石木ダム問題の今

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工期延長、知事は知っていた?

石木ダムの工期延長を県が検討していることが明らかになった。



それはそうでしょう。まだ本体工事には1mmも手を付けていない状況で、2022年度に完成するはずがない。いずれは延期を持ち出してくるだろう…とは誰もが予想していたことです。

でも、なぜ今?しかも急に?

その工期延長を諮問する公共事業評価監視委員会は9月30日に開かれるそうで、その委員会の日程が公表されたのは、9月20日でした。http://www.pref.nagasaki.jp/press-contents/406313/

つまり、地権者と面会をした翌日です。面会直後に知事はなんと言っていたか。もう一度思い出してみましょう。



そう。「3年後の完成予定を先延ばしせず」と言っています。なぜ、知事はそのように発言したのでしょう?

考えられることは3つ。
①工期延長することは知っていたけど、あえて否定した。
②工期延長することを忘れていた。
③工期延長することを知らなかった。

①ならば、中村知事は県民に嘘をついたってこと?

②ならば、そんな重要なことを忘れる?なんて県民としては知事の体調が心配です。

19日の記者会見での知事の発言には、確かにだれもが驚きました。
下の画面右上のテロップにあるように、




小学生からお年寄りまで、みんなが「石木ダムの建設中止」を求め、「こうばるに住み続けたい」と訴え、



この思いをどうか受け止めてくださいと、少女は涙ながらに語り、



最後は住民全員が「知事!お願いします!」と深々と頭を下げたのに、

直後の記者会見で、知事は、



こう語った。

このテレビを見て、数人の方からお電話を頂きました。「中村知事は鬼だ!」と言う方もいましたが、「知事はもう思考停止だね」「これじゃあ、馬の耳に念仏だ」「体調、大丈夫なの?」の声まで聞こえてきました。

そういった中で、今回の工期延長問題。

工期延長について知事が本当に忘れていたのだとすれば、記憶力というか認知機能というか体調面が心配されますねー

しかし、もう1つ、③のケースも考えられます。知事には内緒で土木部河川課内部で勝手に進めていたというケース。

まさかとは思いますが…

https://mainichi.jp/articles/20190920/ddl/k42/040/263000c
毎日新聞2019年9月20日地方版の記事<「私たちは住み続ける」5年ぶり知事と面会 >の最後に、このように書かれていました。

中村知事は面談終了後、記者団に対し、「(ダムの)事業認定を白紙に戻すことはできないが、将来について話し合いの場が設けられれば」と今後も住民と話し合いの場を持つ意向を示したが、県河川課は「次回以降の話し合いについては未定」としている。

知事と担当職員の間には微妙な違いがあるような無いような・・・(-.-)

2019.9.19 こうばる住民 知事に直訴 全記録

2019年9月19日、所有権書き換え(=強制収用)の直前、4歳から92歳までのこうばる住民約50人が県庁へ出向き、知事に直接訴えました。

その記録動画です。

ぜひご覧ください。そして広めてください。よろしくお願いします。

長崎新聞連載ー混迷 石木ダム用地収用ー

混迷 石木ダム 用地収用・1 <傷跡> よぎる「強制」の記憶



「ダム建設絶対反対」を訴えるやぐらのそばで、強制測量の記憶をたどる松本さん=川棚町岩屋郷

 長崎県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダム建設事業で、全ての未買収地約12万平方メートルは20日午前0時、土地収用法に基づき県と同市が所有権を取得した。その一角の川原(こうばる)地区には反対住民13世帯約50人が暮らす。11月18日には家屋など物件がある土地の明け渡し期限となるが、住民側は応じない構えだ。事業採択から40年以上の長期にわたる公共事業は、なぜ混迷を極めたのか。経緯を振り返り、公と個で引き裂かれた人々の姿を見つめた。

 降りだした雨が、収穫を待つ稲穂やダム反対の看板をぬらした。自然豊かな田園風景のあちこちに看板が立ち並ぶ。「小さいころから当たり前の光景」。反対運動のシンボルでもあるやぐらのそばで、住民の松本好央(44)は笑った。
父と鉄工所を営み、13世帯で最も多い4世代8人で暮らす。ダム事業が国に採択された1975年に生まれ、「ダム問題とともに育った」。結婚前、地元に連れてきた妻の愛美(45)の表情がこわばるのを見て、看板だらけの光景が「異常」と初めて気づいた。
20日朝、家族では特にダムの話題は出なかった。土地の権利が消えても、日々の暮らしは続く。家屋など物件を含まない土地が対象だった19日に続き、自宅など物件を含む残りの土地の明け渡し期限が11月18日に迫る。強制的に住民を排除し、家屋を撤去する行政代執行がいよいよ現実味を帯びてきた。「奪われてたまるか」と思う半面、少年時代の暗い記憶が脳裏をよぎる。
82年5月、県は機動隊を投入して土地収用法に基づく立ち入り調査(強制測量)に踏み切り、抵抗する住民らと衝突した。当時小学2年生だった好央も学校を休み、測量を阻止する座り込みに加わった。機動隊員らが駆け足で農道を突き進んでくる。恐怖で震える手を仲間たちとつなぎ、「帰れ」と叫んだが次々と抱え上げられ、排除された。
当時の知事、高田勇は就任から3カ月足らずで強硬手段に出た。当時の県議、城戸智恵弘(85)は「前任の久保(勘一)さんなら、絶対にやらなかった」と分析する。「大事業には『一歩前進二歩後退』くらいの度量が必要。官僚出身の高田さんや彼を支える側近には、そうした政治的視点がなかった。結果、取り返しが付かない禍根を残した」
もし県が代執行を強行すれば、当時以上の恐怖を子どもたちが味わうかもしれない。ダム問題が亡霊のように付きまとう人生を、子どもたちに科してはいないか。父となった今、好央はそんな葛藤も抱く。
中村法道知事と地元住民が約5年ぶりに県庁で面会した19日、長女の晏奈(はるな)(17)が「古里を奪わないで」と訴えるのをそばで聞いた。誰かに教えられなくても、自分の言葉で、自分の気持ちを伝える姿を誇りに思った。帰宅後、家族でケーキを囲み、この日が誕生日だった妻を祝った。家族がいて、古里がある。このささやかな幸せを守りたい。混沌(こんとん)とした状況の中で、そう願っている。=文中敬称略=

