公開質問書と請願について記者会見

10月30日、午前11時、石木ダム建設に反対する市民団体(佐世保市・長崎市・川棚町)のメンバー12名が、県政記者室にて記者会見をおこないました。

知事への公開質問書の回答と、国土交通大臣等に送った請願書について説明するためでした。

すでに、公開質問書や請願書はFAXで送っていましたが、読売新聞さん以外はなかなか報道されていませんでした。

しかし、この日はたくさんの記者の皆さんが参加、真剣に耳を傾けてくださっていました。

その日の夕方、KTN(テレビ長崎)や、NIB(長崎国際テレビ)が夕方のニュースで報道、

翌日は、読売新聞や長崎新聞が記事を掲載してくれました。

やはり、直接きちんと訴えることの意義を感じました。 

 

KTN テレビ長崎  

KTNスーパーニュース 10月30日 http://www.ktn.co.jp/news/2012/10/30/

石木ダム反対派が事業認定取り下げ訴え

  石木ダム建設に反対する市民団体のメンバーなどがきょう会見を開き、県に対し、事業認定申請を取り下げ、話し合いのテーブルに着くよう訴えました。会見を行ったのは5つの市民団体で中村知事が 先月、ダムの事業認定手続きを進めるよう九州地方整備局に要請していたことに反発しています。市民団体では今月8日、「国から通知された『地域の理解』を得る努力を行っていない」として事業認定申請の取り下げを求める質問状を提出していました。しかし、県からの回答書には「公聴会の開催など住民参加の機会も確保されている」と手続きを進める方向性が示されたため、改めて事業を白紙に戻すよう訴えました。石木川まもり隊 松本美智恵 代表「形だけの話し合いではなくて申請を取り下げて、一から地権者と向かい合って話してもらいたいと」市民団体では野田総理大臣などに対しても事業認定手続きの中止を求める請願書を送っています。

  

やればできる脱ダム

今夜の報道ステーションは、滋賀県の嘉田由紀子知事にフォーカスし、

まさに「コンクリートから人へ」を実現する、見事な脱ダム政策を紹介してくれました。

 

嘉田知事は北川第一ダム、芹谷ダム、国営の大戸川ダムの3つのダムを凍結しました。

民主党が掲げたキャッチフレーズ「コンクリートから人へ」の象徴だった八ッ場ダムは、

政権交代当初、中止を明言していたのに、2年後にはあっさり継続と変更  

4600億円の税金が投入されます。

滋賀県にも国営の大戸川ダムの計画があったけれど、嘉田知事が3年前に凍結。

知事は、莫大な予算と時間がかかるダムより、

河川改修のほうが、水深を確保でき、予算も大幅に減らすことができると自ら検証

さらに、大阪府や京都府などにもダム凍結した方が費用対効果が高いことを納得させました。

しかし国はあきらめず、官僚からの激しい抵抗があり、

大戸川ダムの凍結を堺に国の補助金を2割以上減少させたそうです。 

 

国がダム建設にこだわる背景を、元国交官僚の宮本さんは、

「役所は個人の部局のためにダム建設を進めている」と河川ムラの存在を語っていました。

そんな巨大な官僚の抵抗にも負けず、なぜ嘉田知事はダムを凍結できたのか?

 

それはきっと、農村研究や農に欠かせない水問題にも精通した専門家だったことが大きいのかも…

洪水対策には、河川改修やハザードマップが有効であることに自信を持っていたから、

内部からもあれほどの抵抗を受けながら、揺るぐことがなかったのでしょう。

また、住民への保障も重視し、ダムを凍結しても地域振興策を続けることを約束、

ダムを凍結した資金で、就労支援や介護・衣料の充実を図り、

住民も次第に理解を示し始めました。

結局、嘉田知事は、合わせて1908億円かかるダムを凍結し、

洪水対策として104億円かけて河川改修をやるという政策を実践しているのです。

 

