介さん。広い知識と鋭い問題意識で、トークをぐいぐい牽引。

津田さんに投げかけられたテーマについて、常に自然体でフランクに答えていた坂本さん。飾り気のない誠実なお人柄を感じました。

三人のトークで特に印象に残った内容は、

坂本さん:石木川を見て驚いた。非常に小さい。せせらぎに近い。あんなところにダムを造る必要があるの?

辻井さん:計画から50年も経っている。人口も水需要も節水機器の普及も変化しているのに、その部分が話し合われているのか・・・

坂本さん:50年前は必要性があったかもしれない。よくあることだが、官僚とか国とか役人とかは一度決めたことは絶対変えないという悪い習慣がある。それの典型例ではないのだろうか?

必要性をきちんと考えることは大事で、そのためには三権分立や情報公開がとても重要であるという点で三人は一致。

坂本さん:アメリカは裁判官がしっかりしている。決してリベラルではないが、憲法が一番大事で、たとえトランプに睨まれても法に従う。当たり前のことだけど、それは徹底している。どんなに都合の悪いものでも公文書は全て50年間保管している。広島、長崎の原爆による放射能被害などもそれによって明らかにされた。

津田さん:原発や巨大防潮堤もそうだが、必要性の薄いものに対して、忖度や、ムリな理屈をつけて、権力に頼って作業を進めていく。そういうやり方でいいのか、意識を変えないといけない。

辻井さん:ところが、なんとなく政治の話はしてはいけない雰囲気がある。でも、坂本さんの本に民主主義の社会では「ワーワー言うことが大事」と書かれていて、そうだなと共感した。

坂本さん:ワーワー言うのは面倒くさいけど、義務だと思うから。

津田さん:いつ頃からそう思うようになったのか?

坂本さん:一番下の子が生まれたとき。彼が二十歳になった時どういう世界になっているのだろうと思うと怖くなった。僕らが享受している自然とか水とかそういうものを、後の世代に残さないと大人として恥ずかしい。環境資源は有限だから、使えばなくなる、僕らは100年前、200年前に比べるとずいぶん豊かな生活をしている。その豊かな生活のために未来の資源を奪っている。残していく使い方を考えねば。

辻井さん:僕たちもそれは実感している。30年前に登れた氷河が今はないとか、感じることができる。自然が自然の力で回復できるスピードをはるかに超えて、僕たちは資源を使っている。僕たちのビジネスは死んだ地球では成り立たない。

大事なものは何かという話の中で文化予算についての話が出てきました。

津田さん:国の道路予算は1.5兆円。高速道路に2.5兆円使っている。一方、文化予算はわずか1000億円。これはフランスの5分の1で、韓国の半分。国家予算に占める文化予算の割合でみると日本は韓国の20分の1。

これにはショック!ですね。

他にもたくさん興味深い話が聞けました。が、いずれも、もっとじっくり聞きたかったなー。

最後に会場からの質問です。
狭くて濃い地域社会に対して、ノスタルジー以外でどういった意義を感じるか?

坂本さん:15年以上前、環境問題を扱ったマンガの表紙に一瞬違和感を覚えた。それは何十年後かの日本を描いたもの。小川があってトンボが飛んでいて、風車が回っていて・・・え?50年後がこれ?と思った。僕が子どもの頃の風景に似ている。未来社会というと、自動車が空を飛んでいたり、スターウォーズの世界を思い描きがちだけど、そうじゃないんだと気づいた。ぼくたちは沢山いろんなものを壊したりゴミを残したりしてきたけれど、それらをクリーンにして、暮らしやすい環境を創るのがいい未来ではないかと思った。ノスタルジーというと失ったものを振り返るのだけれど、そうではなく、未来にそれを投射する、こっちの方がいいと選んでいく。ほたるあふれる石木川を未来に残していこう、目指していこう、と僕らの意識をかえていくことが大事だと思う。

最後の坂本さんの挨拶も素敵でした。

今日は早起きして、途中かなり眠たかったけど、現地に行けて本当によかった。また、ホタルの季節に帰ってきたい。

最後は恒例の写真タイム。

あらら・・

「まもりびと」が「まもびりと」になってますよー (;^ω^)

ま、いいか~

はい、イシキーーーーー!

優先順位はムダよりダム?

今日、佐世保市議会3月定例議会本会議において、私たちが提出した請願59号が不採択となりました。
その様子をインターネット中継で観ていましたが、

賛成したのは社民党市議の3名のみ、他の議員は皆反対。いつもと同じパターンです。
市民の63%が切望している漏水対策の強化を、市議の90%が反対したのです。もはや議員は市民の代弁者ではないようです。

この結果はわかっていました。本会議に先立ち、22日(木)、都市整備委員会で請願第59号についての審査がおこなわれ、そこでも賛成少数(賛成1:反対6)で不採択になっていましたので。

私たちがどのような請願をおこない、どのような理由で不採択となったのか、委員会の一部始終をお伝えします。

まず請願書はこちらです。
水道施設の更新・整備を求める請願書:2018年3月議会

請願者は5団体の他に、個人の方数名も名を連ねていますが、その部分は個人情報としてここでは削除しています。

また、この請願には次の資料を添付しています。
資料:水道事業業務実績

直近6年間の有効率や漏水率を示すための資料です。
このように佐世保市全体の漏水率は11%台がずっと続いています。大規模水道事業体としては、最低ランクの漏水率です。