https://this.kiji.is/548327777817674849

https://this.kiji.is/548675641380275297

https://this.kiji.is/549039417644876897

https://this.kiji.is/549439180293948513

https://this.kiji.is/549763649060324449

 


知事の耳は不思議な耳



はあ?!

「石木ダム建設を進める必要があると改めて感じた」

え?こうばる住民の涙ながらの、あの訴え(ここにダムを造らないで!)を聞いた直後に、こんなことを言う?

もしや知事のお耳は私みたいに難聴気味?いやいや、記者の質問には違和感なく答えておられたので、そのような気配はありません。

19日の面談のどこでそんな誤解?が生まれたのか、振り返ってみましょう。

 

4歳から92歳まで川原地区に住む約50人が知事と向かい合い、それぞれの思いを心を込めて訴えました。

その一部始終は後日、YouTubeで公開されますし、このブログにおいても紹介いたしますが、今はTVニュースで報道された内容と写真をお借りして、再現してみます。


トップバッターの松本好央さん(44)は、自分が生まれた年に石木ダム事業が採択され、小学2年生の時に機動隊が押し寄せ強制測量が行われたときの恐怖が忘れられません。「自分の子どもたちにはそんな思いをさせたくない。自分たちは何も悪いことはしていない。ここに住み続けたいだけ。知事の英断を!」と訴えました。

その娘の晏奈(はるな)さんは、高校2年生。


「家族で田植えをしたり、ひいばあちゃんと畑で野菜を作ったり、兄弟とホタルや魚を捕まえて遊んだり」と日常の暮らしを紹介し、「そんな暮らしや、帰る場所がなくなるなんて考えたくもありません」と涙を流し、語り終えると、そのメッセージが綴られた手紙を、知事に手渡しました。



続いて、その晏奈さんのひいおばあちゃんもマイクを握りました。


今もダム小屋に通っている松本マツさん(92)は、「小屋の窓からは、山が崩れ、ブルドーザーが動き回るのが見えて、悲しい。この年になってどこへ行けと言わるっとですかねぇ。 私は殺されてもいいので、一日も早くダム建設をやめて下さい」と嘆願しました。


小学3年生の炭谷沙桜(さお)ちゃんは、自分で書いたメッセージを読み上げるけれど、泣き声になってしまい、なかなか聞き取れない。それでも、お父さんに励まされ、家族に見守られながら、最後まで読み終えました。


沙桜ちゃんのお父さんである炭谷潤一さん(38)は、「強制的に土地を奪おうというのはおかしい。これは人道上の問題だ。私は家族と川原の人たち、こうばるというコミュニティーを全力で守ります!絶対に手を触れさせません」と断言しました。


石丸勇さんは覚書(今回は調査だけ。地元の同意が得られなければダム建設はしない、と当時の知事が住民に約束した文書)について触れ、「約束を守るのは当たり前のこと。それを無視して工事を強行している。最初から私たちを騙そうとしていたのか?」と不信感を率直に伝えました。


岩下和雄さん(72)は、利水・治水の両面から石木ダムの必要性が失われていることを具体的なデータを示して指摘。特に佐世保の水需要について真実を知った上でダムが必要と言っているのかと質しました。


それに対して知事は、「佐世保の水需要予測はルールに則って行われている。水不足は依然解消されていない」と答えました。

岩下さんは、「そのような嘘の報告を鵜呑みにしないで、真実を知ろうとしてください」と述べ、最後に、「知事、どうか、この事業を見直し、取り消しを行って頂くようお願いします。(それができるのは)知事だけしかありません」と呼びかけ、全員が起立し、「よろしくお願いします!」と大きな声で訴え、深々とお辞儀をしたそうです。

面会が終わってロビーに出てきた皆さんの表情はとても明るかったので、今日の面談の成功を信じつつ帰途についたのですが…


夕方のニュースを見て、びっくり。えっ‼ 嘘でしょ?