コストの面ではもちろん、洪水対策としても、地域対策としても、

地に足のついた、住民の暮らしを守る政策です。

TVを観ていて、感動さえ覚えました。

 

こんな知事がもっともっと増えて欲しいものですね〜 

 

石木ダム市民アンケートについて

 

これは、8月25日、西日本新聞の記事です。

私たちが行った街頭市民アンケートの結果についての報道です。

 

アンケートを行ったのは5日で、すぐに集計し、結果はまとめていたのですが、

あらためてマスコミへのお知らせなどはしていませんでした。

96人ほどのデータでは、あまり信ぴょう性がないと無視されるだろうと思っていたからです。

 

しかし、21日の市役所前チラシ配布活動の後、そのチラシを記者クラブへも配布しました。

その際、チラシの中に書いていたアンケートについての資料として添付していたのですが、

それをしっかり見てくださった記者さんがいたというわけです。

 

そして、その数日後の30日には、読売新聞が伝えてくれました。

こちらは、記事を見た方が、わざわざワードに転記して送ってくれましたので、それを貼り付けます。

 

2012年8月30日 読売新聞 佐世保版

 

石木ダム建設 6割「必要ない」

      佐世保で市民団体アンケート

 

 県や佐世保市が計画している石木ダム(川棚町)の建設を巡り、反対派地権者を支援する市民団体「石木川まもり隊」(松本美智恵代表)は、佐世保市民を対象に行ったアンケートの調査結果をまとめた。ダム建設については6割近くが「必要ない」と答えた。今後も調査を続けて民意を集約し、計画見直しを求める考えだ。

 調査は5日、同市中心部の四ヶ町商店街で実施。まもり隊のメンバーらが通行人に協力を求め、96人から回答を得た。

 ダム建設の是非を問う質問では、「必要ない」が57.3%(55人)を占め、「必要」は27.1%(26人)、「わからない」は15.6%(15人)だった。

 地権者の土地を強制収用してでも建設すべきとの意見は11人で、全体の11.5%だった。

 建設理由の柱に挙げられている佐世保市の渇水問題に関しては、「水不足だと思わない」が59.4%(57人)で、「思う」の33.3%(32人)を大きく上回った。水不足の解消策として、雨水利用や漏水対策、節水などを挙げる声が多かった。

 松本代表は「どうしてもダムがほしいという市民は少ないと思う。今後も調査で市民の意向を把握して、活動の参考にしたい」と話している。

 

マスコミの皆さんも、きっと市民の本音に関心があるのでしょう。

佐世保市民は本当にダムを必要としているのか?

本気でそれを望んでいるのか?

私たちもそうでした。

でも、行政側の凄まじい宣伝力(新聞、テレビ、広報紙、バスの車体広告、推進パレード等)に気圧されて

洗脳されている市民も多いはず、必要の声が不必要を上回っていたらヤバイ・・・

そんな弱気が働いて、なかなか実施できずにいました。

 

でも、思い切ってやってみて良かった。

お上の宣伝に惑わされず、現実をしっかり見ている市民は意外に多かった…

それがわかって嬉しかったし、正直なところ少し驚いてもいます。

記者さんたちもきっと同じように驚かれたのでしょう。

だから、興味を持って取り上げてくださったのでしょう。

 

またいつか、時期を見てやりたいと思います。

佐世保市民の皆さん、今度はあなたに尋ねるかもしれませんよ。

その時は、ホントの気持ちを教えてくださいね。 

 

 

8月27日朝日新聞社説 〜節水で過剰投資を防げ〜

今日の社説を貼り付けます。

水道事業—節水で過剰投資を防げ

 家庭などの節電が効果をあげている。7月は全国で前年から12%余り販売電力量が減った。原発事故を起こした東京電力管内では、やはり節電を呼びかけた昨年より14%も少ない。

