アウトドア雑誌「フィールダー」最新号に掲載された石木の記事が電子版となって無料で読めます!!
みなさん、支援を兼ねてぜひアクセスしてください。
記事の感想を直接フィールダーへ届けていただけますと次に繋がる支援になります!
記事の一番最後に、私が描いた「石木川は今散策マップ」が載っています。
Byこうばるほずみ
記事はこちらから。
【vol.55】反権力 生活の 勧め(後半) http://fielder.jp/archives/14002
みなさん、どうぞよろしくお願いします。
HOME>石木川まもり隊ブログ>2020年12月
アウトドア雑誌「フィールダー」最新号に掲載された石木の記事が電子版となって無料で読めます!!
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記事の一番最後に、私が描いた「石木川は今散策マップ」が載っています。
Byこうばるほずみ
記事はこちらから。
【vol.55】反権力 生活の 勧め(後半) http://fielder.jp/archives/14002
みなさん、どうぞよろしくお願いします。
石木川まもり隊の一員でもあり、石木ダム湖の中に住んでいるイラストレーターいしまるほずみより、みなさんに大切なお知らせです!
ツイッターやフェイスブックでちょっとだけ情報を流していました「川棚町内に石木川カレンダー2021全世帯配布計画」の具体的な日程が決まりました〜
石木川カレンダーの配布は2021年1月に入ってからということになりました。
みなさんに日程をお知らせします。
ポスティングを手伝ってもいいよ〜という人いましたら、ぜひ参加をよろしくお願いします!
第1回目 2021年1月11日(月・祝) 10:00~12:00中止
第2回目 2021年1月16日(土) 10:00~12:00
第3回目 2021年1月24日(日) 10:00~12:00
第4回目 2021年1月30日(土) 10:00~12:00
集合場所は川棚町公会堂の駐車場です。
9:50ごろに集まっていただけると幸いです。
地元の人も何人か参加してくださる予定ですので、土地勘がない人でも大丈夫です!
わたしが勝手に立てている目標としては、ポスティングで1,000世帯に配布できれば合格!と思っています。
どれくらいポスティングできるのか…やってみないとわからないですが、全ての地区を制覇することは今回は難しいと思いますので、残りはタウンメールを上手に使おうと思っております。
ここのところ、コロナの影響も心配ですよね…
そういう事情もあって、ポスティングのやり方も、インターホン越しにお声かけする程度にとどめて、爽やかに町を駆け抜けていく!
みたいなポスティング方式になりそうです。
万が一のお話ですが、予定より早くポスティングが完了してしまった場合は予定を切り上げて、例えば1月30日(土)は中止〜ということもありと思っています。
その場合は、またブログとSNSでお知らせしますのでよろしくお願いします。
「この日に参加できるよ」という人は、ほずみのメールアドレスにご連絡いただけますでしょうか。
hozumix1982@gmail.com
飛び入りも大丈夫です。
また、ポスティング終了後、ランチタイムを…と考えておりましたが、ここのところのコロナの影響を考えますとちょっと難しいなと。
こちらについては、今後の様子を見ながら判断していきます。
どちらにしても…(相変わらず)ピンチのほーちゃんをどうかみなさんお助け下さい!!
・
また、1月16日のポスティング開始前に、準備としてカレンダーにメッセージを添えてA5の透明の袋に入れる作業があります。
この準備作業にだったら参加できるよ!という人は、
・2021年1月9日(土)10:00~12:00
・2021年1月10日(日)10:00~12:00
2回に分けて、作業を行う予定としていますので、石木ダム水没予定地川原(こうばる)地区公民館にお集まりいただけますとすっごく助かります!!
雪の影響を受けて、みなさん動けなくなっておりますので、場所をほーちゃんの自宅に変更し、時間帯はフリーで随時作業を行なっています。
※お昼ご飯は基本食べないようにして、水筒持参で水分補給のみ行う方向で実施します。
石木川カレンダー2021に添えるメッセージがこちら!
自分の手でメッセージを書きました!