皆さんは、「一刻も早く中止して!」と言ったはずなのに…


どうしてそうなるの?わけがわかりません!


知事は激務のため、耳のどこかがおかしくなってしまったのでしょうか?あるいは耳から脳への回路がどこかショートしてるとか?

でないと、ダム建設の見直しをという訴えを聞いた直後に、「事業を進めていく必要があるということを改めて感じた」なんて、不思議過ぎます。

それとも、2時間半も、一生懸命聞いていた振りをしていただけ?

あるいは、聞いていたけど何も残らなかった?地権者の言葉は脳が着信拒否するように設定されてしまってるとか?

いずれにしても「こりゃダメだー!」
次期知事は耳の良い(県民の声をしっかり聞き取れる)方になってもらわなくては!ですね~ (*_*;

それとも、有能な耳のお医者さん、どなたかご存じありませんか? (^.^)

2019.9.19 強制収用直前、知事との面会

 

9月19日、こうばる住民と長崎県知事との面会についての主な新聞記事です。

石木ダム 全用地収用 住民「古里、奪わないで」



©株式会社長崎新聞社




「ダムを造らないでください」と涙ながらに訴える女児=県庁

 長崎県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダム建設事業で、反対住民13世帯の宅地を含む全未買収地が19日、土地収用法に基づく「権利取得の時期」を迎えた。約5年ぶりに実現した中村法道知事との面会で、涙ながらに建設反対を訴えた住民ら。知事は「事業を進めていく必要がある」との考えを改めて示し、両者の溝は埋まる気配がない。13世帯もの宅地を強制収用する事態に、住民の支援者らは反発し、関係首長や推進団体も複雑な心境をのぞかせた。
約5年ぶりに実現した中村法道知事との面会には、水没予定地の川原(こうばる)地区で暮らす13世帯約50人のほとんどが参加。小学生から90代までの約20人がそれぞれの言葉で古里への思いを語った。高ぶる感情をのみ込みながら思いの丈をぶつける住民に対し、知事は目を落とし、淡々とメモを取る姿が目立った。「気持ちは伝わってるのか」。交わらない視線に象徴されるような県との深い隔たりに、住民たちはいら立ちを募らせた。
「川原での思い出が、自然や風景が、私は大好きです」。高校2年生の松本晏奈(はるな)さん(17)は知事へのメッセージを読み上げた。これまで人前でダムについての意見を述べることはあまりなかったが「自分も力になりたい」と勇気を出した。「帰る場所がなくなるなんて考えたくない。川原を奪わないでください」。声を詰まらせながら知事に語り掛け、手紙を渡した。曽祖母のマツさん(92)は「この年になってどこに移れというのか」としわくちゃの手を握り締めた。
3人の子どもを育てる炭谷潤一さん(38)は「県は理解を得る努力をするといいながら、手続き上は強制的に土地を取り上げている。私の家族と川原の人々を全力で守る」と語気を強めた。小学3年生の長女、沙桜(さお)さん(8)が「お家がなくなったらいやです。ダムを造らないでください」と涙ながらに訴えると、周囲からすすり泣きがもれた。
石丸穂澄さん(36)は、川原の自然や生きものを描いたイラストを持参。「知事が奪おうとしている私たちの大切なものです」と掲げた。精神疾患を抱えながら、古里の豊かな自然と生態系の魅力を広めようと描き続けてきた。「住み慣れた環境を離れるのは私にとって酷な要求。この落ち着いた環境がどうしても必要」と声を振り絞った。
最後に、長年運動の中心を担ってきた岩下和雄さん(72)がマイクを握った。10代で父を亡くし、若くしてダム反対運動に参加。歴代知事を舌鋒(ぜっぽう)鋭く追及してきたが、この日は「知事しかいません。どうかダム建設を取りやめてください」と深々と頭を下げた。他の住民がそれにならうと、知事も立ち上がって応じた。
知事は質問に答える以外はほぼ発言しなかったが「佐世保市の水不足は解消されていない」と事業への理解を求めた。「膝を交えてお話しする機会が持てるならありがたい」と今後の面会にも含みを持たせた。
面会を終えた住民は、一様にすっきりしない表情を浮かべた。川原伸也さん(48)は「知事が目を合わせてくれず、無難に仕事をこなしているように見えた」と不満をあらわにした。松本好央さん(43)は「知事が考えを変えることを期待する。面会はこれで終わりとは思っていない」と望みをつないだ。


石木ダム 全用地収用 知事と住民面会 行政代執行が焦点



©株式会社長崎新聞社




宅地を含む全ての未買収地が収用された石木ダムの建設予定地=川棚町

 長崎県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダム建設事業で、反対住民13世帯約50人の宅地を含む全ての未買収地約12万平方メートルは20日午前0時、土地収用法に基づき県と同市が所有権を取得した。一部の土地の明け渡し期限となった19日、建設予定地の住民らが中村法道知事と約5年ぶりに県庁で面会し、建設反対を訴えた。終了後、知事は報道陣に事業を推進していく姿勢を改めて示し、今後は行政代執行を巡る動きが焦点となる。

