川棚町長へ申し入れ

今日、1月13日、午前10時より、
「石木ダム建設絶対反対同盟」と「石木川の清流を守り川棚川の治水を考える町民の会」は、
石木ダム建設事業の検証に関わる申し入れを、川棚町長に対して行いました。

申し入れの内容は、

1. 石木ダム建設計画から49年も経過し、県が目的としてきた治水・利水事情は大きく変わってきているが、
   川棚町としてどうのように検証されてきたのか。

2. 地権者はこれまで一貫して「絶対反対」の立場を」とってきている。
   長崎県と県議会は諌早湾の問題で「開門せよ」との国の方針に対し、地元の声を聞けと言っている。
   石木ダム建設問題に関しても、特に地元地権者の意見を聞くべきではないのか。

という2点でした。

いろんな意見のやり取りの中で見えてきた町長の考えは、以下のようなものでした。

1.川棚町は検討する立場ではない。

  今回の検証に関しては、その検討を国が県に要請したもので、検討主体は県であり、
  治水に関しては県が、利水面では佐世保市が検討するが、川棚町に検討を求められてはいない。

  私は町長として、洪水被害がおこらないよう県に治水対策をお願いする立場である。

  そうして県が検討した結果、ダムを造るのが最適としてきたのでそれを受け入れ、その実現を願っている。

これに関して町民からは、それではあまりにも他人事ではないかと批判の声続出。

 ・ダムができるのは、ここですよ!川棚町民の土地が取り上げられようとしてるんですよ。

 ・川棚川、特に石木川は川棚町の財産。その大事な水をほとんど佐世保にやってしまっていいのか?

 ・大村市は萱瀬ダムを造って長崎市に水を送っているが、今では大村市自身が水不足で困っている。
  渇水の時、大村市のプールは使えないのに、長崎市のプールは使えた。こういう事実を知っているのか。

 ・ダムができたら地域が活性化するなんて、事実誤認も甚だしい。ほとんど寂れている。

2番目の質問に関連して、なぜ地元の意見を聞かないのか?
また、専門家の意見をしっかり聴くために公開討論会をすべきではないか、との意見に関して町長は、

  今後の検討の場で、学識経験者の意見も、地元住民の意見も聞くことになっている。
  また、事業認定の場でも公聴会で住民の意見は十分聞くことになっているので、
  新たに設定する必要はないと考えている。

これに対して町民は、

 ・どちらも聞き置くだけの形式的なもの。議論しなければ意味がない。

 ・事業認定をしたら私たち(地権者)は絶対話し合いには応じない。

などの平行線に終わりました。

こちらのブログにも掲載記事があります。http://blog.goo.ne.jp/michie39/d/20110113

よかったらどうぞ。

2回目の申し入れと知事の回答

土木部長からの誠意のない回答にがっかりしていた私たちですが、

「石木ダム建設絶対反対同盟」の皆さんは、
何よりも、土木部長からの回答であったことに憤っていました。

私たちは知事に申し入れたのだ。
当然回答は知事名でなされるべき!と。

これまで数回にわたって知事と話し合いを重ねてきた皆さんには、
知事ならもう少しまともに答えてくれるだろう…との期待があったので、再び申し入れを行い、
今度は知事からの回答でなければ受け付けないと伝えたのです。

それは、11月29日でした。

 

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                             平成22年11月29

長崎県知事 

中村 法道 様

石木ダム建設絶対反対同盟

石木川の清流を守り川棚川の治水を考える町民の会

水問題を考える市民の会

石木川まもり隊

日本共産党長崎県北部地区委員会

 

石木ダム建設事業の検証に関する再申し入れ

 

平成22年11月5日、貴方様に対し「石木ダム建設事業の検証に関する質問と申入れ」を行いました。この回答を平成22年11月12日付け22河第253号で長崎県土木部長名によりいただきましたが、今回の回答は全く不十分で回答になっていませんので、再度申入れを行います。