 暑さをしのぎ節電に取り組んだたまものではあるが、裏を返せばこうも言える。「電力の安定供給」を掲げる電力会社任せにしてきた結果、必要以上の過剰な投資がされてきた——。

 自治体が供給する水道も、同じことが言える。

 最大の水道事業者である東京都はこの春、9年ぶりに需給予測を見直した。人口減をみすえて全体を下方修正し、初めて右肩上がりの予測を改めて将来の減少を見込んだ。

 とはいえ、需要のピークは「2020年度の1日あたり約600万トン」。これに対し、10年度の実績は490万トンにすぎず、78年度の645万トンから減少傾向が続いている。見直しは全く不十分だ。

 過剰な予測に基づく投資は利用者の負担増につながる。今後、既存の浄水場などの更新だけで1兆円かかるという。社会構造や利用者の意識の変化をとらえて節水を促し、コスト削減への取り組みを強めるべきだ。

 水道の需要予測は、次のような手順を踏む。

 生活、工場など用途別に1日あたり平均使用量の見込みを出す。漏水分を考慮し、使用のピーク時に備えた修正をする。平均に対してピークを何倍と見込むかがカギだ。

 高度成長期以降、東京都の最高値は77年度の1.25倍。倍率は低下傾向にあり、昨年度は1.11倍。夏場の需要がかつてほどふくらまなくなった。

 東京都は今回の推計で77年度の1.25倍を使った。「災害対策も意識し、より長期的に見込んだ」という。

 対照的なのは、大阪府が3年前に行った見直しだ。

 大阪でも倍率は低下傾向にある。その原因を分析し、通年で使う屋内プールが増えたこと、エアコンの普及で夏場のシャワーの回数が減ったことなどを全国的な傾向として指摘。「倍率の上昇は考えにくい」とし、直前5年間の平均である1.14倍とした。

 渇水による給水制限は、東京では平成になってからも5回あった。安定供給は欠かせないが、だからといって八ツ場(やんば)ダム(群馬県)など国が開発中の施設からさらに水を買う、という発想はとるべきではない。

 今こそ節水を呼びかけ、需要を抑えて安定供給につなげる好機とすべきではないか。

 

朝日さん、久々に「いい仕事してますねー!」

「電力の安定供給」を掲げる電力会社任せにしてきた結果、必要以上の過剰な投資がされてきた。

そうだ!

自治体が供給する水道も、同じことが言える。

そうだ!

過剰な予測に基づく投資は利用者の負担増につながる。

そうだ、そうだ!

東京都はこの春、9年ぶりに需給予測を見直した。
人口減をみすえて全体を下方修正し、初めて右肩上がりの予測を改めて将来の減少を見込んだ。

え、そうなの?
それは偉いじゃん。佐世保市は見直しさえしようとしないよ。

しかし、見直しは全く不十分だ。

え?それはなぜ?

平均に対してピークを何倍と見込むかがカギだ。今回の推計で77年度の1.25倍を使った。

あ、それは過去の最高倍率で、高すぎるということですね。
大阪は、直近5年間の平均の倍率=1.14倍を使った、東京も見習うべしというわけですね。

な〜るほど。では、佐世保の場合をみてみましょう。

佐世保市水道局の推計によると、

平成29年度の一日あたりの平均給水量=89,462トン、最大給水量=111,410トンで、

予測倍率は1.25倍。偶然にも?東京都と同じです。

では、実際はどうかな?

昨年度の一日あたりの平均給水量=71.153トン、最大給水量=80,240トン、

実際の倍率は、1.13倍でした!

昨年度の平均給水量に予測倍率の1.25を掛けると、88,941となり、

実際の最大給水量よりも9,000トン近く水増しされます。

こういうふうにして、予測値を過大に設定してきたのですね・・

 

しかし、倍率の前に、平均給水量の予測そのものがめちゃくちゃ過大なのですから…

 

 

赤い線が佐世保市の主張する水需要の推計値です。

青の線が最大給水量の実績値。

緑の線が平均給水量の実績値。

現実はどんどん減っていき、予測はどんどん増えていき、その差は広がるばかり。

昨年23年度の実績と予測の差は、2万5千トンも!

