趣旨説明

「石木川まもり隊」が25日、佐世保市議会「石木ダム建設促進特別委員会」でおこなった、

「石木ダム建設用地の強制収用反対を求める請願」の趣旨説明の原稿が欲しいとの依頼が3件ありました。

メールに添付したり、印刷してお渡ししたりしましたが、どうせなら、ブログ上で公開し、

多くの方に私たちの思いを伝えたいと思い、以下に貼付いたします。

 

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 「石木川まもり隊」代表の〇〇と申します。

 今日は石木ダム建設に関して土地の強制収用はしないでほしい、させないでほしい、

その市民の声を市議の皆様に届けるために参りました。

この請願の趣旨を説明する機会を与えて頂いたことに深く感謝致します。

 

 私たち「石木川まもり隊」は、石木ダム計画の白紙撤回を願っています。

皆様は推進のお立場で、私たちの考えとは正反対です。

しかし、私たちはこの委員会が『水資源確保対策特別委員会』と呼ばれていた頃から、

たびたび傍聴させて頂き、皆様がどれほど佐世保市の水事情について真剣にご議論

なさってきたかよく知っています。

 また水道局からの説明も共に聴かせて頂き、資料も配布して頂き、

いろいろ勉強させて頂いたことに心から感謝しています。

この場を借りて、貴委員会と水道局の皆様、議会事務局の皆様には心からお礼申し上げます。

 

 本題に入ります。

 私たちは、今現在何不自由なく水を使って暮らしていますし、今後の急激な人口減少を考えると、

どうしてもダムが必要とは思えませんが、今日はその問題は横に置き、

土地の強制収用、この一点について述べさせて頂きます。

 

 国交省は6月11日、石木ダムの事業継続を認めました。

しかし、これには大事な付帯意見がありました。

「地域の方々の理解を得るための努力を希望する」と書かれた別添の文書です。

しかも「別添に留意願います」という一文まで付いていました。

これは市長も認めているように、「とことん話し合って理解を得なさい」という意味で、

力ずくの強制収用とは相反するものです。

 しかし、市長は15日の市議会一般質問で、

「二年半も中断している事業認定手続きを早急に進めるようお願いしたい」と言われました。

この手続きを進めるとはどういうことでしょうか。

 

 ここに、県が事業認定申請についての説明会で配った資料があります。

いま手続き上終わっているのは申請書の公告縦覧、意見書の提出、公聴会の請求までで、

これから公聴会や社会資本整備審議会などで様々な意見を聴き、公益性の有無を判断する

と言われますが、それらは形式にすぎません。

なぜなら、公聴会で意見を言えるのは限られた人数で、しかも1人15分程度と制限されています。

また、社会資本整備審議会で審議されるのは、あがってきた書類を見て、

手続き上の瑕疵が無いかどうか判断するだけです。

だから、事業認定申請されたケースはほぼどれも認定されています。

ダム事業の場合、認定されなかったケースは聞いたことが無いとダム問題の専門家は言っています。

私はデータを持っているわけではありませんので断言はできませんが、

議員の皆さんには是非お調べ頂き、教えてほしいと思っています。

 

 さて、認定されたら、その先はどうなるでしょう。

認定されても、おそらく石木ダム地権者の皆さんは、そこを動かないでしょう。

今日もあそこに地権者の皆さんが来ておられます。

私はあの方々と知り合ってまだ3年半ですが、皆さんの潔い生き方にはいつも感銘を受けています。

先祖から受け継いだ大地を守り、大いなる自然の中で静かに暮らしたい、

そして子や孫、未来にそのかけがえのない自然を引き継いでゆきたい、ただそれだけ。

それ以上でもそれ以下でもない、それ以外の何も望んではおられません。

だから、どんなにお金を積まれても気持ちは変わらないのです。

どんなに脅されてもびくともしないのです。

 

 県や市の担当者は言います。

手続きを進めるうちに反対だった人も、ほとんどのケースは理解を示して出ていくと。

それは理解ではないのです。

そこで話し合われるのは補償金額と明け渡し時期だけですから、

頑張れば頑張るほど土地の金額は下がり続け、最後は生きていくために諦めて去っていくのです。

しかし、何事にも例外は付き物です。川原の皆さんがその例外です。

地権者である川原の皆さんの口癖は、「私が死ぬまでは絶対ここにダムは造らせん」

「どうしてもダムを造るというのなら私を殺してからにしてください」と。

50年間、その思いで生きてこれらた方々です。

この先その意志が変わる確率は限りなくゼロに近いのです。

 

 ダム建設促進議員の皆さん、13軒の家が取り壊されるシーンを想像して下さい。

70人もの人々が笑顔で暮らしているその家をショベルカーで潰してしまいますか?

そのようなことができますか?

 

 私たち「石木川まもり隊」は、これまで何度もチラシ配りなどをしながら、

多くの市民と石木ダムについて意見交換してきましたが、

ダムは必要という人でも「強制収用には反対、それだけは止めてほしい」と言います。

それが普通の市民の思いです。たぶん委員の皆様も同じだと思います。

 実は中村知事さえもそうです。

 

 ここに平成22年1月、知事選直前に行った公開質問状があります。

「石木ダム建設絶対反対同盟」と「清流の会」と「石木川まもり隊」の3団体で行ったもので、

5人の候補者に出し、全員から返事を頂きました。

3番目の質問「強制収容が可能になった場合どうするか」に対し、3つの答えが用意されています。

『強制収用する』『強制収用はしない』『わからない』

当時の候補者・中村法道氏が選んだのは『強制収用しない』です。

 このように、知事も本当は強制収用に反対なのです。今は立場上それが言いにくいのでしょう。

だからこそ、知事に私たち市民の声を届けて頂きたいのです。

皆さんは、市民の代表なのですから、どうぞ、佐世保市民の思いを知事に伝えて下さい。

強制収用という手法を取らないで話し合いに徹してほしいという意見書の提出をお願いします。

 

 最後にチプコのメッセージを読んで終わりにします。

皆様はチプコ運動をご存知でしょうか?

