工事差止訴訟 結審!



今日は工事差止訴訟の結審日です。
いつもの県内傍聴者だけでなく、中部地方や関東地方からも!
昨日の全国集会に参加された方々です。感謝!!

開廷後すぐに原告側から3人が意見陳述を行いました。

●岩下和雄さん(川原住民) 陳述書 (岩下和雄)

●鍋島典子弁護士(原告代理人) 意見陳述(鍋島)

●平山博久弁護士(原告代理人) 意見陳述(平山)

その後、被告側からの陳述はなく、準備書面等の確認の後、結審しました。

判決は、令和2年(2020年)3月24日(火)14:00 です。

 

いつもの中部地区公民館で報告集会。
今日は、まず初めに記者団による質問です。

Q:この裁判の争点は?

A:争点は、今の時点でダムの必要性があるのか、権利侵害があるのかということ。しかし被告側は、既に事業認定取消訴訟の一審で石木ダムの必要性は認められているとして議論しようとしない。事業認定の正当性を争った取消訴訟は、認定した当時(2013年)のダムの必要性を問うものであり、この裁判(工事差止訴訟)では、いま現在の必要性を問わねばならない。基準時が全く違うので、改めて議論すべきである。被告側はそれを逃げている。正面から議論すると勝てないので逃げている。逃げても裁判所は守ってくれると高を括っている。
実際にそういう場面がありましたね。

(それは、結審の直前のこと。裁判長が「被告は本件事業の公共性公益性について原告の主張に対して具体的な反論をしていないが、別件訴訟の一審判決が正しいので原告らの主張は理由として認められない、ということでよろしいか?」と確認し、被告は「はい」と答えていました。裁判長が被告に代わって説明?!)

Q:もう所有権が行政に移ってしまっているが、原告の方の立場はどういうふうに捉えたらいいのか?今日の昼のニュースでは、「元地権者」と表現していたが。

A:居住者である。我々は地権者として裁判をおこしたわけではない。そこに住んでいる者として、その権利を主張している。この裁判では、13世帯の暮らしが合理的理由もなく奪われるということと、佐世保市民にとっては自分たちの税金が無駄に使われ、市民生活が脅かされるということを問題にしている。

(佐世保市民にとっては税金というより水道料金です。石木ダム負担金のほとんどが水道会計から出て行くので水道料金の値上げに繋がります。一部税金からも支出しますが、税金による負担なら、県税からも支出し、国庫補助も受けるので、長崎県民も日本国民もみんなの税金が使われています。だから、この訴訟の原告は日本中から集まっているのです)

Q:工期延長を受けて佐世保市が新たな水需要予測を出すようだが、裁判に影響するのかしないのか?また、水需要予測について弁護団はどのようにとらえているのか?

A:佐世保市の発言は「いつかはしなければならない」ということであり、「今すぐやる」とは言っていない。判決には間に合わないだろう。佐世保市は29年度にやるべきだったのに口実を作ってやらなかった。が、34年度にはやらなければいけない。工期延長の関係で来年やるかもしれないが、再び過大な予測となるかもしれない。きちんと再評価をするよう我々も望んでいるし、佐世保市民からもそういう声が上がっているようだ。

 (佐世保市は再評価を2回逃げています。1回目は27年度の工期延長のための再評価。県は治水について再評価を行ったが、利水についてやるべきだった佐世保市はそれを怠った。2回目は29年度。5年ごとの通常の再評価をやるべきだったが、24年度の再評価を後付けで特別な再評価と位置づけ、次は34年度で良いことにしてしまった)

Q:長崎地裁では市の予測を行政の裁量権として認めたようだが、佐世保支部ではどのような判断をすると思われるか?

A:そのように言い張る裁判官もいるが、予測が間違っているのは明らか。既に30年度までの実績値が出ているが、予測値との差はますます大きくなっている。

Q:権利の侵害が争点になっているとのことだが、訴訟している間にも収用の手続きは進んでいき、明け渡し期限を迎えてしまった。この状況の変化は、訴訟にどのように影響しているのか。

A:居住している限り、所有権は全く問題にならない。名義が変わったのは観念論である。名字が変わっても人格が変わらないように、所有権が変わっても、そこに住んでいる限り住んでいる者の人格権は変わらない。居住し生活をする権利の侵害を問題とすることに影響はない。

 

フリージャーナリストを含め、記者の皆さんからは次々に質問が出されましたが、時間となり、その後はいつもの報告集会に移りました。

まず初めに、今日意見陳述した3人の方からポイントや感想が述べられました。

平山弁護士これまでの裁判では叶えられなかったが、この裁判では是非とも、原告の人々の怒りや疑問に正面から答えてほしい、その思いを込めて陳述した。

鍋島弁護士どう話したら裁判官は「そうだよねー」と思ってくれるかなと、それをとても考えた。裁判官というのは各地を転々とする職業なので、ふるさとに拘り続ける人々の思いに寄り添うのは難しいかもしれない。だからこそ、前回の居住者による意見陳述の言葉が一番大事だと思い、それぞれの陳述書から引用させていただいた。

 岩下さん:今回原告からの意見陳述は予定されていなかったが、前日の集会で集会宣言が採択されるというので、急遽それを読み上げることになった。言いたいことはいろいろあったが、時間もなかったので前置きとして今の気持ちを短くまとめた。

 

続いて、質疑応答です。

支援者:先ほどの記者の方からの質問に答えて、明け渡し日を過ぎても何も影響はないとおっしゃっていたが、本当にそうだろうか?権利をはく奪されたところに住んでいると不法行為とみなされたりするが、不利益が生じることはないのだろうか?

住民:私たちの想い(住み続たいという願い+住み続けるという覚悟)は、今日が過ぎても、1ヶ月後、1年後も何ら変わらない。覚悟はできている。

弁護団:弁護団としては、居住している以上、その権利を守るということを主張していきたい。所有権の有無や明け渡し日は問題としない。

住民:29日には高裁の判決が出るが、その後の予定はどうなるのか?

 弁護団:高裁の判決はほぼ予測はついている。上告の手続きも進めているし、2月には最高裁への要請行動も予定している。

弁護団:浦瀬課長の「追い風」発言が話題になっていたが、あれは本音だろう。内心、佐世保市の関係者は「渇水が起きてくれないかな~」県の関係者は「洪水が起きてくれないかな~」と思っているだろうとは思っていた。まさか口に出すとは思わなかったが。そんな、他人の不幸をあてにしないと前に進めないような事業はおかしい。必要性が無くなっていることの証である。裁判がどんな結果になろうとも、私たちの正しさは、ここでも確認された。

佐世保市民:浦瀬氏は二重の間違いを犯したと思う。1つは災害にあった人の不幸を利用したということ。もう1つは、災害の時に石木ダムがあたかも役に立つように述べたこと。昨日の嶋津先生の説明など聞けばそれは明らかだが、マスコミの報道には、そういうことがあまり書かれていないのが残念だ。