この請願書と資料を提出したのは2月23日で、それから約1ヶ月後、ようやく都市整備委員の皆さんに直接訴える機会がやってきました。発言者4名以外に傍聴者も12名参加し、市民の関心の高さが伺えます。

まず5団体を代表して、「佐世保の水と石木ダムを考える市民の会」のRさんが趣旨説明を行いました。

佐世保の水事情について昨年から市内各地で行っている勉強会でも漏水のことが大きな話題になっている。
厚生労働省は平成20年の水道ビジョンで、有効率の目標値を98%とした。長崎市や福岡市では95%前後と伸びているが、佐世保ではいまだに88%台が続いている。
水道局長も昨年「水資源の有効活用のため、漏水への対処と将来の漏水を予防する対策を継続的な取り組みとして進めます」と言っていた。
漏水率改善の数値目標と期限を設定して水道施設の早期更新・整備を行い、漏水を減らし、限りある水資源や財源を有効に使うことで安心できる市民生活になるようお願いしたい。

続いて「石木川まもり隊」のMが2つの資料を提示して補足説明をおこないました。
まず初めは、H28年度の漏水率~佐世保市と他都市の比較です。

佐世保市=11.3%、長崎市=6.4%、呉市=4.0%、福岡市=2.0%

佐世保の漏水率が高いのは、急峻な地形や旧海軍都市(戦後海軍から引き継いだ古い水道設備が多い)という歴史的背景が理由だと当局は説明するが、地形が似ている長崎市も歴史が似ている呉市も、漏水率は佐世保よりはるかに低い。また、平成6年の大渇水で佐世保と同様に渇水被害に苦しんだ福岡市は今では漏水率はなんと2.0%で、渇水都市だったからこそ水の有効利用に力を入れてきたことが推察される。

もう1つ資料を提示しました。これは2009年に「水問題を考える市民の会」がおこなっていた勉強会で、説明に来られた水道局職員から提供された資料です。

福岡市だけでなく、あの大渇水後は多くの都市が有効率を大幅にアップしていることがわかる。特に長崎市は、どうしてこれほど短期間で漏水を減らすことができたんだろうと不思議に思い、当時、長崎市の議員さんにお願いして調べて頂いた。

長崎市水道局職員の方の説明によると、給水区域をブロック化(当時667区画)することにより漏水箇所の特定が格段と向上し、漏水発見件数が増え、漏水量が減っていったとのこと。その効果は福岡や東京でも言われているが、佐世保ではこのブロック化がどこまで進んでいるのか?
また、ブロック化した後、それを活かした調査がどこまで進んでいるのか?
福岡市では毎年2900kmの配水管の漏水調査をしているとのことで、それは配水管総延長の74%にも及ぶ。(2012年5月 福岡市における水道管の漏水防止対策より)

佐世保市ではどのように取り組んでいるのか、具体的な計画が示されなければ、私たち市民には見えてこない。昨今では国もマスコミも水道設備の老朽化について盛んに警鐘を鳴らしている。このままいくと、水道料金の大幅値上げに繋がったり、経営破綻する水道事業者も出てくると言われている。私たち市民が安心して暮らせるよう、漏水半減を目指すこの請願に是非ご賛同頂きたい。

続いて、地域での勉強会の呼びかけ人となられたお2人からも発言がありました。

Yさん
私は梅田町の17班に住んでいるが、ここ3ヶ月で2回も漏水が起きた。業者が来て応急処置をしてもらったが、業者はどこから漏れているのかわからなかった。1か月後にまた漏れ出した。水道局も古い配管の把握ができていないようだ。これらは地上にあふれ出たから漏れがわかったが、地中に滲み込んでいく漏水がかなり多いのではないか?早く手を打たないと後手後手になってしまう

Nさん
私は仕事で南アジアの方で暮らしたことがあるが、電気や水などのライフラインが劣悪だった。それに比べて日本はたいへん恵まれている。私たちは清潔な水を必要なだけ使って暮らしている。
市長や水道局長はさらに潤沢に供給するために石木ダムが必要だと言っているが、他者の住居を移してまで私たちは潤沢な水を求めてはいない。
漏水を止め、今ある資源を有効に使っていくことこそが重要だと思う。

その後、質疑に入りました。

橋之口委員:
他都市と比較すると佐世保の漏水率が高いのは確かで、それは水道局もわかっている。一方で、昭和47年から200億円のお金をかけて老朽管の張り替えをやっている。最近では年間8億円のお金をかけて7kmほど張り替えている。倍の張り替えをやるならコストも倍かかる。当然、水道料金に跳ね返る。それでもいいと市民は考えるだろうか?

Rさん:
予算は当然限られている。その中で何を優先するのかということだろう。他の部分を削るか、それでも足りなければ、きちんと市民に説明してお願いすることも必要だろう。勉強会の中では、漏水対策のための値上げに理解を示す市民もいた。しかし、余分な出費があるのでは?との意見もあった。

M:
優先順位の検討だと思う。例えば、石木ダム関連の来年度予算は4億2千万円で、漏水調査費は600万円しか計上されていない。これではあまりにも少ない。長崎市が漏水を止めると決意してからの調査費は、年間1億3千万円を超えていた

林委員:
「漏水率の半減を期限設定して」とあるが、これはどういう意味か?1年間でという意味か?