インドの巨大ダム建設工事のため破壊される森を守ろうと広がった運動です。

その代表のバフグナさんが、1992年にモントリオール会議で語ったメッセージです。

 

私たちはチプコと呼ばれている。

チプコとはインド語で「抱きつく」という意味。

私たちは木が切られないように木に抱きつく。

木と共に切られすでに200人の仲間が死んだ。

今、あなた方の国からたくさんの人が来て、たくさんの木を切り、

たくさんのダムを造ろうとしている。

ダムができると森が沈み、私たちは生きていけない。

このようなことがおこなわれないために、私たち10万人のチプコは水に沈む覚悟をした。

よく聴いてほしい。

私たちは決して貧しくない。

私たちは豊かだ。

私たちは何も欲しくない。ダムも電気もお金も。

私たちは開発ではなく、幸せを求めている。

小さな土地と少しの水、少しの食べ物で十分なのだ。

幸せはお城の中でなく、自然の中にある。

 

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 石木川まもり隊の〇〇と申します。よろしくお願い致します。

 

 石木ダムの「事業認定申請」は、県と佐世保市によって平成21年11月9日に

国交省九州地方整備局に提出され、整備局は同年12月2日に正式に受理をしています。

 

 それに先立つ、平成21年6月30日に開かれた「水資源確保対策特別委員会」では、事業認定申請についての議論がなされました。

私も、この委員会を傍聴致しましたが、その際、当時、この委員会の委員だった山下千秋議員から

「強制収用の可能性がある事業認定を進めるべきだという委員の方は、強制収用となったらどうするのか?」という質問がありました。

当時の委員のお一人であり、現在は「石木ダム建設促進特別委員会」の委員で、今日もそちらにお座りいただいている草津議員が

「事業認定は進めていただきたいが、最悪の事態になったら断固反対する」とおっしゃいました。

また、他の委員の方がたも同じように、事業認定は、あくまでも話し合いのためのもので、

強制収用は望んでいないと、みなさん、おっしゃいました。

 

 今月15日の佐世保市議会・本会議で、山下千秋議員の一般質問に応えて、市長は

「国からの事業継続の方針に、地元の理解を得る努力を希望するとの付帯意見が付いたことは、

地元と話し合いをしなさいということだと思う。十分に話し合いをしたい。」と答えられました。 

ぜひ、そうしていただきたい。強制収用ではなく、あくまでも話し合いを行っていただきたいと思います。

 

 また、同じく今月14日の市議会本会議では、

大村議員の「人口減少に伴う都市計画について」という質問に答えて、市長は

「人口減少をさせないような政策、親子3代で暮らせるような社会にしたい」ということをおっしゃいました。

 石木ダムの建設予定地、川棚町川原地区はまさに市長がおっしゃっられたようなところです。

反対地権者は13所帯ですが、子、孫、ひ孫と3世代、4世代に亘って70人の方が暮らしておられます。

そこには、昔ながらの暖かな大家族主義とも言うべき生活が残っています。

 川棚町・川原地区は、「人口減少のない、親子3代で暮らせるような社会」をめざされる朝長市長が

まさにお手本にされるべき土地ではないかと思います。

 そのお手本にするような土地に暮らしている方がたを、強制的に立ち退かせ追い出すようなことがあってはなりません。

強制収用だけは止めて頂きたい。

 

 委員の皆さまには、資料として強制測量時の新聞記事のコピーをお渡し致しておりますが、

記事を読まれてどうお感じになったでしょうか? 

 あの暖かい人情味にあふれた、川原のかたがたの血や涙の上に建設された「石木ダム」からの水を、

どうして私たち佐世保市民が平気で使うことができるでしょうか? 

 私はうしろめたくて、とても使用できません。

 

 ぜひ、この請願を委員のかたがたお一人お一人に受け止めていただき、十分に審議をつくされ、

長崎県知事に「強制収用はすべきでない」という意見書を提出していただきたいと願っております。

  

 どうぞ、宜しくお願い致します。

 

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 石木川まもり隊の〇〇です、よろしくお願い致します。

今日は、石木ダム建設促進特別委員会の委員の皆様に、

どうしてもこれだけはお願いしたいとの思いで来させていただきました。

 

 皆様、すでにご存知のように、先月で、強制測量から30年と言われています。

その節目の頃、いくつかのテレビ局では、川棚町川原地区で7回も行われたという強制測量のことを報道するニュースが流されていました。ご覧になった方も多いと思います。

250人もの住民の方々が140人以上もの機動隊員と対峙する映像でした。

 数珠をかけた両手を合わせるおばあちゃん、生まれ育った土地を守ろうと座り込んで抵抗する人々を強制排除する映像です。

力づくで排除される女性やお年寄り、泣き叫ぶ子供たちの姿もありました。

土地収用法に基づいて、長崎県が実施した石木ダム建設に伴う強制収用の現実の姿でした。

ある地権者の女性は「強制測量の時の記憶は体の中に染み付いてますね」とインタビューに答えられていました。

また「今でも色々な映像や記録を見たら涙が出てきますね。子供たちも泣きながら反対していましたもんね」とも言われています。

こうも言われていましたね。

『機動隊にぎゅっとつねられて排除されたアザがみんなついていた。

県に対する怒りが鬼になるんですよ。鬼になって抵抗しないとやっていけないんですよ』と…

決して声高に叫ばれるのではありません。

むしろ、静かに、「私たちはダムに一生を捧げてきた。本当に何という人生やろうかねと思うね」

と語られていたのがとても心に残りました。

 テレビでは、高田元知事がこの強制測量について、

「公共のための事業ということでそこはご理解いただいて」とお話されていました。

しかし、またこうもおっしゃっています。

「あの時は今をおいてはないという判断だった。しかし、失敗だった。失策だった」と。

当時の県の最高責任者さえもが、こう述べざるをえない状況を作ってしまったのは一体何故でしょう。

 

地元の方々は、あくまでも話し合いを求めて来られ、今もちゃんとした話し合いができることを望まれています。

「公共」の名のもとに一方的に進められてきて、そこになくてはならない住民と行政との信頼関係は30年前の強制測量で完全に断ち切られたままではないでしょうか?

 

万が一、このまま最悪の事態に立ち至った時、

委員の皆さんがどれほどの責任をお取りになる覚悟がおありになるのか。

機動隊の強制力の下にブルドーザーが家を壊し、

それまで綿々と続いてきた暮らし、生活、歴史、大切な思い、そしてもしかしたら命までを奪うかもしれない、

そんなことをぜひ想像しながら、この請願に向かい合っていただきたい。

 

そしてまた、佐世保市民の多くも、

「強制収用だけはすべきではない」という至極当然な思いを心に抱いているということを、

委員の皆様とともに確認したいと思います。

ありがとうございました。

 

 

 

 

届かなかった趣旨説明

昨日午前10:00、石木ダム建設促進特別委員会が始まりました。

私たち「石木川まもり隊」が提出した「石木ダム建設用地の強制収用反対を求める請願」についての趣旨説明をさせて頂くことになりました。

傍聴席には地権者の方々をはじめ20名以上の皆さんが集まって、無言のエールを送って下さいました。

 

私たち3人は、それぞれが思いを込めて書きあげた原稿を手に、心を込めて訴えました。

「石木ダム建設促進」の委員会であっても、そこに集まった委員であっても、

委員である前に市議である。

市民の声を聴く義務を負った市議である。

ならば、心を込めた訴えには、たとえ自分の考えと違っても耳を傾けて下さるはず…

などと期待した私たちが甘かったのか…

 

私たちの趣旨説明が終わり、さあこれから、

意地悪な質問やきつい意見が返ってくるかと準備していたのに、

誰一人質問はなく、意見もなく、無言・・・

そして、いったん閉会、15分後に再開してもう採決するのだという。

あまりにも早い。

いやな予感。

継続審議にするのか…?