 石木ダムを巡っては、県収用委員会が5月、地権者に未買収地約12万平方メートルの明け渡しを求める裁決を出し、19日を「権利取得の時期」とした。これまでに取得した約64万3千平方メートルに続き、県と同市は20日午前零時に約12万平方メートルの権利を取得。住民の権利は消滅した。今後、登記はいったん住民側から国に移していく。県と同市はダム建設に必要な全用地を取得したことになる。
約12万平方メートルのうち、19日は家屋など物件を含まない土地(約1万5千平方メートル)の明け渡し期限で、物件を含む残りの土地については11月18日が期限。住民側が期限までに明け渡しに応じなければ、県と同市は知事に家屋の撤去や住民の排除といった行政代執行を請求でき、知事が対応を判断することになる。
面会は住民側が要請し、幼児や高齢者を含む約50人が午前10時から約2時間半、中村知事と面会。古里への思いや県の手法へ不満をぶつけ、「古里を奪わないで」「ダム計画を見直して」などと訴えた。中村知事はメモを取りながら耳を傾け、質問に答えた。
面会後、住民の岩下和雄さん(72)は「思いは伝えられた。本当にダムが必要なら、自分たちのやったことが間違っていないか見直してほしい。私たちは(土地の)名義が変わろうが今まで通り畑を耕し、稲を作り、ここで暮らしていく」と言い切った。
一方、中村知事は報道陣に「それぞれの方々の思いを大切にしながら、事業全体を進めていく必要があると改めて感じた。現状では今の方針で進まざるを得ない」と語った。



石木ダム建設予定地

石木ダム全用地収用 反対派市民ら抗議活動 長崎県との溝 埋まらず



©株式会社長崎新聞社




住民(右)から面会の報告を受ける支援者=県庁

 石木ダム建設や強制収用に反対する市民らは県庁や佐世保市内で抗議活動を繰り広げた。
中村法道知事と建設予定地の住民が約5年ぶりに面会した会場では、滋賀県知事時代に県内のダム建設を中止した嘉田由紀子参院議員が支援者の立場で傍聴。超党派で結成した「石木ダム強制収用を許さない議員連盟」メンバーでもある嘉田氏は終了後、取材に「(ダム建設を止める)方法はある。一番必要なのは地方自治の勇気。県民を愛する判断が必要だ」と力を込めた。
県庁前では午前10時半から支援者約40人が「強制収用やめろ」と記されたプラカードなどを手に抗議。長崎市在住の吉島範夫さん(77)は「県がしていることは人権侵害。最も混乱が少ないのは事業認定を取り下げることだ」と語った。
ダムの受益者である佐世保市内でも反対運動があった。市民ら約15人は、午前7時半から市役所前で「水は足りている」「石木ダムいらんばい」と記した幕などを掲げたり、通勤する職員にチラシを配ったりして、土地収用反対を訴えた。呼び掛け人の森田敦子さん(63)は「大好きな佐世保市が(建設予定地の)川原(こうばる)の人々の人権を無視するようなことがあってはならないし、それは恥ずかしいことだ」と述べた。
一方、川棚町のダム建設予定地では県道付け替え道路工事が粛々と進められた。


石木ダム全用地収用 円満解決願っていたが… 推進派、首長ら複雑な表情



©株式会社長崎新聞社



 石木ダム建設事業で関係自治体の首長や推進団体関係者は、円満ではない「強制収用」に複雑な心境をのぞかせた。ダム建設を求めつつも、行政代執行で住民を排除するような事態は避けてほしいと望む声も聞かれた。
川棚町の山口文夫町長は「円満な話し合いでの解決を願っていたので、(一部の)明け渡し期限を迎えたことは残念」とした上で、「古里に住み続けたいという思いは理解できるが、事業に協力し、移転していただいている8割の地権者の思いも大切にしなければならない」とコメント。移転した元住民の一人は「強制収用は自分が泣く泣く土地を出て行った当時に、想像していた最悪の事態。本当に何と言っていいのか」と言葉少なに語った。
全用地収用について「石木ダム建設促進佐世保市民の会」の寺山燎二会長(81)は、「水不足を解消するため私たちは建設をお願いするだけ」と冷静に受け止めつつも、「行政代執行は望まない。最後は(両者が)納得いく形に向かってほしい」と求めた。中村法道知事と反対住民が約5年ぶりに面会したことについて、佐世保市の朝長則男市長は「内容を把握していないのでコメントできない。県と足並みをそろえ進める」と述べるにとどめた。



石木ダム埋まらぬ溝 知事5年ぶり住民と面会



西日本新聞 長崎・佐世保版




知事に思いを訴え、そろって頭を下げる住民たち拡大

知事に思いを訴え、そろって頭を下げる住民たち


中村知事はダムの必要性を説明した

 県と佐世保市が川棚町川原(こうばる)地区で計画する石木ダム事業を巡り、19日、予定地の住民らと中村法道知事が県庁で5年ぶりに面会した。この日は一部土地の明け渡し期限ということもあり、張り詰めた空気の中での面会。両者の主張は最後まで平行線をたどった。 (野村大輔、岡部由佳里、平山成美)

