控訴審 第2回口頭弁論 再評価を実施しないのは・・?

3月11日、石木ダム事業認定取消訴訟控訴審の第2回口頭弁論が福岡高裁でありました。

今回は、前回よりも少し広い法廷(前回は傍聴席80、今回は84)でしたが、今回もほぼ満席!福岡市民の皆さんも11名傍聴。ありがとうございました!

長崎県内からは、長崎市発諫早経由と、川棚発佐世保経由の2台のバスをチャーターして向かったのですが、川棚発のバスが途中渋滞で遅れ、門前集会に間に合わず、皆さんにご心配ご迷惑をおかけしました。原告団事務局としてお詫びいたします。次回はもっと余裕をもって出発しますねー

さて、本題です。

今回の弁論で原告側代理人は、第3~第6の準備書面を提出し、その要旨を法廷で読み上げました。

第3、第5、第6が利水関係で、その要旨はこちらです。
19.03.11-利水関係準備書面要旨

傍聴席から見て裁判長の左(右陪席)の裁判官が、諫早湾開門判決を無効にした方だと知ったNさんは、つい「悪いヤツ!!」なんて書きこんじゃってます。

第4は治水関係で、その要旨はこちらです。
19.03.11治水関係準備書面要旨

 

今回弁護団が一番強く主張したのは、ダムの必要性の根拠となる水需要予測の再評価を佐世保市が避けている事実です。

佐世保市は2012年度に再評価をして以降、これまでずっとやっていません。本来であれば5年後の2017年度に実施すべきものですが、市はあの手この手を使って、それを避けているのです。

なぜそこまで再評価を嫌がるのか?それは、いま再評価をすると、石木ダムが必要という結果を出すのが難しい、それがよくわかっているからに他なりません。2012年度の時でさえ数字合わせに四苦八苦したのに、これ以上は無理!と自認しているからでしょう。

しかし、どんなにあの手この手を使っても、2022年度には再評価をしなければならない。これは必須です。そして、それは石木ダムの完成予定年度です。

再評価の結果石木ダムは不要との結論が出ても、もう出来ているか完成間近…その時、その責任は誰が取るのか?巨額の血税を無駄にした責任は誰が取るのか?こうばるの住民を追い出し、暮らしもコミュニティも人生も破壊した責任は誰が取るのか?

土木部長か?知事か?佐世保市長か?佐世保市水道局長か?誰も取らないし、取り得るはずがない。取り返しのつかない事態になるだけ。

だからこそ、いま、その事態を回避するために、私たちは裁判で闘っているのです。

しかし、この闘いに勝つのは現実的にはたいへん難しい。なぜなら…

その理由の1つが「コッカムトウセキ」の論理だと、馬奈木弁護団長。

コッカムトウセキ?初めて聞く言葉です。調べてみました。

「国家無答責」=王は悪を為さず=国家に間違いはない、という戦前の論理。

違法な公権力の行使によって個人が損害を受けても、国が間違いを犯すはずはないので責任は負わない、という考え方。

戦後は、憲法17条で、「何人も,公務員の不法行為により,損害を受けたときは,法律の定めるところにより,国又は公共団体に,その賠償を求めることができる」と定め、この規定を実施するために国家賠償法が制定されたのです。

ところが、未だに国家は国民より上だと勘違いしている公務員が多く、それだけでなく、国と国民は対等平等であることをわきまえていない裁判官も多い。だから行政訴訟で勝つのが難しいのだそうです。

私たちが勝つには「社会通念」が大事。

水俣病訴訟は社会通念=水俣病は国に責任があると大多数の国民が思っていた=で勝てた。

原発は社会通念=国民の多くは原発が必要だと思っている=によって負けた。

嘘でしょ?国民の多くは原発は無くしたいと思っていますよ。世論調査をすると半数以上が反対ですよ。

と言っても通用しない。だって、ほとんどの人が九州電力の電気を使っているでしょ?原発で作った電気を使っている、つまり原発を容認していることになるのだそうです。(えー!そうなるの?それは大変!急いで対策を講じよう…)

やはり、とにもかくにも、石木ダム要らない!の世論をもっともっと大きくしなくちゃ…ですね。 (^^)/

 

次回は7月3日(水)14:00~です。