Rさん:
いま11%台で推移している。厚労省は有効率の目標値を98%としている。(つまり漏水率は2%)2%台は難しいとしても、せめて半減を目標にするとか、5年間でこれだけ減らすとか具体的な目標値を設定してほしい。5年間で5%前後改善した都市もいくつかあるので、5%とかを目標にしてもいいと思う。

林委員:
そのような趣旨は理解できるが、やはり佐世保の特殊性はある。地形とか基地の町とか、北松地域は産炭地であるとか。そこで水源の確保を目指すという歴史的背景がある。請願の趣旨は理解するものの、水道局の今年度の漏水対策は正しいのではないかと思っている。

永田委員:
期限を設定してというのは、30年度の中でという意味なのか、いつ頃までを想定しているのか?

Rさん:
30年度の予算はもう出されているし、それほど短期間でとは考えていない。今後の漏水対策を立てる際の要望としての請願である。

ここで質疑は終了、4時間後の裁決には代表者をはじめ4名が傍聴しました。

裁決の前に委員たちは各会派でまとめた意見と共に、請願への賛否を述べました。

市政クラブ:
水道局も重点施策として漏水対策を掲げている。
佐世保市は過去5年間に20億円をかけているが有効率の改善は0.8%である。半減(5.65%)を目指すなら水道料金に影響する。市民負担が大きくなる。老朽化だけでなく、喫緊の課題のダムにも対応していかねばならない。賛同は難しい。

緑生クラブ:
有効率が頭打ちなのは、ダムとの関連で二重投資の部分があり遅れているのだろう。その中で半減という目標は難しい。会派としては反対する。

市民クラブ:
30年度の管路更新はこれまでよりも2億円多い10億円が予定されており、水道局は有効率向上に努力している。半減となると莫大な経費が掛かり市民負担が大きくなり、他の事業への影響も出てくるので賛同できない。

社民党:
有効率が下がっているのを見ると、施設の老朽化が更新努力に追い付いているのではないか。この請願は30年度予算ということではなく、5年10年のスパンで目標値を設定してくれということである。2年後の水道ビジョン策定のとき、議会と行政が協力してやっていける課題であり、賛同する。

自民党:
都市計画税の大半を下水道事業に回している。それは市民の負担を減らすためである。損益分岐点を見る限り、老朽管の早期更新となると、収支バランスのやり直しが必要となる。この委員会だけでなく特別委員会での審査も経て慎重にやらなければならない。この請願の妥当性は確認できない。趣旨は理解できるところもあるが、「早期」という点で無理があり、不採択である。

公明党:
皆さんの気持ちはよくわかるが、漏水だけをやっていくわけにはいかない。全体的な観点から考えると財政的にも難しいところがあり不採択とさせて頂く。

以上です。
つまり、反対理由は、大きくわければ3つ。

➀水道局も漏水率の高さは認識しており、重点施策として取り組んでいる。

➁漏水半減を求めれば市民負担が大きくなる(水道料金値上げに繋がる)

➂早期の対策となると莫大な経費がかかり他の事業(石木ダム)への影響も出てくる。

平たく言うと、
➀水道局も毎年それなりのお金をかけて頑張ってるしー
➁漏水を半分に減らすには水道料金を上げなければならなくなるけど、それでもいいの?
➂漏水対策を急ぐなら他の事業(石木ダム等)の予算を削らなければならなくなり、それは困る。
ということのようです。

でも、それは違うと思います。

➀私たちは水道局が頑張っていないとは思っていません。でも、現実に漏水が減らないのなら、その原因と対策を追求するのは当然のこと。頑張ってるからそれでいいと目をつぶるのはおかしいでしょう?
佐世保市水道局は確かに老朽管の更新にはお金をかけています。しかし、漏水調査にはあまりかけていません。長崎市や福岡市に比べるとごくわずかです。漏水を減らすには漏水箇所の発見が先決ではありませんか?なぜそれに力を入れないのか、それが不思議でなりません。

➁水道料金の値上げをしなければ漏水対策が進まないというのは論理の飛躍です。無駄な事業の見直しや優先順位の見直しが先です。一般企業では考えられない発想です。

➂石木ダム予算を削られるのは困る?つまり、優先順位は漏水を減らすことよりも石木ダム建設が大事?ムダを無くすよりダムを造ることが大事。それが本音?

