10月14日、アルカスSASEBOのイベントホールには、約300人の来場者が宮本博司さんの講演を聴きにやってきました。
豪雨災害は年々激甚化してるけど、石木ダムができれば安全なの?
佐世保はホントに水不足なの?
石木ダム事業費が1.5倍になるらしいけど、水道料金も値上げになるの?
元国交省防災課長の宮本さん、教えて~!
ということで、今回は、大学生や子育て世代の若者も、かなりやってきました。(実行委員会の若いメンバーの努力の賜物)
国交省を辞めてからは家業の樽徳商店を継いだ宮本さん。以前は川を堰き止め、水を溜めていたけど、今は樽を作って水を溜めている。こちらのお仕事の方が数倍楽しそう…
いよいよ石木ダムの話ですが、演題は「造らせていいのか、石木ダム」です。その心は?
いろいろありますが、治水面では、その計画が捏造に近いということ。
何故か?それは計画の前提となる雨量の設定で嘘をついていたから。
川棚川水系の雨量を設定するのに佐世保の雨量の0.94倍とした。その理由は、当時川棚には雨量計がなかったからと裁判でも説明していたが、それは嘘で、4箇所に雨量計があったことと、そのデータも残されていた。
それだけではない。
ここにダムを造るのは最悪のケースらしい 。なぜなら…
下流にある小さな支流は、本川よりも洪水ピークが先に来るので、本川の洪水ピークとは重ならないが、支流にダムを造って溜めてしまうと、溜めきれなくなって溢れだした時、本川ピークと重なり流量が大きくなってしまうから。
他にも治水の問題点はたくさん指摘されました。
詳細はYouTubeでご確認を・・
さて、次は利水について、です。
佐世保市の計画では、現在よりも水需要を増やし、保有水源量は今よりも少なくする。そうすることによって水源不足を創出し、その結果・・
毎年毎年こんなに渇水被害がおきますよ、だから石木ダムが必要だと説明。
例えば、令和元年度の再評価資料によると、2年後の令和8年には・・
なんと、1年間で293日も給水制限があり、被害額は40億円も発生!
令和8年だけでなく、渇水被害は毎年増え続け、令和57年には1年で74億円も!まさに捏造ですねー
かつて、桟市長は、石木ダム以外の方法で水源確保しようと努力していたが、県から「石木ダム計画に影響しないように」と釘をさされたとインタビューに答えています。
渇水対策のためにダムを造るのではなく、ダムを造るために水不足状態を創ってきたようなもの・・
宮本さんの最後のまとめはこれ。
市民には「石木ダムを造らせていいのか?」と問い、
職員には「石木ダムを造っていいの?」と問いかけています。
戦後の日本は、都市のために地方を犠牲にしてきた。自然に生かされて命を守り、繋いできた地域を壊してきた。
本当にこれでよかったのか?まだ続けるのか?
とも、おっしゃっていました。
第2部は質問・意見コーナー。休憩時間に質問したい方はメモの提出を・・とお願いしたら、なんと36人も!
その中から5人の方が・・
Aさん:どうしてもダムを造りたいと思っている人は誰でしょう?
Bさん:再評価制度の意義は?また、8月に行なわれた長崎県公共事業評価監視委員会がおこなった石木ダムの再評価について、どう思われましたか?
Cさん:こんなデタラメなダム計画を国はどうして建設許可してしまったのか?
Dさん:石木ダムを止めるために、一市民としては何をすればいいでしょう?
Eさん:石木ダムは要らないと思っていても、声に出せない人もいる。そういう人が意思表示するには、どういう方法がありますか?
宮本さんは「みんな、メチャクチャ難しい質問ばかりですね」と言いつつも、一人一人に丁寧に的確に答えておられました。
そして、「皆さんがもっと知りたい、勉強したいと思われたら、僕を呼んでください。行きますから。2人でも3人でも」との言葉に会場から拍手!
宮本さんの分りやすいお話と、熱意に、終了後、私たちスタッフは、退場する参加者からたくさんの感謝と感動の言葉をいただきました。
当日参加できなかった皆さん!
ぜひ記録動画をご覧になってくださいね。
こちらです。 (2024.11.1 音声が良い修正版をUPしました。)
↓
○石木ダムの不思議講演会 その1 実行委員長挨拶と若者からのメッセージ
○石木ダムの不思議講演会 その2 講演「造らせていいのか、石木ダム」
○石木ダムの不思議講演会 その3 素朴な疑問、宮本さんに聞いてみました
○石木ダムの不思議講演会 その4 まとめとお願い