10月16日午後、こうばる公民館で会議をしていた私たちは住民の方からの通報に、気もそぞろになってしまった。座り込みの現場に重機が入っているとのこと。
会議が終わると同時に皆、現場に向かった。
いつもの場所に土砂が運び込まれ、重機で平らに均していた。
この時の様子を朝日新聞の記者が詳しく伝えている。
県の職員は言う。
ここは県が管理する工事現場であり、あなた達の土地ではない。
勝手に入ってきて、工事を止める資格は無いと。
しかし、この工事は石木ダムのための付け替え道路の工事だ。
この工事を終えると本体工事に入る。
ダムができれば、こうばる住民はふるさとを追われる。
それが分かっていて見過ごせるわけがない。
まず工事を中断して、話し合いをしてほしいと、住民は訴え続けている。
石木ダムが必要なダムかどうか、根本的な話し合いをしようと言い続けている。
それには耳を貸さず、とにかく工事を進めたい。
だからどいてくれ、邪魔しないでくれ、というのは、あまりにも一方的ではないか。
「土地・家屋の所有権を奪われ、身ぐるみはがされた住民には、護るものも何一つない」そう語ったIさんは、
その全身から憤りが伝わってくるようだった。