今日の本会議で賛成討論をなさった永田議員はこのように述べていました。

請願者は石木ダムと結び付けたくはないと言っていた。それでも議会がダムの関係を理由に反対するのであれば、「自分たちの漏水対策が他都市に比べて不十分なまま、お宅の土地を明け渡してダムを造らせてくれと言えるのか」と言いたい。
今回の請願は多くの市民の思いであり、佐世保市水道の現状を踏まえた現実的な対応を求めるものである。

そうなのです。
多くの市民がそう思っています。
石木ダムがあった方がいいと思ってる市民でも、こんなに漏水が多いと「お願いしよう」と言われても、お願いしにくいよな~と。

それがごく普通の心理ではないでしょうか?
自分が水を無駄にしてることは改めないで「水が足りないから、もっとちょうだい」とは、よほど図々しい人でも言えませんよね~

サセボシギさんの多くはよほど図々しい人以上?ってことになるのかな~(>_<)

「清流に殉じた漁協組合長」出版記念イベントご報告

みなさん、こんにちは。

石木ダム水没予定地住民のいしまるほずみです。

わたくし、先日3/18(日)に東京で開かれた「清流に殉じた漁協組合長」出版記念イベントに長崎県石木ダム問題の当事者代表として登壇してまいりました。

今回はそのイベントについての報告をさせていただきます。

まず、このイベントについては先に山形県の最上小国川(もがみおぐにがわ)ダムで起きた事件について触れておかねばなりません。

山形県の最上小国川ダムは治水専用の穴あきダムとして現在も建設が進められています。

長崎県の石木ダムと同様に何十年も前から存在する無駄な公共事業です。

最上小国川ダムの場合は、地元の小国川漁協組合長の沼澤勝善組合長を中心にダムに反対する運動を頑張っておられました。

最上小国川ダムの反対運動はジャーナリストの相川俊英さん曰く「孤軍奮闘型」で、ダム反対派への圧力というのを漁協組合長の沼澤さんがモロにかぶるカタチで繰り広げられていたようなのです。

そんな沼澤組合長が、2014年2月10日の未明に突然、自ら命を絶ちました。

いったい、なぜ!?

この本は、最上小国川ダム事件をめぐる腐った非民主主義について徹底取材がなされており、しかも4年というの歳月をかけて世に送り出された本です。

「清流に殉じた漁協組合長」の著者でジャーナリストの相川俊英さんは、この最上小国川ダム問題で起こった事件をめぐり、ここには「草の根非民主主義」の一番悪しき公共事業があり、この場所には公共事業の進め方に住民主導型が全くない、欠落していると話しておられます。

この本、読むのもしんどい…書く方はもっとしんどい…!出版社はもっとしんどい!!のでございます。。

でもね、

この事件をなかったことのようにして私たちは生きていってはいけない!と思います。

このような、自殺者を出すようなダムが本当に必要な公共事業でしょうか?

最上小国川ダムの悲劇を繰り返してはならない、これが相川さんからのメッセージのうちの一つと思います。

ところで、

それぞれ三人のゲストの発表の後には、「清流に殉じた漁協組合長」を出版した出版社「コモンズ」の編集長大江さんの司会進行でゲスト三人と40分ほどディスカッションを行いました。

このイベントの一番の聞きどころはこのディスカッションではなかったでしょうか?

大江さんの司会進行が素晴らしかったです。

それにしても、後でユーチューブにアップされたイベントの動画を確認していると、私は一つ、相川さんの質問にうまく答えていない箇所がありましたので、そこだけ補足させてください!

その質問とは、「今までいろんな住民運動を見てきたが、石木ダムの反対運動は若い人が多く活動に関わっている、このご時世にいったいなぜ!?驚異!!びっくり仰天!!!なぜなのか取材者として一番聞きたい」というようなものでした。

う〜ん…

実は、私もはっきりと答えを持っているわけではないんですよ。。

だから、うまく答えられてないんじゃないかな?と。

私なりに思いつくことを箇条書きで挙げてみると、

・石木川まもり隊の隊長さんが老若男女問わず受け止められる人柄の持ち主
→若い人のフォローができる熟年の大人がいる

・私自身もまだ若い(取り組み始めの年齢は28歳でスタート)
→その周りに若い人が集まりやすい傾向がある

・私自身「活動家」ではなく「地元のイラストレーター」(堅苦しさがない)
→イラスト発信は従来のダム反対運動では補えていなかった情報発信を可能にしている

・ネット発信ができている(ウェブサイトもあるしSNSも有効に使っている)
→ネット環境、特にSNSを使う世代に情報が提供されている

・パタゴニアの全面支援でさらにポップなイメージになった
→アウトドアをする人たち、どちらかというと若い世代に影響力がある

・石木ダムの水没予定地の住民にも若い人、子どももちゃんといる
→映画「ほたるの川のまもりびと」をご覧になればご理解いただけると思います

このイベントには、相川さんと私の間にもう一人、登壇者がおりました。

水源連(水源開発問題全国連絡会)の遠藤さんです。

石木ダム問題でも大変お世話になっております。

遠藤さんからは、全国のダム問題の状況と、石木ダム問題についてお話いただいてたんです。

日本は、今でもダムを造り続けています。

石木ダム以外にも、まだまだまだまだ……まだ、今でも全国各地で作ろう作ろうと国は動いているんですよ。

そんな全国で建設が進められているダムに触れ、ダムの良い点(ほとんどないけどさ)というか、悪い点がいっぱいあるんで(良いところなんて実際のところほとんどないんですよね…)、そこのところを説明したり、