すでに印刷会社に3,000部注文しています。
1月7日ごろにはこちらに届くと思います。
こちらのメーセージを添えて川棚町のみなさんに石木川カレンダーをお届けしようということですが、
いつの間にか川から遠くなってしまった町の人びと…
川棚川で遊んでいる人、川棚川を散策している人を見かけることはあんまりないんですよね。
そんな町の人たちに石木川カレンダーを手にとっていただいて、川棚川について考えるきっかけになってくれたらなぁ〜と思います。
・
そして!
2021年1月11日(月・祝)は、なんと佐世保市のアーケード街でも同じく石木川カレンダー2021を配布いたします!!!
場所は、おなじみの十八親和銀行前か島瀬公園あたりです。
時間帯は、13:30~15:30
(カレンダーに添えられるメッセージは川棚町バージョンと佐世保市バージョンと違いますのでご注意を)
川棚町より佐世保市内の方が手伝いに行きやすいよ!という人は、ぜひ佐世保のアーケードでの手伝いに駆けつけてくださると嬉しいです!
・
ということで、
2021年初めのアクションは、川棚町・佐世保市ともに1月11日(月・祝)から!
報道陣のみなさん!
取材いかがでしょうか?
いつもとちょっとだけ違う市民へのアプローチ…
いい絵が撮れるのでは!?
なんちゃって………
問題を一人で抱え込みたくないので、みんなでシェアしたいです!
多くの人に参加いただけますよう、どうぞご協力をよろしくお願いします。
また、ネットショップ「こうばるショップ」でも、石木川カレンダー販売中です。
年末を迎える中、カレンダー難民のみなさん、おひとついかがですか?
こうばるショップ
https://koubarushop.buyshop.jp/items/35780926
最後に…
ネットショップ以外でも、お店に置かせていただいていますので紹介させてください!
・パタゴニア福岡ストア(福岡市大名)
https://www.patagonia.jp/patagonia-fukuoka-japan/store_924604588.html
・世界のかご「カゴアミドリ」(東京都国立市)
https://kagoami.com/
・天然酵母パンの老舗「ルヴァン」(東京都渋谷区富ヶ谷)
https://www.instagram.com/levain_tomigaya_tokyo/?hl=ja
・「ヨナタンストア」(北海道上川郡下川町)
https://www.instagram.com/jonathan.trotz/?hl=ja
・つながる雑貨屋「てとて舎」(佐世保市下京町)
https://www.facebook.com/tetotesha
・チャリタブル・トレード(西彼杵郡長与町)
http://www.acrossborder.co.jp/charitabletrade/
彼女は今年の夏、SDG’s 関連の授業の中で石木ダム問題について学ぶ機会があり、様々な資料や意見に接することができたのですが、その後も自分自身で長崎県や佐世保市に電話したり、地元住民の方に手紙を出したりして学び続けていました。
以前、佐世保市の水需要予測について手紙で説明したことがあったからでしょうか、直接オンラインで話をしたいとの連絡があり、喜んで応じました。
その授業を担当された先生がzoom会議を設定して下さり、彼女の後ろから見守るように座っておられました。
利水の問題だけでなく、治水や工事のこともいろいろ聞かれ、意見交換は2時間にも及びました。質問を聞きながら、最新の状況をよく知っていますね~と言うと、長崎新聞のオンライン記事を度々チェックしているとのこと。長崎県からは遠く離れた場所に住んでいるのに、県民以上に石木ダム問題を真剣に考えてくれていることに、驚くやら嬉しいやら・・。
しかし、彼女自身は、私と話したことによって、これまで石木ダム建設事務所や、佐世保市水道局、長崎県政策企画課に電話取材した際の認識とのズレや食い違い、立場の違いを再認識し、新たな疑問やモヤモヤした気持ちが生まれたようです。
それは当然です。
県民でさえ多くの人が、アンケートの度に、石木ダムの必要性については「よくわからない」と答えています。他県の高校生が、事業者である行政による説明と、反対している県民の話を聴いて、「どっちがホントなの?どっちを信じればいいの?」とモヤモヤするのは当たり前。どちらの話も鵜呑みにせず自分で判断しようとしている証であり、立派だと思います。
実は私の中にもモヤモヤが生じていました。
治水については分かる範囲で、利水についてはほぼ全ての疑問に答えたつもりですが、何回説明しても彼女が納得しない問題がありました。
それは、「話し合い」について。
彼女は、知事もこうばるの方も、どちらも話し合いたいと言っているのに、どうして実現しないのかが理解できないようでした。
私は、
・住民の皆さんは工事を中断すれば話し合いに応じると言っているけど、県はそれを受け入れない。本当に話し合いたいのなら工事を中断すべきだと思います。
・住民の皆さんが話し合いたいテーマはダムの必要性です。ダムが必要かどうか、それを話し合うのに、工事をしながらというのはおかしいでしょ?必要と決めつけていることになりませんか?
