工事差止訴訟第2回口頭弁論 佐世保の予測は「水増しの水増し」

今日は石木ダム工事差止本訴の第2回口頭弁論。
前回同様、地元地権者の参加は2名のみでした。
他の皆さんは、裁判当日も工事車両の前に座り込んでの抗議を続けざるを得ないからです。

そんな地権者の皆さんに代わって、今日は多くの佐世保市民が裁判を傍聴しました。

川棚町や長崎市、西海市からも…だけじゃなく、福岡市や神奈川県からも!

そんな熱心な原告のためにも、少しでも裁判をわかりやすくしたい!と、石木ダム対策弁護団の先生方は毎回、法廷で陳述を行います。それは膨大な準備書面の内容を短くわかりやすくまとめた「要旨」を読み上げることです。

民事訴訟においては、「口頭弁論」といっても、ほとんどは書面のやりとりで終始します。
確かに石木ダム裁判でも、被告側(国であったり、長崎県や佐世保市であったり)の陳述は「書面の通りです」などというものばかりで、その書面を裁判当日までに見る機会のない傍聴者には、相手がなんと主張しているのか知る由もありません。

そこで当方弁護団は裁判所に提出した書面の要旨を作成し、傍聴者が理解できるよう、それを法廷で読み上げてくれます。おかげで私たちは何とか裁判の流れや双方の主張のポイントが見えてきます。

今日は、この2つの要旨が読み上げられました。

差止本訴・第1準備書面の要旨

第2・第3準備書面の要旨

要旨のさらに要点を言うならば、次の3つでしょうか。

➀佐世保の水需要予測は、石木ダム建設のための数字合わせに過ぎないでたらめなもので、特にSSKの予測は「水増しの水増し」であり、「このような違法なダム建設を止めることは裁判所の責務」である。

➁治水面においては計画規模や基本高水流量の設定が不自然で不合理で恣意的である。そして、ダムの代替案においては、こちらもコストを「水増し」している。

➂原告らは覚書の当事者(当時の総代)ではないので覚書の効果がないという県の主張は不合理。「総代」というのは地元住民の代表という意味だから。

また、最後に裁判長が被告側へ何か述べていましたが、声が小さくてほとんど聞き取れませんでした。報告集会での平山弁護士の説明によると、

被告(県と佐世保市)は、原告の主張(人格権などが石木ダム工事によって侵害される)に対し、「工事差止の根拠とならない」と主張しているが、そう考える根拠を次回の書面の中で具体的に示してください。

というような趣旨だったそうです。
双方の議論を嚙合わせるために裁判長は、被告の主張の根拠についてより具体性を求めた。具体的な根拠が示されれば、それに対して原告側も反論し、争点がわかりやすくなってくるから。
とのことでした。なるほど~確かにそうですね。

それにしても、三者(裁判長・原告側代理人・被告側代理人)のやり取りが聞こえづらいのはどうにかならないのでしょうかね~ほとんどの傍聴者が不満に思っていることなのですが…
石木ダム裁判は一番大きな法廷でおこなわれるので、裁判長と傍聴者の距離が遠く、どうしても聞き取りにくいのです。
特に被告側代理人は裁判長の方に向かって話すので、かなり大きな声で話してくれないと傍聴席まで届きません。

なぜ法廷ではマイクを使えないのでしょうか?
録音用のマイクを使っているからでしょうか?
どうにか工夫できないものでしょうか?

開かれた裁判にしようと思うなら、形だけの公開では意味がありません。

報告集会では、その点について何人もの方から要望が出されましたが、裁判所のルールなので、石木ダム弁護団がどうこうできるものではないようです。
ただ、聞こえないときは「聞こえません」と言ってもいいそうです。
そうしたら、裁判長も被告側代理人も大きな声で言い直してくれるはずだと。

次回から、聞こえないときは、聞こえないと言いましょう。
ただし、優しく、冷静にね!