 嶋津氏:裁判も頑張っておられるし、我々も頑張っているが、今ここにおられる皆さんにできることがあれば、アドバイスを頂きたい。

弁護団:皆さんがまず確信を持って石木ダムは不要だと広めて頂くこと。昨日、嘉田さんが言われたように、行政代執行してダムを造ったところは無いのだから、13世帯に対して、それはあり得ない。焦ることは無い。焦っているのは向こう。我々は行政代執行などとんでもないという世論を作っていくこと。

住民:毎朝、工事の音で起こされる。昨年から体調が悪く辛いが、それにだんだん慣らされていっていることが怖い気がする。追い風発言とかそういうことに、支援者の方も慣れないでほしい。風船がどんどん膨らんで、いつかパンとはじけるように、石木ダム問題もはじけてほしい。慣れると風船がしぼんでしまう。

福岡市民:議員連盟もできたので、いろんな疑問や提案をあちこちの議会でどんどん出していってもらうよう、働きかけをしていくのがいいと思う。

 

などなど、昨日の余韻か、記者の皆さんも市民県民、他県民まで発言が相次ぎました。

この熱気が萎まぬように、みんなでどんどん膨らませていきましょうー

 

高校生が伝えたかった思いとは

8月28日、石木ダム公開討論会を求める署名提出後、参加者は県政記者室で記者会見を行いました。

署名活動の主体となっていた「いしきをかえよう」実行委員会、映画「ほたるの川のまもりびと」の山田英治監督、署名活動の事務局としてサポートしていたパタゴニア日本支社の辻井隆行社長などに交じって、その中央の席に座っていたのは、佐世保市在住の女子高生荒岡梨乃さんでした。



普段は人前に出ることが苦手だという梨乃さんが、勇気を振り絞ってここに来た、その思いとは何だったのでしょう?

新聞・テレビで伝えられたのは、その映像だけだったり、発言のごく一部です。そばで見ていた者として、多くの長崎県民に、そして、県知事や佐世保市長にこの高校生の思いを知って頂きたいと思いました。梨乃さんの了解を得て、会見原稿をここに公開させて頂きます。

 

私は佐世保の公立高校に通う3年の荒岡梨乃です。この度、このような、意見を発表する場をいただけたことを光栄に思います。

 私が石木ダムの建設事業について知ったのは中学2年の時に見た新聞に掲載されている村山嘉昭さんの写真がきっかけでした。日が暮れ、暗くなった河原にホタルが飛んでいる様子がとても綺麗だったことをよく覚えています。こんな場所がどこにあるのだろうと思い調べてみるとすぐ近くだったことに驚きました。そして、ここがダムに沈められてしまうかもしれないということも。
 しかし、この建設事業について詳しく知る人はあまりいません。自分が住んでいる街のことなのにです。
 私の学校の友人でも、知っている人はあまりいませんでした。話そうとしても関心がなさそうな人も多かったです。そんな実態に悲しくなりました。
 もし、仮にダムが建設されたとして、その負担金を払うのは市民である私達であり、未来の構成員である現在子どもである私達です。それなのに、詳しく石木ダムについて知らず、知る機会もないまま事業は進められています。本当にこのままでよいのでしょうか。
 まずは、石木ダムが本当に必要かを考える機会の場を作ってほしいと望みます。
 一度壊れた自然はもう元に戻すことはできません。未来に残すものの優先度を今一度考えてほしいです。
 行政は本当のことをきちんと伝える義務があります。メリット、デメリットをおさえて真実を伝えるべきです。そして、県民には意思表示をする義務があります。一人一人がこの問題について考えるべきです。

 毎年夏にこうばるに訪れますが、これがここに訪れる最後となるのではないかと不安になります。健やかな自然の中にあるぎょっとするような禍々しい看板の不自然さを、訪れた人はみな感じると思います。
 50年近くこの事業は食い止められていますが、さして問題は起こっていません。食い止められているのは座り込みなどをして必死で守ろうとしている人々がいるからです。その間、こうばるの方々は普通の生活を送れていません。自由もありません。そのことを県民の皆さんに知ってほしいです。

 

梨乃さんは1枚の写真(河原に飛ぶホタル)に出会い、魅せられ、その場所について調べるうちに石木ダム問題にぶつかりました。「その負担金を払うのは市民であり、未来の構成員である私達」だと気づき、考え始めます。しかし、ダムの必要性を考えようと思ってもその判断材料が少ない。よくわからない。だから、公開討論会を開いてほしいと願っています。

梨乃さんの言葉を、知事や市長だけでなく、私たち県民も、しっかり受け止め、心に留めましょう。

「行政は本当のことをきちんと伝える義務があります。メリット、デメリットをおさえて真実を伝えるべきです。そして、県民には意思表示をする義務があります。一人一人がこの問題について考えるべきです。」

梨乃さんは「毎年夏にこうばるに訪れますが、これがここに訪れる最後となるのではないかと不安になります」とも記していますが、そう思っているのは、実は梨乃さんだけはありません。

映画「ほたるの川のまもりびと」がきっかけで「こうばる」を訪ね、こうばるが大好きになった佐世保の子どもたちがいます。その子どもたちの中には署名活動に参加した子もいて、28日に一緒に県庁に行き、知事さんにお願いしたいと言ってたのですが、大人の側の配慮で見合わせてもらいました。

その代わり、この子どもたちの想いを記者の皆さんには知ってほしくて、次のようなメモを配布し、山田監督から説明して頂きました。





この子たちが望む未来を、私たち大人が、消し去ろうとしています。

まともに考えもせず、無関心なまま行政に丸投げし、気づいた時は「後の祭り」となるのでしょうか?

「ボーっと生きてんじゃねーよ!」チコちゃんだけでなく、多くの子どもたちからそう言われないよう、今こそ、しっかり考えてみませんか?

9月8日の緊急集会に是非お集まりください!

副知事、要請書受け取り拒否!

7月30日午前10時県庁集合。



「石木ダム建設絶対反対」「強制収用は許さない」「石木ダムNO!」の幟やプラカードを持った人々が県庁ロビーを埋め尽くしました。



こんなにたくさんのメッセージカードも!