・他のダム問題の裁判で、ダムの必要性に疑問ありの判決が出たのだけど、その時すでにダムは完成してしまっていたということがありました。裁判をしながら工事は続けていたからです。それでは裁判をする意味がありませんね?
などと、いろいろ話してみたのですが、彼女が頷くことはありませんでした。
「話し合ってるうちにダムができてしまうのですか?」
「どちらかが先に受け入れないと、いつまでも話し合いはできないのでは?」
と問われ、私は少々困惑しました。
確かに、数週間や数ヶ月話し合いが続いたとしても、そんな短期間でダムができるわけはない。しかし、だからといって工事を続けながらでは落ち着いた話し合いはできないし、住民の方が妥協すべき問題でもない。
これは、大切な権利の問題なのです。
元々そこは先祖代々受け継いできたかけがえのない土地で、住民の方はそこに住み続ける権利を持っていたはず。その財産権や生活権は憲法でしっかり守られているもの。
しかし県はそこにダムを造りたくて出て行って欲しいと願っているのだから、そのダムの必要性をしっかり説明する責任は県の方にあるし、そのための話し合いなのだから、住民の方の要望や条件は受け入れて、県は話し合いのテーブルに着くべきだというようなことを縷々語ってみたのですが・・・
話し方が下手なせいか、内容が難しいのか、両方なのか、なかなか理解してもらえませんでした。
そこで、私もモヤモヤ考えていたのですが、高校生と私のような熟年世代の価値観が大きく異なっているのは当然だし、それを忘れて自分の物差しで語っていたことに気づきました。
今度話す機会があったら、もっと簡単な例えで話してみようと思いつきました。
二人三脚で目的地に向かっているAさんとBさんは、分かれ道に差し掛かりました。
Aさんは左を行くべきだと言い、Bさんは右だと言い、意見が分かれました。
そのとき二人はどうするでしょう?
当然、立ち止まって、どちらの道を選ぶべきか話し合いますよね。
例えば右の道を歩きながら、どっちにする?なんて話し合いませんよね。
だって、話し合った結果、左の道にすべきとの結論に達したら、いま来た道を引き返さねばなりません。時間と体力の無駄遣いです。
石木ダムを造る(右)か造らない(左)かを話し合う時も、立ち止まる=工事を止めることが必要です。
こんな例えを思いついたのは、今日テレビで、あるコメントを聞いたから。
コロナの水際対策についてです。
今年3月、欧州で感染が拡大しだしたことを受け、専門家会議は「要望書」という形で政府に水際対策の強化を求めたのに、政府はすぐに実施しなかった。実施すべきかどうかの判断を下すまで、様々な情報の入手や分析に10日ほどを要した。その間に新型コロナウイルスはどんどん国内に流入してしまった。あの時まず流れを止め、それから検討すれば良かった。その結果もしも大丈夫との判断が得られたら再開べきだったのだ。
過ちを防ぐには、立ち止まって考えることが大事だと、その専門家はおっしゃっていました。
何でも同じですね。
立ち止まる勇気を長崎県も身に着けて欲しいものです。
長崎県内では昨日のTVニュースでも報道していましたが、こうばる住民の方などが抗議行動をしている場所へ降りていく道に、新たなゲートが2つ設置されていました。
TVカメラが入った頃は既に門は開かれていましたが、石木川まもり隊報道部が到着した早朝には、このように、県の職員により、しっかり門は閉じられていました。
このゲートを過ぎて降りていくと、下にもう1つのゲートが・・・
ここにも職員が数名待機して、住民や県民を通さないよう見張っていました。
しかし、現場を熟知している住民の皆さんは、鉄の門を通らずとも横の崖から山に入り、遠回りして・・・
あっさり現場に近づくと、そこにはネットと県職員が・・・「おはようございまーす!」と挨拶しながら、
毎日座り込みをしている場所には大型重機が・・・
座り込んでいる住民のすぐ後ろでは、ダンプカーが土砂を降ろしています。
こちらの重機の傍でも住民が作業員に何か訴えています。その様子をカメラで撮る県職員・・・
そして、ダム事務所所長の後方の少し離れたところからビデオカメラを回す職員も・・・住民の行動を監視?まるで公安警察のような仕事を何人の職員にやらせているのでしょうか?県の土木部はそんなに暇なのでしょうか?
