水道局長の証言は必要無し?!



4月22日(月)10時半、私たちは長崎地裁佐世保支部前に集まりました。

11時から始まる進行協議へのアピールです。進行協議は裁判官と原告・被告双方の代理人が今後の進行予定について話し合うもので、私たちは傍聴できません。



それでも、いつもと同じくらいの原告が集まりました。みんなが手に持っているのは・・・



「水道局長!正々堂々と証言を!」と書かれたプラカードです。

私たちは、これまでの裁判を全て傍聴してきました。
佐世保市の主張が書かれた書面や証拠書類も見ました。
事業認定取消訴訟で証言台に立った元水道事業部長の田中英隆氏の発言も聞きました。
しかし、どうしても、何故いま石木ダムが必要なのか?が理解できません。

現水道局長なら、それが語れるはず。
過去の必要性ではなく現時点での必要性です。
佐世保水道の現状を最も把握している水道局長以上に説得力のある説明ができる人はいません。
だからこそ、私たちは、この裁判の原告として、そして佐世保市民として水道局長の話を聴きたいのです。

この私たちの願いを裁判所に伝えたい!

弁護団が裁判所の建物の中に消えた後、私たちは裁判所に向かって、このプラカードを高く掲げアピールしました。
無言でただ掲げました。

さて、結果はどうだったでしょう?

報告集会では、いつものように、まず平山弁護士から経過報告がありました。

こちらが求めたのは、
①嶋津氏と谷本水道局長の証人尋問
②原告6名の本人尋問

これに対して
①嶋津氏については県が反対し、谷本氏については佐世保市が反対
②については特に意見無し

裁判所の考えは
①嶋津氏は採用するが、谷本氏は採用しない
②本人尋問はおこなう

今後の予定としては、
尋問予定日=7月17日(水)
午前~嶋津氏(主尋問+反対尋問=2時間)
午後~原告6人(主尋問+反対尋問=30分×6=3時間)

これで確定ではないが、ほぼ決まりだとのことでした。
この説明に対し、会場からは質問や意見が次々に出されました。

原告:裁判所が谷本水道局長を採用しない理由は何ですか?

弁護団:裁判所は理由は言いません。必要性が無いと判断したとしか言いません。
推測すれば、「谷本氏の証言を聞かなくても、資料は出揃っているので、それを見れば判断できる」と考えているのでしょう。

原告:では、なぜ嶋津さんは採用されたのでしょうか?

弁護団:嶋津さんの場合は軋轢が無いから。谷本さんは佐世保市の職員なので、無理やり呼ぼうとすれば軋轢が生じる。裁判所としてはそこまでしたくない。で、谷本さんを拒否した分、嶋津さんは応じて、バランスをとろうとしたのでしょう

原告:いくら客観的なデータや資料があると言っても、ダムが必要だと言ってる水道局のトップが法廷で生々しい証言をすることが極めて重要だと思う。説明をしようとしない水道局は市民を軽視している。そういう現状を訴え世論喚起していくことが必要だ。

弁護団:たいへん重要な指摘だ。裁判所でなくてもいいんです。水道局長が市民の皆さんの前で、今もダムが必要だと説明することが大事なのだから、集会や勉強会を開いて、そこに出てくるよう呼びかけ続けることが大事です。

原告:私たちはその呼びかけを何度もやってきたが、その度に「今は裁判中だから」という理由で断られている。裁判中は応じない、の一点張りである。この言い訳を突破する方法があれば教えて頂きたい。

弁護団:向こうは出ていったら負けるとわかっているから出てこない。これからも出てこないかもしれないが、諦めたら終わりなんです。言い続けるしかない。去年よりは今年、今年よりは来年、と少しずつ世論を大きくしていくことが大事なんです。

原告:今までの説明を聞いていても、私にはわかりません。
あのグラフ(水需要予測)を見た時にほとんどの人がおかしいと思うのに、なぜ裁判官はおかしいと思わないのか?
前回、「裁判は社会通念が左右する」と言われたが、ここでは社会通念は影響しないのでしょうか?