■古里に住み続けたい 住民

「知事のお願いを聞きに来たのではなく、思いを伝えるために来た」。面会は川原地区に暮らす松本好央さん(44)が発言の口火を切った。家族4世代で知事に向き合い「生まれ育った古里に住み続けるのは悪いことか」と問い掛けた。

面会場所の大会議室に詰め掛けたのは4歳から92歳までの五十数人。このうち20人がマイクを握り、思いのたけを語った。

石木小3年の炭谷沙桜さん(8)は学校を早退して参加した。「私は家がなくなるのは嫌です。私は川原が好きです」。涙ながらに手紙を読み上げると、周りの大人たちがハンカチで目元をぬぐった。

40年以上、ダム建設反対の声を上げ続ける松本マツさん(92)は「川原のきれいな住みよか所に、なんでダムのできるとかな。ブルドーザーががらがらして、山が削れていくのがダム小屋から見えて悲しかです。この年になって、どこへ出て行けと言うのですか」と声を振り絞った。

川原の住民の似顔絵や、石木川の希少な水生生物の絵が掲げられる場面もあった。どちらも生活の場が奪われる危機にある。「この絵を見てどう思いますか」と作者の石丸穂積さん(36)は訴えた。

予定時間を超す約2時間半の面会を終えると、出席者は全員が十数秒にわたって深々と頭を下げた。

岩下和雄さん(72)は県庁ロビーで待機していた支援者に内容を報告。「住み続けたいという思いを中村知事に発信してきた。強行は間違っていると訴え続けたい」。帰途に就く岩永正さん(67)は「伝えた思いが少しでも知事に伝わってくれれば」と祈るようにつぶやいた。県庁前では支援者ら約30人が「強制収用やめろ!」と書いたプラカードなどを手に、面会の行方を見守った。佐世保市の松本美智恵さん(67)は「知事の方向転換は甘くないと思うが、5年間互いの気持ちを伝える場がなかったので、ここをスタートとしてほしい」と期待した。

■代執行は慎重に検討 知事

5年ぶりに住民と面会した中村知事は、「今日は知事に思いを伝える場だ」とする住民側が進行役を務めたため、聞き役に徹した。住民一人一人の訴えをメモしながら、時折、発言を求められた。

住民の一人、川棚町議の炭谷猛さん(68)から「話し合いを(これから)1カ月後、2カ月後にも設定しようと思うが、どうか」と水を向けられると、中村知事は「皆さんと地域の将来を話す機会をいただければ大変ありがたい」と応じた。だが、ダム計画の見直しを求める住民と、治水・利水を目的にダムの必要性を主張する知事との溝は最後まで埋まらなかった。

県は面会に際し「静穏な環境と円滑な進行」(河川課)にこだわった。5年前の前回、ダム予定地の川原公民館で行った面会は紛糾、知事や執行部が「十分に説明させてもらえなかった」(同)という苦々しい経験があるためだ。

面会が行われた大会議室の場所が報道陣に発表されたのは、この日の朝。住民以外の支援者が入ってこられないようにする目的で、面会場所へ通じる廊下をついたてで遮り、別室を通過させて廊下に戻る-まるで迷路のような仕掛けを施す念の入れようだった。マイクが用意されておらず、住民の抗議を受けて職員が準備する一幕もあった。

面会後、中村知事は報道陣に対し、これまでに事業に賛同して予定地を離れた住民がいることにも触れ「ダムの必要性はいささかも変わっておらず、先延ばしは許されない」と説明。行政代執行の可能性について「解決策がなくなった段階で総合的、慎重に検討する」と述べた


「古里を奪わないで」 長崎・石木ダム事業一部明け渡し期限 住民、知事に訴え



西日本新聞 社会面




中村法道知事(左)に手紙を渡す、石木ダム予定地に暮らす女児と父親=19日午前10時半ごろ、長崎県庁拡大

中村法道知事(左)に手紙を渡す、石木ダム予定地に暮らす女児と父親=19日午前10時半ごろ、長崎県庁



 長崎県と佐世保市が同県川棚町で進める石木ダム建設事業は19日、予定地の一部の土地について県収用委員会が定めた明け渡し期限を迎えた。この日は、反対運動を続けてきた住民と中村法道知事が5年ぶりに面会。子どもや高齢者を含む約50人が古里への思いを訴えた。国の事業採択から44年。ダムの必要性を主張する県側との議論はなお、平行線をたどっている。

石木ダム予定地は約79万3千平方メートル。これまでに54世帯が事業に同意し、移転した。一方、13世帯はダムの必要性に疑義を唱え、予定地に暮らし続けている。

2014年7月以来となる県と住民の面会は約2時間半に及んだ。川棚高2年の松本晏奈(はるな)さん(17)は「思い出が詰まった古里を奪われるのは絶対に嫌です。どうか私たちの思いを受け取ってください」と涙ながらに手紙を読み上げた。

中村知事は面会後、報道陣に「渇水で不自由した人もいる。用地を提供して協力した人も多く、そうした思いも大切に事業を進める必要がある」と述べ、話し合いを続ける意向を示した。