このとき、住民がダム事務所長に詰め寄っていたのは、なんで、このように新たなゲートや柵を造ったのか?ということ。
所長:危ないからです。
住民:危ないことはしなければいいじゃないか。
所長:工事はしなければなりません。
住民:工事を中断して話し合いをするんじゃないのか?知事はそう言ってたはずだが。
所長:話し合いについては今、調整中ですが、工事は工事で、できるところから、危なくない状況でやらせて頂きます。
それが、県の本音なのですね。先日の県議会でも本音ははぐらかしていました。
堀江県議:工事を中断して話し合う考えはありませんか?
中村知事:こちらからも幾度となく話し合いを求めていますが、工事中止と白紙撤回が話し合いの条件だと聞いていたので…しかし、最近の報道で、そうではないというような発言があったとのことなので、まず真意を確かめたいと思います。
堀江県議:では真意を確かめて頂いて、その上で「工事を中断して」と言われたら、その考えはあるのか?
中村知事:まず、真意を確かめたいと思います。
と言い、「工事を中断する」とは言いませんでした。
工事を中断する気があるなら、今わざわざ、こんな長い柵やゲートを2つも設置したりはしませんよね?県の「真意」が見え見えです。
県議会での知事の答弁を聞いて、私たちは「工事を中断しての話し合い」が実現するかもしれない…と少しだけ期待しました。いつ住民の真意が確認されるのか…と。
確かに河川課長がすぐに駆けつけましたが、住民の皆さんは、「文書で真意を質してください。そしたら、こちらも文書で答えます」と言い、その場では答えませんでした。
当然です。今までの口頭でのやり取りで誤解が生じているので、文書で問うて文書で答えれば、共通理解が得られます。しかし、その後、未だ文書は届かず、その代わりに新たなゲートと柵が設置されたのです。工事を進めるために。工事を邪魔されないために。
それでは、工事を中断する気はない、話し合いをする気はない、と言ってるようなものではありませんか。せっかくのチャンスをまた県はふいにするのですか?
