TBS「報道特集」の反響について

みなさん、ご覧いただきましたでしょうか!?

6月20日にTBSの「報道特集」で放送された「ダム予定地に生まれて」はこちらで見れます。
見逃した方、ご存じなかった方、ぜひご覧ください。
https://dailymotion.com/video/x7ukhyg

ツイッター上ではこんなハッシュタグが出てくるようになりました。

#石木ダム建設計画の見直しを求めます

スーパースターの俳優、伊勢谷友介さんもツイートするほどの影響力!

https://news.yahoo.co.jp/articles/55a9c32d5675fa9adb76619bee69f78710694a3e

現在は主にツイッターを管理している水没予定地住民のほずみですが、
放送直後から自分が管理しているアカウント「石木川まもり隊」の通知が鳴り止まないという、うれしい悲鳴!
これが2,3日ほどずっとつづきまして、今現在は落ち着いておりますが、いやぁ〜、本当にすごかったのです。

自分が管理しているアカウントの対応に追われていたので全体像はよくつかみきれていません…

だけどおそらく、ツイッター全体ではもっとなんらかの反応で溢れかえっていたのではないかと思われます。
また、全国版のテレビ放送でしたので、ネット上だけでなく、電話での激励もたくさんいただいております。

中には新潟で以前起きた豪雨のダムの放水で一階の天井まで水に浸かるという浸水被害を受けた方から、「ダムは絶対に作らせてはいけない!」と電話があったり…(一時間の長電話)

みなさん、応援いただき、本当にありがとうございます。

おそるべし!「報道特集」。

みなさんへの感謝の気持ちでいっぱいです。
それに勇気をいただきました!

6月20日『報道特集』で石木ダム!

ビッグニュースです!

今週土曜日の夕方、『報道特集』で石木ダム問題が全国に発信されます!

『報道特集』って何?
とお思いの方も中にはいらっしゃるかもしれないので、念のため…


ほら!
この3人のキャスターに見覚えありませんか?
毎週土曜日夕方5時半からの全国放送で、長崎県内ではNBCで放送されています。
(ちなみに私の一番好きなニュース番組です)

友人知人の中にも「ニュース番組では『報道特集』が一番見応えがある」という声、けっこう多いです。
多くのニュース番組が、政治・社会・スポーツなどの出来事を広く浅く伝えていくのに対して、この番組では、その日のニュースの他に、30分弱の特集が2本も放映されるからでしょう。

その番組で、石木ダム問題が取り上げられるのですから、本当に嬉しいです。
公共事業によって犠牲を強いられ苦しんでいる人々がいること、
しかし決して諦めず人生をかけて闘い続けている人々であること、
苦しめているのは半世紀も前に計画されたダム事業であること等々、
全国の、少しでも多くの方々に伝わればいいなぁと願っています。

その特集は、九州沖縄各県にお住いの方は、既にご覧になった方も多いかもしれませんね。こちら…


今年4月26日、『ムーブ』という番組で配信された、「ダム予定地に生まれて」という特集。
https://www.nbc-nagasaki.co.jp/tv-topics/20200426/

こちらを少し短く編集されたものになるようです。
既にご覧になった方も、初めての方も、是非お楽しみに!
3人のキャスターがどんなコメントを発するか・・・

そして、一人でも多くの人に見て頂き、何かを感じて頂けるよう、皆さんのお知り合いにも知らせて頂けたら嬉しいです!

(‘◇’)ゞ

そのダムいったい誰のため?

ずいぶん放送から時間が経過しているのですが、皆さんにぜひお知らせしたいのでご紹介します。

ジャーナリストの笹島さんが長崎県の石木ダム問題について、リモートでお話ししてくださっています。
東京FMでの生放送でした。

こちらのページにて、その時のお話しが書き起こされております。
ぜひチェックしてみてください。

https://park.gsj.mobi/news/show/66822?fbclid=IwAR1FmrTXyEZs2QjxsJR_B7hvfqYBmvjcjOirZjt79z3n5mFXAiwPqyOXJBk

放送では去年11月の水源連の全国集会での松本好央さんのスピーチも流されました。
ご本人が、初めてのラジオ出演ということで大変緊張されたそうです。
思ったように話すことができず、言いたいこと言う前にパーソナリティーの方に切られてしまったのだとか…

いや、もうね、ラジオ生出演って本当に緊張しますよね!
無理もないですよ!
よく頑張ってくださったと思います。

あ、笹島さんはですね、以前、ヤフーニュースで大きな石木ダムの記事「ここが沈むとは思ってない」 を出してくださった記者さんです。

リンクを貼っておきますので、みんな改めて読み直してみてね〜!