弁護団:裁判官にも変な考えの人はいっぱいいます。政治家もそう。変な政治家に投票する市民もいっぱいいるでしょ?それと同じ。それを前提に、ではどうすればいいのか、それを考えていかなければならない。地権者の皆さんが、そういう知事を相手に何十年も闘ってこられたように。

他の弁護士からこんな回答も。
「これは私個人の意見ですが、裁判所が谷本さんを採用しないのは、谷本さんが出てくると裁判所が困るからですよ」(会場から笑い声)

最後に地権者の岩下さんからご挨拶。
この裁判が始まってもう10回を超えました。その間、工事は少しずつですが進んでいます。一日も早く工事を止めてほしいというのが私たちの願いです。
今まで「寒い、寒い」と言いながら座り込んでいましたが、最近では「暑い、暑い」と言い始めています。暑くなるとホコリ(土埃)もひどいんです。いろいろ苦労もありますが、これからも頑張っていきますので、皆さんのご支援をよろしくお願いいたします!

次回は、第11回口頭弁論です。
6月4日(火)14:00~
よろしくお願いいたします。

証人尋問可否判断は新裁判長へ

なんと裁判の連チャンです。

3月11日の福岡高裁に続き、12日は長崎地裁佐世保支部で口頭弁論。こちらは10回目です。



この日も沢山の傍聴希望者が集まってくれました。一番広い401法廷でも傍聴席は50なので、毎回抽選です。



長崎新聞の記事にあるように、またもや、証人尋問の可否は先送りになりました。

その理由は裁判官の交代によるそうです。



渡邊裁判長が移動になるので、新裁判長のもとで証人尋問をするかどうか決めたい、そのための進行協議を4月22日11時~、次回口頭弁論は6月4日14時~と決まりました。

う~ん、私たち素人にはわかりませんねー。証人を呼ぶか呼ばないかで、どれだけの時間を費やせばいいのでしょう?

原告側が立証計画として証人尋問について申請したのは昨年9月16日の第7回口頭弁論期日でした。あれからちょうど半年です。半年かけてもまだ決まらない。早くて4月22日?6月4日?それでもまだ決まらないかも…。

私たちの弁護団は福岡県内の方が多く、北九州市からも毎回、新幹線や特急みどりを乗り継いで来られているのです。傍聴に参加する人たちも、みな忙しい人ばかり。中には仕事を休んで駆けつけている人たちもいます。

佐世保市が、それほど水道局長の尋問に反対する理由は何なのか?

意見書が提出されました。こちらです。佐世保市意見書(H31.3.6)

ここに書かれてあることは、要するに、

①石木ダムが不要ということを立証するためなら、これまで原告側が請求した資料データは全て提出しているのだから、その書証に基づいて立証すればいいでしょ?

②慣行水利権を保有水源に含めないのが妥当かどうかは法的な問題なので、尋問に基づいて判断することではないでしょ?

よって谷本局長の証人尋問は不要です。

ということのようです。この意見書を受け止めて裁判所も不要と判断するのでしょうか?

高橋弁護士は、この日の進行協議にやや落胆の表情で、次のようにコメント。

この意見書を認めて尋問の必要がないと裁判所が判断するなら、私には驚きでしかないし、簡単には受け入れられない。

なぜなら、この裁判は民事の工事差止訴訟である。今現在、この工事を止めるべきかどうかが問われている裁判である。この工事を続行すべきか止めるべきかは、この工事の必要性を判断せねばならず、その判断において、いま石木ダムが必要かどうかの判断が不可欠となる。

だから、私たちは、佐世保市にとって石木ダムが不可欠と考えている水道局長に尋問したいのだ。勝ち負け以前に、谷本さんの陳述は必要なのだ。

谷本さんは、私たちの質問に対し、堂々と答えてほしい。

この思いは、まさに私たち佐世保市民の思いです。その工事費の多くを佐世保市民が負担しています。石木ダムの必要性がしっかり納得できれば気持ちよく負担できますが、それを曖昧にされたままで、お金だけ徴収されても不満が募るばかりです。

原告側弁護士の質問は、私たちの疑問です。その疑問に、法廷の場で堂々と答えて頂き、解説して頂けますよう、強く願っています。

私たち市民が当局に公開の場での説明会を求めると、いまは裁判中なので…と断られます。裁判の場でも質問に答えないとなると、水道局長は逃げていると誤解されますよ。石木ダムの必要性が説明できないのかな?説明できないということは、必要性がないからなのかな?と。

それは違う!と言いたいですよね。であれば、佐世保市の弁護団に直訴して、ぜひ証言台に座って、必要性をしっかり訴えてください。それを私たち市民は、賛成反対にかかわらず、心から願っています。

 

 

控訴審 第2回口頭弁論 再評価を実施しないのは・・?