前回の申入れにおいて、私たちは「公正な検証」というごく当然の要求をいたしました。公正と言うのは、予断を持たず、客観的なデータをもとに、あらゆる角度から検討してほしいということでありました。しかし、土木部長の回答は「石木ダム有りき」の主張で、全くその姿勢がみられません。

そもそも石木ダム事業が国の見直しの対象になったのは、税金の無駄遣いを無くし「コンクリートから人へ」の政策転換をするためで、今までの手法に問題有りと判断されたからでした。今までとは違った手法で、視点、観点を変えて見直すべきものです。

 

そこで私たちは、再度以下の6点を申入れます。

1 馬渕国土交通大臣は「中止も推進も全く予断を持たずに検証する」と国会答弁で言明された。長崎県は「予断を持たない再検証を行う」と約束すること。

2 「関係地方公共団体からなる検討の場」を設ける場合でも、予断を持たない再検証を行うために諮問機関を設けること。諮問機関は、治水・利水の専門家(有識者)や関係住民を含む第三者機関である検証検討委員会を設置し、委員の構成は県のダム案に対し賛成、反対双方同数とすること。

3 関係地方公共団体からなる検討の場及び諮問機関である検証検討委員会は、川棚町で開催すること。また、会議は公開で傍聴を認め、録画、録音を可とし、議事録等を誰もが閲覧できるようにすること。

4 検討の場や検証検討委員会は、公聴会や公開討論会を川棚町で開催すること、及び、その公聴会は、質問したり議論したりできる双方向性の運営にすること。

5 「事業認定申請」の取り下げも付替え道路工事の中止も考えていないとの土木部長の回答であるが、石木ダム有りきでは、予断を持たない再検証など望めない。知事は土地の強制収用を目指しているのか。

6 県政チャンネルで放映されている「石木ダムについて」ダム推進のための全く一方的な情報である。今この時期に放映することは、県が公正な検討の主体者として失格であることを証明するものである。直ちに放映を中止すること。

 

ご多忙のところ恐縮ですが、知事の前進的なご判断を項目ごとに列記の上、 月 日までに文書でご回答いただきますようお願いいたします。

 

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はたして・・・

今度は知事自らの名前の回答を頂きましたが、それはすでに第1回検討の場の後の、

12月17日でしたでした。

 

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                                       22 河 第 297 号
                                          22年12月17日

                                       長崎県知事 中村法道

石木ダム建設事業の検証に関する申入れに対する回答について

 平成22年11月29日に申し入れのありました事項につきましては、下記のとおり
回答いたします。

1 ダムの検証につきましては、国が定めた「ダム事業の検証に係る検討に関する再
 評価実施要領細目」に基づき、予断を持たずに検討を進めて参ります。

2 「同再評価実施要領細目」に基づき、検証の進め方として、 「関係地方公共団体
 からなる検討の場」を設置し、検討過程においてパブリックコメント等を行い、多くの
 方々のご意見をお聞きし、さらに、第三者機関である事業評価監視委員会の審議
 を経ることとしており、諮問機関としての検証検討季長会の設置は予定しており
 ません。

3 「関係地方公共団体からなる検討の場」では,情報公開のため傍聴席を設けると
 ともに、議事録は、後日、インターネットにて公表いたします。

4 「関係地方公共団体からなる検討の場」の開催日時・場所につきましては、出席
 者との調整のうえ決定させていただきます。

5 国は、個別ダムの検証を事業の再評価の枠組みを活用することとし、事業を中断
 しての検証検討を各道府県に要請しているものではなく、今年産も事業進捗の予算
 配分がなされております。
 事業認定は、ダム検証とは別の法律に基づく手続きとして、事業の必要性・公益性を
 国が改めて判断するものであり、県としては、話し合いを促進させていくためにも、
 申請を取り下げることは考えておりません。