住民だけではありません。次々と支援者が集まり、新聞記者やテレビクルーも駆けつけ、工事は1時間半ほどで中断し、
その後は、いつものように穏やかな座り込みの光景が戻ってきました。
知事が本当に話し合いを望むのなら、あらためて住民の皆さんの「真意」を文書で確かめてください。その返信にどうしても呑めないような条件が書いてあるならば話し合いは実現しないでしょうが、それほど無理難題は要求されないはずです。
住民の皆さんの話し合いに対する要望を常々聞いていますが、至極もっともなことであり、誰もが納得できる条件だと思います。
県が工事を強行することにも理由があるならば・・・
例えば、どうしても代替墓地までの道路は完成させなければ、業者との契約不履行になるとか、代替墓地利用者(土地を売って出て行かれた元住民)の方との約束を果たせなくなるというような問題が生じるのであれば、
それをきちんと説明すればいいのです。
そして、「代替墓地までの工事が終わったら、必ず工事を中断する」と約束し、その段階で話し合いをしたいと要望すれば、道は開けるはず。
先日の小学生の感想文にもありました。「県の人の気持ちもわかりますが、強引にやることはないです」と。子どもでも感じています。強引な手法は良い結果を生まないと。封建時代ではないのですから。話し合いに基づく合意と、そのための努力なくして物事を決めるべきではありません。
12月10日、石木ダム工事差止訴訟第2回控訴審。福岡高裁前に集まった人の3分の2は福岡県民!地元こうばる住民9名を含む長崎県民はわずか26名でした。
それは、その日も現地では工事現場での座り込みが行われていたからです。県は「地元の方と話し合いがしたい」と言いながら、最近は隙あらば工事を促進しようと前のめりになっているので、現場を空っぽにするわけにはいかなかったのです。
その穴を埋めるように、福岡市民県民の方がたくさん駆けつけてくださいました。(佐賀県からも3名参加)
しかし、今回もコロナ対策で法廷内に入れる人は限られています。マスコミ席や特別傍聴席を除くと一般傍聴席は、34席でした。
14:30定刻に開廷。
まず、提出された書面や証拠説明書などの確認がありました。
2020.12.4 準備書面2(権利性) (当方)
2020.12.3 準備書面3(治水) (当方)
その後、こちらからは、2人の弁護士による意見陳述を行いました。
鍋島弁護士は、こうばる住民が侵害されている権利の実態は、福島地裁や仙台高裁が認めた「平穏生活権」と同様のものであると訴えました。つまり、自ら選択した生活の本拠において平穏な生活を営む権利は、日常的な幸福追求をする上で欠かせないものだということです。
<ダムができてしまい、人々の家や田畑、こうばるの自然がダムに沈んでしまったのちに、「やはり石木ダムは要らなかったね」と認められたとしても、失われてしまった人々の生活や、自然や文化は元には戻りません。回復不能な損害なのです。>
緒方弁護士は、近年の豪雨災害を検証すれば従来のダム偏重の治水対策では対応できないこと、また、時としてダムが被害を拡大していることを指摘し、総合治水や流域治水への転換を求めました。そして、1つの案として「田んぼダム」の施策を採用した場合、川棚川流域で、石木ダムの洪水調節容量を上回る貯水能力を確保でき、しかも、その費用はわずか1~2億円で済むという驚きの試算を披露。
<このように、今やダムによる治水は、治水手段として既に不合理なものとなっているのです。不当な人権侵害を行うこととなる本件事業による工事を即時に差し止めるべきです。>
裁判長から今後の方針を問われ、
県と佐世保市は、こちらの準備書面2(権利性)について反論したいと述べ、こちらからは、佐佐世保市の準備書面1(水需要予測)について反論したい。また、治水については専門家による主張や証拠を提出したいので時間がかかる旨を伝え、次回期日の延期を求めました。
それについて裁判長が被告側の意見を求めたところ、県・佐世保市ともに受け入れましたが、佐世保市の代理人は「仕方がないが、次回で終わってほしい」(結審してほしい)と苦々しく付け加えました。
そんなこんなで、次回期日は2月を取消、結局、3月25日(木)14:30~と決まり、閉廷となりました。
その後、弁護士会館に移動し、4階大会議室で報告集会。
いつものように平山弁護士からの説明(前回期日から今日までの書面のやりとり、今日の法廷でのやり取り、今後の予定)の後、意見陳述した2人の弁護士から感想や補足説明がありました。
まず、鍋島弁護士。
前回、権利侵害についてもう少し具体的に説明してくださいとの宿題を与えられ、仙台高裁の判例を参考にした。そこには、福島の人々が原発事故によって奪われたもの(電気・水道・交通・病院などの生活インフラ、職場・学校・親戚付き合いなどのコミュニティ、祭りや行事などなど)があげられ、それが認められた。その要素を1つ1つこうばるにも当てはめて、それらが、原発ではなくダム建設によって奪われていくことを説明した。私としては説明し尽くしたと思っているが、裁判官にはわかっていただけただろうか?被告側は反論すると言っているので、それを見て、また反論していきたい。
続いて、緒方弁護士。
かつては10年か20年に1回程度だった甚大な豪雨災害が、最近は毎年どこかで発生している。石木ダムがあれば、そのような被害が回避できるのか?と問いたい。逆に被害が拡大する恐れさえある。
50年前の計画にいつまでもしがみつくのではなく、新しい対策が必要ということで、田んぼダムについて紹介した。
例えば、三条市では約1000haの田んぼで200万㎥の貯水を可能にしたが、その費用はわずか1億円だった。川棚町と波佐見町の耕地面積は約1100haなので、220万㎥溜められる。石木ダムに匹敵する貯水量だ。185億円かけてダムを造るか、1億円で田んぼダムを広げるか、普通は安い方を選ぶのでは?