 

さて、今年度は市水道局にとって、石木ダム事業の再評価の時期です。

今こそ、しっかり現実をみつめ、需要予測の見直しに取り組んでほしいものですね〜 

 

県や市への理解は深まらなかったけれど・・・

「地域の方々の理解が得られるよう努力することを希望する」に込められた意味。

事業認定手続きを進めることの意味。

県市と私たちの考えは今回も平行線で、理解は全く深まらなかったけれど・・・

報道の皆さんには、何かが伝わったような気がします。

 

国からの通知があったとき、ほとんどのマスコミは「事業継続」にだけ注目が集まっていました。

が、昨日の私たちの県市への要請行動を伝えたTVニュースや新聞記事を見ると、

付帯意見の意味がしっかり報道されています。

 

報道センターNBC:

 

 

NHKやKTNのニュースもそうでした。
http://www.ktn.co.jp/news/2012/06/28/

新聞では、今朝の長崎新聞、読売新聞、毎日新聞などが報じていました。
http://www.nagasaki-np.co.jp/news/ishiki/2012/06/29092608.shtml

 

こちらは、県への事業認定取り下げ要請交渉後、県の担当者へのインタビューの様子です。

 

 

おお〜!     

 

石木ダム強制測量から今日で30年

1982年のあの日から、今日でまる30年です。

そのことを伝える記事が、昨日の毎日新聞に掲載されました。

 

 

この出来事は、住民だけでなく、県民全体が忘れてはならない長崎県政の大きな汚点です。

 

小さな平和な里山に、

ある日突然、機動隊の集団が押し寄せ、

ふる里を守ろうと座り込む住民たちをゴボウ抜きしていきました。

引き抜かれ田んぼに放り出された住民たちは、

再び起き上っては、座り込みの列の最後尾につきます。

その繰り返し…

でも、機動隊と住民の闘いは、結局力に物を言わせた機動隊の勝利。

県の測量班は、彼らの土地に34本のクイを打ち込みました。

その悔しさ、怒りは今も地権者の胸に深く刻まれているのです。

 

 

      心に杭は打たせない

  

4月が来るたび思い出す みぞれ交じりの寒い朝

男も女も鉢巻き締めて ダム反対!と声合わせ

シュプレヒコールこだまする 静かな山にこだまする

 

デモ行進の先頭は リヤカーに乗った老婆たち

固く数珠を握りしめ 祈る姿が胸を打つ

冷たい雨に濡れながら 心は熱く燃え上がる

 

先祖の汗が沁み込んだ この土地渡してなるものか

団結の旗翻り 握った拳が天を突く

ついに去りゆく測量隊 勝利の勝鬨野に響く 

 

それから一月半が過ぎ ある朝いきなり始まった

民を欺き不意を打ち 強制測量始まった

我らは固く腕を組み 鎖となって座りこむ

 

じりじりせまる機動隊 女も子どもも老人も

見境もなくごぼう抜き 人間の鎖引き千切る

腕の鎖は千切れても 心の鎖は千切れない

 

団結固く今もなお ふるさと守り腕を組む

地面に杭は打たれても 心に杭は打たれない

地面の杭は抜けばよい 心に杭は打たせない

石木川の源流を訪ねた記者の目

これは、今日の毎日新聞、長崎版です。

先日の源流ツアーのことを、こんなにしっかり伝えてありました。

ネット版には写真は載っていませんが、記事はこちらをクリックすれば読めますよ。

http://mainichi.jp/area/nagasaki/news/20120518ddlk42040608000c.html

 