収用委は今年5月、この13世帯や、反対住民を支援する「一坪地主」が所有する約12万平方メートルを明け渡すよう命じる裁決を出した。一坪地主の所有山林を中心とする約1万5千平方メートルの明け渡し期限が19日、住民所有の宅地や田畑は11月18日。住民が立ち退かなければ、一定の手続きを経て強制的に家屋を撤去する行政代執行が可能になる。 (野村大輔、平山成美)

【ワードBOX】石木ダム

長崎県の川棚川の治水と佐世保市の水源確保を目的に、1975年度に国から事業採択された。総貯水量548万トン(東京ドーム4・4杯分相当)。現在の完成目標は2022年度で、総事業費285億円に対する18年度末の進捗(しんちょく)率は約55%。県収用委員会は5月の裁決で県に対し、一坪地主を含む地権者376人に補償額計約11億8325万円を支払うよう命じた。土地所有権は20日午前0時に消滅し、国が取得する。

長崎)石木ダム反対地権者、知事に思いの丈ぶつける

原口晋也、小川直樹 



 石木ダム計画を巡り、水没予定地の長崎県川棚町の反対地権者らが19日、中村法道知事と5年ぶりの面会を果たした。愛着のある土地の所有権が、県収用委員会の裁決により失われる最後の日だった。1962年に計画が持ち上がってから世代を継いで続く戦い。静穏を奪われ、怒り、泣いてきた住民たちが、行政代執行の権限をもつ知事に、整然と思いの丈をぶつけた。

川原(こうばる)地区の13世帯を中心に水没予定地に土地をもつ計16世帯の4歳~90代の計約50人が午前10時過ぎ、県庁3階会議室に入った。まず若い世代の家族が、強制収用しないよう訴えた。

最多の9人家族の松本好央(よしお)さん(44)は、4世代そろって面会に臨んだ。

口火を切った松本さんが語ったのは、県が強制測量をした1982年5月、機動隊の前に立ちふさがった小学2年の時の恐怖心だ。「あれは、長崎県の汚点だ。今度は前代未聞の暴挙をしようとしている。だが我々はこの先も住み続ける。勇気ある決断を」と計画断念を求めた。

長女で川棚高2年の晏奈(はるな)さんが父の話を継いだ。「ひいばあちゃんと畑で野菜を作り、食べ、田植えもやってきた。兄弟とホタルや魚を捕まえてきた」とふるさとの日常を紹介。「帰る場所がなくなるなんて考えたくもありません」と話し、声を詰まらせた。会場から、あちこちですすり泣きが漏れた。晏奈さんは思いをしたためた便箋(びんせん)を中村知事に手渡した。

松本さんの祖母マツさん(92)は、工事の監視を兼ねる通称「ダム小屋」に週2日こもる。「山が崩れ、ブルドーザーが動き回るのを見るのは悲しい。この年になってどこへ行けと言うのか? 一日も早くやめて下さい」と嘆願した。

3世代7人で暮らす炭谷潤一さん(38)は「強制的に土地を奪おうというのはおかしい。ダムの必要性の問題ではなく人道上の問題だ」と指摘。「私は家族と川原の人たち、コミュニティーを守る。絶対に手を触れさせない」と決然と述べた。長女で石木小3年の沙桜(さお)ちゃん(8)が「家がなくなるなんていや。川原が大好きです」と書いた便箋を読もうとしたが、嗚咽(おえつ)で言葉にならない。潤一さんに肩を抱かれながら、それでも最後まで読み上げた。

この間、地権者たちと目を合わせることはほとんどなかった中村知事を、石丸キム子さん(69)は「知事、顔をあげて下さい」と柔らかい口調でたしなめた。炎天下の現場に来ている県職員を気遣い、「本来の県民のための仕事をさせてあげて」と求めた。

1972年に当時の川原の総代や県知事らが交わした覚書を取り上げた地権者もいた。「建設の必要が生じたときは、協議の上、同意を受けた後着手する」などという覚書の取り決めを「県は簡単に破棄した」と地権者は批判。知事は「司法の場で明らかに」などとして回答を避けた。

面会後、中村知事は取材に対し、「ふるさとへの熱い思いは大切にしなければならない」と述べながらも、「(利水や治水の)対策の必要性はいささかも変わっていない」と、事業推進の姿勢は変えなかった。

面会を傍聴した前滋賀県知事嘉田由紀子参院議員は、地権者らを前に「法にも理にも情にもかなっていない事業。今日が(戦いの)新たな始まりです」と声を上げた。

川原地区の地権者13世帯は土地の補償金の受け取りの拒否を続けたため、補償金は19日までに法務局に供託された。(原口晋也、小川直樹)

 

17歳「故郷奪われるのは絶対嫌」ダム建設進める知事に

小川直樹 



 長崎県佐世保市が川棚町で建設を進める石木ダムを巡り、水没予定地の川原(こうばる)地区に住む13世帯の地権者らが19日、県庁で中村法道知事と面会した。居住地の明け渡し期限が11月18日に迫る中、ふるさとに住み続ける決意を知事に伝え、強制収用に踏み切らないよう求めた。