♥すみません。聞こえないので、もう少し大きな声でお願いしまーす♥と。

私たちはみんな裁判官や被告代理人を見つめていますよ。
皆さんの声に耳を傾けていますよ。
という意思表示を込めて。

次回は、11月13日(月)14:00~です。😊

裁判長、証人尋問認める!

今日の裁判は11:45開始。こんな時間に始めるということは、あっという間に終わるんだろうな~との予想通り。ほんの数分で終わりました。

でも、実は重要な数分でした。

裁判長がどのような方針を示すのか、私たちは期待と不安に胸ドキドキで耳を澄ませていたのです。なぜなら…

前回、私たちの代理人は意見陳述の中で治水利水に関する主張を述べ、それを立証するために複数の証人尋問を求めました。

それに対し被告は8月28日、当方が求めた全ての証人に対しその必要はないとの意見書を提出しました。理由はこれまでの裁判でお互い論じあって証拠を出し合っているからそれで十分!というもの。

それを受けて、さて、裁判所はどのような答えを出すのでしょう?

裁判長が示した方針は、こうでした。

  • 利水に関して、平成24年度水需要予測の担当者1名。
  • 佐世保市の予測は正しいという意見書を提出した学者1名。
  • 治水に関しては、川棚川河川整備基本方針を定めた責任者か、あるいは改定に関わった責任者のどちらか1名。

以上、計3名への尋問を認めたいということでした。

(一部にしろ、こちら側の要求が受け入れられたのです!)

 

それに対し当方弁護団は、できれば、慣行水利権を保有水源から除外した当時の責任者も認めて頂きたい等の希望を述べつつ、9月末までに意見書として提出することを伝えました。

次回は10月31日15:30です。

 

報告集会では、まず、いつものように事務局の平山弁護士から経過報告と今日の裁判の内容についての説明がありました。

そして、「裁判所がこちらの要求を全て退けるのではなく、数人であれ、呼んで話を聞こうとする姿勢は評価できる。また、その尋問の日は12月5日と11日が予定(仮押さえ)された」と。

 

それを受けて高橋弁護士の補足説明。

国は「両教授とのパイプがないので来ていただけるかどうか打診するのに時間がかかる。連絡を取るのにひと月かかる。佐世保市水道局の担当者ともすぐ連絡が取れるかわからない」などと言ったが裁判長は、「いや、できるはず。なるべく早く連絡を取ってください」と言った。また、裁判所の方から2日の日程を押さえたのは、きちんと聞こうとする意思の表れ。12月の法廷は極めて重要な場となるだろう。

 

続いて田篭弁護士。

治水についての証人は、川棚川の河川整備基本方針を作成した最初の人と改定をした人の両方に話を聞きたいが、どちらか一人となると、改定時に関わった人に聞きたい。

尋問は、1人の証人に対して双方の代理人が問い質すもので、裁判の山場。ぜひ多くの人に見てもらいたい。

 

その後、会場からも意見や疑問が出されました。

Aさん:証人尋問がいかに重要か私は有明訴訟で知った。向こう側の証人が実は一度も有明海を見たことがない人だったので、いろいろ質問されるとしどろもどろになって、その主張の不当性が十分に伝わってきた。石木ダムの証人尋問にも大いに期待している。

Bさん:佐世保市で勉強会をおこなっており、毎回水道局にも案内状を出すが来てもらえない。理由はダムの必要性等について裁判中だからという。また、パタゴニアの署名(石木ダムについての公開討論会を開いて下さい)に関しても、裁判中を理由に協力できないなどと言う人がいる。そういう言い訳は通用するのか?