記者さんの目はさすがだと思いました。

一部抜粋して、紹介させてもらいます。

川棚川との合流地点から5分ほど車を走らせると、水没予定地だった。見渡す限り平和な田園地帯だが、ところどころに真っ赤な字で「ダム絶対反対」の看板が。建設を計画する県に対する地権者らの根強い反発や不信を感じた。

石木川は、大村湾に流れる川棚川の支流。田のそばを小さく流れ、遊泳場もある。石丸さんは「そろそろホタルが飛び交います。夏には子どもたちが楽しそうに泳ぎますよ」とほほ笑んだ。

のどかな田畑に木造家屋、棚田−−。懐かしい「古里」の香りが漂っていた。ダム計画さえなければ「反対」や「賛成」もない、古里だったに違いない。美しい景色に不似合いだった「ダム反対」の看板が無くなる日が来るのを願わずにはいられなかった。

 

私たちも、そして誰よりも地元の皆さんが、

「ダム反対」の看板が無くなる日が来るのを、心から願っているのです。。

 

佐世保市 石木ダム促進要望

佐世保市長は15日県庁を訪れ、石木ダムの早期建設促進を要望しました。

 

 

どちらが知事でどちらが市長か?他県の方は一瞬勘違いされるかも・・・

もちろん話を聞いていけば、すぐおわかりでしょうが。

 

そう。最後まで聞いて下さいね。

佐世保市長は「石木ダムは必要不可欠」な事業と言っていますが、

でも、『科学者の会』は、「石木ダムの必要性は皆無」と言っている・・・

そのことが最後の方できちんと報道されました。

 

政治家の言うことと科学者の言うことは、なぜこんなに違うのでしょう?

あなたは、どう思いますか。 

 

 

 

有識者会議関連の報道2つ

4月26日に開かれた『第22回 今後の治水対策のあり方に関する有識者会議』と、

それに関する要請書を5月10日国交大臣に提出した『ダム検証のあり方を問う科学者の会』と、

その2つの報道がありましたので、お知らせします。

 

毎日新聞 2012年05月14日 地方版
取材前線:有識者会議、石木ダム事業継続 本格審議なし反発強まる /長崎
http://mainichi.jp/area/nagasaki/news/20120514ddlk42010282000c.html

 県と佐世保市が川棚町に計画する石木ダムについて、国の有識者会議が4月末、「地域の理解を得られるよう努力を」との意見付きで事業継続を「了承」と判断した。近く前田武志国交相が最終判断するが、反対する地権者の反発は強まるばかり。会議の傍聴が許可されず、本格議論もなく結論が導かれたからだ。「『コンクリートから人へ』はどこにいったのか」。脱ダムを訴えた民主党政権への恨み節も聞こえる。【柳瀬成一郎】
 4月26日、国交省11階の特別会議室前。100人を超える職員が「バリケード」を張った。2月の会合が反対する地権者らの激しい抗議で流会していたため、国側の対抗策だった。「傍聴させてほしい」。反対する地権者ら3人の叫びは職員の壁にかき消された。
 地権者の岩下和雄さん(65)は憤慨する。「長くダム事業に反対してきた。それが短い会議で結論が出る。どんな審議がされるのか、聞く権利がある」
 会議は石木ダムなど4事業について、座長の中川博次・京大名誉教授ら7人が審議した。国によると、有識者会議は国が10年に代替治水案など再検討の検証手順を示した「中間とりまとめ」に沿って県がダム事業を検討したかを審議する。ダムの利水・治水面での問題点などはテーマではない。出席した委員によると、石木ダムでは、地権者の同意がないままに16年度の完成目標としていることに疑問が指摘されたが、治水・利水の妥当性についての議論はなかったという。
 石木ダムは佐世保市への利水などが目的。だが、地権者らは将来の水需要予測は「過大」だと市を批判している。人口減が進む中、新たに市が1日4万トンもの安定水源を求めることへの矛盾を指摘し続けている。有識者による本格議論を期待していたが、裏切られた形だ。反対する地権者らにとっては、事業を推進したい県や佐世保市が事業継続の報告書を国に提出し、それを十分な審議がないままに国が追認している、と映っているのだ。
 政権交代で国の補助を受ける全国53ダムが再検証された。国によると、10日現在、21ダムの再検証が終わったが、16が「継続」とされ、「中止」は5カ所だけだった。
 「石木川まもり隊」の松本美智恵代表は「本格審議もできないないならば、有識者会議といえるのか。一方的な国や県、佐世保市の姿勢が続けば、反発は深まるばかりだ」と批判している。