「ここが沈むとは思ってない」 長崎県・石木ダム計画の問い
https://news.yahoo.co.jp/feature/1023

全面広告!石木川まもり隊

石木川まもり隊の全面広告⁉

と言っても、新聞にではありません。
佐世保市全域に配布されている生活情報誌「ライフさせぼ」です。

ある調査によると、市内で一番購読されている西日本新聞よりも読者が多いとか。
確かに、私たちがイベントをおこなうとき、「ライフを見たんですけど・・」という問い合わせが一番多いです。

そこで、私たちは以前から考えていました。
石木ダムについて、より多くの佐世保市民に関心を持ってもらうには、ライフに大きな広告を出すのがいいのではないか・・と。

そして、それは、ホタルが群れ飛ぶ時期がいいのではないか・・と。
まるで星空をみているようなたくさんの命の輝きを目の当たりにすると、誰もが言葉にはできない感動に襲われます。
そして、

え?
ここにダムを造るの?
なぜ?
ここでなくてはいけないの?

という疑問に繋がっていくようです。

大人はあまり口にしませんが、子どもは素直にそう言います。
やだ、やだ、ホタルがかわいそう!とも。

石木ダムに賛成とか反対とかいう前に、まずは現地のことを知ってほしい。
足を運んでほしい。
そのきっかけとなるような広告を掲載したい。

コロナで自粛が続く中、私たちは意見交換を重ね、ライフさんのお力を借りて原稿を作成し、やっと目的を達成することができました。

ライフさせぼ2020.6.5広告原稿

上段のホタルの写真は、写真家の村山嘉昭さんから無償提供いただきました。
掲載費用は、パタゴニア環境助成金と、これまで石木川まもり隊にお寄せいただいた多くの方々からのカンパを使わせていただきました。
本当にありがとうございました!

昨夜こうばるに行くと、広場には、ホタルを見に来た人の車でいっぱいでした。
「まもり隊の宣伝のせいじゃろ」と、こうばるの方に言われ、恐縮しつつも、そうだったら嬉しいな・・と思いました。

その方の案内で、ホタルがよく見えるところに連れて行ってもらい、友人たちと、今年のホタルを堪能しました。
小さな体から放たれる黄色の力強さ、すぐ消える儚さ、ふ~わりふわり舞い飛ぶ優雅さ、いつまで見ていても飽きません。

でも、そろそろ帰らねば…
すぐ傍に飛んできたホタルに、「また来年!」と心の中で声をかけ、広場に向かいました。

途中の暗闇ですれ違う人たちと交わす「こんばんは!」の声が、とても頼もしく聞こえたのは何故でしょう。。

さて、そのライフについて、佐世保市民でない方のために少しご紹介しておきましょう。

ライフは1977年創刊の無料タウン情報誌。
40年以上の歴史!フリーペーパーの開拓者?老舗?
ですが、今やフリーペーパーは数多あり。
それどころか、インターネットを使えばタウン情報もすぐに入手できる時代。
ライフの読者も下降気味かも?

でも、だからこそ、「ネットにはない情報、佐世保でしか得られない情報で生き残るしかない。もっとローカル色を強めようと割り切った」とのこと。

また、広告だけのフリーペーパーではない。
「街で見聞きしたおもしろいこと、気になる話題の取材を徹底する。記者発表のような横並び取材はしない。行政にも頼らない」
これが、ライフのDNAだそうです。

そんなライフの今週号はこちら。

このように下段には、様々な広告が掲載され、上段は面白そうな記事がいろいろ・・。

今号のトップ記事は、「SASEBO TAXI 物語」?
佐世保に「ギンザ」や「北海道」があるなんて、初めて知りました!