高橋弁護士:行政が裁判を理由に断るのはよくある話で、合理性がないとは言えない。裁判中だから対応してはならないというルールはないが、対応できない理由としては最も説得力のある言い訳と言えるだろう。また、公開討論会と裁判は別物。裁判で石木ダムの必要性を争っていても、同じテーマで討論会を開くことは何ら問題ない。

板井弁護士:川辺川ダムの時は、熊本県が主催して国土交通省と住民が討論会を何回もおこなった。最初は4000人くらいだったかな?結果として国が負けたようなものだった。裁判を理由にして断るのはよくあることだが、できないわけではない。また地方自治体の労働組合というのは大体首長さんの言うことをきく。彼らと論争をするのではなく、話し合う機会を作る条件を探っていくことが大事。やり方の問題だと思う。

地権者の炭谷さん:現地では8月18日の工事再開以降、本庁や県北振興局からも職員を動員し、その数は以前の2倍くらいになっている。数の力で座り込んでいる人を徐々に排除するようになった。工事を急ぐことと裁判と何か関係があるのだろうか?

板井弁護士:行政訴訟には事情判決という制度がある。熊本の路木ダムがそうだった。熊本地裁は路木ダムは違法だという判決を下したが、福岡高裁は違法ではないとした。なぜか。実はその時にはダムができていた。つまり、ブツができてしまったら、それは認めるということになっている。それが事情判決。これを県も狙っているのではないか。

路木ダムの場合建設予定地に誰も住んでいなかった。だから反対運動も難しかった。川辺川ダムの場合は住民がどんどん出て行って最後は1人だけになった。石木ダムは13世帯も残っている。これはすごいこと。

大事なことはそこに住んでいる人が体を張って闘う。利水や治水などの受益者と言われる人たちがその問題に向き合って闘う。そのことを抜きにしてダム問題は解決しない。それをしなければ裁判に勝つことはできない。それぞれができることで力を合わせていこう。

(‘◇’)ゞ (”ω”) (^O^)/ !(^^)!

佐世保市役所前で『石木川』第1号、配布

今朝8時頃、佐世保市役所近辺でビラ配り実施。

多くの皆さんが快く受け取って下さいました。

その場で何じゃ、これは?と眺める方も…

ビラ配りと言っても、ペラペラの1枚ものではありません。A4サイズの4ページもので、そのタイトルも『石木川』第1号。石木ダム問題を伝えるニュースレターのようなものです。

こちらが1ページ目で、よかったら、石木川第1号 👈をクリックして全体に目を通して頂ければ幸いです。

そもそもの発端は7月10日の裁判報告集会での参加者の声でした。「今日の意見陳述の内容を多くの人に知らせたい」「チラシのようなものを作って街頭で配布したらどうだろう」「県や佐世保市はこの裁判の当事者なので、そこで働く職員の方には是非知らせたいですね」ということで、意見陳述書を印刷することになったのです。ところが、準備を始めているときに、現場での真夜中の重機搬入や、それに関連して地権者と県による3年ぶりの協議などが立て続けにおきたので、裁判の意見書だけでなく、現状を伝えることも大切!との声が高まり、このような形になりました。

配布しているのは全て一般の佐世保市民。平日の朝ですから、若者はいません。みな60代以上の熟年世代ですが、なんと21人も!集まって下さいました。

参加者が多いと市役所の表玄関だけでなく、裏口や駐車場前でも配布でき、

保健センターや、水道局、県北振興局前でも配布させていただきました。

おかげで、約900部があっという間になくなってしまいました。

配布活動に参加された皆さん、残暑の日差しの厳しい中、お疲れ様でした。

また、出勤時のお急ぎのところ、気持ちよく受け取ってくださった職員の皆様、ありがとうございました。

約900人中何人の方が読んでくださったかな… (‘_’)

証人尋問に反対する国、そのわけは…

7月31日午後1時半、石木ダム事業認定取消訴訟の第7回口頭弁論を膨張するために集まった人の列。久々に大人数です。それは、いま工事が中断されているから。地権者をはじめ支援者の多くも、今日は安心して傍聴できると、暑い中喜んで駆けつけました。

