ダムに頼る治水が被害を拡大



9月23日の長崎新聞の記事です。

22日に長崎市内で開催された講演会「西日本水害にみる治水対策の欠陥」について報じています。

講師の今本博健京都大学名誉教授は、翌日23日には川棚町でも同じ演題の講演をおこない、川棚町民が真剣に耳を傾けました。

なぜなら、川棚川の治水対策として石木ダムがどうしても必要だと言う県の説明に疑問を感じる町民も少なくないからです。

本当に石木ダムができれば川棚川流域は安全なのか?
愛媛県ではダムの放流により8人も死者が出ているではないか?
ダムはかえって危険ではないのか?

そのような疑念がじわじわと広がってきたからです。

その疑念に今本先生はズバリ答えていました。



貴重なお話です。ぜひ多くの方に見て頂きたいと思います。

岡山県の真備地区や愛媛県の肱川流域の被害を検証した結果として、今本先生はこのようにまとめておられます。



つまり、ダム優先の治水対策は間違っていたということです。

戦後、国はダム神話を広め、ダム建設を推し進めてきました。その結果、堤防補強や河道掘削などの河川整備はなおざりにされたまま、ダムができたので安全だとして、危険地域に住宅が建てられていきました。

しかし、ダムは想定内の雨量しか堰き止められない。想定外の大雨には対応できないばかりか、むしろ被害を激甚化させることが明らかとなったのです。

「川棚川の河川整備はかなり進んでいる。嵩上げが必要な部分はあと少し。そのコストはダムを造るよりもはるかに少ない」

「石木ダムができても川棚町の浸水被害はなくならない。なぜなら、内水氾濫だから」

「今後、佐世保市の水需要が増えることは考えられない。利水の面からも石木ダムを建設する意味はない」

「中村知事に言いたい。石木ダム推進派の学者と反対派の学者の討論会を開いてほしい。それを聴いて判断してほしい」

その言葉に会場の多くの人々が頷いていました。

中村知事、貴方自身のためにも、私たち県民のためにも、それを実現して頂けませんか?共に先入観を捨てて、科学的な論争を聴いてみましょうよ!

                (‘◇’)ゞ

10/14石木川みまもり隊開催!

みなさん、こんにちは。

石木ダム水没予定地住民の石丸穂澄(いしまるほずみ)です。

ネット上でもしゃばの世界でもみなさんには日頃から大変お世話になっております。

今回は10月14日(日)に開催することに決めた!「石木川みまもり隊」についてお知らせします。

「石木川みまもり隊」は「石木川まもり隊」の子分みたいなものです。

がっつりハマって活動はできないけど、ちょっとした手伝いだったら参加できる人向けの集まりです。

今回は、10月14日に川原(こうばる)公民館でこうばる支援米の発送作業第一陣をまとめて行います!





<石木川みまもり隊・こうばる支援米第一陣発送作業>

日時 10月14日(日)

時間 10時〜15時

場所 川原(こうばる)公民館

住所 長崎県東彼杵郡川棚町岩屋郷1245番5



<お願いポイント>

お弁当持参でお願いします。

飲み物は、あったかいお茶とコーヒーくらいは出せそうです。

公民館にあるお皿やコップ、箸などは使ってOKです。

休憩時間にはお菓子とお茶、コーヒーくらいは出せるようにします。

基本的には、お弁当以外は手ぶらで大丈夫です。

公民館までの足がない方はご連絡ください。

送り迎え出来る範囲で対応します。

連絡先hozumix1982☆gmail.com(☆を@に変えてください)



去年から石木川みまもり隊でこうばる支援米の発送作業を行っていますが、今年は去年よりスムーズに作業を進められるよう入念に準備を進めています!

当日のタイムスケジュール(ほーちゃんの中のイメージ)

1.10時から作業スタート

2.午前中でお米を袋に詰める作業を完了させる

3.お昼休み一時間

4.午後からは手分けして袋の口を閉じ、伝票を貼っていく

5.14~15時、郵便局より集荷に来ていただく


こんなイメージで進めていきます。

最低、5人は集まってほしい…です。



さて、こうばる支援米をご予約いただいている方で、現地まで取りに来ていただける方についてはこの石木川みまもり隊の活動日からお受け取り可能です!

てか、よかったらついでに石木川みまもり隊にも参加しませんか!?



今シーズンは、何度か石木川みまもり隊でまとめて発送作業を行う予定です。

どうか、お手伝い可能な方はよろしくお願いします。


国会議員団、現地視察と意見交換

ジャーン!
工事現場に突如現れた、このカッコイイ皆さんは誰でしょう?