3月11日、石木ダム事業認定取消訴訟控訴審の第2回口頭弁論が福岡高裁でありました。

今回は、前回よりも少し広い法廷(前回は傍聴席80、今回は84)でしたが、今回もほぼ満席!福岡市民の皆さんも11名傍聴。ありがとうございました!

長崎県内からは、長崎市発諫早経由と、川棚発佐世保経由の2台のバスをチャーターして向かったのですが、川棚発のバスが途中渋滞で遅れ、門前集会に間に合わず、皆さんにご心配ご迷惑をおかけしました。原告団事務局としてお詫びいたします。次回はもっと余裕をもって出発しますねー

さて、本題です。

今回の弁論で原告側代理人は、第3~第6の準備書面を提出し、その要旨を法廷で読み上げました。

第3、第5、第6が利水関係で、その要旨はこちらです。
19.03.11-利水関係準備書面要旨

傍聴席から見て裁判長の左(右陪席)の裁判官が、諫早湾開門判決を無効にした方だと知ったNさんは、つい「悪いヤツ!!」なんて書きこんじゃってます。

第4は治水関係で、その要旨はこちらです。
19.03.11治水関係準備書面要旨



 

今回弁護団が一番強く主張したのは、ダムの必要性の根拠となる水需要予測の再評価を佐世保市が避けている事実です。

佐世保市は2012年度に再評価をして以降、これまでずっとやっていません。本来であれば5年後の2017年度に実施すべきものですが、市はあの手この手を使って、それを避けているのです。

なぜそこまで再評価を嫌がるのか?それは、いま再評価をすると、石木ダムが必要という結果を出すのが難しい、それがよくわかっているからに他なりません。2012年度の時でさえ数字合わせに四苦八苦したのに、これ以上は無理!と自認しているからでしょう。

しかし、どんなにあの手この手を使っても、2022年度には再評価をしなければならない。これは必須です。そして、それは石木ダムの完成予定年度です。

再評価の結果石木ダムは不要との結論が出ても、もう出来ているか完成間近…その時、その責任は誰が取るのか?巨額の血税を無駄にした責任は誰が取るのか?こうばるの住民を追い出し、暮らしもコミュニティも人生も破壊した責任は誰が取るのか?

土木部長か?知事か?佐世保市長か?佐世保市水道局長か?誰も取らないし、取り得るはずがない。取り返しのつかない事態になるだけ。

だからこそ、いま、その事態を回避するために、私たちは裁判で闘っているのです。

しかし、この闘いに勝つのは現実的にはたいへん難しい。なぜなら…



その理由の1つが「コッカムトウセキ」の論理だと、馬奈木弁護団長。

コッカムトウセキ?初めて聞く言葉です。調べてみました。

「国家無答責」=王は悪を為さず=国家に間違いはない、という戦前の論理。

違法な公権力の行使によって個人が損害を受けても、国が間違いを犯すはずはないので責任は負わない、という考え方。

戦後は、憲法17条で、「何人も,公務員の不法行為により,損害を受けたときは,法律の定めるところにより,国又は公共団体に,その賠償を求めることができる」と定め、この規定を実施するために国家賠償法が制定されたのです。

ところが、未だに国家は国民より上だと勘違いしている公務員が多く、それだけでなく、国と国民は対等平等であることをわきまえていない裁判官も多い。だから行政訴訟で勝つのが難しいのだそうです。

私たちが勝つには「社会通念」が大事。

水俣病訴訟は社会通念=水俣病は国に責任があると大多数の国民が思っていた=で勝てた。

原発は社会通念=国民の多くは原発が必要だと思っている=によって負けた。

嘘でしょ?国民の多くは原発は無くしたいと思っていますよ。世論調査をすると半数以上が反対ですよ。

と言っても通用しない。だって、ほとんどの人が九州電力の電気を使っているでしょ?原発で作った電気を使っている、つまり原発を容認していることになるのだそうです。(えー!そうなるの?それは大変!急いで対策を講じよう…)

やはり、とにもかくにも、石木ダム要らない!の世論をもっともっと大きくしなくちゃ…ですね。 (^^)/

 

次回は7月3日(水)14:00~です。

 

水道局長の尋問、なぜ拒む?