6 「なるほど!県政チャンネル」は、県の主要事業を県民の皆様にわかりやすく説明する
 ために、年度当初より放映を予定していたもので、放映の中止は考えておりません。
 なお、この放映とは関係なく、国からの要請であるダム検証は、予断をたずに検討して
 いきます。

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ところで、後になりわかったことですが・・・

この回答は知事名で出していながら、やはり制作者は県の河川課職員で、
知事はまともに目を通してさえいなかったのです。

というのは、反対同盟と知事の会談のとき、県政チャンネルの話を反対同盟の人が抗議したら、
「県政チャンネル?何のことですか?」と、全くご存じなかったとのことでした。

あ〜あ  

 

申し入れへの回答

11月17日、約束の日よりずいぶん遅れて、やっと回答が届きました。

しかし、待たされたわりには中身のない、がっかりさせられるものでした。

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                                           22 河 第253号
                                          平成22年11月12日
石木ダム建設絶対反対同盟
石木川の清流を守り川棚川の治水を考える町民の会
水問題を考える市民の会
石木川まもり隊
日本共産党長崎県北部地区委員会様

                                           長崎県土木部長

      石木ダム建設事業の検証に関する質問と申入れに対する回答につ

 このことについて、ダム事業の検証につきましては、事業評価の枠組みを活用し、
今般策定された「ダム事業の検証に係る検討に関する再評価実施要領細目」に基づき
検証に係る検討を、去る9月28日に、国から要請されており、県としましては、この要領
細目に基づき適切に検討を進めてまいります。
 検証にあたっては、国が示した「再評価実施要領細目」により、まずは、住民の安
心、安全等について、様々な法令等に基づいて行政上の責任を有する地方公共団体で
ある県、佐世保市、川棚町、波佐見町で構成する「関係地方公共団体からなる検討の
場」を設置すべきと考えております。
 さらに、住民や有識者の皆様については、この「再評価実施要領細目」に従い、パ
ブリックコメントを行った後、学識経験者、関係住民等の意見を聴いて、対応方針に
反映させることになっております。日程等については、現在、調整中であり、決定し
だい公表することとしております。
 なお、事業認定は、法律に基づいた手続きであり、今後、開催される公聴会での賛
成、反対の意見を踏まえ、第三者機関である社会資本整備審議会の審議を経て、国が
事業の公益性、必要性を判断する手続きであり、この申請を取り下げることは考えて
おりません。
 また、付替道路工事につきましては、国から関係予算も年度当初より配分されてお
り、石木ダムの早期完成のためには、進めてまいりたいと考えておりますので、ご協
力をお願いします。

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私たちは、5項目にわたって申し入れをしたんですが、
その1つ1つにきちんと答えようとする誠実さはかけらもなく、
自分たちの論理だけを、これまでどおりに語っているだけでした。

国が出した「実施要領細目」を楯にとって、形式を整えることだけ。

極めつけは最後の3行。

「付替道路工事につきましては…石木ダムの早期完成のためには進めたいと考えておりますので、
ご協力をお願いします」

???これからダムを造ることが妥当なのかどうなのか検討する責任を負わされた人が、
「ダムの早期完成のために」ですって?

やはり、もう答えは出してしまっているじゃないですか・・・

「検討の場」は、やっぱりアリバイ作りなんですね・・・

 

 

石木ダム検証に関する申し入れ

昨年9月28日国交省からの要請を知った私たちは、いよいよだな…と思いました。

いよいよダムの検証が始まるのです。

一年前、「コンクリートから人へ」との理念に基づき、「ダムに頼らない治水」を掲げた新国交相。
その想いを実現するための一歩が・・・

のはずでした。
しかし、その大臣は今は外務大臣。
官僚の巻き返しはすごくて…画期的なダムの再検証を骨抜きにしてしまいました。

石木ダムのような県営ダム(補助ダム)の場合、
その事業の妥当性・必要性を再検討する主体を、県本人にしちゃったんです!