7人の刑事でもなく、麻薬Gメンでもなく・・・

それは、「公共事業チェック議員の会」の方々です。

*公共事業チェック議員の会とは=国民及び住民の総意に基づく価値ある公共事業が行われるようチェックすることを目的とした、国会議員による超党派の議員連盟。会長は新井聡衆院議員、事務局長は初鹿明博衆院議員。

去る7月18日の院内集会https://ishikigawa.jp/blog/cat01/4112/での約束通り、9月13日、石木ダム建設予定地の視察に来られたのです。

まずは付け替え道路工事現場を視察。
見慣れぬ人がやってくるとしつこく追い出そうとする県職員も、この日は遠巻きに見ているだけでした。

その後、林の中のテントの下でお弁当を食べ、午後から視察スタート。まずは、川棚川河口部分から。



議員団は一様に堤防の低さに唖然。対岸を見ると、水面からわずか1mほどのところに住宅が立ち並んでいます。自分たちの足元を見ると水面まではわずか50cmほど!上流から流れてきた土砂が溜まっているんですねー

これではいつ洪水被害が起きてもおかしくない。なぜ対策を取らないのか?との問いに、案内役の岩下さんは「ここは港湾管理者の管理区域ということで、河川改修の計画 さえなく、危険性が放置されているんですよ」と説明。詳細は、視察後の意見交換会でも話題になりました。

国会議員以外にも地元議員やマスコミも同行しているので、8台ほどのマイカーやタクシーで移動。停める場所の確保もたいへんです。次のスポットは江川橋付近。



ここでは過去の洪水被害と、その原因を説明。
陸地に降った雨を川に流す排水口が、ほら、あんなに低い位置に設置されているでしょう?それで溜まった水を排出できず、内水氾濫となったんです。また、橋の位置よりも堤防が低くなっていることを示し、橋と同じ高さまで堤防の嵩上げをすればダムよりはるかに安いコストで済むはずですと指摘。
誰もが頷いて聞いていました。

次に降り立ったのは石木川と川棚川の合流付近。



あらー、ずいぶん石ころが溜まってますねー。これじゃあ流れにくいですねーと議員団。

そして、いよいよダムサイト。ここに県はコンクリートの壁を造ろうとしているのです。



高さ55m、長さ234mの壁です。ここからみえる向こうの家々はダムができれば全てダム湖に沈みます。

目の前の景色を見て、議員の一人が言いました。「ずいぶん平べったいダム湖になりそうですね。」「そうです。浅いので水はすぐに腐ってしまうでしょう。それを防ぐために対流装置を付けると県は言ってますが、そんなものでは効き目はないです。諫早湾の調整池のようにアオコが発生するでしょう

視察を終え、マスコミの記者さんたちが初鹿議員にコメントを求めました。



あらためてダムだけに頼る治水対策はおかしいと思いましたし、今日見てきたことを、これから国会の場で問いただしていきたいと思います」また、「まずは佐世保市の水需要予測を出し直してもらい、もう一回必要性について説明してもらいたいですよね。この人口減少社会で本当にそんなに水需要が増えるのかと。ダムを造れば水道料金が上がるのは避けられないわけで、それを市民が納得しているのか。説明責任を果たしてほしいですね」とも語っていました。

そして、5時からは、川原公民館で3人の議員と、こうばるの皆さん、そして支援者も交えて、意見交換会がおこなわれました。


初鹿明博議員(チェック議員の会事務局長:立憲民主党)
今日の視察でまず驚いたのは、河口部の堤防の低さです。ダムを造る前にまずここの整備が先だろう!と思いました。

先日愛媛県の肱川に行ってきたんですが、現地の方はダムがあったからこそ被害が大きくなったとおっしゃってました。ダムだけに頼る治水は間違っていると思ったし、ここに来てそれをより確信しました。

利水の面でも石木ダムは必要性ないと思うし、皆さんの声が国に届くよう、国会の場で頑張っていきたいと思います。

大河原雅子議員(同会事務局次長:立憲民主党)
この国に足りないのは人の命を守るという意識。大きな犠牲が出て初めて対策を講じる。治水に関しても、ダム神話に頼って河道整備を怠ってきた。そのつけが今回の豪雨災害を起こしたように思います。想定外の大雨の時、命を守るためではなくダムを守るための放流がおこなわれ、ダムはむしろ凶器になってしまいます。