「部屋を用意しているのでそちらへどうぞ」と促す河川課職員に対し、地権者の代表は、「私たちは知事に会いに来た。知事へ私たちの土地を強制収用しないよう伝えるためにやってきた」と。しかし、知事は上京していて不在だと言うばかり。

「知事を出せ!」という怒号が飛び交う。

傍にいた職員が私に、「わかってくださいよ。本当に知事は不在なんですから。窓口のTさんには事前に伝えてありましたし、ちゃんと私たちが対応しますから」と言うので「東京のどこに何の用事で行かれているのですか?」と問うと、「それは言えない」と言う。

こりゃ、ダメだ~。これまでさんざん県に騙されてきた人たちに、内容については言えないけど東京出張は信じてください、なんて無理な話です。

県が強行しているダム建設のために、家や土地を奪われようとしている人が会いに来るとわかっていて、それでも行かねばならない大事な公務なら、隠す必要はないでしょう?例えば、「新幹線の件で国交省へ」とか「IRの件で経産省へ」とか。その程度なら言えるはず。それさえも言わないので、在庁しているのではないか?我々に会いたくないので用もないのに東京へ逃げ出したのではないのか?などと勘繰られるのです。

膠着状態に陥ったままお昼に。各自、持参したおにぎりや庁舎内のコンビニで買ったお弁当を食べ、午後に突入。

午後からは、知事がいないなら副知事に要請書を手渡そうということになり、河川課職員と交渉。

しかし、これまた難航。副知事は在庁しているのに、公務のため会えないという。秘書課長も出てこない。なぜなら石木ダムの担当は秘書課ではないから。担当は河川課だから。

この対応に、みんなプッツンしました。それならこっちから出向こう!と。



秘書課に通じる廊下に人の列。「通せ!通せ!」の大合唱。狭くて、熱気で蒸し風呂状態。



私は、この階段の上にいたので、先頭の方の状況は何もわからなかったのですが、後で聞いたら、子どもたちが最前列にいて、「通してください」と何度も何度も頼んだのに、職員はただ無言を通していたそうです。

このままでは、熱中症で倒れてしまう人も出てしまうかも…それを危惧して再びロビーへ移動。

やっと秘書課長が登場。



しかし、「副知事は公務のため、私が受け取ります」と繰り返すばかり。

「我々への対応は公務ではないのか!?ほんの10分でいい!」

そう粘っても、頑として拒否。

そこで、もう諦めました。今日は要請書を渡さずに帰ろうと。

地権者の思いが詰まった「強制収用の取り下げを求める要請書」は、本来知事に直接手渡すために持ってきたのです。届けるだけなら郵送でもできます。対面し、文字にできなかった思いを直接伝えて渡したかったのです。

しかし、不在ならやむを得ない。知事の代行者である副知事に託そうと決断したのに、それさえも受け入れない。

この対応って何ですか!どこまで地権者を傷つければ済むのですか!

これは全て知事の責任です。
「地権者が来ても自分は会わない(会えない?)対応は河川課がするように」とトップが決めたら、部下はそれに従わざるを得ない。矢面に立たされた河川課職員は防波堤になろうと必死でした。その防波堤は突破されたけど、秘書課長がかろうじて守りました。副知事からは、よくやったと褒められるのでしょうか?私たち県民の目には、道理が通じない、人の心を持たないロボットのように見えました。

その頃、秘書課の前では、まだ子どもたちとそのお母さんたちが頑張っていたことを後で知りました。

その場に同行していたMさんに聞きました。

ある男の子は、「どうして知事に会えないのか?どうしてダムがいるのか?わかるように教えてください!」と訴えていたそうです。

こうばるに住んでいる女の子は、「私の家を取らないでください!ダムはいりません!私は死にたくありません!弟や妹も死んだらいやです!」と泣きながら叫んでいたそうです。

それでも県の職員は、表情も変えず道を開けまいと立ちはだかり、まるで心を失ってしまったかのように見えたそうです。

おそらく、そうではなかったでしょう。子どもたちの言葉に職員の皆さんも動揺し、まともに聞いていたら職務を放棄したくなるので、見えない手で耳を塞ぎ、別のことを考えようと必死で頑張っていたのではないかと想像します。

このような辛い仕事を部下にさせて、知事は平気なのですか?


「また出直します。その時は、また皆さんよろしくお願いします」地権者の挨拶を見守る人垣の後ろに居て、ふと天井を見上げると「青いぜ!長崎」のフラッグが…



「その遺産は、過去と未来を見つめている」

たぶん、世界遺産に登録された「潜伏キリシタン関連遺産」のことでしょう。

知事は、どんな遺産を長崎に残そうとしているのでしょう?

石木ダムを造ったら、まちがいなく禍根を残す『負の遺産』になりますよ。

10時だよ、全員集合!

特に長崎県民の皆さんへ(もちろん他県の方も大歓迎です)

7月30日(火)空いていますか?
空いていたら、ぜひ県庁にお集まりください。
10時に集合です。


川棚町こうばる地区住民の土地が全て奪われようとしています。
石木ダム建設のために。

必要性のない「公共事業」のために、住む家も生業もコミュニティ(13世帯約60人)も奪われようとしています。

その権利侵害の日は9月19日と決まりました。

住民の皆さんはもちろん、私たち県民も看過できません。

私たちは全力で、知事に翻意を訴えます。

平和と民主主義を愛する長崎県民の声を結集し、共に知事へ呼びかけましょう。

7月30日午前10時、長崎県庁にお集まりください!

佐世保市と川棚町からは貸し切りバスが出ます。

乗車ご希望の方はこちらまで、ご連絡ください。

    川棚方面の方→090-4519-2528

佐世保方面の方→090-6171-5810

よろしくお願いします。(‘◇’)ゞ

 

工事差止訴訟 第12回口頭弁論~尋問

いよいよ大詰め!
この日は丸一日かけて本人尋問が行われました。
本人尋問とは、原告本人に対する尋問で、当事者尋問ともいいます。

午前中は、ダム問題に詳しい嶋津暉之氏(水源開発問題全国連絡会共同代表)への尋問。2時間かけて治水面に関する問題点が指摘されました。

嶋津暉之氏(報告集会での写真)
その骨子はこちらです。
http://suigenren.jp/wp-content/uploads/2019/07/6aa2ace98148ef838cb0d3a3c97c9d96-1.pdf

簡単にまとめると、

1. 石木ダムができても、その効果が及ぶのは、川棚川流域のわずか8.8%に過ぎない。

2. 最も危険な最下流域は港湾管理者の管理区間で、整備計画もなく放置されている。

3. 川棚町市街地の下水道計画では、10年に1度(1/10)の大雨にしか対応できないので、石木ダム計画で採用している100年に1度(1/100)の大雨が降れば、当然内水氾濫が起きてしまう。

4. 川棚川の下流域(石木川との合流地点より下流)の治水計画の規模を、1/100にしたのは間違いであり、恣意的。
5. その理由の第1は、氾濫計算を行うための項目の1つである河道状況が、現在のデータではなく、原始河道(昭和50年当時)が使われていること。現況で計算すれば1/50となり、石木ダムは不要となる。

6. 理由の第2は、その原始河道のデータも川幅を実際よりもかなり小さくしていた。(当時の航空写真から算出すると実際の川幅は、1.5倍~2倍もあった)

7. 治水目標流量の計算に使われた過去の雨量データも間違っている。当時、川棚川流域に雨量観測所がなかったので佐世保観測所のデータの0.94倍で算出されているが、実際にはもっと小さかった。昭和23年洪水の正しい推定値は0.57倍であった。

8. 県が算出した1/100の雨が降っても、川棚川が溢れるわけではない。石木ダムを造って余裕高を確保しようとしているだけ。

9. 石木ダムの費用便益比は1.25と県は言うが、治水目的である川棚川の便益比はわずか0.12しかない。石木ダムが洪水対策というのは全く理由にならない。

10.  便益の大半は不特定利水の便益であるが、その値はダム完成前から計上するという有り得ない手法が取られている。まともにダム完成後の便益で計算すれば、石木ダムの便益比は0.66にしかならず、不要という結論になる。