今年はじめての裁判が、1月15日、長崎地裁佐世保支部で開かれました。
石木ダム工事差止訴訟の第9回口頭弁論です。



一般傍聴席25席(全席50のうち、報道席12と特別傍聴席13を除く)に対し、56名が抽選の列に並びました。

定刻に席に着いた裁判長は大きなマスクをしていましたので、いつもよりやや聞き取りにくい場面はありましたが、おおよそは理解できました。



(法廷スケッチ:中島三代治さん)

この日も、原告側が求めている証人尋問を実施するかどうかについてのやりとりが行われましたが、結論はまた出ませんでした。

裁判長:こちらの都合で申し訳ありませんが、7月8月は3人(裁判長・左陪席裁判官・右陪席裁判官)が揃わないので、証人尋問を行うとすればそれ以前かそれ以後になります。
谷本さん(現佐世保市水道局長:谷本薫治氏)は6月は議会があるでしょうから、5月はどうでしょう?

被告(佐世保市)代理人弁護士:議会の予定はこちらではわからない。そもそも、なぜ証人尋問が必要なのか?谷本さんから何を聴きたいのか?数字等が必要なら書面でいいではないか?

原告側代理人(高橋弁護士):谷本さんは現在の水道局長として現在の佐世保の水事情を一番よく把握しておられる方である。我々は平成24年度予測が間違っていると主張したが、今回知りたいのは現状である。現状に照らして24年度の予測はどうだったと思うか?間違っていないと言えるのか?おそらく谷本さんは間違っていなかったとお考えだろう。そして、だから、石木ダムは今でも必要だとおっしゃるだろう。その根拠を我々は確認したいし、それに対して反論したいと思っている。

それに対する佐世保市代理人からの反論はありませんでしたが、その表情は苦虫を噛み潰したよう・・

その後、裁判長は嶋津さん(治水に関する証人:水源連代表の嶋津暉之氏)が佐世保まで来られるのかどうかの可能性を確認したり、原告本人尋問については、人数や時間を制限するかもしれないと告げ、特にこの人の話を聞きたいという要望があるか被告側に確認しましたが、県も佐世保市も「特にない」でした。

また、途中で10分ほどの暫時休憩があり、裁判官と被告側は別室へ。



再開されてからは、次回期日の日程調整があり、3月12日(火)16:00~と決まりました。
ギョ、ギョ!です。

前日の3月11日(月)は、福岡高裁で事業認定取消訴訟控訴審の第2回目の日。
連日の裁判となり、弁護団の先生方はもちろん、地権者の方々も大変だと思います。
また、傍聴に来てくださる皆さんもご苦労様ですが、できる範囲で、よろしくお願いいたします。

4時過ぎに始まった報告集会では、いつものように、


平山弁護士から今日の弁論内容についての説明と、
高橋弁護士からの補足説明があり、


高橋弁護士:谷本さんへの尋問は極めて重要。谷本尋問を抜きにして判決を書くことは許されない。

と、谷本尋問の重要性を強調されました。
その後質疑応答も短時間で終わりましたので、他の弁護士の皆さんからもお一人ずつコメントをいただきました。

緒方弁護士:私は嶋津先生の意見書を担当しています。費用対効果の面で、新たな主張を展開したいと思っています。

毛利弁護士:取消訴訟の一審でも複数の証人を申請しました。利水では、水道局の関係者3人と学者が2人。最終的には治水1人と利水1人だった。今回はそれを踏まえての申請なのでよりハードルが高いが、頑張っていきます。

鍋島弁護士:私は権利関係を担当しています。原告尋問の前に意見書の提出などでまたお世話になると思いますが、よろしくお願いします。

田篭弁護士:私は治水の担当で特に費用便益について取り組んでいます。今日の裁判長の話を聞いて証人尋問はおそらくあると思いました。長崎地裁のときと同じように、多くの方がそれを聴きに来て、応援をしてくださることが重要だと思っているので、その時はよろしくお願いします。

八木弁護士:利水班で生活用水を担当しています。控訴審の方では再評価について注目しています。佐世保市は29年度の再評価を避けてきましたが、34年度には必ずしなければならない。その時どんな結果になるのか、何というのか、学者はどう評価するのか。目の前の裁判については原告尋問の際に、また石木にお邪魔しますのでよろしくお願いします。

魚住弁護士:皆さん、こんばんは。いえ、こんにちは。年末年始ヒマラヤに行っていたので、まだ社会復帰ができていないようで…(会場、爆笑)私は難しいことはできないので、長崎市で情宣活動をやっています。県庁で、少しずつ広がっているようです。よろしくお願いします。

そして、お知らせもありました。

会場から:先日波佐見町で「ほたるの川のまもりびと」の上映会があり、100人もの方々が観に来られました。主催者の坂本さんに拍手をお願いします。(大きな拍手)