法廷では今日も当方代理人弁護士2名が意見陳述をおこないました。

利水面については高橋弁護士(下の写真は報告集会での画像)が、

佐世保市がおこなった水需要予測のでたらめさや慣行水利権を排除する不合理さを指摘し、その事実を明らかにするために、佐世保市水道局の水需要予測の担当者(当時)、佐世保市長、SSK社長らの証人尋問を申請したいと述べました。

治水面では田篭弁護士が、

計画規模の不合理性(それまでの1/30から石木ダム計画が持ち上がったら急に1/100に変更)や基本高水流量算出のまやかし(基本高水流量が1400㎥/秒となるのは、100年に1度ではなく、500年~1000年に一度の確率)などを指摘し、それらの点を明らかにするために、川棚川水系河川整備基本方針・整備計画策定の各担当者や事業認定庁の責任者の証人申請を考えていると述べました。

ところが、これらの証人尋問について、被告(国)側は必要性がないと反対しましたが、具体的な根拠は語らなかったので、次回期日1週間前までにこの件に関する意見書を提出するよう裁判長が求め、被告代理人は応じました。

また、被告側からの証人尋問について裁判長から問われると、今のところその予定はないと答えました。

なぜ国は証人尋問に反対するのかな?~なぜ自分たちも証人を立てようとしないのかな?~と思っていましたが、その疑問は報告集会のときに謎が解けました。

馬奈木弁護士によると、


行政訴訟において、教科書では政策の正しさは行政が立証しなければならないとなっているのに、現実の裁判はそうではない。
行政は正しいという推定の下でおこなわれている。(推定無罪)
だから、その間違いは原告の我々が検察官の立場で立証しなければならない。
そうしないと勝てない。だから立証の手段を尽くさなければならない。

ところが立証しようとして証人を求めても、行政側が必要ないと言い、それを裁判所も認め、調べないまま終わってしまい、判決の時になって立証不十分で負ける場合がある。我々が負ける裁判というのはそういう場合である。

刑事事件で被告人が黙秘権を行使するように、国側は今、自ら何も語らない、何も与えない、何も明らかにしようとしない、そいう態度を貫いている。
けしからん!

国会と同じ。資料は何も残っていません。何も記憶にありません。安倍内閣がやっていることを司法の場でもやろうとしている。こんなことは許されない。我々は徹底的に闘う。資料をちゃんと出せと言う。出させなさいと裁判所に迫る。

(‘◇’)ゞ

なるほどー。そういうことだったんですねー。
奥が深い。というか、私たちが何も知らなかっただけかもしれませんが。
これから1つずつ学びながら、弁護団と共に、しっかり闘っていきたいものです。

工事差止訴訟、初弁論

石木ダム工事差止裁判がいよいよ開始。

7月10日午後3時半の門前集会の様子からお伝えします。

弁護団長の馬奈木弁護士から原告団へ:
石木ダムは要らないということは分かっているのに、あえて行政は造ろうとしている。税金を食い物にしている。このような県政は許せない。県民、市民の力を示そう。頑張って勝ち抜こう。