スライドを見せながら、石木ダム計画の問題点を次々に暴いていく嶋津氏の説明に、多くの傍聴者が「目から鱗」だったのではないでしょうか?裁判官たちもそうであったと思いたいのですが…。

続いて県側代理人による反対尋問です。
どんな尋問が飛び出すかと興味津々で聴き耳を立てていたのですが…

1人目の弁護士は、長崎地裁の判決(事業認定取消訴訟第一審)で示された「県の主張は不合理とは言えない」という判断を示すことによって反論しようとしましたが、嶋津氏はその結果についてことごとく「知りません」とかわしました。

バトンタッチしたもう1人の弁護士は、「あなたの主張はあくまでもシミュレーションであり、予測ですね」と言い、嶋津氏だけでなく誰もがあきれたのでしょう。傍聴席がざわついてしまいました。

嶋津氏:私の資料は県のデータに基づき計算したものであり、予測などといういい加減なものではありません!
県側弁護士:でも、ダムができてみないと、どのくらいの効果があるのかわからないでしょう?だから予測だと言っているんですが。
傍聴席:でたらめな)予測でダムを造ろうとしてるのは県じゃないか!
裁判長:尋問中です。静かにしてください。

その後も2~3意地悪な質問が出ましたが、嶋津氏は毅然として答え、午前の尋問が終わりました。

昼休みをはさんで、午後1時半からは住民ら6人への尋問が始まりました。
地権者、地権者家族、佐世保市民の順でおこなわれました。
主尋問に沿って語られた証言で印象的だった部分と、反対尋問を記します。

岩本宏さん(地権者)
(報告集会での写真)
結核を患って働けなかった父に代わって、私は子どものころから母を助けて、田畑を耕し牛の世話をして農作業で生計を立てていた。子どものころの遊びといっても、山や川でただ遊ぶのではなく、木の実を採ったり、小鳥やウナギを捕まえたり、食材確保を兼ねていた。
中学卒業後は弟妹の教育費を稼ぐために定時制高校で働きながら学び、卒業後は町役場に就職して、休日には農業に精を出していた。
結婚後は妻と3人の子どもと両親の7人家族の大黒柱としてさらに頑張り、家も新築した。その家を奪ってまで造ろうとしている石木ダムの必要性に納得がいかない。
石木ダムを多目的ダムとしたのは、「国から補助金をもらうために治水目的を付け足した」という県の説明を、私は昭和46年の説明会ではっきり聞いている。
また、水没予定地となったために町からの補助が得られず、道路の拡幅工事も、水田の区画整備も全て自分たちのお金と労力を費やしてやってきた。
どんなにお金を積まれても、ここを出ていく気はない。

反対尋問(県):県が何度も説明会を行ったのは知っているか?平成26年に知事や佐世保市長がこうばるに説明に来たのは知っているか?
岩本:知っている。
反対尋問(市):石木ダムに反対する最大の理由は何か?認める余地はないのか?
岩本:最後まで頑張ります!

石丸勇(地権者)
(報告集会での写真)
こうばるは自然が豊かなだけでなく、暮らし(近所付き合い)も豊か。老人会や婦人会、サクオレやサナボリなど農作業に関する行事、お寺関係の勉強会など様々な集まりや催しがあり、みんなで協力してやってきた。しかし、ダム反対運動に追われ、だんだん消滅していった。ほたる祭りだけは今でも地域総出でやっているが。
妻も今では反対運動を一生懸命やっているが、以前は、「あなたと結婚したばっかりに、こんな苦労をせんといかん。あなたと結婚してなかったら、違った人生もあったのに」 と時々愚痴を言っていた。今でも「本当にすまなかったなぁ」と思っている。
(最後に言いたいことを聞かれ、)石木ダムは大変な人権侵害である。利水でも治水でも必要性は全くない。これは嘘で固めたダム計画である。

反対尋問は県からも佐世保市からもありませんでした。

岩下すみ子(地権者の家族)
(報告集会での写真)
平成4年に新築した家は夫が設計したもので、使われている木材は全て岩下家の山から伐り出したもの。その木はお義姉さんたちが苗から植えたヒノキであり、そこに住んでいることに安らぎを感じる。
32回目を迎えた今年のほたる祭りにもたくさんのお客さんがきてくれた。数週間前から山菜取りなど食材の準備は始まり、前日も当日もとても大変だが、他所で暮らしている子や孫、支援者の方々と一緒になって作業するひと時は貴重だ。終わった後の達成感や飛び交うホタルの美しさに癒され、また来年も頑張ろうと思う。
もしも石木ダムができたら、この祭りを含むすべての暮らしが奪われる。(涙声)
(家が壊される場面をイメージしたことはあるかと問われ)イメージしたこともないし、考えたくもない、何があってもここに住み続ける。私たち13世帯はこうばるに住むことが一番の幸せ。その幸せを力尽くで奪わないでほしい!

反対尋問(県):あなたにとって納得のいく説明とは?納得のいく説明があれば石木ダムに賛成するのか?
岩下:議論すれば必要性はなくなります。

松本好央(地権者の家族)
(報告集会での写真)
松本家がこうばるに移り住んだのは昭和51年のこと。ダム建設計画に反対だった祖父が、こうばるの地を守りたいと考えての決断だった。その祖父が建てた家に、今も4世代9人で暮らしている。
自宅の隣には父親が経営する鉄工所があり、母や自分もそこで働き生計を立てている。長男もいずれ後を継ぐべく、今は他県で溶接の修行中である。
小学2年のとき強制測量があり、機動隊員が大勢やって来て怖い思いをしたが、その時から自分の中にも、この土地を守りたいという思いが芽生えたようだ。
今は、こうばるの暮らしを描いた映画の上映会に参加したり、田植えや稲刈り体験会を開催して、多くの方にこうばるの暮らしと石木ダム問題について伝える活動をしている。
裁判官の方にも是非こうばるに来て頂きたい!
今朝もばあちゃんが作ったトマトを食べてきたが、「92歳にもなって、今からどこに行かんばとか?」と言っていた。

反対尋問(県):(見ざる・言わざる・聞かざるの大きな看板の写真を指差して)これはどういう意味なのですか?(あなた方は県が説明不足だと言うけれど、県職員の話には耳を塞いで聞こうとしないではないか、と言いたかったのでしょう)
松本:僕はその頃子どもだったので知りません。

石丸穂澄(地権者の家族)
(報告集会での写真)
高校卒業後、名古屋にある美大進学系の予備校に入学したが、わずか10日で断念。体調を崩してこうばるに戻る。自宅療養を続け快方に向かったので、再度長崎市内で一人暮らしを始めたが、再び悪化し入院。精神科の病気はなかなか周りから理解してもらえないが、環境がものすごく大事で療養するためにはこうばるという場所が不可欠である。
自分にできるのは絵を描くことなので、「ダムのツボ」や「こうばる通信」を発行したり、絵ハガキや缶バッジなどで石木ダム問題を伝える活動をしている。ツイッターやブログなどでも発信している。
(県や佐世保市に言いたいことは?と問われ)、私たちの税金を使ってデマを広報で流さないでほしい。

