石木ダム建設問題 中村知事「19日事前協議の提案文書」送付

石木ダム建設問題 中村知事「19日事前協議の提案文書」送付

長崎県の中村知事は定例の記者会見で、石木ダムの建設に反対する地元住民との直接の話し合いに向けた協議をめぐって、住民側から、その前提として工事の即時中断を求められたことを受けて、今週19日に事前協議の場を設けるよう改めて提案する文書を送ったことを明らかにしました。

長崎県は、川棚町で建設を進める石木ダムについて、中村知事と建設に反対する地元住民との直接の話し合いに向けて、日時や場所などの具体的な条件を確認するため、今月上旬に、川棚町中央公民館で、県側と住民側がそれぞれ5人程度出席する事前協議の場を設けるよう提案する文書を先月、地元住民に宛てて送りました。

これに対し、住民側は、今月、中村知事に宛てて文書で回答し、その前提として工事を即時中断するよう改めて求めていました。

これについて、中村知事は、14日開かれた定例の記者会見で、事前協議の場を設けるよう改めて提案する文書を送ったことを明らかにしました。

今月11日付けで地元住民に宛てて送られたこの文書では「これまでも話し合いを模索するなかで、ダム本体工事の着工時期など、一定配慮を行ってきた。知事との話し合いの機会を設けるにあたって、工事の中断などの条件整備の考え方などについてお聞かせ頂きたい」とし、今週19日に事前協議の場を設けるよう提案しています。

これについて中村知事は「『工事中断』というのは、どのようなかたちで『止めてしまえ』と言っているのか、そうした条件を聞かせてもらう必要があるのではないか。『すべて止めてしまう』となると、協議の期間中、すべての工事ができないのかどうか、そういった条件面での検討も進めて行く必要がある」と述べました。

石木ダム事前協議19日を要望 長崎県が反対住民に

長崎新聞社)

長崎県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダム建設事業を巡り、県が水没予定地に暮らす13世帯の反対住民に、中村法道知事との話し合いの条件を詰める事前協議を改めて求めた文書の内容が、12日判明した。ダム本体工事を見合わせるなど「一定配慮をしている」とした上で19日に事前協議を実施したいとしている。
県は先月21日、事前協議を提案する文書を13世帯に送付。住民側は今月4日、工事を即時中断して話し合いができる環境をつくるよう求める文書を知事宛てに送った。県は対応を協議し、11日に再度文書を住民に郵送していた。
12日に住民に届いた文書によると、県は「これまでも話し合いを模索するなかで、ダム本体工事の着工時期など、一定配慮を行ってきた」と説明。住民と知事との話し合いに向け「工事中断などの条件整備の考え方を聞かせてほしい」としている。19日午後2時から川棚町中央公民館で、県と住民双方5人程度ずつでの協議を提案。16日までに県石木ダム建設事務所長に住民側の出席者を連絡するよう申し入れた。
現場ではダム建設に伴う付け替え県道工事が進められており、住民側は毎日抗議の座り込みを続けている。住民の岩下和雄さん(74)は「本体工事がなくても抗議を続けている。住民の間で対応を話し合うが、こんな状況では協議はできないと思う」と話した。