 

委員会再開。

冒頭、委員長が継続の意思を確認するが皆さんNO。

討論に入る。

民主党の片渕議員がすぐに手をあげ、請願に反対の意見を述べた。

その内容のポイントは次の通り。

 

1.長崎県と佐世保市は、石木ダムの事業認定を申請しているが、これは強制収用を目的としているものではない。長年にわたって地元の一部の皆様からご理解をいただけないために、土地収用法第18条に基づいておこなったもので、事業の公益性を認めてもらうのが目的である。

2.石木ダム事業は、川棚川の治水と佐世保市の利水の、二つの大きな目的がある。26万人地域住民の安全と安心のために必要不可欠な百年の大計である。

3.事業認定庁は、公聴会で賛否両方の意見を聞き、第三者機関である社会資本整備委員会に認定の是非について意見を聴取し、民主的に公平公正な判断が下される。

4.過去の事例をみても、このような認定までの民主的な過程の手続きの中で話し合いがなされ、事業が進展した例も数多くあるので、石木ダムもそうなることを期待している。

5.強制執行を行うためには、土地収用法第39条第1項に基づく裁決の申請が必要で、現時点ではそのような手続きは行われておらず、また今後手続きを行うという考えも示されていない。

6.以上の観点から、今、強制収用について論じる段階ではないので、民主市民クラブ会派としては、本請願は不採択とすることに決した。

7.佐世保市民は長期渇水になった時、市民生活、経済活動、そして命にかかわる問題として、長く不安を持ってきた。これから佐世保市民が安心して暮らせるためには、どうしても石木ダムを作らせていただきたい。現地のみなさまには大変な御苦労とご負担をおかけして申し訳ないが、何とかこの佐世保市民の悲願である石木ダムを作らせていただきたい。

 

このような意味のことを、用意した原稿を読み上げての反対討論でした。

15分やそこらで書き上げたものではないのは明らかで、前もって準備されてたようです。

その証拠に、私たちの説明を全く無視した主張ばかりです。

まるで何も聴いていませんでしたと言わんばかり!

 

例えば、3.の中で、公聴会や社会資本整備委員会で意見を聴取し、その結果「民主的に公平公正な」判断が下されると言われたが、その前に私たちはこう述べました。

 

これから公聴会や社会資本整備審議会などで意見を聞き、公益性の有無を判断すると言われますが、それらは形式にすぎません。

なぜなら、公聴会で意見を言えるのは限られた人数で、しかも1人15分程度と制限されています。

社会資本整備審議会で審議されるのはあがってきた書類を見て、手続き上の瑕疵が無いかどうか判断するだけです。

だから、事業認定申請されたケースはほぼどれも認定されています。

ダム事業の場合、認定されなかったケースは聞いたことが無いとダム問題の専門家が言っていました。

私はデータを持っているわけではありませんので断言はできませんが、議員の皆さんには是非お調べ頂き、教えてほしいと思っています。

 

そして、この片渕委員以外は、一言の発言もせず、採決に入り、

「強制収用はしないでほしい」という請願を不採択としました。

年老いた地権者の前で。

 

すべて終わって、私たち「石木川まもり隊」の心も萎えていましたが、

傍聴者のお一人から、励ましのメールを頂き、中にはこのようなことが書かれていました。

 

諄々と説いていく内容でした。

私は、幾度か請願説明の経験がありますが、今日は粛然とした雰囲気を感じました。

不採択理由の中心は、「いまは強制収容を論議する時ではない」でした。

「強制収容」への賛否表明から逃げる態度です。

請願内容への「質問」はありませんでした。

採決では、「請願採択」への「賛成」を求める方法でした。

「不採択」なら黙っていればよいのです。

自らの態度表明を曖昧にやりすごす卑怯を許すものでした。

しかし、いずれ強制収容への賛否が問われる時期が来ます。

それは、「強制収用するなら、私を殺してからせよ」との地権者の覚悟に対する 議員の「覚悟」が求められる時です。

 

S・Yさん、ありがとうございました。

 

九州地方整備局へお願いに行ってきました

石木ダム反対住民 事業認定申請取り下げ勧告を!

 

6月21日、地権者8名を含む16名で、福岡市にある、九州地方整備局を訪ねました。

とても穏やかで誠実そうな感じの事業認定調査官はじめ4名の方が対応して下さいました。

約4時間!

時折感情的になる発言にも、イヤな顔一つせず、真剣そうに耳を傾けて下さいました。

でも、それだけ。

私たちが望んだものはほとんど認めてくれませんでした。

 

1.長崎県が出している石木ダム事業認定申請を取り下げるよう勧告してほしい

    ↓

  勧告する立場にない

 

2.申請してから2年半もたっている。

  当時県が出した資料も古いし、私たちも新しいデータに基づいた意見書を出したい

        ↓

      審査に必要な資料は今後、県などに求めるが、あらたに意見書の提出は求めない

      皆さんの意見は公聴会で聴く

 

3.公聴会で十分な時間を取ってくれるのか?

  意見書を提出した80人全員に意見を述べさせてくれるのか?時間制限せずに

        ↓

       …… (無言)

 

こんな感じ。

答えにくいこと、答えられないことはすべて無言。

2で、県に新たな資料を求めると言ってくれたことは良かったけれど、

その資料を私たちに見せてほしい、それに対して意見を言いたいといくら頼んでも、

できないと言う。

なぜできないか訊くと、無言。

 

でも…

「公平・中立な立場で審査する」これだけはしっかりと大きな声で答えてくれました。

その言葉にすがる思いです。

 

以下に私たちの請願文書を貼付します。

 

 

事業認定手続を再開せず、長崎県及び佐世保市に対し、

当該申請を取り下げるよう勧告することを要請します

 

 国土交通大臣は6月11日、有識者会議の判断を踏まえ、石木ダム事業について「補助金交付を継続」とする対応方針を決定しました。あわせて長崎県に対して「石木ダムに関しては、事業に関して様々な意見があることに鑑み、地域の方々の理解が得られるよう努力することを希望する」旨を通知しました。