2ページ目には、
「進化した日焼け止め」「シロアリ駆除はおまかせ」「スイーツ食べ放題」などショッピング情報。

3ページ目には、
島瀬美術センターからのお知らせや、暮らしの掲示板(佐世保市中学校体育大会や佐世保空襲パネル展の告知)など。

4ページ目は、
学生マガジンを自主制作した3人の若者にフォーカスした記事や、昔の写真を紹介する「させぼ思い出アルバム」。

5ページ目は、
「Sasebo Ben 訳 にほん昔ばなし」(佐世保に越してきてまもなく12年の私。今やほとんど理解できるようになりました)と作品展のお知らせ。
その作品展がこちら!

女子3人展、その1人は、こうばる住人の「ほーちゃん」。
彼女は、ひたすら、こうばるの生きものを描き、作品を通して、こうばるのかけがえのなさを伝えようとしています。

6ページ目は、あの、まもり隊の全面広告!

7ページ目は、映画館情報と「みんなの広場」。
広場には、「飼い主募集」や「探しています」そして「お礼を一言」。
「お礼を一言」のコーナーは、いつも読む度に、ほっこりさせてもらっています。

最終の8ページ目は、「ぶらっとSASEBO」。
今回は、番外編で、佐世保市の隣の波佐見町。焼き物の町です。
なんとここには世界一の窯跡があるという!
全長170mの「大新登り窯」がそれ。

焼き物に縁のない私は、登り窯の意味もわかりませんが、世界一の文字につられて、つい読み進み、気づいたら、何となく得した気分。

いかがでしたか?
「ライフさせぼ」
ちょっと読んでみたくなった?

佐世保にお越しの際は、駅の構内やバスセンター、スーパーや商店街、公民館等々いたるところに置いてあるので、手に取って読んでみてくださいね~

あれれ?
今回のブログは、「ライフさせぼ」の宣伝記事になってしまったかな~

(*^_^*)

自然の「ことば」描く 石木ダム反対住民ら展覧会

https://digital.asahi.com/articles/ASN666JD8N65TOLB00Q.html  朝日新聞 6月7日

長崎県内を拠点にイラストや鉛筆画で創作活動をしている3人の絵画展「しぜんのことば」が7日から、長与町で開かれる。石木ダム(川棚町)の水没予定地に暮らす石丸穂澄(ほずみ)さん(37)は、ふるさとの豊かな自然に息づく生き物を描いた新たな作品を出展する。入場無料で13日まで。

石丸さんは水没予定地の同町川原(こうばる)地区で、移転を拒んで暮らす13世帯の住民の1人。得意のイラストで地区の出来事を伝える「こうばる通信」を発行したり、住民の活動資金に充てるポストカードに、ふるさとの暮らしを描いたりしてきた。

昨年5月、県収用委員会が土地の明け渡しを命じてから緊迫の日々が続き、石丸さんは心身の不調から思うように絵筆を取れなかった。

今年に入って絵画展の話が決まると、約3カ月間でウナギやアユ、サワガニなど石木川などの生き物を水彩で次々と描き、一気に25点を仕上げた。石丸さんは「県がダムで沈めようとする土地には貴重な生き物がいることを可視化したかった」と話す。

佐世保市の和田沙織さん(38)は、実際に目にした鳥や花、果物を緻密(ちみつ)な色鉛筆画で描いた21点を出品。東彼杵町の松島理恵子さん(38)は、「風」をモチーフに、言葉では表現し尽くせない感情を抽象画に落とし込んだ色鉛筆画20点を出品する。松島さんは「それぞれ自然に寄り添った作品。絵の中に込められた絵描きにとっての『ことば』を感じてほしい」と話す。

長与町まなび野2丁目の「風の森まなびの」内のイベントギャラリーで開催。新型コロナウイルス対策で同時入場は2組までとし、鑑賞時間を制限する。問い合わせは松島さんのメールアドレス(comicpluto248@yahoo.co.jp)へ。(小川直樹)

コロナ禍でも石木ダム工事着々

コロナ禍でも石木ダム工事着々 反対派も抗議継続

朝日新聞 2020年6月6日 9時00分
https://digital.asahi.com/articles/photo/AS20200605004567.html

長崎県川棚町の石木ダムの建設予定地では、新型コロナウイルスに対する緊急事態宣言下でも連日、工事が続いた。これに対し、反対住民らも「3密」回避に苦慮しながら抗議の座り込みを続けてきた。一帯では、昨年の土地・家屋の強制収用手続き後、初となる田植えも始まる。