地権者の石丸キム子さんから支援者へ:
今日の裁判に地権者もみんな参加したかったが、来れませんでした。抗議行動が手薄になると、県が何をするかわからないからです。私たちは、朝7時から夕方5時頃まで毎日座り込んで抗議しています。梅雨が明けると暑い夏が始まり、かなり厳しいですが、私たちは頑張ります。石木ダムは要らないと確信しているから。皆さん、今後とも応援して下さい。よろしくお願いします。
                                  法廷では:
定刻に始まり、書面の確認や今後の段取りなどの後、いよいよ意見陳述が始まりました。
                                  トップバッターは原告で地権者の石丸キム子さん
続いて同じく原告で佐世保市民の松本美智恵さん
次は代理人で弁護団副団長の板井優弁護士
次は代理人の鍋島典子弁護士
最後は同じく代理人の魚住昭三弁護士
                                  陳述の後会場から拍手がおこり裁判長から注意される場面もありましたが、それ以外はスムーズに進行、5時少し前に閉廷しました。
                                  5時15分から報告集会。
まずはじめに、平山弁護士より経過報告と今後の予定について説明。
被告県側より1週間ほど前に答弁書が提出された。
そこで述べられているのは、我々原告には工事を差し止める権利が無いとか、権利は有っても侵害されていない、よって差止の根拠にならないなど主張している。それに対して当方は次回期日までに反論書を提出する。
今後の裁判日程としては、次回は9月19日(火)14:00~
                                  続いて、原告陳述者の感想です。
                                石丸さん:地権者が抗議活動で来れなかったのは本当に残念。しかし、私たちは毎日朝から夕方までの座り込みを休むわけにはいかない。支援の輪が広がっているという実感はあるが、このダム問題について県民はあまりにも知らない。県市は広報などで情報を発信しているが、私たちからの情報発信は不十分。そういう面でも皆さんのご協力をお願いしたい。
                                松本さん:佐世保市民として裁判官に伝えたいことがたくさんあり、盛り沢山になってしまったが、なんとか思いを伝えることができ、ホッとしている。
                                  会場からの感想やら疑問やら。
                                Aさん:原告の意見陳述を聞いて感動した。どうしたら一人でも多くの人にこうばるの現実を伝えられるかずっと考えていた。今日の意見陳述書をコピーして周りの人に配りたい。以前市役所前でのビラ配りに参加したが、職員はよく受け取ってくれた。だから、この陳述書を配って伝えたい。
                                Bさん:弁護団の意見陳述を聞いて、昭和26年に土地収用法ができたことを知った。110年ほど前に田中正造が移り住んだ谷中村でも強制収用がおこなわれた。それと今行われていることと変わりがないように感じるが、その頃の土地収用法とどのように違うのか教えてほしい。
                                  Bさんに答えて、馬奈木弁護士から、こんなお話がありました。
戦前の大日本帝国憲法下では私有財産は守られなかった。戦後の新憲法で初めて一人ひとりの私有財産が守られるようになった。しかし、大きな利益のためには個人のそれは守らなくても良いという考えは変わっていない。それを公共の福祉と言っている。その考えが強制収用を可能にしている。
とはいえ、行政代執行をかけてまで事業を進めるのは行政としては恥ずかしいという意識が以前はあった。だからこれまでそのような事例は少ないし、犠牲となったのはせいぜい一人か二人。しかし石木ダムの場合は13世帯54人。そういう意味では戦後の歴史の中でここは特筆すべきこと。
しかし、安倍政権になってから行政の勝手な振る舞いが横行している。
日本は法治国家だ。法治国家とは、国民が法を用いて国家を支配すること。
私たちは今、石木ダム訴訟の中でそれを実践している。
                                  各弁護士の皆さんからも思いを述べて頂きました。
                                鍋島弁護士:石木ダムを止めるには弁護団と皆さんとの協力が必要。工事を進めないことが私たちの力になるし、進められてしまったら私たちが裁判で止めようとするし、なんとか力を合わせて頑張りたい。
                                毛利弁護士:今日の意見陳述を聞いて、改めて負けるわけはないなと感じた。原告のお二人の陳述を裁判長も相当熱心に聞いていた。拍手は立場上制したが、「お気持ちはわかります」と言っていたように、良い内容だったと裁判長も思っていたのではないか。
                                板井弁護士:裁判以外でこのダムを止めるどんな方法があるか。それは2つの受益地が声を上げること。川棚町民が治水の面でダムは要らない、佐世保市民が利水の面でダムは要らないと。川辺川ダムでは4000戸の農家のうち2000戸が立ち上がった。その結果議会や首長も考えを変えた。一部の声では難しい。多くの町民や市民に賛同してもらえるようにするにはどうしたらいいか、知恵を出し合わなければならない。
                                緒方弁護士:原告の2名の方の話が非常に良かった。裁判長には必ず伝わったと確信している。原告の気持ちを我々代理人もしっかり受け止めて今後の訴訟活動を頑張っていきたい。
                                八木弁護士:私も原告お二人の陳述は胸に響いた。法律には感情がなく、法律を基に考えていく裁判官を説得するのはとても難しいが、そうはいっても裁判官も人間、きっとその胸に届いたと思う。こういう陳述は誰の心にもストンと納得させるものが有る。一緒に広げていきましょう。
                                  ですね!
皆さんもここにアップした陳述書を、お時間のあるときにじっくり読んで頂いて、よかったら、プリントアウトして周りの誰かに渡して頂けると幸いです。
あるいは、このページをシェアして頂くだけでも有難いです。
よろしくお願いします。(#^.^#)