2009年9月、政権交代が起き民主党連立政権が誕生しました。前原誠司国土交通大臣(当時)は、全国の143のダム事業について、「できるだけダムにたよらない治水」への政策転換を進めるとの考えに基づき「ダムの再検証」を行うため、同年12月3日、「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」を設置しました。

このような中で、2009年11月9日、長崎県及び佐世保市は事業認定の申請を行いました。「申請書の公告・縦覧」「利害関係人らの意見書提出」「公聴会の請求」などの手続きを終了したところで事業認定の手続きは進行が中断し、2年半が経過しました。

新政権はダムの再検証を行おうとしており、事業認定の申請をする政治情勢ではありませんでした。それにもかかわらず、長崎県は2009年度から8年間でダム事業の完了を目標とする工程案を2008年7月に公表し、準備を進めていたことから、立ち止まることなく申請を強行しました。行き着くところに強制収用があることをひた隠しにし、「話し合いの促進のための事業認定申請」と称した、当初から問題のある事業認定申請でした。

今回の国土交通大臣の対応方針には「地域の方々の理解が得られるよう努力することを希望する」との意見が付されており、それは地元の方々の理解を得ないまま、強権的に事業を推進しないことを求めたものです。この国土交通大臣の付帯意見を踏まえれば、土地収用法の最終目的である強制収用に向けた事業認定の手続きを再開するようなことはあってはなりません。

中断された事業認定手続きを再開することは、別紙理由書に記載する基本的な問題がありますので、その手続きを取りやめるべきです。

事業認定手続きを再開せず、長崎県及び佐世保市に対し、当該申請を取り下げるよう勧告することを要請します。

 

  

(別紙)

理 由 書

 

1.        土地収用法第17条第3項違反の疑い

本条項に、「国土交通大臣は、…事業認定申請書を受理した日から三月以内に、事業の認定に関する処分を行うように努めなければならない。」とあります。

 この規定は、いわゆる「努力規定」と言われるもので、これに違反しても事業認定に関する処分の効力になんらの消長をきたすものではない、とされています。事案によっては3か月で処分を行うのは困難な事情があることを考慮して「努力規定」とされているもので、このことには合理性が認められます。

 一般的に、行政手続に係る申請は、対立当事者は存在せず、申請者と行政庁の関係で処理されます。行政庁に一定の努力義務を課し、処分が遅滞することがないように努め、もって申請者の利益が確保されるようにすることは当然です。

 ところで、事業認定申請の前提には、起業者と土地所有者等との間に抜きがたい対立関係が存在します。法第17条第3項の適用・不適用を考えるに当たっては、一方の地権者の存在を無視し、地権者の利益をまったく考慮しない態度は許されないと考えるべきです。

 石木ダム建設事業は、正式に認可された1972年から既に40年が、その前史をも通算すると実に半世紀を超える時間が経過していますが、今なお本体着工には至っておらず、その見通しもまったくありません。ダム反対の地権者は、石木ダム建設絶対反対同盟のもとに団結し絶対反対を貫いています。

土地収用法にもとづく事業認定申請は、強権の刃を剥き出しにして地権者に襲いかかる不正義かつ反人道的な所為です。このために、以前にも増して、地権者の普通の暮らしに緊張をもたらし、目に見えない苦しみを与え続けています。それがこの2年半という長い時間でした。長崎県及び佐世保市は、そのことを知りながら、それを利用する目的で事業認定の申請を行いました。

行政手続が遅滞なく処理されなければならないのは、何も申請者の利益のためだけにあるのではありません。恫喝にも似た事業認定申請が、法第17条第3項が予定しない事情によって手続きの進行が中断したとしても、その不利益を地権者に継続して与えている状況は同条項の趣旨に照らし、もはや“違法状態”に達していると言えなくもありません。この“違法状態”は直ちに解消される必要があります。手続きの進行を再開することがあってはなりません。

 

2.        大きく変わった事実関係

2009年11月9日、長崎県及び佐世保市は共同して、事業認定庁である九州地

方整備局に土地収用法にもとづく事業認定の申請を行いました。事業認定申請書の必要的添付書類として「事業計画書」があります。この計画書1の(1)のハ)「水道用水計画」の項(17頁)によると、平成18年度現在における実績値をもとに平成29年度の給水人口や一日最大給水量を予測しています。しかし、これらの数値は、平成の大合併により吸収合併された周辺5町を含んだ数値です。石木ダムを考えるとき、合併前の旧佐世保地区で検討されるべきなのに、ここには意図的なごまかしがあります。18頁の「佐世保市の水需要と給水計画」のグラフも曖昧な数値で分かりづらく、平成29年度の過大な水需要予測をもとに石木ダムの必要性を強調するのは単に“必要神話”にすがりついているだけです。

 要するに、旧佐世保地区でみていくと、平成19年度から同23年度の実績値は一日平均配水量も一日最大配水量も減少を続け、今後とも凹凸はあるものの長期的には水需要は確実に減少していくことは今や誰の目にも明らかです。加えて、人口の減少は深刻です。九州経済調査協会が本年1月にまとめた2035年の長崎県の人口は、2010年の国勢調査結果の3割(約39万人)減と推計しています。この5年間の配水量の減少と将来の人口減少を考慮に入れていない「水道用水計画」はこの2年半の経過のなかで完全に破綻してしまいました。このことは、石木ダムは事業の公益性がない、ムダなダムだということです。

公益性がない事業のために土地を強制的に取得することはあってはなりません。この事実を無視あるいは否定して事業の認定がなされると、その処分は違法であるとされ、裁判で取り消される可能性があります。

事業認定手続きは進めるべきではありません。

 

3.        もともと無理筋の事業認定申請

長崎県及び佐世保市は、2009年9月の政権交代後、国が「できるだけダムにたよらない治水へ」の政策転換を打ち出したこと、及び補助ダムについて国としても必要性の検証を加えていこうとしていることを十分知りながら、同年11月9日、事業認定の申請を強行したという経緯があります。このときは、申請を思い止まり、国が行うダムの再検証の結果を待つべきでした。申請後、「公告・縦覧」「利害関係人の意見書提出」「公聴会の請求」と所定の手続きが進められる一方で、12月3日、第1回有識者会議が開催され、翌年秋を目標とした検討が開始されたことから、貴局は、事業認定の手続きを中断したのでした。この時点で申請者に対し、申請の撤回(取り下げ)を促しておれば、今日この問題はありませんでした。貴局の対応に問題があったと言わざるを得ません。

  今からでも遅くはありません。長崎県及び佐世保市に対し、無理筋だった事業認定申請の速やかな撤回(取り下げ)を勧告すべきです。

 