事務局から:先月の福岡高裁での1回目の裁判の後、福岡市在住の方からカンパをいただいたり、上映会の企画がもちあがっています。また、3月の2回目の時は、川棚からだけでなく、長崎からもバスを出す予定です。ぜひ多くの方の傍聴をお願いします。

最後に原告団代表の岩下さんからご挨拶。

今日もたくさんの方、お集まりいただき本当にありがとうございました。毎回裁判のたびに出かけてこられるのは大変だと思います。
また、弁護団の皆さんは裁判の時だけでなく、毎日ご苦労されておられます。本当に頭が下がりますが、今後とも石木ダム中止に向けて、よろしくお願いいたします。

今年最初の裁判は、初春に相応しい、なんとなく希望を感じる明るい船出となりました~(‘◇’)ゞ

第9回口頭弁論(石木ダム工事差止訴訟)

工事差止訴訟の第9回口頭弁論のお知らせです。



場所:長崎地裁佐世保支部(佐世保市光月町9-4)

日時:1月15日(火)15:00~
(14:30からの傍聴券抽選に遅れたら入廷できませんので、ご注意ください)

門前集会:傍聴券抽選が終わり次第おこないます

報告集会:中部地区公民館研修室(佐世保市光月町6-17)

前回(2018年11月6日)は1時間に及ぶ進行協議がおこなわれましたが、原告側が要望した証人尋問は、被告側(県と佐世保市)の反論により、確定しませんでした。
その後、原告側より新たな意見書や準備書面も提出され、それに対する被告側の書面も提出されているはずで、それらを踏まえて、裁判所がどのような結論(進行予定)を言い渡すかが注目されます。

ご都合のつく方は、ぜひご参加ください。
よろしくお願いいたします。

地権者、意見陳述「ダムに翻弄」



ここが福岡高等裁判所の新庁舎!(今年8月に移転)さすがにデカいなぁ~

12月19日(水)9時半、長崎から貸し切りバスでやってきた原告団44名が降り立つと、



そこには既に沢山の人が集まっていました。

出勤前に門前集会だけでも…と足を運んでくださった若い方々(パタゴニア福岡ストアのスタッフさんたちや岩田屋デパートにお勤めの方も!)ありがとうございました!



すぐに門前集会が始まりました。平山弁護士から今日までの流れなどについて説明があり、原告を代表して岩下和雄さんから控訴審に臨む決意が述べられ、最後に馬奈木弁護団長が静かな声で熱く挨拶。



なんでも全て行政の裁量権で片づけるなら話し合いは要らない。それは日本の社会が根底から崩れることを意味する。私たちは民主主義と国民主権を守る闘いをおこなっている。共に頑張りましょう。

 



この日の夕方のTVニュースでは、開廷前の様子や、



原告の主な主張なども報じられました。

 

こちらは、川棚町にお住いの中島三代治さんが描かれた法廷スケッチです。



この日は原告側から5人による意見陳述がおこなわれました。
トップバッターは、地元地権者の石丸勇さんです。

石丸さんは、「石木ダム事業が、私の人生のほとんどを束縛してきた」「1日も早く…行政の圧力から解放されて、自由で安泰な生活をおくりたい」そして「何度考えても、石木ダム事業が法に則った適正なものであるとは私には信じられません」「正しいことは正しいと言い続けますので、私たちに転機をください」と訴えました。

陳述書の全文はこちら→ 181219意見陳述(石丸勇)

 

二番バッターは共有地権者の遠藤保男さんです。



遠藤さんは「水源開発問題全国連絡会」の事務局として25年間、全国のダム問題に携わってこられたダム問題の専門家です。
行政が一度ダム事業を決めてしまうと、…どんなに科学的・具体的・根拠ある異論を唱えても全く顧みられることはなく、地権者が譲渡に応じない場合は、収用まで一直線で行政の思うがままに進められてきた」という実態を指摘し、この裁判で「不必要なダムを造り続けてきたダム行政に一石を投じるべく,本当に,利水及び治水の両面において石木ダムが必要であるのか,私たちの主張や証拠を正面から受け止めて頂きたい」と訴えました。

陳述書の全文はこちら→ 181219意見陳述(遠藤)

 