拡幅工事は隠れ蓑だった?

今日の現場は県職員や作業員の姿もなく静かでした。

初めて見る現場は、なるほど、写真や動画で目にした通りの風景。鋼板の長い壁が続いていました。

壁に挟まれて、3つのプレハブ棟があります。
これが現場事務所ですね。

入り口にはロープと「立入禁止」の札が何枚も…

少し離れた高台から見下ろすと囲いの向こうにはたくさんの工事車両が並んでいました。

目の前を「川棚町」の車が通り過ぎ、現場事務所の前に停まりました。

なんだろう?と近づいてみると、中から降りてきた3人の男性。1人は町民の方で2人は町の職員。

町民の方は突然現れたこの建造物にたいへん迷惑していると、役場に駆け込まれたようです。

囲いに沿って下って行くと、

囲いが切れたところの左手に石木川が見えてきました。

川沿いの狭い歩道を、いま来た方向に戻る(Uターンする)と、

小さな堰があり、そこから田んぼに水を引いている。その水の管理をやっている町民の方の訴えでした。

今まで使っていたその歩道は、コンクリートでこんなに狭められ、

靴幅もないような細い所を通らねば、堰に辿りつけません。

なぜ、こんな工事をするのか?
しかも事前に何の説明もなく、あんまりではないか?

石木川の管理者は県ではあるけれど、地元利水者の迷惑も考えず、無断でこんな工事をしていたとは…と驚いて聞いていたのですが、もっと驚いたことには、

なんと、この現場事務所設置の話は川棚町も知らなかった!とのこと。

ほんとにビックリ!( ゚Д゚)です。

長崎県はあまりにもやりたい放題、ルール違反ではないですか?

そもそも、ここの道路工事は、この看板が示すように、「県道嬉野川棚線の交通安全のための工事でした。

採石場が2つもあるので大型ダンプが頻繁に行き交っており、通学児童の安全のため、道路の拡幅や、カーブの緩和、歩道の設置などの工事だと聞いていました。

ところが、そのために「マユミ」から買収した土地に、河川課がおこなうダム建設付替え道路工事のための現場事務所が建設され、長い囲いが設置されたため石木川に近づけなくなった。川棚町や地域住民に事前説明も一切無しに。

一般道の拡幅工事はダム用道路工事のための隠れ蓑だったのでしょうか?

県の土地だから、目的が違っても、担当する課が違っても、同じ土木部の工事だ、何とでもなるさと考えたのでしょうか?それとも「知事のご意向」だったとか?

目的のためには手段を選ばず…いつからそんな県政になってしまったのでしょう。
県民として悲しく、悔しく、恥ずかしい。

妨害禁止仮処分、審理終了

6月19日午後1時半、長崎地裁佐世保支部前。

2時からの石木ダム妨害禁止仮処分審尋の門前集会です。

通行妨害で訴えられた19名を代表して、地権者のS子さんが挨拶。

今こうばるでは、ほたる祭りも田植えも終わり、やっと日常が戻ってきましたが、それでも私たちの日常の中には、24時間体制の見張りと抗議行動があります。

だんだん暑くなってきたので午後からは大変ですが、みな頑張っています。

私たちは、自分たちの住む権利を求めて、勝つまで闘います。
皆さん、ご支援よろしくお願いします!