反対尋問(県):そのデマとはどういうことか?
石丸:嘘を言っているということ。

松本美智恵(佐世保市民)
(報告集会での写真)
2008年に移り住んで初めて石木ダム問題に出会った。佐世保市の水道用水確保のために川棚町のこうばる地区の人々が苦しんでいるのを知って、本当に必要なダムなのか知りたいと思い、7回に及ぶ学習会に参加。その結果、石木ダムは不要と確信。石木川まもり隊を立ち上げ、様々な活動(学習会・ホームページやSNSで情報発信・議会への請願・イベントや現地案内等)に取り組んでいる。
石木ダムが不要と考える主な理由は3つ。
1.水需要予測の誤り。
2.漏水対策こそ最優先課題だから。佐世保市の漏水量は1日平均約1万トンであり、それは佐世保市民5万人分の生活用水である。
3.ダム関連事業費の負担が大きく水道料金のさらなる値上げや漏水対策の遅れに繋がる。
(最も問題だと思うことは?と問われ)行政は現実を直視していない。水需要の減少や水道施設の老朽化を直視すれば、新たなダム建設という選択肢はあり得ない。建設してしまえば、その維持管理費は私たちの子や孫が背負っていかねばならない。目先のことだけ考えて物事を決めればどうなるか、年金問題をみれば明らか。今ならまだ間に合う。佐世保市はダム有りきの政策を止め、市民の声に耳を傾けてほしい。

反対尋問(市):あなたは佐世保市が漏水対策に力を入れていないといいますが、過去44年間に225億円も使っている。この数字はご存知ですね?
松本:知っています。だから私たちは、その費目ごとの内訳を尋ねました。例えば平成30年度予算案で漏水調査費は600万円と書かれていましたが、長崎市の漏水調査費は数千万円で、桁違いです。毎年どのくらいの調査費を使っているか知りたくて。でも、費目ごとの整理はしていないとのことで、何にどのくらい使われているのか、教えてもらえませんでした。

以上で全ての尋問が終わりました。
裁判官からの質問は一切ありませんでした。

次回、11月18日(月)を結審とすることが決まり、閉廷となりました。

その後、いつもの中部地区公民館で報告集会が行われました。


平山弁護士:事業認定取消訴訟でも提出した伊藤先生と富樫先生による意見書を提出したが、証拠調べも証人尋問もしないとして、次回が結審となりました。

続いて、尋問を受けた方々からのコメントです。

嶋津さん:これなら勝てるという意見書をまとめたつもりです。しかし、それをどれだけ裁判官が認めてくれるかはわからない。実は昨日も私が関わっている東京のスーパー堤防の判決が出ました。審理の中では十分勝てる内容だったし、裁判長もいい人だったが、それでも勝てなかった。残念ながら、そういう司法の現状があります。今日の反対尋問は、私に対し「反対派」というレッテル貼りをしようとしたり、私の主張を単なる予測として片付けようとしたり…もう少し質の高いものを期待していたのですが、残念でした。

岩本さん:あの場では言えませんでしたが、治水が付け足しであるという根拠は他にもいろいろありますし、佐世保の慢性的水不足というのも全く出鱈目。県民は騙されていると思います。

石丸勇さん:私の時だけ反対尋問がなかったですねぇ。(笑い)それが何を意味しているのか?ホッとしたような、もっと言いたかったような…。ここで言っても裁判官には伝わらないので終わります。

岩下すみ子さん:陳述が進むにつれて、本当にこうばるという土地が大切だなーと感じて、つい涙が溢れてしまいました。とにかく、13軒が住み続ければ絶対に勝ちます。ガンバロー!

松本好央さん:私はこうばるに住んでいるだけでなく、そこに鉄工所があって生業としていることを主に話しました。「ほたるの川のまもりびと」の上映会の話をしたのは、いろんな世代が頑張っていることを伝えたかったから。最後にばあちゃんの話もできて、それがよかったと思います。

石丸穂澄さん:だいたい言いたいことは言えたと思います。病気に対する闘い、病気に対する偏見との闘い、そしてダム問題との闘いについて伝えたつもりです。ただ、それを聞いていた裁判官たちが偏見を持っていたら伝わらないと思いますが。

松本美智恵:先ほどすみ子さんは話しているうちに涙が溢れてきたとおっしゃいましたが、私は話しているうちに怒りが湧いてきて…(笑い)でも、私も言いたいことは言えたので良かったです。

高橋弁護士:今日の尋問を聞いていて、皆さんそれぞれの話が非常に良かった。嶋津さんの原始河道の話など新しい発見もあったし、説明がわかりやすかった。住民の皆さんの思いもよく伝わってきたし、佐世保市民にとっても石木ダムは不要だということが確信持てました。確信を持つことが大事です。一緒に頑張っていきましょう。


八木弁護士:岩下すみ子さんの担当をしました。電話で数回、事前の打ち合わせをやったのですが、その度に最後は泣かれました。考えれば考えるほど、思えば思うほど、こうばるへの愛着が湧いてくるのだと感じましたし、これこそが裁判官にイメージしてもらわなければならないことだと思いました。この裁判で問われている人格権、石木ダムができたら失われるものは何か、人と人との関係性であったり、積み上げてきた時間であったり、尋問の準備をする中で、私にもそれがはっきりわかってきました、これからも頑張ります。

鍋島弁護士:私も尋問を担当しましたが、他の方の尋問を聞けてとても良かったです。それぞれの原告の方が全く別の視点からこうばるの素晴らしさを伝えていましたし、石木ダムが要らないんだということがよくわかりました。裁判官がどんな判決を書こうとも、確信をもって「要らないんです!」と、言い続けていこうと思います。

弁護団の話を聞きながら、なぜかふと、あの言葉が思い出されました。

世の中に、正しいことぐらい強いものはありません

そう。戦争放棄について子どもたちに説明した「あたらしい憲法のはなし」です。

これからさき日本には、陸軍も海軍も空軍もないのです。これを戰力の放棄といいます。「放棄」とは「すててしまう」ということです。しかしみなさんは、けっして心ぼそく思うことはありません。日本は正しいことを、ほかの國よりさきに行ったのです。世の中に、正しいことぐらい強いものはありません。

戦争と石木ダムは何の関係もないのですが、なぜかこの一節が浮かんできたのです。
それは、初めてこの本に出会ったとき、「世の中に、正しいことぐらい強いものはありません」という言葉がとても新鮮で、当時の私を支えたからでしょう。

あまりにも理不尽なことが多い昨今では、すっかり忘れていましたが、今日の尋問と、その後の集会の中で、私は私たちの主張の正しさを確信しました。その確信が、記憶の底から、あの一節を呼び寄せたのだと思います。

そして、それはまさに、こうばるに住む皆さんの強さの理由だと気づきました。

石木ダム工事差止訴訟第12回口頭弁論のお知らせ

みなさん、こんにちは。

明日は石木ダムの重要な裁判が開かれます!