お2人の説明の後、会場からの質問や意見が次々に出されました。
意見:田んぼダムのような先進事例を学ぶべきだ、川棚川のこれまでの水害は内水氾濫が原因で石木ダムを造っても解決しない、ゲンジボタルやオジロサナエ(トンボ)などの貴重な生物への影響は県も認めている、環境の面からも止めるべきだ。
Q:県が準備書面の中で早く裁判を終息させてほしいと言っているが、その根拠は?
A:行政処分について最高裁の判断が既に出されている(石木ダム事業認定は妥当だった)ので、ダムの必要性については既に決着していると言いたいのだろう。
Q:以前出されていた現地視察の件はどうなったのか?
A:これについては裁判所からの回答はまだなく、こちらからも今回は何も述べていない。
Q:治水に関して反論が無いということは、こちらの主張が認められたということにはならないのでしょうか?
A:残念ながらそうはならない。反論する必要もないくらい馬鹿馬鹿しい主張だと、法廷でのやりとりの意味はそういうこと。そして、今さらそういうことを言うなよ、そういうことはもっと早く主張しろという意味もあるだろう。
と回答したのは弁護団長の馬奈木弁護士。続けて・・・
しかし、この裁判で一番大事なのは権利の問題。こうばるの皆さんの生活を守る、権利を守るということは、自分の権利を守ること。自分の生活を守りたければ、こうばるの皆さんの権利を守らなければならない、ということを私は繰り返し申し上げたい。
Q:今日の法廷で被告側の代理人が次回の期日で審理を終わらせよと言っていたが、見通しは?
A:確かに双方の主張は双方出し尽くすかもしれないが、それだけでは不十分だとして、我々は現地視察や証人による証拠調べなどを求めている。裁判所が我々を負けさせようと思えば、認めないだろう。次回でそれは分かる。
最後に控訴人を代表して、岩下さんからの挨拶。
私たちは自分たちの権利を守るために闘っている。このダムは必要性のないダムだと50年前から訴えている。50年前は佐世保では今後17万㌧の水が必要になるから石木ダムを造りたいと言っていた。今は多い時で7万㌧です。当時の予想より10万トンも減っている。それなら要らないじゃないか。それをなぜ裁判所も認めないのか?
私たちはいま毎日寒い中現場で座り込みを続けている。精神的にも限界に来ている。早く裁判に勝ってダムを止めたい。皆さんの力を貸して頂きたい。よろしくお願いします。
その言葉に会場からは一段と大きな拍手が響きました。
3日夜遅く、「社会科見学で感じたこと」というタイトルでブログ記事を発信しました。
それは、社会科見学で川原(こうばる)地区を訪れた長崎市立Y小学校のN先生のお話と、子どもたちの感想文を6つほど紹介したものでした。
その感想文は11月28日(土)、N先生の方から持参され、「名前を伏せての公開なら大丈夫です」と言って手渡されました。
自然観察と平和や人権について考える社会科見学をこうばるで実施された同校の試みを、私はたいへん素晴らしいと思っていたし、子どもたちの感想にも興味があったたので、とても有難いと思いました。
きっとここには子どもたちの学びの証が綴られていて、それはN先生にとって誇らしい内容で、多くの人に伝えたいとのお気持ちからではないか・・と想像しました。
読んでみると、子どもたちは予想以上に様々なことを「こうばる」で学んでいました。
そこで、各クラスから2つずつ選び、合計6人の感想文をスキャンして名前は伏せてブログにアップしたのですが・・・
翌日の午後、校長先生からお電話があり、そのブログ記事のページを「閉じて欲しい」と言われました。理由は個人情報だからと。名前を出していなくても、子どもが了解していても、親の了解が取れていないからダメだとのこと。
子どもが学校で書いた作文に親の許可がいるのか内心疑問に思いつつ、「わかりました。いったん閉じます。6人の親御さんに確認して頂いて、了解頂ける方がおられたら、その方のお子さんの作文だけを載せて、あらためて公開させてください」とお願いしましたが、校長先生の了承はいただけませんでした。
何がそんなに問題なのか理解できませんでした。
後で他の方から聞いた話では、この日、校長会があったとか・・
他校の校長から何か言われたのでしょうか?