3番バッターは利水担当の高橋謙一弁護士です。



高橋弁護士は、佐世保市の水需要予測が『机上の空論』であることをズバリ指摘し、そのような『机上の空論』は何物も生み出さないし、それどころか「本件事業の『机上の空論』は、現に居住する13世帯の方々の生活を、積極的に破壊します。同様に、税金の無駄使いや水道費の高騰などにより佐世保市民の生活も破壊します」と断言し、『法』の番人たる裁判所がこの空論(佐世保市の水需要予測)を容認してはいけないと結びました。

意見陳述書の全文はこちら→ 18.12.19-意見陳述(高橋)


 

4番バッターは治水担当の田篭弁護士です。



田篭弁護士は、これまで長崎県がおこなってきた様々な数字合わせの実態を整理し、「行政の恣意的な数字操作により、地権者達の生活が理不尽に奪われることのないよう、現実を直視した判断を」求めました。そして、計画規模や基本高水流量だけでなく、新たに費用便益比においても重要な数字操作があることを指摘しました。

意見陳述書の全文はこちら→ 181219-意見陳述(田篭)

 

トリは、もちろん、馬奈木昭雄弁護団長。



馬奈木弁護士は、石木ダムに関する行政や一審判決の「冷たさ」「問答無用」の本質を突き、このようなことが許されていけば、この国の「民主主義そのものが揺らぐ」ことになると警告し、「事実をありのままに見ていただき、行政と控訴人らとの間で対話が行われ、合意形成を目指すことが可能となるよう」な審理を切望すると述べました。

意見陳述書の全文はこちら→ 181219-意見陳述(馬奈木)

 

5人の陳述後は、今後の書面のやり取りについての協議。

そして、次回期日は、3月11日(月)14:00~と決まりました。

 

裁判終了後すぐに報告集会会場に移動。今回は車で十数分の、城南市民センターです。



定員90名の視聴覚室がほぼ満席(報道人も含めて)で、立ち見の人も…。

平山弁護士からの説明の後、陳述者の皆さんに補足して頂きました。


遠藤さん:私が一番頭に来てるのは、県と佐世保市が事業認定申請を出した時。13世帯の皆さんの「失われる利益」について全く書かれていないことに非常にビックリしました。そして、この問題は絶対負けてはならないと思い、関わり続けています。

 



石丸さん:子どもの頃からダムが生活に入り込み頭から離れなかった、また、地域が分断されてしまったことなどを伝えたかった。どこまで伝わったかわからないが…。これまでに集めた証拠書類を次の機会に出したいと考えている。

 



高橋弁護士:私が利水について言ったのは3つのこと。①平成24年度水需要予測は今現在全く外れてるでしょ?②その外れ方は過去の予測の外れ方と全く同じでしょ。③全国どこでも(ダム計画のあるところは)間違った予測をしています。つまり造りたいから造るための予測でしょということ。こんなデタラメな予測を認めて私たちを負けさせて社会のためになるのか?裁判所のあり方を問いたい。

 



田篭弁護士:治水について長崎県の視点で考えてみると、ダムを造りたいので、治水安全度を1/30から1/100に変えなければいけなかったし、河道についてもダムを造るために50年遡った。費用便益比についても同様のことが言え、この件については、嶋津さんに意見書を書いて頂いた。いかに数字合わせがおこなわれてきたか、裁判所にわかるように伝えることが大事だと思っている。

 



馬奈木弁護士:今の裁判はおかしい。日本全体がおかしい。近代市民社会(自由で平等な社会。自分の自由意思で意見を交換し、その合意のもとで売買したり物事を決めていく)が崩されそうになっている。

沖縄の意思は選挙で示されているのに、国はそれを無視している。石木ダムの覚書も同じ。

川原公民館で知事は今後も話し合いを続けると約束したのに出てこなくなった。

国や県のやり方は今の社会制度を壊そうとしている。それに裁判所が乗っかってはダメだ。裁判所はかじ取りをするのが役目。対話ができるようにするのが裁判所の仕事。

「支援」という言葉は好きではない。自分の権利を守るために、自分が頑張る。それぞれが自分のため、自分の子や孫のために頑張る。そして、一緒になって頑張る。それが国民全体の権利を守ること。それが日本を平和にすること。戦争は国民の自由な権利を奪わなければできないから。

最後に原告を代表して、岩下さんからご挨拶。

裁判の場所が福岡に変わったが、私たちはこれからも負けずに頑張っていきます。現在も県の職員は毎日10~15人やってきます。その中で私たちも抗議行動を続けています。寒くなりましたが、雨で工事が休みの日以外は頑張っています。
是非この裁判に勝って工事を中止に追い込みたいです。
今後ともよろしくお願いします!