ダム予定地では、県が本体工事に先立ち、水没する県道の付け替え道路建設を進める。この工事に抗議して2016年夏から続く座り込みが連続850日(土日などを除く)となった4日。石木川に架かる新たな橋がほぼ姿を現した。県道との合流地点に位置し、ここが付け替え道路の起点となる。

大型連休以降、工事は一気に進んだ。この日も、各所でショベルカーがアームを上げ下げし、ダンプカー数台が砂煙を巻き上げ行き交っていた。左岸の高台では、マスク姿の住民ら約30人が、付け替え道路建設のための運搬路をふさぐ。

「コロナで工事をやめるぐらいなら、県はとっくに我々と向き合っているでしょう」「県がいう話し合いは、ダムの必要性の議論ではなく、補償交渉だ」。そんなあきらめに似た言葉も聞かれる。「コロナ対策で予算の組み替えが必要になるほどの事態なのに石木ダムは特別枠ですか? これほど不要論もあるのに……」と、工事を続ける県の姿勢を問う人もいた。

水没予定地・川原(こうばる)地区の宅地や農地は昨年、国に強制収用され、所有権はすべて国に移った。それでも5月末から田植えの準備が始まっている。座り込みの合間を縫って田に水を張り、土を細かく砕く代(しろ)かきの作業をしてきた。今週末、親族の手も借りての田植えがピークを迎える。(原口晋也)

まるでゾンビ、45年間本体未着工のダム計画

まるでゾンビ、45年間本体未着工のダム計画 徹底抗戦13世帯、長崎県「実力行使も選択肢」

(全国新聞ネット 2020/06/01 07:00) https://bit.ly/30dlAYF

45年前に建設が決まったが、いまだに本体の着工すらしていないダム計画が長崎県で生き続けている。まるでゾンビのような公共事業は、石木ダム計画だ。県と佐世保市が川棚町の石木川流域に予定。ダム建設に伴う移転対象の約8割に当たる54世帯が既に転居した一方、水没予定地の13世帯約60人が残り「死んでもふるさとを離れない」と徹底抗戦の構えだ。住民は見直しを含めた対話を求めるが、県側は住民や家屋を撤去して強制的に土地を取り上げる〝実力行使〟の行政代執行を「選択肢の一つ」と言い放つ。両者の深い溝は埋まりそうにもない。(共同通信・石川陽一)

 

強制測量の記憶

生い茂る木々の間から響く鳥の声。透き通るような清流には、夏になると無数の蛍が舞う。そんな集落にダム建設が決まったのは、1975年のことだった。「こんなに美しい場所は他にないよ」と笑う松本好央さん(45)は、その年に生まれた。水没予定地の川棚町川原(こうばる)地区で鉄工所を営む。仕事後に自宅の窓から田園風景を眺め、一杯やるのが最高の楽しみだ。

82年5月、小学2年生だった松本さんは初めてダム問題を意識することになる。県が県警機動隊を動員し、建設予定地の強制測量に踏み切ったのだ。学校を休んで大人や近所の子どもたちとともに座り込み、迫る隊員に「帰れ!」と叫んで抵抗したが、あえなく排除された。「本当に家を奪われてしまうのだと思った。今でもあの時の恐怖は忘れられない」

この出来事が、住民と県側との決裂を決定的なものとした。「見ざる、言わざる、聞かざる」をスローガンに、住民はダム計画が存在していないかのように「徹底無視」を貫く。ダムの話題はタブーだ。住民は玄関に「県職員訪問お断り」と書かれたシールを貼り付け、用地買収の交渉は一切受け付けない。感情面の対立が激しさを増した。

 

洪水と大渇水

強制測量後、県側は動きを控える。「ダムのことは忘れて日常生活を送っていた」(松本さん)という92年7月、豪雨で石木川の本流の川棚川が氾濫し、町中が浸水。94年8月から95年4月にかけては、佐世保市で最大43時間連続断水、給水制限264日に及ぶ大渇水が起こった。

石木ダムは佐世保市への給水と川棚町の治水対策が目的だ。県関係者は「ダムがあれば氾濫は防げたし、渇水の被害も緩和できた。行政としては痛恨の出来事だった」。建設計画は息を吹き返す。当初は反対で一致団結していた住民側からも用地買収に応じる人が出始め、97~2004年度に計54世帯が立ち退きに同意した。