 

NBC長崎放送  2012年5月15日

科学者ら 石木ダム事業中止要請

石木ダム建設について、国の有識者会議が事業継続を了承したことを受け、ダム建設に反対する科学者のグループがこのほど国土交通大臣に対して事業の中止を求める要請書を送った。 要請書を送ったのはダム問題などの専門家11人で作る科学者グループ。 川棚町に計画されている石木ダム建設をめぐっては、地元13世帯の地権者が中心となって反対を続けているが、先月26日、ダム建設の是非を検証する国の有識者会議は大筋で事業の継続を了承した。これに対して科学者グループ側は、土地所有者の協力の見通しについて判断されないまま事業継続を了承したのはおかしいとして、地元の同意が得られるまで有識者会議としての結論を保留すべきとしている。その上で科学的にも石木ダムの必要性は皆無として、前田国土交通大臣に対して事業の中止を判断するよう求める要請書を送った。
 

三春の滝桜

NHKスペシャル「樹齢千年 滝桜」を見ました。
 
以下のような予告のメールをいただいていたからです。
 
 
皆様
お疲れ様です。
初めて発信します。
5月末、川原ほたる祭りが開催予定ですが、
5年前の川原ほたる祭り20周年記念に、福島県三春滝桜の苗を川原13軒に植樹しました。
このたびNHKスペシャル 滝桜に見守られて(仮題)が放送されます。
平成24年4月21日(土) 夜7:30〜 70分間放送されます。
川原の事は、何も出ないと思います。
又植えてもらった桜も少しずつ咲き始めましたが、白色が強くあまり綺麗じゃなかったの
が残念ですけど。
福島 原発で苦しめられてる人達、そしてダム問題で苦しんでる私達、何か共通するもの
を感じられます。
その福島の桜が、ここにある事で心のつながりがあるように思われます。
良かったら、放送を見て下さい。 
 
本当に見事な桜でした。
たくさんの蕾を蓄えた枝が、まさに流れる滝のように見えました。
樹齢1000年を超えるというその樹の高さは12m、根回り11m、幹周り9.5m、
枝張り東西22m・南北18m。根っこは、100mもあるそうです。
 
その姿に東日本大震災の被災者は励まされ、復興への希望の種を自ら蒔き始めました。
被災者だけではありません。
滝桜のこどもたち(苗)がこれまで全国各地に送られているそうで、その数3万本!
各地で見事な花を咲かせ、そして多くの人を励まし、癒し、生きる勇気を与えていました。
 
そのこどもたちが川原にもいたなんて…知りませんでした。
母桜のようにこれから1000年も咲き続けてほしい。
そして、ずっと川原の人々を見守り続けてほしい。
 
そこにダムを造ることは、三春滝桜のこどもたちを水の底に沈めることになるのだから、
なおさら許すわけにはいきません。
 
首都圏に住む人々の電気を供給するために原発が造られ、その犠牲になった福島の人々。
佐世保に住む人々の水道用水を供給するためにダムが造られたら、その犠牲になる川原の人々。
 
経済や利便性ばかりを追い求める私たちの社会が、どれほど自然を傷つけ、
そこに住む人々の暮らしを破壊し続けているか・・
 
流れ落ちるような滝桜の細い枝々が、涙のようにも見えてきました。