一方で、中止になったダムについても触れたり、ダムが撤去された例もあるので…全国で唯一荒瀬ダムの件ですね、そこにも触れられました。

あと、ダム事業の見直しの歴史についても触れられました。

1997年から、年表で見てみるとあらあら…結構頑張って中止してるのかな?と感じる部分もあります。

だけど、肝心の石木ダムはなぜか中止にならないんだな〜…

そうそう、それに、ダムを作るための法的措置はいっぱいあるんだけど、ダムを止める法律は何もないのも問題なんですよね。

「土地収用法」もそうだし、裁判中でも工事が止まらない!「執行不停止の原則」も大問題です。

それでも、「ダムを止めるにはどうしたらいいのか?」ということなんですが、この部分については相川さんも遠藤さんもほとんど同じようなことをおっしゃっています。

遠藤さんは、無駄な公共事業、無駄なダムを止めるには、公共事業に負けない「体力」が必要!とおっしゃっています。

ここでいう「体力」とは、「地域への愛着」とか、「公共事業に頼らなくても地域住民たちで町を活性化させることができる、地域の営みを維持できる」ことかと思います。

そして、こういった「体力」がない地域が、今後、無駄な公共事業のターゲットになりうる…とも。

また、相川さんは、「地元を良くするためには、自分たちで話し合って考え、地域を活性化させる」こと、そのために、「普段よく話をする隣にいる人にまず話しかけて、問題を共有することから始めて、多くの人が関心を持つようになって欲しい」と訴えました。

最後に私からも一言、

石木ダムの場合は、若い人も多く活動に参加してくれていて、あまり政治的な匂いのするアピールは避けたいところ。

なので、「#いしきをかえよう」というキャンペーンが行われていたり、私自身もできるだけ楽しく活動できるよう頑張っていて、今まさに、石木の場合は、「イメージチェンジを実行中」かなと思っています。

なお、このイベントの模様は、ユーチューブの方でもご覧いただけます。

会場にお越しいただいたお客様には、持ち込んだ石木グッズも買っていただきました。

コモンズさんには、謝礼までもいただいております。

これらのお金は、これから新しく作る石木グッズの製作資金に充てさせていただきます、本当にありがとうございました!

最後に、今月3月いっぱいで石木ダムの署名「説明不足のまま進む、税金538億円を費やす石木ダム建設。長崎県は一度立ち止まり、公開討論会を開いてください。」が終了いたします。

ぜひ、みなさんの参加をよろしくお願いします。

《電子署名はこちらから》
goo.gl/kM65dB

署名へのご協力をお願いします

みなさん、こんにちは。

石木ダム水没予定地住民のいしまるほずみです。

3/18(日)は東京でのイベント、3/20(火)は長崎地裁の裁判!

めまぐるしい日々を送っています。。

つい先日の春田おこしがはるか昔のことのようです…

そして、3/25(日)はあのイベント!

「ほたるの川のまもりびと」上映後に坂本龍一さんと津田大介さん、パタゴニア日本支社の辻井支社長が登壇するトークショーも開催されます。

私も行きます!行きますとも!!

地元から、マイクロバスでごっそり参ります、みなさん、どうぞよろしくお願いします。

[予約優先です!予約はこちら] https://ishiki0305.peatix.com/

===========================================
2018年3月25日(日) 開場 12:00 開演 12:30
会場:長崎市平和会館ホール(平和会館3階)
http://www.city.nagasaki.lg.jp/sisetsu/5090000/p011037.html

12:00開場

12:30開演(映画上映)

14:00休憩

14:10トークショー

15:10終了

全席自由席(600名)*予約優先

*駐車場は施設全体のものになるため、数に限りがあります。
公共交通機関をご利用ください。

アクセス:JR長崎駅~車 10分

    ~バス 13分(浜口町下車) 徒歩 5分

    ~路面電車13分(浜口町下車) 徒歩 5分

http://nitca.at-nagasaki.jp/facilities/detail.php?cid=1&id=4

そして、

#いしきをかえようキャンペーン、盛り上がっているみたいです!

色々とあって、私は街頭署名活動にはほとんど参加できていませんが、いろんな方が入れ替わり立ち替わり参加してくれています。

本当に感謝しております!

長崎県に公開討論会を求める石木ダムの署名活動ですが、今月いっぱいで締め切られます。

石木ダム問題って、とてもローカルな問題のように見えますが、「日本の公共事業の分岐点」と称しても大げさではないのですよ!

もし、石木ダムが私たち13世帯54人の人を強制排除して完成しようもんなら、これはエラくヤバすぎることなんです!

これをやらせてしまったら、今後は全国どこでも、権力を握っている一部の人が「あ、ここにこれ作りたいね〜」とひらめいたらば、必要のない事業でも、どんなに市民が抵抗しても、全部強制収用可能ということになります。

石木ダムの事業認定取消訴訟の裁判も結審し、7月9日に判決が出ますね。

この裁判には、今後の日本の公共事業の行く末がかかっているんです。

絶対に負けられない闘いです。

裁判所は国民を見ています。

みなさんが石木ダム問題に関心があるをとを示してくだされば、裁判所もその注目度を無視することはできません。

私たちが集めている署名は、石木ダムに賛成、反対を問うものではありません。

長崎県民の8割が説明不足と答えている石木ダム問題について、長崎県に公開の場で説明を求めるものです。

全国のみなさんにお願いです。

この署名に是非ご賛同を頂き、長崎県や裁判所に強いインパクトを与えるお手伝いをどうぞよろしくお願いします!