被告人自らが裁判長になって判決を言い渡すようなものだ…と言う人もいました。
ま、当らずと言えども遠からず…でしょう。

誰も声をあげなければ、県は形だけの検討で終わらせ、やっぱりダムが必要です!
と答えるのは目に見えています。

そこで私たちは、公平公正な検討をするよう知事へ申し入れすることにしました。

その申し入れ書は以下の通りです。

 

 

 

                                   平成22年11月5日 

長崎県知事 

中村 法道 様

 

石木ダム建設絶対反対同盟

石木川の清流を守り川棚川の治水を考える町民の会

水問題を考える市民の会

石木川まもり隊

日本共産党長崎県北部地区委員会

 

石木ダム建設事業の検証に関する質問と申し入れ

 

「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議の中間とりまとめ」を受けた国土交通省から、長崎県に対して、石木ダム建設事業の検証についての要請がなされたと聞き及びました。

県当局におかれては、まさに今その進め方を検討されていると思います。

そこでまずお尋ねいたします。

1.    検証はいつ頃から始め、結論を出すのはいつ頃を目途にお考えでしょうか?

2.検証検討会議のあり方、メンバーの構成についてはどのようにお考えでしょうか? 

 

 「有識者会議の中間とりまとめ」は、個別ダムの検証を行う場合の評価軸を示しています。私たちは、長崎県当局が、本件ダム事業の検証にあたって、公正な取り組みをされることを  心から願っています。

 そこで私たちは、以下の5点を申入れます。

1.    正しい検証は予断があってはできません。あらゆる情報や意見を公平公正に集め議論する

ために、第三者機関としての検証検討委員会を設置すること。

 

2.    検証検討委員会の構成員として、当然ながら治水・利水の専門家(有識者)や関係住民を含むこと、及び、県のダム建設案に賛成又は反対の立場の委員の割合がほぼ等しくなるよう  にすること。

 

3.    検証検討委員会は公開とし、傍聴を認めること、及び会議の録画・録音・議事録等を誰もが閲覧できるようにすること。

 

4.    検証検討委員会は、公聴会や公開討論会を開催すること、及び、その公聴会は、質問したり議論したりできる双方向性の運営にすること。

 

5.    検証検討委員会の公正な検証のための環境づくりとして、付替え道路工事を中止し、たな

ざらしにされている「事業認定申請」を取り下げること。

 

 

以上、2点の質問と5点の申し入れについて、ご多忙のところ恐縮ですが、11月12日までに文書でご回答いただきますようお願いいたします。

 

 

この日の様子はこちらにアップしています。

 

石木ダム検証 これまでの経過

2010年9月28日  長崎県は石木ダムに関して「ダム事業の検証に係る検討」の要請を受ける
               同時に「ダム事業の検証に係る検討に関する再評価実施要領細目」が示される

     11月17日  長崎県は佐世保市水道局に対し、
               「石木ダム検証における新規利水の観点からの検討について」要請する

     12月 8日  佐世保市水道局は、その要請に対して以下のように回答する

                1 ダム事業参画継続の意思
                   現在、佐世保地区の安定水源水量は一日当たり77,000m3しかなく、
                   慢性的な水不足の状況にあり、ダム事業参画を継続いたします

                2 新規利水の必要開発水量
                   佐世保地区が必要とする将来の水源量は一日当たり117,000m3が
                   見込まれ、毎秒0.463m3(日量40,000m3)の開発水量が必要と
                   なります。

     12月11日  第1回「検討の場」開催

                 会場=ホテルセントヒル長崎 紫陽花の間にて 
                 時間=14:00〜16:00(実際には30分も早く終了)
         構成員=県(土木部長)、佐世保市(朝長市長)、川棚町(山口町長)、波佐見町(一瀬町長)

               ・ほとんど県からの説明をきくだけ、また利水に関して佐世保市長のお願いを
                聞くだけの、いわば説明会だった。
                (内容に関しての質問は、川棚町長から1回だけ発言あり)
                
                このときの詳しい様子は、ブログ「佐世保便り」でどうぞ