大石知事出席も主張は平行線 石木ダム建設巡り説明会

2025/12/08  長崎新聞

反対住民らも傍聴した説明会。市民委の意見に回答する大石知事ら=川棚町公会堂

長崎県と佐世保市が東彼川棚町で進めている石木ダム建設事業を巡り、県は7日、反対派市民団体への説明会を中組郷の町公会堂で開き、大石賢吾知事が出席した。市民団体側は治水効果は疑問だとして計画の見直しを求めたが、大石知事は「(ダム事業は)法令・手順にのっとって進めてきた。ダムの必要性の議論は終わっている」と事業の正当性を改めて強調し、双方の主張は平行線に終わった。
 今年4月以降、事業に反対する市民団体「市民による石木ダム再評価監視委員会(市民委)」へ県が3回開いた「技術的な疑問に対する説明会」を踏まえ、市民委の質問に大石知事が答える形で進行。ダムの水没予定地で暮らす川原地区の反対住民ら約150人が傍聴した。
 傍聴後、建設に反対する住民の岩下すみ子さん(77)は取材に、「若い知事は気持ちを理解してくれると期待したが、裏切られた。説明会出席は選挙(知事選)前のパフォーマンス」と切り捨てた。
 2032年度までのダム完成を目指す県は、来年度中に本体工事の発注が必要としており、反対住民らが監視のために設置した「団結小屋」が本体工事の支障になるとして、行政代執行による撤去の可能性を示唆している。

長崎県知事が石木ダム建設反対住民と3年ぶりに対面…「ダムの必要性を議論する状況にはない」

2025/12/08  読売新聞

長崎県と佐世保市が川棚町で進めている石木ダム建設事業で、大石知事は7日、同町で開かれた説明会に出席し、建設に反対する地元住民と対面した。大石知事が反対住民と公式に会うのは、2023年1月以来約3年ぶり。

 説明会では、住民側の市民団体から「気候変動の影響を踏まえて計画を見直さないのか」と問われ、「見直す状況にないと認識している」と回答。ダムの必要性について検証する場を設けるように求められた際には、「必要性について議論する状況にはない。地元の理解を得る努力を続けていく」と述べた。

 石木ダムは、佐世保市の渇水対策などを目的としたダム。1975年度に事業採択されたが、反対住民との対立で工期の延長を繰り返している。2032年度の完成を目指す県は、来年度中に本体工事の契約を発注する必要があるとしているが、建設予定地に残る小屋が工事の支障となる可能性がある。

石木ダム、県が説明会 反対住民ら「根拠なき事業」 地元で11年ぶり

2025/12/8 毎日新聞

YAHOOニュース(NIB長崎国際テレビ)
石木ダム建設事業 反対住民向け説明会に150人 知事「必要性を今議論する立場にない」

石木ダム建設事業 反対住民向け説明会に150人 知事「必要性を今議論する立場にない」《長崎》(長崎国際テレビ) – Yahoo!ニュース

県と佐世保市が川棚町で進める石木ダム建設事業を巡る動きです。 県は7日、反対する住民や市民団体向けの説明会を開きました。

NIB長崎国際テレビ

川棚町で開かれた石木ダム建設事業に関する説明会。 事業の検証を求める市民団体の質問に、大石知事が応じる形で行われ、会場には水没予定地で暮らす反対住民を含む約150人が詰めかけました。

NIB長崎国際テレビ

市民団体側はダムの治水効果への疑問点や、裏付けとなるデータの不足を指摘しましたが、大石知事は事業の正当性を主張し議論は平行線に終わりました。 (大石知事) 「必要性については県として今議論する立場にないと。我々にできる説明はこれからも丁寧にやっていきたい」 (反対住民 岩下 すみ子さん) 「何回来た、何回来たという格好ばかり。そういう対応には納得していないから会わない。聞けば聞くほどいらないダム」 石木ダム建設を巡っては去年、事業計画が見直され、県は工期を7年延長し、完成予定を2032年度としています。