4.        付帯意見の意味するもの

6月11日、国土交通省は、石木ダムに関し、「継続」とする対応方針を決定したが、あわせて長崎県に対し「石木ダムに関しては、事業に関して様々な意見があることに鑑み、地域の方々の理解が得られるよう努力することを希望する」旨の付帯意見を付けました。付帯意見の意味するものは、「強制収用は許されませんよ」であり、「地域の方々の理解を得る」ために「とことん話し合いなさい」ということです。

 長崎県及び佐世保市がとってきたこれまでのやり方、すなわち事業認定申請→強制収用という土地収用法の究極の強権を振りかざして脅しながら、口では「話し合いによる理解と協力を得ていく」という欺瞞的な説明、このような手法が否定されたのだと受け止めるべきです。

長崎県及び佐世保市は、現に継続中の事業認定申請をいったん取り下げた上で、「地域の方々の理解が得られるように」誠実な話し合いをしていく以外にありません。それでもなお、高い公益性があるというのならば、再度、新たな事業認定の申請をすることはできるのですから。

ひとえに貴局の賢明なる指導如何にかかっています。

 

5.        再評価委員会

平成19年度から5年目に当たる本年度は、佐世保市水道水源整備事業(石木ダム建設事業)に関する事業の「再評価」が、厚生労働省健康局長通達「水道整備事業の評価の実施について」に基づき実施されます。

 前回の平成19年度再評価委員会は、平成19年12月25日、「事業着手以来30年が経過しており、今後、進捗のないまま年を重ねるにも限度があり、どこかの時点で実現の可能性を判断し、場合によっては別の道を探る必要がある」との意見を付記した答申を行いました。この答申を受けて朝長佐世保市長は、平成20年2月21日、「これを重要な意見と捉え、今後の進捗状況を見ながら、十分な検討を行う」の文言が入った再評価の結果報告を厚生労働大臣に行いました。

であったにもかかわらず、金子長崎県知事(当時)が、平成20年7月23日、平成21年度から同28年度末まで8年間でのダム事業完了を目標とする工程案を公表していたことから、金子知事及び朝長市長はともに、石木ダム建設にのめり込んで行くようになりました。

 今年度に実施される再評価委員会の主要な論点は、水需要予測の正否に尽きます。平成19年度再評価委員会は、平成18年度までの実績値に基づいて平成29年度の水需要を予測し、ダムの必要性ありとして「事業継続」を了承しました。しかし、その後、平成19年度から同23年度までの一日平均給水量、一日最大給水量のいずれも確実に減少傾向を示しています。さらに人口減少が確実に予測されており、これらの事実をも踏まえた再評価が行われると、石木ダム建設の必要性が否定され、石木ダム建設事業の「中止」が決定される可能性は高いと考えられます。

 

以上のことを踏まえれば、貴局がとるべき道は、凍結中の事業認定手続きを前へ進めることではなく、長崎県及び佐世保市に対し、事業認定申請を取り下げるよう勧告することです。

(以上)

ビデオに釘付け 石木ダム緊急報告会

昨夜の緊急報告会は、立ち見が出るほどたくさんの人が聴きに来てくださいました。

ビデオの上映が始まると、会場の空気が一変。

 

 

2月22日、

傍聴を求めて国交省に乗り込んだ地権者の必死の訴え、

なぜ公開しないのかと質す水源連の仲間たち、

何をいわれても無言の「有識者」たち、

4月26日、

11階の会議室に近づけまいとエレベーターは使わせず、

各階のの廊下には人間バリケード、

そこまでして非公開を貫く「有識者会議」と国交省。

 

その実態を初めて目の当たりにした市民の驚きが、シーンとした中にも伝わってきました。

市民だけではありません。

報道陣もびっくり!で、「これはどなたが撮影されたのですか?」

「この報告会の報道の中で流してもいいですか?」など、上映中にわざわざ訊きに来るほど。

 

ビデオの後、その現場にいたご本人から詳しい報告があり、

皆さん、真剣に耳を傾けていました。

 

続いて、佐世保市議会議員の山下さんからは、

1、    石木ダム建設をめぐる現状

2、    「科学者の会」が提出した「有識者会議」への7項目質問

3、  石木ダム必要論には、利水も治水もごまかしだらけ

4、  実現性は全く無い

5、  石木ダム建設は税金の無駄遣い

6、  今後の課題

等々が、パワーポイントを使ってわかりやすく語られました。

 

参加者からは、

こんなに必要性も実現性もない石木ダムを、なぜ県や市は造ろうとするのか?

造り続けようと固執するのか?

との質問があり、

私にもそれがわからないのです、不思議です…と山下さん。

利権構造や、税金を使った公共事業に責任を感じない官僚の体質などによるのでは?

などの意見が出されました。

 

また、

このままでは土地の強制収用が懸念される、

それを防ぐ対策を、弁護士さんなどの力を借りて考えていくべきではないか?

や、

市議会の傍聴に行くが、市民はただ聴くだけ。

石木ダム問題だけでなく他の問題でもそうだが、議員さんと意見交換する場がほしい。

などの意見が出されました。

 

これらの質問や意見を私たちも参考にさせて頂き、今後の活動に活かしていきたいと思います。

 

大盛況!2012川原ほたる祭り

 

昨日は年に一度の「川原ほたる祭り」

まずまずのホタル日和で、こんなにたくさんの人が集まってきました。

昨年は雨でさんざんでしたからね〜

 

午後4時頃には、長崎市から大型バスとマイクロバス2台が早々と到着。

そして、お祭り開始時間まで周辺の里山を散策。

 

そんな皆さんに、心尽くしの手料理を楽しんでもらいたいと、

川原の主婦たちは朝から大忙し。

 

川原公民館では、いくつものコンロがフル稼働。

大鍋で次々に煮物や炒め物、揚げ物、山菜おこわやお赤飯などが出来上がります。 

この黒い玉はチョコボールではありません。

お餅に入れるあんこです。

私たち佐世保からの助っ人も9時前に着いて、

最初に始めたのが、このあんこを丸める作業。

簡単そうに見えて、大きさをそろえるのが結構難しいのです。

2箱分終わりかけた頃、「こんなに大きいのはダメ!」と言われ、

最初からやり直すことに・・・

 

こちらはヨモギ。

各家庭で蓬の葉を山のように摘んで集め、それを茹でて細かく刻んで絞ったものを持ち寄ります。

だから色や柔らかさなどばらばら。

硬く丸められたものを数人でほぐしながら、混ぜ合わせていきます。

これをお餅の生地に練り込んでいくと、風味の良い蓬餅ができあがります。

 

こちらは出来上がったぜんまいの煮物を混ぜているところ。

ぜんまいの煮物だけでも、何回も大鍋で煮ますから、

その都度微妙に味が変わります。

それを混ぜ合わせ均一にするのです。

プロの総菜屋ではないけれど、ホタル祭りも25回目ともなると、味はプロ並み?