証人尋問(嶋津先生)と本人尋問(地権者ら原告6人)が行われます。



石木ダム工事差止訴訟第12回口頭弁論

7月17日(水)10:00~

長崎地裁佐世保支部

傍聴抽選9:30(その後、門前集会)

報告集会 中部地区公民館講座室(光月町体育文化館隣)



尋問の順番と時間は、以下の通り。

1.嶋津暉之氏(水源開発問題全国連絡会 共同代表)
主尋問90分+反対尋問30分

2.岩本宏之さん(こうばる地権者)

3.石丸勇さん(こうばる地権者)

4.岩下すみ子さん(こうばるの主婦)

5.松本好央さん(こうばるの若者)

6.石丸穂澄さん(こうばるの若者)

7.松本美智恵さん(佐世保市民)

2~7については、主尋問20~25分、反対尋問5~10分。

以上の尋問は、10時から、ほぼ一日かけておこなわれます。





昨日は、担当の弁護士の先生とみっちり打ち合わせしました!

きっと大丈夫、ちゃんと喋れるように随所に工夫を凝らしています。

みなさん、楽しみにしていてください。

これから、ほずみは裁判に向けて集中力を高めてまいります。

応援どうぞよろしくおねがいします。

福岡高裁が死んだ日

昨日、7月3日は、事業認定取り消し訴訟控訴審の第3回口頭弁論の日でした。

福岡高裁へ向かう「こうばる発させぼ経由」の貸し切りバスの車中は、笑い声に溢れ、みんな元気いっぱい。
というのも、今回、お二人の学者(法政大学文学部経済地理学教授伊藤達也氏と岐阜大学地域科学部教授富樫幸一氏)により、石木ダム計画の問題点を指摘する意見書が提出されたので、この日の審理の展開に誰もが密かに希望を感じていたからだと思います。

門前集会で合流した弁護団の表情も晴れやかでした。

午後2時、開廷。
提出書面の確認後、通告通り、原告側から、その書面の要旨を陳述しました。

最初に、緒方弁護士から治水に関して述べました。



法廷スケッチ=中島三代治さん

主張したのはただ1つ、「県が算出した費用便益比は正しくない。算定方法が不適切」ということです。

石木ダムの治水目的は川棚川の洪水対策であるのに、①石木川の被害軽減や、②河川流量の維持による利益を重視し、③しかも、その利益は、ダムができる前の昭和50年から計算しているという、とんでもない手法でやられていたのです。
そのような誤魔化しをしなければ、石木ダムは費用に見合う効果が得られないということです。

全文はこちらです。高裁J7要旨


続いて、高橋弁護士が利水に関して述べました。



佐世保市が算定した水需要予測と保有水源の問題点について、学術的に客観的に指摘された2人の学者の意見書をもとにわかりやすく論述。

特に、慣行水利権を保有水源として認めようとしない佐世保市に対し、「本来、後発水利権は先発水利権を侵害しない限度でしか認められない」のであるから、ダムよりも先発している慣行水利権を不安定として除外するのは、著しく不合理だと断じました。

全文はこちらです。高裁J8等要旨

そして、意見書を提出した伊藤教授と富樫教授の証人尋問を求めました

それに対し、西井和徒裁判長は、被告側に意見を求め、被告代理人が「その必要は無い」と述べると、言下に「当裁判所も必要ないと認め、採用しない」とあっさり却下。

えっ!?と思っているうちに、裁判官3人は立ち上がって後ろの扉の中へ。
約2分後、裁判官たちは戻ってきて着席。

向こうで何を相談していたのかな~と思っていたら、
これで審理は終結します。判決は11月29日午後1時10分に言い渡します」と。

「えー!」「なんだ?これ!」「何なの?」と傍聴席はザワザワ。
そんな反応にはお構いなく、再び3人の黒衣の人は扉の向こうに去っていきました。



つまり、控訴人が、新たな証拠や意見書を提出しているにもかかわらず、それらには一顧だにもせず、福岡高裁の西井和徒裁判長ら3人の裁判官は、問答無用と一刀両断。私たちを斬り捨てたのです。

民主主義国家の裁判官とは思えない、酷い仕業です。

おそらく、それらの証拠調べをすれば、行政側の不都合な真実が見えてくるから、忖度ではなく、露払いをしたのでしょう。

閉廷後、高裁の建物の隣の弁護士会館で始まった報告集会では、弁護団の中からも次々に怒りのコメントが発せられました。

中でも、弁護団長の馬奈木昭雄弁護士は、「福岡高裁が死んだ日」「裁判所としての使命を放棄した日だ」と吐き捨てました。



しかし、一方で、「初心に帰ろう!」とも言われました。

裁判で勝っても、石木ダムが止まるわけではない。
裁判は水戸黄門の印籠とは違う。
悪代官は水戸黄門にひれ伏すが、国は司法に従わない。
我々が要求を実現する道はただ一つ。頑張り抜くこと。
おかしいことはおかしいと言い続けること。
許せないことは許せないと態度で示すこと。
「あらためて頑張り抜きましょう!」と。

そうですよね!
落ち込んでいる場合ではありません。

こんな理不尽な裁判がまかり通る今の社会は、絶対おかしい!
もっとまともな社会にしたい!

でも、私に何ができる?

まずは、投票に行きましょう!
まもなく参院選。
今日、7月4日に公示されましたね。投票日は21日です。

立候補者の1人、辻村ちひろさん(環境保護NGO職員)は、こんなことを訴えています。
https://www.reiwa-shinsengumi.com/vote/#voteId06


今でも自然破壊は各地で起こっています。

そこでは、いつでも普通に暮らしたいと思っている人々が、その他多くの人たちの利便性向上のためにその暮らしを奪われています。

私たちはいつまで、自分たちの利便性向上のために人を犠牲にし続けるのでしょう?そんな社会を根本的に変えたい。

石木ダム建設のように、自分たちが暮らしている場所がそこに暮らしていない人たちの利便性向上を目的に奪われていくことをもう止めたい。
ただ、普通に暮らしていきたいという願いが叶えられない社会はおかしいと思います。

自然環境を保全することは、ただそこにある自然を守ることではありません。
そこにくらす人たちの暮らしを守ることです。

国政の場で働こうと立ち上がった人の中に、石木ダムについてこんなに真剣に考えている方がいるなんて…驚き、嬉しさ、元気が湧いてきました。

福岡高裁を生き返らせるためにも、ますます頑張りましょう!