また、厳しい財政の中で、無駄なお金の使い方は見直さなければなりません。ここの場合、皆さんが提案している遊水池と河道整備がコスト的にもより良い選択だと思います。そのような見直しに賛同する人を増やしていきたいです。

山添拓議員(共産党)
今日は2党ですが、超党派で来ています。国土交通委員会に所属しています。公共事業に関しては、もっと多くの党が、とりわけ与党が加わって見直していきたいと思っています。


東京で話は聞いていましたが、現場を見てあらためて、こんなところにダムを造ってよいのかと実感したところです。
ここに来る前に7月の判決文を読みましたが、本当に酷い内容でした。事実を見ないで、結論を設定し、国の言い分だけを取り入れ、国が言っていないことまでリップサービスしている。司法の役割を捨てたような判決でした。
(さすが弁護士!理解力が凄い!)

利水については必要性の理由がころころ変わっているようですが、裁判では理由を変えるのは弱い証し。元の理由では維持できなくなったから変えてくる。破綻しているのです。皆さんが追い込んできた成果だと思います。

参加者からも要望や意見など発言が相次ぎました。

Aさん(川棚川河口部地域住民)
ご覧になった通りの危険な状況だが、町やダム事務所の職員に言っても、ここは県の港湾課の管轄なので…ということで何も対応しない。掘削など、自治会を通して毎年要望しているが、県は住民の要望に耳を貸そうとしない。なんとかしてほしい。

Bさん(地権者)
建設予定地内には地盤の弱いところがあります。補強をすれば大丈夫だと言うが、その費用がどれほどかかるのか明らかにされていない。いままで説明してきた285億円では絶対済まないと思う。いったいどれだけ予算が増えるのか、議員さんたちの力で明らかにさせてほしい。
公共事業は小さく産んで大きく育てると言われ、それがまかり通っていること自体がおかしいと思います。


初鹿議員
ダム事業の場合、だいたい途中で工期が延長されるんですよ。そのときは予算は増やさないんです。予算を変えない方法でやると言って。そして2年くらいたって増額するんです。八ッ場ダムの場合、それを3回くらいやったんですかね?

大河原議員
そうですね。そうして少しずつ増やしていきながら、これだけ使ったんだから仕方ないということで継続することを容認させていくんです。

Cさん(地権者)
13家族も住んでいる家々を強制収用したダム事業ってあるんでしょうか?私はきいたことがない。そんな生活権を奪うようなことをやるべきではないと国の方へはたらきかけてもらいたい。

Dさん(地権者)
ダム検証のとき、県が検討したが、あれは納得がいかなかった。起業者である県がダムを造るべきべきか否かなんて、答えは決まっているでしょう?

初鹿議員
おっしゃる通りですね。事業者であり、認可する立場である者が、検討も自分たちでやってしまうのはおかしいし、第三者でなければ公平な判断はできないですね。

などなど、意見交換はまだまだ続きそうでしたが、予定の時間となり、その後は交流会に模様替え・・・。

まずはのどを潤し腹ごしらえ。そして、諫早へ移動するギリギリの時間まで、議員団の皆さんは住民の声にしっかりと耳を傾けてくださいました。

きっと日本全国に問題のある公共事業はたくさんたくさんあるでしょう。しかし、地元住民がこれほど必死に闘い続けているケースはないはず。どうか力になってほしい。いいえ、力になってくれるに違いない・・・そんな手ごたえを感じた視察でした。
*(‘◇’)*

工事差し止め訴訟、第7回口頭弁論

今回も定員を超す傍聴者が来所し、傍聴券の抽選配布が行われました。

この日の争点は、原告側が提示した立証計画についてです。

原告側は、2名の証人尋問(利水については佐世保市水道局長の谷本薫治氏、治水については水源開発問題全国連絡会(水源連)共同代表の嶋津暉之氏)と21名の原告本人尋問(20名の川原住民と1名の佐世保市民)を申請しましたが、

それに対し被告(長崎県と佐世保市)側は、「その必要は無い。主張すべきことがあれば文書を提出すればよい」と反論しました。

裁判長は双方の主張を聞き、自身も原告側へいくつか質問や確認をした上で、進行協議をおこなうことを提案。双方とも賛同し、日程調整の結果、11月6日(火)13時からと決まりました。

報告集会では立証計画について、弁護団からさらに詳しい説明がありました。


高橋弁護士によると、

7月に判決が出た事業認定取り消し訴訟では、佐世保市の水需要予測に対し、『明らかに不合理であるとは認められない』との判断が示されたけれど、それは、「事業認定庁が、平成25年9月6日時点で、平成24年度予測を問題なしとした」ことに対する判断であり、25年以降についてはいかなる判断も示されていません。