 

2時からの審尋は、10分ほどで終了。

その後、いつもの報告集会の会場へ。

5回目の審尋。仮処分としては異例の長さでしたが、いよいよこの日で審理は終了。弁護団によると、裁判長は「9月を目途に決定を出す」意向を示したそうです。

審尋だけでなく、審尋後から決定までの期間も長い。ということは、それだけ裁判所が丁寧に判断をしたいということではないだろうか。

高橋弁護士のコメント。
決定がいつになろうが現場の闘いは変わらず続けられるだろう。
皆さんを支えているのは世論。
これをより発展させていけるよう
頑張りましょう。

板井弁護士のコメント。
このような闘いが何十年も続けられていいのか?
チェックをするシステムが必要であり、
裁判所もその機能を果たす努力をすべきではないか?

大型公共事業は行政や企業が決めるのではなく、
そこにいる住民の意思で決められるべき。

そのためのルール作りが必要で、
そのためにも共に頑張っていきましょう。

 

の裁判は、7月10日(月)16:00~、同じ佐世保支部です。

この日は、石木ダム工事差止訴訟の第1回目です。ぜひ多くの方が傍聴に来て頂けますよう、よろしくお願いします。

 

初めての弁論対決

今日は事業認定取消訴訟の第6回口頭弁論の日。
長崎地裁前には真夏のような陽射しの中で、熱く訴える原告の姿がありました。
いつもは参列者へ短めにお礼の言葉を伝える岩下さんですが、今日は怒りを込めて、現地の様子を訴えました。

先週から県は付け替え道路工事を強行しているが、今日はいきなり川の土手を壊そうとした。
私たちは、川を勝手に壊すな!と言ったが、我々は河川管理者だ!と言う。管理者なら何をやってもいいということか?
県側が通報してやってきた警察も、事情を知って、仲裁に入ってくれたので、なんとか今日のところは土手を壊す工事は止まった。

とのことでした。
(詳細は、こちらのブログをごらんください。http://blog.goo.ne.jp/bhdsy27 )

そんなに石木ダムを造りたいのなら、裁判で正々堂々と闘うべき。
裁判で勝利した上で工事をすればいい。
この裁判が確定するまで工事は中止すべきです!
と訴え、賛同の拍手が起こりました。

門前集会の後、いつもの401法廷に移動。今日は現地からは4名しか参加できませんでしたが、傍聴席はいつものように満席。

今年度から裁判長が替わったので、なんと今日は、原告・被告双方の意見陳述がおこなわれました。初の弁論対決?です。

まず、原告側です。

トップバッターは原告の炭谷猛さん。
現「川原」総代で、子や孫の7人家族で暮らしています。
必要性の無いダムのために、十数世代の先祖から受け継いだこの土地をなぜ奪われなければならないのか?「公共の利益とは何ですか?」と裁判長に呼びかけ、たとえ土地収用が済んでしまっても、私たちはホタルの里に住み続けます!と宣言。
炭谷さんの声は力強く、時にゆっくり、その間合いが余韻となって心に響く、素晴らしい陳述でした。

2017.5.22意見陳述(原告:炭谷猛)

終わると同時に傍聴者は思わず拍手!
本当は拍手などしてはいけないのですが、裁判長は何も注意しませんでした。

続いて、八木弁護士が利水に関する主張を
2017.5.22意見陳述(利水:八木弁護士)

平山弁護士が治水に関する主張を述べ、
2017.5.22意見陳述(治水:平山弁護士)

最後に、弁護団長の馬奈木弁護士が、「権力にすり寄った司法であってはならない」と、強い批判と願いを込めて陳述。
新しい裁判長に「国民の信頼に値する訴訟指揮と訴訟遂行」を切望していると訴えました。
2017.5.22意見陳述(馬奈木弁護団長)