いえいえ、プロの上をいきます。

 

1時頃、ようやく皆でお昼を食べて、つかの間の一休み。

川原の主婦たちだけでなく、それぞれの親戚や友人なども手伝いに来ているので、

自己紹介などし合って、楽しいひと時です。

 

そんな光景をカメラにおさめていたら、ふと、後の黒板の文字に気付きました。

ホタル祭りの準備を、前日の夜7時半から始めていたのがわかります。

それ以前に、会場のやぐらを組むための竹切りを8日にやっていたこと、

その組み立てや清掃活動を20日にやっていたことなどを知りました。

それらはきっと男たちの仕事だったのでしょうが、

女たちもこれだけの料理を作るために、

一ヶ月前から山菜採りを始め、それを天日干したり、

調味料や小麦粉、肉類など買いそろえたり、

数日前から仕込みに入ったり・・・どれほどたいへんだったことでしょう。。。

 

さて、私たち「石木川まもり隊」も小さなブースを構えました。

用意したのは、これまでアースデーや写真展で使った残り物がほとんどですが、

資料「石木川って知ってる?」と、歌集「こうばるのうた」だけは、新しく作りました。

テーブルに並べたもので真っ先になくなったのが、その歌集「こうばるのうた」で、嬉しかった。。

 

 今年も熱唱してくれた「オトヒトツ」の池ちゃん。

 川辺川ダムを止めた熊本のNさんも駆けつけて… 

 

最後は、今年も「ながせん」と、「ふるさと」を歌ってライブを終了。

 

いよいよ、ホタルさんたちの出番です。

私も今年はしっかり見ることができました。

ふ〜わり、ふ〜わり飛ぶホタル。 

「私はここよ」と光って知らせる命たち。

 

  いや〜、よかね〜、来年は孫を連れて来たかね・・・

 

友人の感動の言葉が嬉しくて、心の中で呟きました。

ホタルさん、今年もありがとう・・・

 

石木川の源流を訪ねて

朝起きてすぐ空を見上げました。

曇り…天気予報も雨の心配はないとのこと。

暑からず寒からず、散策するには絶好のお天気でホッ。

 

ところが…

朝10時、集合場所の駐車場は他のイベントの車でいっぱい!

急きょ別の場所へ移動し、ドタバタのスタートとなりました。

参加者は、川棚・佐世保・大村・長崎・有田から17人。

4台の車に分乗し、さあ、源流ツアーの始まり始まり・・・。

 

まずは、川棚川と石木川の合流地点で説明を受け、

石木ダム堤体建設予定地点で途中下車。

 

木場郷へ向かいます。

どのくらい前から、この景色があったのだろう。

あとどのくらい、この景色が見られるのだろう。

 

 

源流付近は道無き道。

枝をかき分け進みます。

水の音がして、枯れ葉を退けると、清水の小さな流れを発見。

 足元からも水がじんわり沁み出ていて、

シダの下の苔むした石の間からもチョロチョロと水が湧き出し・・・

ああ、これが源流なんですね。

虚空蔵山系の森に沁み込んだ雨水が、再び地表に顔を出し、

ジワジワがチョロチョロとなり、

チョロチョロが小さな流れとなって、

その流れが、やがて石木川になっていくのですね。

石木川も小さな小さな川だけど、その恵みは大きいものがあります。

 

この源流を生みだす森に感謝しつつ、

あらためて、石木川を守りたいと思った一日でした。

 

  虚空蔵山の山頂間近のところで、記念撮影。

 

佐々町散策

ここは佐世保市のお隣、佐々町の山の中。

素晴らしい遊歩道が続いています。

長い階段を上りきると・・・

佐々町の市街地が一望できます。

真下に流れるのが佐々川、右手が下流で湾曲して海に注いでいます。

中ほどに見える円錐形の山は、佐世保市の愛宕山。

 

正面にカメラを向けると、

小さな棚田や段々畑が見えます。

左手にカメラを向けると、

佐々川上流方面。

これから見学?に行くところです。

 

見晴らし台を降りて、市瀬川沿いに下る途中、素敵なスポットに遭遇!

ここは「ふれあいの森」と呼ばれる真竹谷広場で、今はしだれ桜の真っ盛り。

案内役のMさんに「そろそろ行きましょうか」と遠慮がちに声をかけられ、あわてて車へ。

 

佐々川に出て、神田市瀬橋あたりから南下することにしました。

ここから下流には、私たちが見たかった、頭首工と呼ばれるものが点在するからです。

 

頭首工(とうしゅこう)とは、用水の取水にかかわる一連の施設全般を指す言葉で、

用水路の「頭首」に存在する取水用の堰と用水の取り入れ口、魚道などを総括しています。

こちらは横手頭首工。

近くには「横手竣工記念碑」なるりっぱな石碑が建てられていました。

台座の部分には、この施設の詳細が金文字で刻み込まれています。 

施工主は「長崎県北振興局」で、この横手堰の型式は「ニューラバーダム」、

工費は1億400万円だったとのこと。

こちらは、本田原頭首工。

 

他にも同様の2つの頭首工や、東部かん排と呼ばれる大きな灌漑用水取水施設、

九電の相浦発電所への送水など、いくつもの取水施設が短い距離の中に点在しています。

こんなにたくさんの灌漑用取水施設が必要なのでしょうか?