12/19石木ダム事業認定取消訴訟控訴審第1回口頭弁論のお知らせ

みなさん、大切なお知らせです!
とうとう明日に迫りました!
 
12月19日に福岡高裁で開かれる事業認定取消訴訟の控訴審の第1回口頭弁論のご案内です。
 
地元からも大型バスをチャターして50人規模で駆けつけます!
福岡中心部近くにお住いの方、ぜひ傍聴に来てください!
新しい高等裁判所は傍聴席が80席あるらしいです!
なんとかして全席埋めましょう😀
 
石木ダム事業認定取消訴訟控訴審第1回口頭弁論
 
日時 12月19日(水)
午前9時30分 福岡高裁(六本松)門前集会
午前10時 口頭弁論 
 
報告集会 福岡市立城南市民センター(城南区片江)





工事差し止め訴訟 第8回口頭弁論


秋晴れの空の下、いつものように門前集会にはたくさんの人が…


現地こうばるの皆さんは、全員ジャンパー姿。いつものように早朝から現場での座り込みを続け、11時にマイクロバスに飛び乗り、バスの中でお弁当を食べながらやってこられたので、着替える暇もありません。お疲れ様です!

今回はじめて抽選無し。ここに集まった人全員が裁判を傍聴できました。それは、被告側の傍聴希望者がいなかったからです。一般傍聴席は原告側のひとりじめでした。(‘◇’)

しかし、口頭弁論開始予定時刻の13:30になっても一向に始まりません。裁判官はもちろん、原告席にも被告席にも弁護団の姿も見えません。

しばらくして傍聴席から書記官に対し、「開廷が遅れている理由は何ですか?」との質問が出されましたが、答えは何も返ってきませんでした。

実は、13:00から行われていた進行協議が長引いていたのです。

前回原告側が示した立証計画の証人尋問を被告側が否定したため、今回は、口頭弁論の前に、裁判官が双方の意見を聞いて今後の裁判の進め方を決める「進行協議」を30分間行うことになっていたのですが、それが30分では終わらなかったのですねー。

14時過ぎ、つまり予定より30分以上遅れて、ようやく開廷となりました。

ということは1時間も進行協議が行われたのですから、結論が出たのかと思いきや…そうではありませんでした。

結局、前回と同じ。こちら側が求めた証人尋問に対し、県も佐世保市も、その必要性を認めず、裁判所は、原告と被告それぞれと個別の協議を持つことにしたので、時間がかかったようです。

裁判所が原告側に確認したのは、「証人に何を聞きたいのか?ダムの必要性については取り消し訴訟控訴審の方で、詳しくやっているのではないか?全く別のことを聞くのか?」ということ。

それに対して、当方弁護団はこう答えたそうです。

取り消し訴訟で問われているのは事業認定が告示された平成25年当時の必要性であり、こちらの訴訟では現時点で工事をする必要があるかということで、基準とする時点が違う。
特に水需要予測と現在の実績との乖離は重要である。佐世保市は予測と実績の乖離は問題ではないと言っているが我々はそうは思わない。

次回は1月15日(火)15時~

そこで 裁判所の判断(証人として誰を採用し、いつ頃結審したいなどのスケジュール)が示されるのではないか?どんなに遅くとも来年9月までには結審し、年内の判決になるのではないか?とのことでした。

それにしても、県も佐世保市も、どうしてそんなに証人尋問を嫌がるのでしょうねぇ?水源連の嶋津氏に論破されるのが怖いのでしょうか?佐世保市水道局長の谷本氏の証言では不安なのでしょうか?

自分たちの主張に自信があれば、喜んで受け入れ、堂々と立証すればいいと思うのですが…

ダム問題のエール交換?

今日は、東西の記者が図らずもダム問題でエールの交換を行った!