反対運動も再び活発化した。10年3月に水没予定道路の付け替え工事が始まると、反対住民は抗議して連日、重機の周辺に座り込んだ。「命を懸けた」行動で一時は工事を中断させ、中村法道知事と4回面談したが、決裂。両者が歩み寄ることは無かった。13年9月、国がダム建設に「お墨付き」を与える事業認定を告示し、翌年から県は土地の強制収用に向けた手続きに入った。19年9月、ついに県側は全予定地の権利を取得し、松本さんら残る13世帯は、法的には「国有地を不法占拠する元地権者」となった。

 

人口減でも需要増

県側が石木ダム建設の根拠とするのは大きく2点。一つは、佐世保市の水需要がこれから緩やかに増加していくという市水道局の予測だ。今から18年後の38年には、最大で1日当たり約10万6500トンの水需要を見込み、予備の10%を加味した約11万7000トンが必要と推計。佐世保市が保有する年間355日以上水を供給できる「安定水源」は、1日当たり約7万7000トンにとどまるため、ダムで残りの約4万トンを補うつもりだ。

市水道局によると、09~18年の1日最大給水量の実績値は約10万7600トン。この年は寒波で家庭用の配管が破裂する事故が起きており、残りの年は約7万7000~約8万2000トン。安定水源の供給量を超えた場合は、天候によっては取水できない「不安定水源」の約3万トンや民間の農業用水などを組み合わせて対処しているという。水道局の担当者は「水道事業者は常に水を安定供給できる施設の整備を水道法で義務付けられている。需要予測は必要最小限にとどめており、石木ダムを造ればギリギリ足りるという状況だ」と説明する。

ただ、佐世保市の人口は減少傾向にある。20年5月1日時点で約24万人が住んでいるが、国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、今から20年後の40年には約21万人に落ち込む見通し。生活用水や工業用水の使用量の増加は見込めないとして、反対派は水需要予測を誤りだと主張している。

 

100年に1回の大雨

県側の2点目の論拠は、川棚町の治水対策でダム建設が最も費用対効果が高いとの試算だ。県河川課が19年に作成した資料によると、堤防のかさ上げや河道の掘削など7種の方法を検討した結果、ダム中止に伴って発生する費用約62億円を含めて210億~433億円程度かかる。このままダムを造れば、治水面に限ると今後50年の維持管理費を含めて約77億円で済むという。

反対派は石木川にダムを建設しても川棚川の流域面積の約8・8%しかカバーできず、上流部分での氾濫は防げないと主張。県が治水面で想定している「100年に1回レベルの大雨」という基準も過大評価で、他の対策の費用試算も誤りだとしている。川棚川と石木川を河川改修すれば対応できるとしており、双方の主張は平行線をたどっている。

19年9月、約5年ぶりに中村知事が県庁内で住民との面会に応じた。参加者は住民約50人に限定し、場所は当日まで明らかにせず、入り口にバリケードを設けるなどの「厳戒態勢」だった。住民は代わる代わるふるさとへの思いを口にし、涙を流した。最後には立ち上がり「どうか事業の見直しをお願いします」と全員で頭を下げた。知事はうつむき、視線を合わせなかった。その場で「継続して対話する機会を設けたい」と述べたが、以降、両者の話し合いは一度も開かれていない。

 

ふるさと愛は悪か

知事との面会には、松本さんの長女で高校生の晏奈(はるな)さん(18)の姿もあった。「帰る場所がなくなるのは嫌だ。思い出が詰まったふるさとを奪わないでください。どうか私たちの思いを受け止めてください」と語りかけた。

松本さんは、強制収用によって、子どもたちにかつて自身が感じた以上の恐怖を味わわせることは許せないと感じる。年老いた祖母や両親にも、ここで最期を迎えさせてあげたい。「ふるさとを愛することは悪なのか。もう弱い者いじめはやめてほしい。水の確保や治水は何か他の方法が絶対にあるはず。県や佐世保市はまず対話に応じてほしい」

13世帯の土地の明け渡し期限を迎えた19年11月18日、住民約40人が県庁を訪れた。「石木ダムは県政の最重要課題の一つ」と公言する中村知事は節目のこの日、別の公務で出張のため留守だった。代わりに対応した平田研副知事は「ダムで恩恵を受ける人たちは大切な県民だ。行政代執行は選択肢から外さない」と告げた。私たちは県民じゃないのか―。会場の会議室には住民の怒号が飛び交った。