 

昔と違って、耕作農地が減り、灌漑用水の需要は激減しています。

例えば、「東部かん排」には、23,400m3/日という水利権が与えられていますが、

近年ほとんど取水実績はありません。

渇水年だった平成19年度でも、取水されたのは、わずか11日。

最大でも4,560m3/日でした。

地元の方の話では、佐々町にはたくさんの溜め池があり、よほどの渇水でないかぎり

わざわざ下の佐々川からポンプアップして水をくみ上げる必要はないのでは?とのこと。

 

地図を見てみると、たしかにたくさんの溜め池が表示されています。

親切な地元の方が案内して下さいました。

ここは稗田溜池。けっこう大きいです。

すぐそばのポンプ室には流量計があり、神田、栗林、稗田の3地域に送られているのがわかりました。

こちらは鶏舎。

端から端まで、鶏がラッシュアワーの車内のようにすし詰め状態…

そこを通り過ぎて行くと、

また一つ、少し大きな溜池がありました。

 

このような池をあちこちに造って、先人たちはこの地で農を営んできたのですね。

その農地はだんだん宅地に変わり、あるいは耕作放棄地となり、田畑の面積は減る一方。

取水実績値の示す意味が十分実感できました。

 

案内して下さった地元のWさんと別れ、帰途へ。

途中、佐々町に存在するもう一つの貯水池に立ち寄りました。

ここは九州電力相浦発電所所有の貯水池です。

 

九電にも、佐々川から4800m3/日の水利権が認められていますが、

この自社保有のダムにより、取水量実績は灌漑用と同じようにたいへん少ない値です。

が、3・11以降、水力発電の需要も高まっていると思われ、

23年度がどのような実績だったのか、

またこれからどのような需要が予測されるのか、今後の情報に注目したいと思っています。

 

佐々町は緑も水も豊かな、美しい町でした。

 

3.14団結大会決議文

昨日お伝えした「第33回 3.14団結大会」の決議文は、文字が小さ過ぎました。

きっと読みづらかったと思います。

作成者から原稿を送って頂きましたので、横書きにして以下に貼り付けます。

どうぞ、じっくりお読みください。

 

 

              決  議  文

 

 今年度はいいことがいくつかあった。

 一つ、「おまえの面(つら)は見とうもなか」と嫌われた朝長佐世保市長も、
動けない日々が続いている。私たちにとって、今年の正月は静かで良か正月
だった。
 

 二つ、付け替え道路工事ストップ続く。山は動かなかった。おそらく長崎県は、
平成二十一年度の補助金を国へ返還することになろう。無駄な予算消化にな
らずよかった、よかった。
 

 三つ、川棚、佐世保に続いて県庁所在地の長崎市でも石木ダム反対の拳
(こぶし)があがった。「石木川の清流とホタルを守る市民の会」が八月二〇日
に設立された。そして大きな成果をあげようとしている。私たちの運動を側面
から支えてくれる頼もしい仲間である。
 

 四つ、「本当に必要?石木ダムはいらない全国集会」大成功。市民が少し
ずつ反対を表明しはじめた。石木ダム建設反対全国集会の盛り上がりは、
普段の活動が全国の仲間に「励ましと勇気」を与えたということだろう。
「心を籠(こ)めれば人は振り向いてくれる」ことを強く感じた一年だった。
 

 五つ、国の有識者会議が流会した。傍聴は当然の権利だ。国交省の思い
どおりにさせてはならないと、楔(くさび)を打ち込んで、いよいよ石木ダム反対
運動も全国区だ。

 

 思うに、今まで私たちの闘いは、県や国の動きに合わせて行動してきた。
それは、後手後手の運動であり行動であった。これでは、石木ダム推進の動
きがいつまでも止まらない。先手、先回りの知恵と行動が必要だ。
「策(さく)無き者は少兵にも負ける」歴史が伝える戒めである。
一人一人の力は小さいが、知恵と策で必ず勝てる。この一年余りの間に感じた
「本当は石木ダムはいらない」という世論の拡大に自信を持とう。石木ダムは
建設の必要がないのだ。私たちが犠牲になる必要は全くないのだ。

 「人口減少社会」が到来し、佐世保市の人口も確実に激減する。
今のままでも、水は十分足りることになる。しかも借金財政にあえぐ日本、特
に長崎県はダム建設どころではないはずだ。
 

 反対運動の輪は広がり続けている。この輪を更に強固なものにするのは、
「決してこの土地を渡さない、この地を離れない」という信念である。
全国の闘う仲間と共に住民無視の石木ダム建設計画にしぶとく抵抗していこう。

「石木ダム建設計画白紙撤回」、明るい明日に向かって

右決議する。       

          2012年3月11日

              石木ダム建設絶対反対同盟 第33回3.14団結大会

第33回 3・14団結大会

今日は33回目の「3・14団結大会」の日。

3月11日、あの大震災からちょうど一年。

追悼の黙祷から始まった今年の団結大会では、

多くの来賓者が挨拶の中で、原発事故のことに触れました。

 

ダムも原発も本質は全く同じ。

経済発展と公益の大義名分のもとに、地方の暮らしや自然を破壊する。

より多くの電気や水を供給して、より多く消費させようとする。

リスクも被害も地方に押し付ける。

ふるさとを奪われるのはイヤだと反対する地権者を、金の力で黙らせる。

しかし、その手には乗らぬと半世紀にわたって反対を貫き通してきたのが、ここの皆さん。

川原地区に住む13世帯の皆さん。

この強い絆の団結大会、なぜ「3.14大会」というのか?

私も不思議に思っていたら、地権者の一人、ほーちゃんという若い女性が、教えてくれました。

「3.14」とは円周率にちなんだもの。丸い円が強い絆を表しているそうです。

な〜るほど。

「3・14」と思ってましたが、「3.14」だったのですね。

 

今年の3.14大会は、大震災の日と重なって、参加者はいつもより少なめでしたが、

(毎年参加なさってた映画監督&絵本作家の大西暢夫さんも、今日は宮城県東松島市だし…)

それでも、参加者は元気、元気!

地権者も支援者も、明るい気分で熱気ムンムンでした。

そのわけは…この決議文をご覧いただければ、きっと納得!

 

 

この決議文に参加者一同、感動でした。

京都から急きょ駆けつけて下さった今本博健先生も、石木ダムは絶対造らせてはならない。

私は科学者の立場で、これからも石木ダム建設絶対反対同盟の皆さんを支援し続けます。

と、力強くおっしゃって下さいました。

 

今本先生のメッセージは、こちらです。

 

         石木ダム建設絶対反対同盟 第33回3.14団結大会に寄せて

 

 石木ダム建設絶対反対同盟・ふるさとを守る会の皆さん。

 そして、支援のためお集まりされている皆さん。

 

 また、この日がやってきましたね。

きっと、皆さんは「来年こそは石木ダムが中止されていて、これからをどうするかを楽しく

話し合う日になっていてほしい」との思いでお集まりになっているのだと思います。

 

 しかし、現実はあまりにも厳しいと言わざるを得ません。

すでに、長崎県は石木ダムの検証を終え、「建設継続が妥当」との結論を出しました。

今後の治水対策のあり方に関する有識者会議は、岩下さんご夫妻の傍聴を求める声に

屈して一度は流会としましたが、強引に追認しようとするでしょう。

 

 長崎県知事中村法道氏にお聞きしたい。

あなたは本当に石木ダムが必要と思っているのですか。

石木ダムの治水効果は小さいです。川棚川の改修によって同等以上の治水効果が得られます。

今後の水需要を考えると新規の利水開発は不要です。

あなたは自らこのことを検証しましたか。部下の説明を鵜呑みにしているのではないですか。

 

