今年1月埼玉県川口市で25%も水道料金が値上げとなりました。ご存知でしたか?
今年4月には横浜市でも値上げが予定されていて、「水道料金値上げの話は決して他人事ではない」と、水ジャーナリストの橋本淳司氏は述べています。
YAHOO!ニュース 2020/8/24(月) 13:24
https://news.yahoo.co.jp/byline/hashimotojunji/20200824-00194814/
要約すると、
〇水道料金の値上げはなぜ起きるのか。
人口減少等の理由で料金収入は減るが、設備の更新にかかる費用は増えるから。
高度経済成長期に整備された多くの水道管が古くなってきた。
管路だけでなく浄水場などの施設の老朽化も大きな問題。
今後は値上げを選択する自治体が増えるだろう。
〇では、値上げを抑える方法はないのか。
見直すべきは設備。水道は多額の固定費がかかっている。
現有施設を有効活用すること、大事に長く使うこと、無駄な設備を廃止していくこと、計画中の施設でも今後有効に使えないなら中止にするべき。
横浜市のケースを詳しく解説し、同じような事例として、岩手県の奥州市と金ケ崎町をあげていた。
その両市町の問題を2020年2月14日、NHKのWEB特集が報じていた。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200214/k10012284281000.html
水道料金 将来大幅に値上がり?!
岩手県南部の奥州市と金ケ崎町。人口は合わせて13万人。
去年11月、水道の供給事業を行っている「事務組合」が、奥州市と金ケ崎町に求める水道料金を、来年度から大幅に引き上げることになった。
奥州市は1.4倍、金ケ崎町は2.3倍にも!
原因はどうやら“巨額のダム建設費”と“水需要の誤算”にあるらしい。
奥州市の胆沢ダム(1983年着手2013年完成)は、国内最大級のダムで、総事業費は2360億円。
奥州市の1990年当時の試算では、2010年度の給水人口は15万人余りに増え、水の需要は1日あたり最大で4万3500㎥と見込んでいた。しかし、実際には、給水人口は昨年度末の時点で12万人まで減り、水道使用量も減少。
その上、井戸などの自己水源を胆沢ダムに切り替える予定だったが、東日本大震災でインフラが寸断されたことで「水源は複数維持すべき」という方針に変更。
その結果、ダムの水は昨年度末の時点で、当初予測の3割近くにあたる1万2000トンしか使われていない。
ダム建設に伴って造られた送水管などの設備も過剰となり、事務組合の昨年度末の債務残高は、47億円にまでふくれ上がった。これは事務組合の10年分の収入にあたる。
もう1つの自治体の金ケ崎町は、今も3つの自己水源だけで水を賄えている。
これまでに胆沢ダムからは「1滴ももらっていません」とのこと。
にもかかわらず、ダムからの水利権を求めたばかりに、これまで年間1580万円、来年度からは年間3600万円も事務組合に払うことになるらしい。
取材した記者は、まるで「掛け捨ての保険」に入っているように感じたと言う。
水道事業をめぐる厳しい状況は、岩手県全域に及んでいる。
県の試算では、
岩手県の水道 給水人口 料金収入
2016年度 118万人 230億円
2045年度 87万人 172億円
県内の複数の自治体の担当職員の話:施設の更新が追いつかず、今後、大規模な断水が起きてしまう可能性がある。
取材記者の感想:取材を通して強く感じたのは、問題が先送りされてきたということ。
全国で耐用年数を超えた水道管は、地球4周分にもなるという。これらの更新整備は避けて通れない。そのための水道料金値上げはやむを得ないが、余分な施設、無駄なダムにかけるお金は1円もないはず!