面会に臨んだ住民は4歳~90代までの約50人。「知事、どれだけ弱い者いじめをするのですか?」。川原地区に4世代で住む自営業松本好央さん(44)が口火を切った。長女の晏奈(はるな)さん(17)は「ふるさとが奪われるのは絶対嫌です」と思いをしたためた手紙を読み上げ、知事に手渡した。

1975年に建設が決まった石木ダムは水没予定地の用地買収が進まず、県収用委員会は5月の裁決で、川原地区を含む約12万平方メートルの明け渡しを命じた。地権者の土地所有権は9月20日午前0時に国へ移り、11月18日までに居住地から立ち退かなければ、県は行政代執行による強制収用が可能になる。実際にこの手続きに踏み切るかどうかは知事の判断だ。

知事が立ち退きを拒む地権者と会うのは5年ぶりだったが、ダムの必要性を積極的に訴えることはせず、約2時間半の間、聞き役に回った。今後も面会の場を求める声には「機会を頂ければありがたい」と応じた。

ただ、面会後に取材に応じた知事は「事業全体を進めていく必要があると改めて感じた」と強調。代執行については「しかるべきタイミングで、決断をしなければならない」と述べた。(小川直樹)

石木ダム反対地権者5年ぶりの知事面会



https://www3.nhk.or.jp/lnews/nagasaki/20190919/5030005402.html

 

佐世保市民の声



いよいよ強制収用が現実のものとなってしまう日の長崎新聞『声』の欄に、佐世保市民男性(松口さん)の投書が掲載されました。

石木ダム建設のための強制収用は「人道に対する罪」の道に繋がるものであり、「強く抗議する」と断言。「私たちはどうすれば13世帯の人々を守ることができるのかを見つけることができるはずだ」と書かれています。

とても共感しました。でも、「知事にはその先頭に立ってほしい」という言葉には疑問を感じました。強制収用の手続きを進めているのは県であり、そのトップが知事なのですから、現状ではあり得ないことのように思われます。

もちろん、知事の考えが変わるとか、(もともと知事自身は強制収用はしたくなかったが周りに押し切られていたとしたら)英断を下す勇気や覚悟を持つとか、そういう可能性も無いとは言えません。が、それには大きな県民世論の後押しが不可欠です。

やはり、私たち県民とりわけ佐世保市民が声を上げ、行動を起こすことがとても大事だと思います。

松口さんは、既にその見本を示してくださいました。松口さんの後に続く人がもっともっと増えることを願っています。

今日はもう1人、佐世保市民女性のSTさんの投稿も知りました。STさんは新聞投稿ではなく、佐世保市のフェイスブックからメッセージを送って、それに対するお返事が届いたということでメールをいただきました。

そのメールを以下に貼り付けます。

 

私が送ったのは9/9[月)14時 

内容は下記のとおりです 。

 

9/8の集会に行き

会場は立ってる方もおられるほど たくさんの方々が集まりました。
 

弁護士さんからの話

地権者さんの話

反対運動を手伝っておられる方の話を聞きましたが

 

一番驚いたのは

当時の町長さんから土下座されて 

ダムは作らないと書いてあることを信用してサインされた覚書。
 

<写真にとった覚書を送りました。>

 

戻る勇気

立ち止まり話し合う機会をぜひ設けてください。
 

 

そして今日、8時39分に返事が来ました。

ST様

まずもって、覚書に関しましては、本市が石木ダム事業に参画する以前の話であるため、本市がこの件に関して、コメントできる立場にはないことをご理解ください。
ただ、本市としましては、石木ダム事業は、本市の水源不足の解消のため、必要不可欠な事業と考えておりますので、今後とも県を中心に市及び町と連携して、事業へご理解を得られるよう、様々な機会をとらえて努力してまいりたいと考えております。

水道局水源対策・企画課 0956(24)1111(内線:3519)

 

相変わらず「本市の水源不足の解消のため、必要不可欠な事業」との決まり文句ですね。いつまで言い続けるのでしょう。直近のグラフを掲載します。

 
昨年度の一日最大給水量は、77,968㎥でした。
予測値104,310㎥の4分の3にも満たない実績でしたし、佐世保地区の保有水源10万㎥からは十分おつりがきます。

確かに覚書については水道局職員には答えようがないでしょう。ここは市長が答えるべきです。でも、答えない。市長も答えられないというのが本音でしょうが、共同事業者としては知事に問い合わせても市民に答えるべきですよね。

STさんのように、佐世保市のHPからでもFBからでも気軽にメールやメッセージを送って、石木ダムへの思い(疑問や意見)を市長や水道局長に届けるのもいいですねー

これは1人でもできること、すぐにできることです。
あなたの素直な気持ちを朝長市長に届けてみませんか?