 佐世保市長朝長則男氏にお聞きしたい。

あなたは佐世保市の水需要が増えると本当に思っているのですか。

佐世保市の水需要はすでに減ってきています。これからも減り続けるでしょう。

石木ダムをつくれば不要な利水のために佐世保市民に多大の負担をかけることになります。

それでもあなたは石木ダム建設を本当に推進しようとするのですか。

 

 川棚町長山口文夫氏にお聞きしたい。

川棚町にとってなんのメリットもなく、町民である水没地区の住民に犠牲を強いるだけの

石木ダムに本当に賛成するのですか。

 

 今後の治水対策のあり方に関する有識者会議座長の中川博次氏にお聞きしたい。

ダムに頼らない治水に政策転換を実現するために、新たな治水理念の構築を目的として

設置された貴会議が、規約にも示されないダム検証の片棒を担ぎ、真摯に議論することなく、

ダム検証の結果を追認しています。学者として本当に恥ずかしくないですか。

 

 そして国土交通大臣前田武志氏にお聞きしたい。

全国で無駄なダムがつくられようとしていることに本当に良心の呵責を感じませんか。

かつて席を並べて学んだだけに悲しいです。

 

 私はこれからも石木ダム建設絶対反対同盟の皆さんを支援し続けます。

 

                            2012年3月11日

                                         京都大学名誉教授 今本博健

 

 

さて、今日は、「3.14大会」に先立って、午前中は、石木川の清掃活動を皆でやりました。

河原に落ちているゴミを拾い、枯れ枝などを燃やし…

こちらでは男性二人が、しゃがみこんで草取りかな?

石木川も石木川のほとりも、もっともっときれいにしたい…

石木川は僕らの住む川原のシンボルだから。

「WE LOVE KOUBARU」と書かれた背中が、そう語っているようでした。

 

 

赤嶺調査団 川原へ

立って話している方が、国会議員(共産党衆議院議員)の赤嶺政賢さんです。

石木ダム問題の調査のために今日川原を訪れ、現地視察&地元の人々と懇談しました。

 

赤嶺さんは沖縄選出の方です。

先ほど団結小屋を見せて頂きましたが、沖縄にも団結小屋はたくさんあります。

米軍基地を造らせないためにです。

その最前線にいるのが、おじい・おばあです。

おばあたちは毎日集まって、お茶を飲みながら頑張っています。

あら・・こことそっくり!

国会議員の9割が米軍基地を沖縄に造ることに賛成しています。

しかし、辺野古も高江も15年も闘っています。

杭1本打たせていない。

地元の住民が団結して立ちあがったら、政府も県も簡単に手を出すことはできないのです。

私は、無条件に皆さんを応援していきたい。

と、おっしゃいました。

やはり、悪政に翻弄されてきた者同士、理解も共感も深いものがあるのでしょうか。

また、赤嶺さんは、沖縄よりもここの戦いは「負けない戦いができるはずだ」と言いました。

なぜなら、去年の「cop10」で、政府は世界に向けて宣言したのです。

日本には世界に誇れる『里山』という自然環境がある。

人々の暮らしと自然が密接に関わっている『里山』を、日本政府は守っていくと、

それを国家戦略として位置づけたのです。

ここ川原は、まさに、国が守るべきその里山ではありませんか。

 

みんな真剣に耳を傾けています。

 

地権者の皆さんからもいろんな声があがりました。

* 私たちは嫁ですから、あちこちから嫁いできました。

でも、ここに住んでここの素晴らしさは余所にはありません。

夫婦喧嘩をしても隣には聞こえません。(みんな大笑い)

何をやっても楽しい。

でも、闘いは苦しいです。

50年ですよ。やおいかんです。

一人ひとりが命をかけて闘ってます。

私たちは白紙撤回目指して死ぬまで闘います。

 

* 私たちはずっとここに住み続けています。

長崎県知事は4代変わりましたが、私たちはずっと変わりません。

子どもたちも親から言われたわけではないのに、自然と闘いに加わっていきます。

私たちは闘い続けますから、国の方をなんとか動かして下さい。

国が予算をつけなければ、県は造れないのですから。

 

* みんな50年と簡単に口にしますが、これはすごいことですよ。

人生のほとんどです。

こんなに長い間、国民を、住民を、苦しめていいんですか?

 

おばあちゃんたちも声をあげます。

* 今日お話を聴いて、なんか光が差してきたような気がします。

苦しんできた胸の内が和らいできたような気がします。

 

S子さんが「今話した人は90歳ですよ」と言うと、みんなオー!と驚きの声を発し、

再びS子さん、「すごかでしょう?ここの水を飲めば、こがん若くなるんですよー

いつも座を明るく盛り上げるS子さんです。

 

* 私も85歳です。うちは4代で頑張っています。

ひ孫のためにも、これからも頑張って闘っていきます。

 

事業認定や強制収用の話が地権者から出てきたので、赤嶺議員はそれに応えて言いました。

国民の持っている権利の中で、生存権と並んで重いのは、

日本のような資本主義社会においては、私有財産を守る権利です。

ここのように、住んでいる人全員が反対している、

しかも造ろうとしているダムには治水でも利水でも便益がない、

こんなケースで強制収用を実施するのは、容易なことではありません。

県が手続きを取ったとしても、反撃はできます。

 

支援者としての発言を求められ、

私たちは佐世保市民として、

佐世保のために川原の人々の暮らしと自然を壊すことは、許せません。

佐世保は、石木ダムがなくても今までやってこれたのです。

現在佐世保の水は足りているし、これからはますます需要は減っていくでしょう。

県は事実を誤魔化し、ムダな公共事業をしようとしています。

公共事業チェック議員の会の活躍とご協力を期待します。

などと訴えました。

 

司会の山下市議が、そろそろ時間ですが、最後に伝えたいことがあったらどうぞ・・・と言われ、

地権者のお一人が手をあげました。

ここは戦時中に海軍工廠ができて、住民は強制移転させられたとです。

終戦になって戻ってきて、新たに家を建て、コンクリートで固められた半地下をつるはしで壊し、

やっと元の農地に戻した。

そこをまた強制収用するなら2回目となるんです。

  

国や県の都合で、2回も土地を強制収用する?

そんなこと、できっこない!有り得ないですよね?

つい今しがた、現職国会議員が言ったばかりです。


国民の持っている権利の中で、生存権と並んで重いのは、

日本のような資本主義社会においては、私有財産を守る権利です。

これが本当なら、そしてこの権利を守る意思が国にあるのなら、絶対できないはずです!