「ほたるの川のまもりびと」法廷での上映却下

工事差止訴訟第11回口頭弁論が、6月4日、長崎地裁佐世保支部で開かれました。



(法廷スケッチ=中島三代治さん)

4月から裁判長が変わったので、平井健一郎新裁判長に直接思いを伝えるために、原告側から4人が意見陳述を行いました。

 



トップバッターは、原告代表の岩下和雄さん

「先日、長崎県収用委員会が収用裁決を行い、県より土地家屋を11月18日までに明け渡すようにと一通の命令書が届きましたが、私達は不要なダムの為立ち退くことも土地家屋を明け渡すことも絶対にありえません」と断言し、もしも知事が「行政代執行を行えば、長崎県の恥、後世まで悔いを残すことになるだろう」「裁判官の皆様には、石木ダム工事の差止めを命じることによって、ダム建設にこだわらない、治水・利水の見直しを行うよう長崎県に指導いただければ幸いです」と陳述しました。

 



続いて陳述したのは、利水担当の毛利倫弁護士

佐世保の水需要予測の不可解さを指摘し、だからこそ、「佐世保市水道局の責任者である谷本薫治局長を直接尋問すること」が不可欠であり、「谷本局長の証人尋問を採用されるよう改めて強く要望いたします」と結びました。

 



三番手は治水担当の田篭亮博弁護士

石木ダム計画における治水の問題点、①計画規模、②基本高水、③治水方法、④費用便益比の4つについて、いずれも結論ありきで数字合わせをしていると指摘、特に費用便益については、次回、証人として出廷予定の嶋津暉之氏が明らかにしてくれるだろうと述べました。

 

最後は鍋島典子弁護士



「石木ダム建設工事は、13世帯もの人々の生活とそこで築かれてきた一つの地域社会を消滅させるという点で、人々の人格権の侵害」であると述べ、それは5人の本人尋問であきらかになるだろう、「原告らがなぜこうばるの土地を離れないのか、心からの言葉を真摯に聞いていただきたい」と訴えました。

以上、4名による意見陳述書はこちらです。

工事差止訴訟第11回口頭弁論-意見陳述集

 

その後、提出された書面や書証の確認がありました。

原告側が提出した「ほたるの川のまもりびと」を法廷で上映することに対して、裁判長が被告側の意見を聞くと、県も市も「法廷で上映する必要はない」と述べ、裁判長は「検証を却下」しました。

一方、尋問については、前回の進行協議や原告側の上申書の通り行うことが決定されました。その順番と時間は、以下の通り。

1.嶋津暉之氏(水源開発問題全国連絡会 共同代表)
主尋問90分+反対尋問30分

2.岩本宏之さん(こうばる地権者)

3.石丸勇さん(こうばる地権者)

4.岩下すみ子さん(こうばるの主婦)

5.松本好央さん(こうばるの若者)

6.石丸穂澄さん(こうばるの若者)

7.松本美智恵さん(佐世保市民)

2~7については、主尋問20~25分、反対尋問5~10分。

 

以上の尋問は、次回7月17日(水)の10時から、ほぼ一日かけておこなわれます。

次々回の期日は、9月18日(水)の予定です。

 

報告集会では、これらの内容について平山弁護士から報告があり、その後いつものように、質疑や意見交換となりましたが、参加者の関心は、前日に届いたばかりの収用裁決書についてです。

こうばるの地権者以外にも、共有地権者が200名以上もいます。書類が届いた人の多くが怒りだけでなく、戸惑いも感じているはずです。いま自分は何をすべきか、何ができるのかと。

報告集会には、地権者の皆さん、弁護団、共有地権者、支援者などそれぞれの立場の人たちが揃っているので、ちょうどいい機会です。意見を出し合い、大方の方針が決まりました。

まずは、30日以内という期限に間に合うよう、不服審査請求をみんなでまとめて提出する、ということです。これを急がねばなりません。

さらに具体的なことが決まったら、関係者の皆さんにはお知らせしますので、今しばらくお待ちくださいね。

その他のことでは、

〇法廷で「ほたるの川のまもりびと」を上映し検証することはできなくなったが、証拠として扱われるのなら、裁判官や被告はちゃんと見るのか?との質問に、弁護団は「被告側が観るかどうかはわからないが、裁判官は観るでしょうね。まともな裁判官なら」と答えました。

〇毛利弁護士の意見陳述も空しく、谷本水道局長は、やはり証人を却下されました。(水道局長が尋問されると、よほどマズイことがあるのかな?と勘繰りたくなりますね~)

〇共有地権者だけでなく、立木トラスト運動に参加し、地権者の敷地の立木を買い取って所有している人たちがいる。この人たちの所有権はどうなっているのか?との質問があり、これについては所有者リストと状況など把握して弁護団で検討することになりました。

〇9月19日の強制収用の前に、強制収用させない運動、世論づくりが重要、という点で全会一致。具体的な行動案は7団体による連絡会議で話し合うことになりました。

 

いま、こうばるはまさに「ほたるの里」です。ほたる祭りが終わっても、ホタルを見に来る人がたくさんいるそうです。

先日、友人(佐世保市民で若いお母さん)も子どもと一緒に見に行ったのですが、そのとき小学1年生の息子さんが「 市長さんも見に来たら、意見が変わるかな」と言ったそうです。

きっとN君は闇に舞うホタルの光に圧倒され「すごい!」と思ったのでしょう。ここがダムになったら、もうこのホタルは見られない。市長さんはきっと、ここのホタルを知らないんだ。見たことないんだ。見たら考えが変わるかもしれない。きっと!

と、思ったのかな~
私も同じことを思いましたよ~

裁判官の皆さん!こうばるのホタルを見に来ませんか?

忙しくてその時間が無い?
それなら、せめて、あのDVDを見てほしい!

ほたるの川のまもりびと

それを観れば、こうばるの人々のありのままの暮らしが伝わってきます。

どの家庭も、ホタルのように、優しく、温かく、懐かしい光を放っていることに、きっと気づいてくれるはず…。

それが、本当にかけがえのないものであることに。

気付いてほしい! (‘◇’)

水道局長の証言は必要無し?!



4月22日(月)10時半、私たちは長崎地裁佐世保支部前に集まりました。

11時から始まる進行協議へのアピールです。進行協議は裁判官と原告・被告双方の代理人が今後の進行予定について話し合うもので、私たちは傍聴できません。



それでも、いつもと同じくらいの原告が集まりました。みんなが手に持っているのは・・・



「水道局長!正々堂々と証言を!」と書かれたプラカードです。

私たちは、これまでの裁判を全て傍聴してきました。
佐世保市の主張が書かれた書面や証拠書類も見ました。
事業認定取消訴訟で証言台に立った元水道事業部長の田中英隆氏の発言も聞きました。
しかし、どうしても、何故いま石木ダムが必要なのか?が理解できません。

現水道局長なら、それが語れるはず。
過去の必要性ではなく現時点での必要性です。
佐世保水道の現状を最も把握している水道局長以上に説得力のある説明ができる人はいません。
だからこそ、私たちは、この裁判の原告として、そして佐世保市民として水道局長の話を聴きたいのです。

この私たちの願いを裁判所に伝えたい!

弁護団が裁判所の建物の中に消えた後、私たちは裁判所に向かって、このプラカードを高く掲げアピールしました。
無言でただ掲げました。

さて、結果はどうだったでしょう?