それとも教育委員会や行政から、何かお達しがあったのでしょうか?
いずれにしても、せっかく素晴らしい社会科見学を体験した子どもたちの感想文を読んだ者として、その欠片くらいはお伝えしたいので、個人情報や著作権に触れないよう、65人の感想文の中から印象に残った文章を拾い集めてみました。
自然観察はメチャメチャ楽しかったようです。
バッタやカマキリなどこうばるの虫たちとの触れ合いは新鮮で驚きがいっぱいあって、「バッタのお尻がとても硬かった」とか、「一番嬉しかったのはカマキリに触れたこと」「カマキリがカマで目をこするのがかわいかった」など、ドキドキワクワク感がとても伝わってきました。
戦争遺構については、「防空壕は真っ暗で、長くて、怖かった」とか「それを当時の人は機械ではなく手で掘っていた」「それも日本人ではなく朝鮮の人が掘ったそうだ」とか・・・先生やこうばるのおじさんの説明に、真剣に耳を傾ける姿が目に浮かびました。
中には、「遺跡の壁はいま工事で少しずつ埋められていて、歴史がもみ消されていくようでこわかった」など、歴史の重みをしっかりと感じ取っている子もいて、驚きました。
そして、人権と公共事業という難しい課題には、さらに真剣な眼差しが向けられていました。
「私は最初、石木ダムの話を知ったとき、洪水を防げるのに何で土地を明け渡さないのだろうと不思議に思いました」「県の意見は県民の安全ですが、反対派は自分たちの幸せです。どちらも大切ですが、反対派の方々が幸せな生活を送れるようになる日がくるといいです」
「自分達の住んでいる所を守りたいという熱い思いが伝わってきました」「こうばる地区は自然がとても豊かで、すごくいい場所だなぁと思いました。夏は自由に泳げると聞いたので、来年時間があれば遊びに行きたいです!!」
「自然環境を守るために闘い続けるということが一番心に残りました」
「自分の生まれ育った土地をダムなんかに水でうめるのはだれでもいやです」「県の人の気持ちもわかりますが、強引にやることはないです」
「もっと、住民と県や佐世保市の話し合いの場を広げて、お互いの意見をきちんときいてから、もう一度、県や佐世保市に、ほかの方法はないのか考えてほしいです」
「なんでそこまでしてダムをつくらなきゃいけないのか、なんでそんなにダムをつくるのが今なのか、知りたいと思いました」「今まで知らなかった長崎の問題を知れて、よかったと思い・・・」
「耳をすましてみると、何かを壊されているような音がしました。ダムをつくるために、何かを壊されているのかなと思い、こわかったです」
「こうばるの人たちはとてもやさしかったりおもしろかったりしたので、いつかぼくもこうばるに住んでみたいです」
などなどでした。
こうばるの人=ダム反対派=の話だけを聴かせて、偏向教育ではないか?との誤解が生じないよう、裏話も伝えておきましょう。
N先生のお話では、偏った考えにならないよう、事前に長崎県や佐世保市の説明も子どもたちに聞かせたいと思い、両者にお願いをしたそうですが、佐世保市水道局からは即答で断られ、県河川課は検討した結果「訴訟中の案件なので、子どもたちから質問が出ても答えられないから」との理由で、やはり断られたそうです。
子どもたちと裁判に何の関係があるのでしょう?
なぜ子どもたちの質問に答えられないのでしょう?
広報紙やTVの県政チャンネルでは石木ダムの必要性をしっかり説いているのに・・・
不思議です。(^^;