本件については、石木ダム工事により原告らにどのような被害が出るのか、その被害を受忍するほどの公共性があるのか、が問われるのであり、その判断基準時は「現時点」です。
いま現在造られているダムが必要かどうか、それは今日現在の水需要がどうなのかということが問われなければならない。
そこで、平成25年度以降の佐世保市水道の実態を最もよく知る佐世保市水道局長を証人として尋問することにしました。



原告本人尋問として現地住民の方を20人も申請したのは、地権者だけでなく、その子ども世代の若い人の思いも裁判官に伝えるためです。まあ全員が認められることは難しいでしょうが、できるだけ多くの方の声を届けられるようにしたいなと思っています。

また、私たちが尋問にこだわるのは、裁判というのは、裁判官の目の前で原告本人や証人たちが証言することがとても大事だからです。書類には血肉がありません。

例えば、今回の震災被害を新聞の文字で読むのと、テレビの映像で観るのと、実際に現地に行った場合と、理解度は全然違いますよね。

裁判長がこちらにいろいろ質問していたのは、その証人をどういう理由で求めているのか、何が聞きたいのか、尋問に反対している被告側に理解しやすいような説明を求めていたのだと思います。それで、もう少し理解できるよう文書にまとめて提出することにしました。



その後、毛利弁護士や八木弁護士から取り消し訴訟判決に関する分析がありましたが、いずれも怒りを通り越してあきれ顔のお二人でした。

控訴審に関してはまだ日程は決まっていませんが、11月か12月頃になるだろうとのこと。

これからは佐世保と福岡、2ヶ所の法廷で闘うことになります。
福岡にお住いの支援者の皆様、応援よろしくお願いします。

(‘◇’)ゞ

佐世保の水がピンチ!!??



水がピンチ!?

どこの話?

小さな小さな字で「佐世保市水道局渇水対策本部」と書いてあります。

えー!それは大変!断水になったらイヤだなー困るなー

受け取った市民の多くは不安になったことでしょう。

このチラシは、



9月6日の「水を大切にする日」に、アーケード街や五番街で配布されました。

翌日の新聞にも記事が掲載されていました。



水を大切にする日=なぜか石木ダム建設促進をアピールする日なのです。

朝長市長が「大渇水の状況になりつつある」と言ったそうですが…

そこで皆さん、クイズです。

この日の貯水率は何%だったでしょうか?

東京から来ていたお客さんは、「30%?」

いやー、そこまでいってたら、とっくに時間給水になってますよー

他の人が「50%?」

いやいや、それほど深刻ではないです。

「じゃあ、60%?」

うーん、そこまでもいってないんですよねー

「えー!まさか70%?それでピンチ!なんて言わないでしょ?」

そう思うでしょ?ところがどっこい、佐世保では言うんです。

だって、この日の9時時点の貯水率は、81.7%だったんですよ。

それを知ってか知らずか、市長は「大渇水になりつつある」と言うんですから…あまりにもいい加減ですよね。

知ってるはずの水道局が「水がピンチです!!」なんてチラシを配布するんですから…こちらは確信犯ですよね。

節水を呼びかけ、水を大切にしよう~という趣旨なら大賛成ですが、渇水になりそうだと不安を煽って、ダムを造ろう!と呼びかけるのは、あまりにも不誠実だと思います。

こちらのチラシでは、



100年後の子孫のために石木ダムを造りましょうと言っていますが、100年後の佐世保の人口がこのままだとでもお考えなのでしょうか?



50年後には人口は3割減で、水需要は4割減だと政府は予測しています。100年後は今の半分以下でしょう。水は有り余っているはず。

しかも人口が減った分、1人当たりのダム負担金(維持管理費)は大きくなり、安心どころか無駄な出費を押し付けることになります。

まさに負の遺産です。

私たちはそう思うのですが、このチラシを配布した嬉野憲二さんたち石木ダム建設促進佐世保市民の会の皆さんは、そのようには考えられないのですよね。なぜでしょうね。どちらも未来の子どもたちのことを思っているのに。どこでズレが生じるのか…やはり、会って話し合いたいですね。

10月14日(日)14:00~俵町公民館で「佐世保の水と石木ダム」についての勉強会をやりますので、是非ご参加ください。

一緒に考えましょう!

お近くの佐世保市民の方もぜひどうぞ~(‘◇’)ゞ