「説明不足のまま進む、税金538億円を費やす石木ダム建設。長崎県は一度立ち止まり、公開討論会を開いてください」
《電子署名はこちらから》
goo.gl/kM65dB

事業認定取消訴訟、結審


2018年3月20日、石木ダム事業認定の取消を求める裁判が結審しました。


2015年11月30日に提訴し、2016年4月25日に第1回口頭弁論以来2年間の時を費やし、13回目でようやく結審です。

この間、県は、裁判中を理由に地権者や県民との話し合いを拒否し続け、一方では裁判中であるにも関わらず工事を強行し、私たちは理不尽な思いを抱き続けてきました。

そんな思いをしっかり詰め込んだ最後の意見陳述書を、2人の原告と3人の代理人弁護士が読み上げました。

満席の傍聴者はもちろん、裁判長や裁判官も全身で聴き入っていました。
ぜひ、これらの陳述書をご覧ください。
そして、よかったら拡散してください。

原告:岩下和雄さんの陳述 意見陳述:岩下和雄さん


私は,今月23日で71歳になります」ここで岩下さんの言葉が途切れました。
なぜだろう?やっと声を発したとき、その声には涙が混じっていました。
なぜこんなところで?との疑問はすぐに解けました。

続く一文「石木ダム建設計画が持ち上がってから50年あまり,人生の大半をダム問題に翻弄されてまいりました」を読もうとして、きっと書き尽くせない翻弄された記憶が走馬灯のように蘇ってこられたのでしょう。
その後の文章を目で追いながら、傍聴席には鼻水をすする音が広がっていました。

原告:岩本宏之さんの陳述 意見陳述:岩本宏之さん


岩本さんは冷静に淡々と読まれましたが、そこには、私たちが知らなかった様々なご苦労が記されていました。

このように、私が住むこうばる地域は長い間、石木ダム計画があるために、差別的な取り扱いを受け続けています。 それでも、私は、必要のないダムを造るために、これまで先祖代々、長年住んできたこうばるの地を離れることを絶対に受け入れることはできません」「この問題を私たちの世代で終わらせて、次の世代に安心してこうばるで暮らすことができる機会を与えてください」と訴え、「それを実現するためには、事業認定を取り消すという方法しかありません」と結ばれました。

板井弁護士の陳述 意見陳述:板井弁護士


副団長の板井弁護士は、玄海原発再稼働差し止めを求める裁判の関係(この日、佐賀地裁は仮処分申し立てを却下)で、こちらには来られず、平山弁護士が代読。

板井弁護士は川辺川ダム訴訟等豊富な経験と知識に基づき、治水の本質や他ダムの事例も述べた上で「私たちは、ダム一般について建設反対を申し上げているのではありません。かように問題点が多い石木ダム建設計画の事業認定は取り消されるべきであり、行政の行き過ぎを規制することが司法である裁判所のやるべきことだと思うからです」と述べ、「裁判所が取り消し判決をだして頂ければ、あとは私達が石木ダム建設中止に向けて力一杯努力いたします。それが、判決を出して頂いた裁判所の努力に報いる道であり、この事件に関与した者としての責任だと思うからです」と結ばれました。私たち傍聴者も身の引き締まる思いで聴き入りました。

毛利弁護士の陳述 意見陳述:毛利弁護士


毛利弁護士は、石木ダムの具体的な必要性は,利水面,治水面いずれも存在しないことが証拠上明白になったことを指摘し、「結局,石木ダムの必要性とは,水はたくさんあればそのほうがいい,防災対策はあるにこしたことはないというレベルにすぎない」「具体的な必要性もないのに,13世帯の地権者を強制的に排除してまで,不要な石木ダムを建設するなどあり得ないことであり,また多くの長崎県民,佐世保市民も,そのような暴挙を望んではいません」「この違法不要なダム建設事業の事業認定を取り消すことは裁判所の責務です」と断言されました。

馬奈木弁護士の陳述 意見陳述:馬奈木弁護士

事実をありのまま見て下さい

それが馬奈木弁護士がもっとも訴えたいことでした。
原告みんなの思いでもあります。

行政の広範な裁量権」まるで黄門様の印籠のよう。
科学的な視点や合理的な判断を要することでも、『裁量』という言葉がそれを吹き飛ばしてしまいそう。そうであってはいけない。

現地で毎日生活している原告たちが、本件事業によって奪われてしまうものが、一体何なのか、ということも、澄んだ目で見つめて欲しい」

本件事業は、行政の「裁量権」の範囲を超えています

判決は7月9日15:00です。

公正な判決が出されることを、私たちは信じています!

続・「清流に殉じた漁協組合長」出版記念イベント

みなさん、こんばんは。

石木ダム水没予定地住民のいしまるほずみです。

ここのところ、なんだかすごく忙しくて大変です。。

でも、頑張っていますよ〜

今週は天気が良い日に我が家の田んぼの春田おこしをしました。

今年から、私も耕運機に乗る練習を始めました!

精神科の薬が随分と減ったことで、頭がぼーっとしなくなったし、ストレスでお腹を壊したりすることが少なくなりました。

以前より活動時間が長くなったので、体力も徐々についてきて耕運機に乗れるまでに回復しました。

さて、忙しいけど、大事なイベントが迫ってきました!