そして、被告側の陳述はというと…
2017.5.22被告意見陳述

治水面においても利水面においても、まるで県の主張そのまんまです。
これまで当方弁護団が丁寧に鋭く追及してきた問題点には触れようとせず、行政側の主張を述べるのみ。

「法に則っている」「行政には広範な裁量権がある」云々。

しかも、失われる住民の利益については一切触れない。回避している。
どーゆーこと?
なぜ最大の争点に触れないのか?
原告はそれを一番強く訴えているのに、なぜ無視するのか?
きっと触れたらまずいのでしょうか。
逃げるしかないからでしょうか。

この勝負、客観的に見ても明らかに原告にあり。
主観的に見れば、勝負にもならない。比較にならない。
そんなふうに感じました。

報告集会では、炭谷さんから、最近の現地の状況と、今日の裁判の感想が述べられました。

こっちは一生懸命言っているのに、国は気にも留めずに、金を払えばいいんでしょという。イヤな感じがした。

僕らは、司法というのは的確な判断をしてくれる唯一のところ、頼るところはここしかないと思っているから一生懸命訴える。
でも、前の裁判長も現地まで来て話を聞いてくれたのに、何もわかっていなかった。金銭的賠償により回復できると言われた。

県も公共事業は住民のためにやると表では言いながら、実際にやっていることは真逆。何を信じたらいいんだろう…と。

同感です。
でも、私たちには強力な弁護団がついています。
頭脳明晰、弁が立ち、決して諦めない、最強の弁護団が。
まだまだ闘いはこれから!

妨害禁止の審尋の日、午前3時に資材搬入

長崎県が申し立てた通行妨害仮処分に関する4回目の審尋が昨日(4月24日)行われました。

県側弁護団は、本日で審理を終結してほしいと主張し
たのですが、裁判長は認めませんでした。理由は自分以外の2人の裁判官がこの4月から交代したばかりなので、これまでの記録(提出されている主張書面や証拠など)を検討する時間が必要であるとのことでした。

次回審尋期日は6月19日(月)14時からです。

県にとっては、審尋が延長されただけでなく、次回がかなり先の日程ということで、かなり予定が狂ったことでしょう。
2回目の通行妨害禁止という司法のお墨付きを早く得て、工事を加速したいと期待していたはず…。

実は、審尋がおこなわれた日の午前3時過ぎに、県は工事車両や作業員を投入していたのです。


4月に入って一度も来てなかったのに、何故この日に…県のやり方は理解できません。

この状況に未明から現場は騒然とし、地元の人の多くは抗議活動に参加。裁判所には来られませんでした。

いつもと違った寂しい門前集会になりました。

数日前に発売された週刊金曜日に、「長崎県に消耗戦を強いられる石木ダム予定地13世帯の今」という記事が掲載されていましたが、週刊金曜日2017.4.21

その中で、筆者(ジャーナリストのまさのあつこ氏)は、この通行妨害禁止仮処分についても取り上げ、「13世帯は自然豊かに仲良く暮らしたいだけである。その住民を通行妨害禁止命令で苦しめる長崎県の行いは、SLAPPではないか」と述べています。

近年ではインドネシアやフィリピンでも権力の横暴を抑止する動きが起きていて、SLAPPを防ぐ対策が建てられていると言う。日本の人権意識は後退するばかり…。

なぜ?

執行停止却下に対する声明を発表

3月30日の石木ダム事業認定執行停止申立却下に対し、4月11日、石木ダム対策弁護団と石木ダムに反対する県内5団体が連名で声明を発表しました。

執行停止申立却下に対する声明(H29.4.11)

今回の決定は「緊急性がない」として退けるだけでなく、「申立人らの損害は金銭賠償によって回復可能だから重大な損害に当たらない」とまで述べられていました。あまりにも人間の尊厳を踏みにじる許しがたい判断であり、その点を私たちは厳しく批判しました。

                         長崎新聞 2017.4.12