 

フラットな対話の場を

「隣町の水道水を確保するためにあなたの実家をダムに沈めても良いか」と問われたら、どう答えるだろうか。筆者なら嫌だ。「大勢のために少数の犠牲が必要」という考えは強権的で、民主主義社会にそぐわない。

確かに新たな水源や治水対策は必要なのかもしれない。でも、ふるさとに住み続けたいと願う人が居るなら、それを守るのも行政の仕事だ。県側と住民側をそれぞれ取材していると、お互いに感情的な対立が極まってしまっていると感じた。現状では何も解決しない。フラットな状態で対話できる場を設けてほしい。

もし13世帯を実力で排除し、立ち退きを強制することになれば、前代未聞の出来事だ。禍根は世代を超えて残り続け、関わった人間全員の背中に決して消えない十字架を刻むことになるだろう。

【石木ダム】長崎県と佐世保市が川棚町の石木川に計画する多目的ダム。計画では総貯水量約548万トンで、事業費は約285億円。当初の完成目標は1979年度だったが、今もダム本体は着工しておらず、現在の目標は2025年度。県は14年に強制収用の手続きを開始。水没予定地の13世帯は19年9月に土地の権利を失い、県側は全予定地の用地取得を終えた。現在、知事の判断で行政代執行し、住民や家屋を強制的に排除できる。国の事業認定取り消しを求めた訴訟は一審、二審で住民側が敗訴し、上告中。工事差し止めを求めた訴訟も一審は住民側が敗訴し、福岡高裁で係争中。

 

石木ダムやIR促進?いま?

佐世保市長の朝長氏は、昨日(6月1日)中村知事に30項目の要望書を手渡したそうです。

その最重要項目が石木ダムとIRとは・・・
今に始まったことではありませんが。

コロナと世界中が闘っているとき、佐世保でも、いつ第二波、第三波がやってくるかわからない。その時に備えて今やるべきことはたくさんあるはず。その時に備えて確保しておかねばならない財政問題もあるはず。

なのに、IRですか?
コロナによる感染拡大で経営に大打撃を受けたカジノ大手のラスベガス・サンズが、日本進出からの撤退を表明したばかりですが・・・そんなの関係ない?

企業は現状把握と適切な予測に基づき柔軟に、計画を急いだり遅らせたり中止したりしますが、行政は・・・思考を停止して引かれたレールの上をただ走り続けるのみ・・・ですか?

要望する市長も市長ですが、それに対する知事の答えにもビックリです。

石木ダムについて、「できれば本年度中に本体工事に着工したい」と!

ほんの10日前。
知事は、県内7団体から、不要不急の石木ダム工事の中断と、石木ダム事業費をコロナ対策費に回してほしいとの要望書(20200522 知事への工事中断要請 7団体より)を受け取ったはずですが、

それに対する返事も出さぬまま、「本年度中に本体工事を着工したい」とは・・・。
いつものように県民の声は無視ですか。。

コロナは多くの命を奪い、仕事を奪い、人々を家に閉じ込め、経済的に困窮させ、世界中に不安や恐怖や誹謗中傷をまき散らしました。

でも、少し落ち着きを取り戻すと、在宅勤務が可能になったり、満員電車が緩和されたり、学校に行く楽しさを感じたり、仕事する喜びを感じたり、子どもたちとゆっくり過ごす時間を手に入れたり・・・忘れていた小さな幸せを思い出すこともあったでしょう。

また、自分にとって本当に大切なのものは何だったのか、あらためて気づかされた、という人も少なくないようです。

今年は、こうばるのホタルに感動したという声が例年以上に、あちこちから聞こえてきます。

こうばるまで足を運べない方のために、鴨川英二さんによる映像詩「石木のホタル」をご紹介します。

https://www.facebook.com/eiji.kamogawa

上をクリックすると、鴨川さんのFacebookページに飛びますので、
5月29日のところをご覧ください。

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どの言葉よりも美しい世界がそこにはありました
映像なんかよりも何百倍も美しい世界
「失ってはいけない風景」
命を削りこの場所で子孫を残そうとする
こうばるのホタルです

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その言葉と映像に圧倒されながら、私には
ホタルの輝きと、こうばるの人々の笑顔が重なります。