ジャーナリストの相川俊英さんが新しく出版された「清流に殉じた漁協組合長」の出版記念イベントに私も登壇します。

イベントに参加するには予約が必要とのことですが、多分、当日ふら〜っと訪ねてきても大丈夫、入れると思います!

ぜひ、ご参加よろしくお願いします。

相川さんが、イベントについての意気込み??を綴って下さっていますので、以下、添付します。

明るく楽しいとはとても言えない新作「清流に殉じた漁協組合長」の出版を記念するイベントが今度の日曜日、午後二時から都内の麻布台で開かれます。

詳細は下記をクリックしてください。

http://www.commonsonline.co.jp/event/event2018/20180318seiryu.html

著者の当方も会場ですこーしお話をさせていただきます。

拙著は、忖度追従沈黙に覆われた日本の草の根の社会で生じた事案を客観的に綴ったもので、どなたにとっても読むのがしんどい内容となってございます。

なにしろ書かれている内容が、心地よく心に響く主義主張ではなく、できれば直視したくない不都合な事実の集積であるからです。

著者の当方、臨床政治学の本だと思っております。

臨終政治学ではないですよ。

どなたかがよくおっしゃっていた「美しい国、日本」の森友のごみのような実態は、実は、こういう無数のくさったような草の根の社会によって形成されておると存じます。

事前申し込みなどはそうお気になさらずに、ふらーとお立ち寄りいただけたらと思います。

日本はたいへん広うございます。

くさったような草の根の地域だけでなく、光り輝くような草の根の地域も数は少ないですが、たしかにございます。

当日、そうした地域の方が遠方からわざわざ都内にいらしてお話をしてくれます。

会場で直接、お話をうかがったら、必ずや「この社会もまだ捨てたものではないな!」と、思われるでしょう。

当方が現地をお邪魔してお話をうかがって感じたように・・。

そうそう、こんな機会はめったにないかと存じますよ。

気が滅入るようなお話はいつでもどこでも簡単にうかがえます。

なにしろ目の前にゴロゴロころがってございますからね。

ひょっとしてそうしたところにお住まいかもですね。

しかしながら、そうではない地域のお話をうかがうことはとっても大変なんです。

それからもうひとつ。

拙著を熟読していただいてからこの地域のお話をうかがうと、その価値がより鮮明にお分かりになるかと存じます。

そして、わたしたちにできることは何なのかについてもです。

ジャーナリスト・相川俊英

相川さんがおっしゃっている「光り輝くような草の根の地域」!

そう、それはもちろん、長崎県東彼杵郡川棚町の「こうばる地区」のことでございます!

会場で直接、お話しするのは、そう!「ほーちゃん」でございます!!

私のお話を聞いた皆さんが、きっと「この社会もまだ捨てたものではないな!」と思えるよう…しっかりと地元のことをお話ししたいと思います。

そういえば、プロデューサーの小林武史さんも佐世保でのイベント「ほたるとマルシェ」で相川さんと同じようなことをおっしゃっていた気がします。

「この石木ダムがもし止められたら、まだまだこの世の中も捨てたものじゃないと思える…」

そんな感じのことです。

最上小国川ダムの現場で行われている「非・草の根民主主義」(イジメ)っていうのは、ここ石木ダムの現場でも起こっていることです。

そのありとあらゆるイジメにどうやって地元が立ち向かっていってるのか、そこまで30分程度の持ち時間で上手く話せるかどうか自信ないですが、最後にみんなでディスカッションの時間もあるので、そこでうまいことみなさんに引き出していただければなぁ〜と思います!

みなさんのお越しをお待ちしております!

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3月18日(日)
“ダム問題は終わっていない”
―『清流に殉じた漁協組合長』出版記念イベント

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■日時:2018年3月18日(日)14:00~16:30(開場13:30)

■登壇者:
相川俊英(『清流に殉じた漁協組合長』著者/地方自治ジャーナリスト)
遠藤保男(水源開発問題全国連絡会共同代表)
こうばるほずみ(石木ダム建設に反対する地元地権者)

■参加費:1000円
(クラウドファンディングで5000円以上
ご支援いただいた方は無料で参加することができます
チケットをご持参ください。)

■会場:東京麻布台セミナーハウス・大研修室

〒106-0041 東京都港区麻布台1-11-5

地下鉄日比谷線 神谷町下車(E1出口)徒歩3分
都営三田線 御成門駅下車 徒歩10分
都営大江戸線 赤羽橋駅下車 徒歩8分
都営浅草線・大江戸線 大門駅下車 徒歩8分
JR 浜松町駅下車 徒歩20分

http://www.keiho-u.ac.jp/research/asia-pacific/access.html

■お申し込み
https://ssl.form-mailer.jp/fms/ec53eb6b554112

院内集会「石木ダムから見る土地収用法」

たいへん遅くなりましたが(;^ω^)、去る3月1日、衆議院第2議員会館多目的会議室にて開催された勉強会「石木ダムから見る土地収用法」(公共事業改革市民会議主催、公共事業チェック議員の会後援)についてご報告します。

この日は国会開会中で、議員ご本人の参加が少なかったのは残念ですが、75名もの方が集まって公共事業について、特に石木ダム問題について意見交換できたのはとても有難く、有意義な集会でした。