報告集会では、いつものように、まず平山弁護士から経過報告がありました。

こちらが求めたのは、
①嶋津氏と谷本水道局長の証人尋問
②原告6名の本人尋問

これに対して
①嶋津氏については県が反対し、谷本氏については佐世保市が反対
②については特に意見無し

裁判所の考えは
①嶋津氏は採用するが、谷本氏は採用しない
②本人尋問はおこなう

今後の予定としては、
尋問予定日=7月17日(水)
午前~嶋津氏(主尋問+反対尋問=2時間)
午後~原告6人(主尋問+反対尋問=30分×6=3時間)

これで確定ではないが、ほぼ決まりだとのことでした。
この説明に対し、会場からは質問や意見が次々に出されました。

原告:裁判所が谷本水道局長を採用しない理由は何ですか?

弁護団:裁判所は理由は言いません。必要性が無いと判断したとしか言いません。
推測すれば、「谷本氏の証言を聞かなくても、資料は出揃っているので、それを見れば判断できる」と考えているのでしょう。

原告:では、なぜ嶋津さんは採用されたのでしょうか?

弁護団:嶋津さんの場合は軋轢が無いから。谷本さんは佐世保市の職員なので、無理やり呼ぼうとすれば軋轢が生じる。裁判所としてはそこまでしたくない。で、谷本さんを拒否した分、嶋津さんは応じて、バランスをとろうとしたのでしょう

原告:いくら客観的なデータや資料があると言っても、ダムが必要だと言ってる水道局のトップが法廷で生々しい証言をすることが極めて重要だと思う。説明をしようとしない水道局は市民を軽視している。そういう現状を訴え世論喚起していくことが必要だ。

弁護団:たいへん重要な指摘だ。裁判所でなくてもいいんです。水道局長が市民の皆さんの前で、今もダムが必要だと説明することが大事なのだから、集会や勉強会を開いて、そこに出てくるよう呼びかけ続けることが大事です。

原告:私たちはその呼びかけを何度もやってきたが、その度に「今は裁判中だから」という理由で断られている。裁判中は応じない、の一点張りである。この言い訳を突破する方法があれば教えて頂きたい。

弁護団:向こうは出ていったら負けるとわかっているから出てこない。これからも出てこないかもしれないが、諦めたら終わりなんです。言い続けるしかない。去年よりは今年、今年よりは来年、と少しずつ世論を大きくしていくことが大事なんです。

原告:今までの説明を聞いていても、私にはわかりません。
あのグラフ(水需要予測)を見た時にほとんどの人がおかしいと思うのに、なぜ裁判官はおかしいと思わないのか?
前回、「裁判は社会通念が左右する」と言われたが、ここでは社会通念は影響しないのでしょうか?

弁護団:裁判官にも変な考えの人はいっぱいいます。政治家もそう。変な政治家に投票する市民もいっぱいいるでしょ?それと同じ。それを前提に、ではどうすればいいのか、それを考えていかなければならない。地権者の皆さんが、そういう知事を相手に何十年も闘ってこられたように。

他の弁護士からこんな回答も。
「これは私個人の意見ですが、裁判所が谷本さんを採用しないのは、谷本さんが出てくると裁判所が困るからですよ」(会場から笑い声)

最後に地権者の岩下さんからご挨拶。
この裁判が始まってもう10回を超えました。その間、工事は少しずつですが進んでいます。一日も早く工事を止めてほしいというのが私たちの願いです。
今まで「寒い、寒い」と言いながら座り込んでいましたが、最近では「暑い、暑い」と言い始めています。暑くなるとホコリ(土埃)もひどいんです。いろいろ苦労もありますが、これからも頑張っていきますので、皆さんのご支援をよろしくお願いいたします!

次回は、第11回口頭弁論です。
6月4日(火)14:00~
よろしくお願いいたします。

証人尋問可否判断は新裁判長へ

なんと裁判の連チャンです。

3月11日の福岡高裁に続き、12日は長崎地裁佐世保支部で口頭弁論。こちらは10回目です。



この日も沢山の傍聴希望者が集まってくれました。一番広い401法廷でも傍聴席は50なので、毎回抽選です。



長崎新聞の記事にあるように、またもや、証人尋問の可否は先送りになりました。

その理由は裁判官の交代によるそうです。



渡邊裁判長が移動になるので、新裁判長のもとで証人尋問をするかどうか決めたい、そのための進行協議を4月22日11時~、次回口頭弁論は6月4日14時~と決まりました。

う~ん、私たち素人にはわかりませんねー。証人を呼ぶか呼ばないかで、どれだけの時間を費やせばいいのでしょう?

原告側が立証計画として証人尋問について申請したのは昨年9月16日の第7回口頭弁論期日でした。あれからちょうど半年です。半年かけてもまだ決まらない。早くて4月22日?6月4日?それでもまだ決まらないかも…。

私たちの弁護団は福岡県内の方が多く、北九州市からも毎回、新幹線や特急みどりを乗り継いで来られているのです。傍聴に参加する人たちも、みな忙しい人ばかり。中には仕事を休んで駆けつけている人たちもいます。

佐世保市が、それほど水道局長の尋問に反対する理由は何なのか?

意見書が提出されました。こちらです。佐世保市意見書(H31.3.6)

ここに書かれてあることは、要するに、

①石木ダムが不要ということを立証するためなら、これまで原告側が請求した資料データは全て提出しているのだから、その書証に基づいて立証すればいいでしょ?

②慣行水利権を保有水源に含めないのが妥当かどうかは法的な問題なので、尋問に基づいて判断することではないでしょ?

よって谷本局長の証人尋問は不要です。

ということのようです。この意見書を受け止めて裁判所も不要と判断するのでしょうか?

高橋弁護士は、この日の進行協議にやや落胆の表情で、次のようにコメント。

この意見書を認めて尋問の必要がないと裁判所が判断するなら、私には驚きでしかないし、簡単には受け入れられない。

なぜなら、この裁判は民事の工事差止訴訟である。今現在、この工事を止めるべきかどうかが問われている裁判である。この工事を続行すべきか止めるべきかは、この工事の必要性を判断せねばならず、その判断において、いま石木ダムが必要かどうかの判断が不可欠となる。

だから、私たちは、佐世保市にとって石木ダムが不可欠と考えている水道局長に尋問したいのだ。勝ち負け以前に、谷本さんの陳述は必要なのだ。

谷本さんは、私たちの質問に対し、堂々と答えてほしい。

この思いは、まさに私たち佐世保市民の思いです。その工事費の多くを佐世保市民が負担しています。石木ダムの必要性がしっかり納得できれば気持ちよく負担できますが、それを曖昧にされたままで、お金だけ徴収されても不満が募るばかりです。

原告側弁護士の質問は、私たちの疑問です。その疑問に、法廷の場で堂々と答えて頂き、解説して頂けますよう、強く願っています。

私たち市民が当局に公開の場での説明会を求めると、いまは裁判中なので…と断られます。裁判の場でも質問に答えないとなると、水道局長は逃げていると誤解されますよ。石木ダムの必要性が説明できないのかな?説明できないということは、必要性がないからなのかな?と。

それは違う!と言いたいですよね。であれば、佐世保市の弁護団に直訴して、ぜひ証言台に座って、必要性をしっかり訴えてください。それを私たち市民は、賛成反対にかかわらず、心から願っています。