東京の記者が書いた石木ダムルポと、長崎の記者が書いた八ッ場ダムルポが、同じ日に掲載されたのです。もちろん全くの偶然。
どちらの記者も今日それを知ってビックリしていました。

東京新聞の片山記者が書いた記事はこちらです。2ページにまたがる力作です。



毎日工事現場に座り込む現地の女性たちの横顔とその思いから始まり、県の河川課と佐世保市水道局の職員に聞いたダムの必要性、それを否定する専門家のコメントが続き、最後はまた、現地の男性たちの固い決意で締められていました。


そして、デスクメモには、こう書かれていました。

私たちは一体どれだけの数の村を沈めてしまったのか。反省なき国で、石木ダム予定地の住民はもう半世紀も闘っている。「止まらない公共工事」で済まされる話ではない。

この言葉に頷く読者がどのくらいいたでしょう。たくさんいたと信じたい。


一方、今日の長崎新聞には、なんと関東の八ッ場ダムのことが、同じく2ページにわたって(こちらは1面と16面ですが)大きく取り上げられていました。

まず1面の記事です。



八ッ場ダム周辺の風景描写から始まって、代替え地に移転し暮らしている人々のそれぞれの思いを、気遣いながら紹介しています。




特にSさんの言葉は重い。

お金で買えないものをお金に換えさせられた。すきま風が吹き、ほこりだらけだったあの家を取り戻せるなら、喜んで全て返すのに

その思いを中央大法学部の中澤教授は「人は空間に記憶を刻み込んでいる」「場所こそ記憶のよりどころ」と分析し、「コミュニティが簡単にカネで買えると考えるのは戦後日本の致命的な悪所だ」と指摘しています。

この記事を長崎地裁の武田瑞佳裁判長は、どのような思いで読んだでしょう?
それとも、今関わっている裁判のことで忙しくて「読んでもいない」かな?

12月からお世話になる福岡高裁の裁判長には、ぜひ読んでほしいところですが、福岡にお住まいなら長崎新聞を読む機会はありませんねー
残念! (~_~;)

工事差し止め訴訟、第7回口頭弁論

今回も定員を超す傍聴者が来所し、傍聴券の抽選配布が行われました。

この日の争点は、原告側が提示した立証計画についてです。

原告側は、2名の証人尋問(利水については佐世保市水道局長の谷本薫治氏、治水については水源開発問題全国連絡会(水源連)共同代表の嶋津暉之氏)と21名の原告本人尋問(20名の川原住民と1名の佐世保市民)を申請しましたが、

それに対し被告(長崎県と佐世保市)側は、「その必要は無い。主張すべきことがあれば文書を提出すればよい」と反論しました。

裁判長は双方の主張を聞き、自身も原告側へいくつか質問や確認をした上で、進行協議をおこなうことを提案。双方とも賛同し、日程調整の結果、11月6日(火)13時からと決まりました。

報告集会では立証計画について、弁護団からさらに詳しい説明がありました。


高橋弁護士によると、

7月に判決が出た事業認定取り消し訴訟では、佐世保市の水需要予測に対し、『明らかに不合理であるとは認められない』との判断が示されたけれど、それは、「事業認定庁が、平成25年9月6日時点で、平成24年度予測を問題なしとした」ことに対する判断であり、25年以降についてはいかなる判断も示されていません。

本件については、石木ダム工事により原告らにどのような被害が出るのか、その被害を受忍するほどの公共性があるのか、が問われるのであり、その判断基準時は「現時点」です。
いま現在造られているダムが必要かどうか、それは今日現在の水需要がどうなのかということが問われなければならない。
そこで、平成25年度以降の佐世保市水道の実態を最もよく知る佐世保市水道局長を証人として尋問することにしました。



原告本人尋問として現地住民の方を20人も申請したのは、地権者だけでなく、その子ども世代の若い人の思いも裁判官に伝えるためです。まあ全員が認められることは難しいでしょうが、できるだけ多くの方の声を届けられるようにしたいなと思っています。

また、私たちが尋問にこだわるのは、裁判というのは、裁判官の目の前で原告本人や証人たちが証言することがとても大事だからです。書類には血肉がありません。

例えば、今回の震災被害を新聞の文字で読むのと、テレビの映像で観るのと、実際に現地に行った場合と、理解度は全然違いますよね。

裁判長がこちらにいろいろ質問していたのは、その証人をどういう理由で求めているのか、何が聞きたいのか、尋問に反対している被告側に理解しやすいような説明を求めていたのだと思います。それで、もう少し理解できるよう文書にまとめて提出することにしました。



その後、毛利弁護士や八木弁護士から取り消し訴訟判決に関する分析がありましたが、いずれも怒りを通り越してあきれ顔のお二人でした。

控訴審に関してはまだ日程は決まっていませんが、11月か12月頃になるだろうとのこと。

これからは佐世保と福岡、2ヶ所の法廷で闘うことになります。
福岡にお住いの支援者の皆様、応援よろしくお願いします。

(‘◇’)ゞ