国会議員関係者は次の13名です。

国会議員
・公共事業チェック議員の会会長:荒井聡衆議院議員(立憲民主党)
・同事務局長:初鹿明博衆議院議員(立憲民主党)
・同事務局次長:大河原雅子衆議院議員(立憲民主党)
・寺田 学衆議院議員(希望の党)
・堀越啓仁衆議院議員(立憲民主党)

秘書代理参加の国会議員
・笠浩史衆議院議員(希望の党)
・宮本徹衆議院議員(共産党)
・佐藤こうじ衆議院議員(希望の党)
・山崎誠衆議院議員(立憲民主党)
・松田功衆議院議員(立憲民主党)
・川田龍平参議院議員(立憲民主党)
・早稲田ゆき衆議院議員(立憲民主党)
・吉良よし子参議院議員(共産党)

まずは開会挨拶:「公共事業改革市民会議」代表の橋本良仁さん。
下筌ダム反対運動の室原知幸さんの言葉「公共事業、それは理に叶い、法に叶い、情に叶うものでなければならない」を忘れてはならない。そうでなければ、どのような公共事業も挫折するだろう。
フランスのバニュー市を訪れた時、市長が言った。「私たちは25年かかって都市計画を実施した。一人の反対もなく行われる、それが公共事業ではないか」と。 

続いて公共事業チェック議員の会会長の挨拶:立憲民主党衆議院議員の荒井聡さん


日本の借金1000兆円の半分500兆円が公共事業関連。コンクリートの耐久年数は50年であるから、1年に10兆円のツケが負わされる。やればやるほど後世に負債を残すだけ。新たな公共事業は本当に必要なものだけにすべき。

次に「ほたるの川のまもりびと」制作者の挨拶:パタゴニア日本支社長の辻井隆行さん。


アウトドア衣料メーカであるパタゴニアが石木ダムに関わるのは、自然環境保護・人権保護・民主主義への思いから。
石木ダムは九州の小さな問題では決してない。日本の公共事業の分岐点となる事業である。完成させれば日本初の行政代執行によるダムとな
り、中止すれば日本初の住民が行政代執行を断念させたダムとなる。

石木ダムの現状について:現地地権者の岩下和雄さん


連日工事現場に座り込んで抗議行動をおこなっているが、県は毎日20名の職員を集めて私たちを排除して工事を進めている。3月20日事業認定取消訴訟結審、6月ごろ判決と言われている。判決を期待しているが、期待を裏切られても闘い続ける。長崎県は自分で中止できない。止めることができるのは国交省であり、政治的な取組が必要。皆さんからの支援をお願いする。

受益予定者とされている佐世保市民の思い:松本美智恵
石木ダムはだれのために造るのか。人口減少が続く中でこれから水需要が大幅に伸びるとする佐世保の水需要予測は過大で、有り得ない。
佐世保市水道の喫緊の課題は漏水問題である。一日平均、佐世保市民5万人分の生活用水が漏れており、市民は水源開発よりも水道施設の更新・整備を望んでいる。

土地収用法について:水源連の遠藤保男さん


土地収用法が公共事業推進法になっている。事業認定申請が強制収用に直結している。住民参加の確立と行政訴訟係争中の事業執行停止が急務の課題。

寺田 学衆議院議員(希望の党)
諫早問題で石木ダムを知り、現地も視察した。石木ダムを何とかできないかと思っている。様々な形で力になりたい。

堀越啓仁衆議院議員(立憲民主党)


下仁田町の自然の中で育った。自分が幸せになるために誰かが犠牲になってよいのか。石木の皆さんに犠牲を強いることはなんとしても止めさせたい。

大河原雅子衆議院議員 公共事業チェック議員の会事務局次長 立憲民主党


公共事業チェック議員の会に戻れたのは本望。無駄な公共事業が安倍政権の下で止まらない。政府の数字は全く信頼が持てない。八ッ場ダムの失敗を繰り返さないために、皆さんと力を合わせたい。

会場から
・事実を知って広めたい。
・逆開発=不要なダムなどを撤去する事業を進めたい。
・事業認可の欺瞞性・有識者会議の欺瞞性
・土地収用法を変えるには大きな力が必要
・事業再評価~監視委員会が機能していない。
・社会資本審議会公公共用地分科会を公開にし、傍聴を認めるべき。

閉会あいさつ
公共事業チェック議員の会事務局長:初鹿明博衆議院議員(立憲民主党)
東日本大震災で治水に関心が行ってしまし、止めるべきダムを止める勇気を持てなかった。防潮堤防も止められなかったのは本当に残念。
当時の与党の一員として反省に立ち、不要な公共事業を止めるべく、今後も国会で頑張りたい。今回の選挙で議員の会も復活してきた。できるだけ現地に行って自分たちの目で判断したい。行動する議員連盟でありたい。
こういう形での勉強会等を定期的に持ちたい。

(お話に聴き入っていたら写真を撮るのを忘れてしまいました!残念!)

ここに参加された議員の皆さんは、確かに、公共事業の現状への危機感や改革の意欲を十分持たれているようで、たいへん勇気づけられました。
これからの動きに期待したいと思います!(‘◇’)ゞ