まるで壊れたテープレコーダー



(9月18日朝日新聞)

17日におこなわれた「公共事業チェック議員の会」による石木ダムについての国交省と厚労省へのヒアリングの記事。

ここに書かれているように、国交省も厚労省も、石木ダム事業に多額の補助金を出しているにもかかわらず、事業者は長崎県や佐世保市なので我々は「答える立場にない」というのが基本的な姿勢です。

今回は、長崎県と佐世保市にも参加要請をしたと(チェック議員の会から)聞いていたので、私もわざわざ上京したのですが、ふたを開けてみると「議会中のため対応できる職員がいない」とのことで欠席でした。「対応できない」のではなく「説明できない」から「逃げた」のかな?残念至極!その思いを嘉田由紀子参院議員が代弁してくれました。

嘉田議員:ダム建設において、利水の場合の財政負担は、その大半を水道料金におんぶしている。佐世保市水道局の経営計画を知りたかったが今日は欠席とのことで聞けなくて残念。経営計画を出すよう、国として指導できないか?

厚労省水道課:経営計画の策定そのものは佐世保市水道局が決めるものであり、国が関与すべきではない。

初鹿衆院議員:石木ダムには国庫補助が入っている。国民の税金を使っているのだから、国にも一定の責任があるではないか。

厚労省:国としても持続可能な水道事業のために、事業体が基盤強化を果たしていくよう指導はしている。

嘉田議員:佐世保市は老朽化が進んでいて漏水率が高い。ケアするための費用もかかる。ダムと漏水と、トータルで水道料金がどのくらい上がるのか、それがわからないとダムに賛成とか反対とか市民は言えない。市民にしっかりとデータを出すよう指導してほしい。

厚労省:収支の見通しの作成は努力義務化されている。その作成に当たって水需要の予測とそれに対応するための計画はオープンにするよう指導している。

大河原議員:佐世保市は何度も水需要予測を出しているが、それについて国はどのようにチェックしてきたのか?

初鹿議員:みなさん、こちらの資料をご覧いただきたい。



過去の予測はいずれも右肩上がりで、その後の実績値は横ばいか減少で、予測は大きく外れている。直近のものがこちら。



特に2014年度から2015年度は大きく跳ね上がっている。このような予測は不自然だと思わないか?思わないなら、その根拠を示してほしい。

厚労省:水需要予測は、水の安定確保のために、その能力規模の策定を行うもので、予測値は渇水や事故などの非常時への対応も含めて算出されている。渇水や事故が起きなかった場合は実績値が予測値を下回るのは当然であり、両者に差があることで予測がおかしいとは言えない。

初鹿議員:僕が聞きたいのは、ここ。この3年間でポーンと跳ね上がっている。特に2013年度から2014年度のところ。1年間に1日の給水量が10,000㎥以上増えている。そのわけを知りたいと言っている。それに答えてほしい。

厚労省:繰り返しになりますが、渇水だの事故だのがあったとしても安定して水を供給するというのが・・・差があるからといって直ちに見直す必要があるとは言えない。

嘉田議員:もちろんリスクを見込んでの対策は必要です。しかし、佐世保のような急激な右肩上がりの予測を出している事業体が全国にどれくらいあるのか示してほしい。それとも佐世保だけがハイリスクなのか?だとしたら、それは何故?その説明が無ければ、国民は納得できません。

厚労省:繰り返しになりますが、需要予測は渇水だったり事故だったり・・・

もう聞き飽きた!あなたたちは壊れたテープレコーダーか?「渇水だったり事故だったり・・・」それを繰り返すばかり。それしか言えないの?エリート中のエリートであるはずのあなた方なのに!我慢できなくなって挙手をして発言させて頂きました。

佐世保市民:私たち市民もこの予測が示されたときは驚きました。佐世保だけ急激に人口が増えるはずもないし、大型工業団地ができるとか明確な根拠があるわけではなかったので。ただ石木ダム供用開始予定年度に合わせて予測値が急激に増えていたので、私たちはダム有りきの数字合わせだと思っていました。実際、その後の水需要は増えるどころか減っています。直近(9月13日)の給水量は、68,840㎥でした。残暑が厳しいこの時期でも7万㎥を切っています。一方、保有水源は実際のところ10万㎥あります。(市は安定水源としては77,000㎥しかないと言っていますが、市が不安定と位置付ける水源からも毎日取水しているし、渇水時にも取水しています。安定水源と何ら変わりありません)十分足りています。もちろん水源にたっぷり余裕があることは良いことでしょうが、だからといって、隣の自治体の住民の生活を破壊してまで水が欲しいとは私たちは決して思ってはいません。そのことを伝えるために佐世保からやってきました。

水源連共同代表嶋津氏:ダム計画のある水道事業体は需要予測を過大に出すんですよ。そして、ダムが完成したら予測を減らす。当別ダムに参画した札幌市。宮ケ瀬ダムに参画した川崎市、横浜市、横須賀市、みなそうですよ。ご存知なければ、よく調べてください。

嶋津さんの発言にやっと壊れたテープレコーダーも静かになりましたが、今度は国交省のお役人が「繰り返しになりますけど」の言葉を連発。

初鹿議員:利水も治水もこんなに疑問だらけの石木ダムのために、住民の土地が強制収用されようとしている。強行させていいのか?住民や県民の理解を得るために公開討論会を開くよう国交省は助言できないのか?

国交省:それは県が決めることであり・・・

初鹿議員:そうは言っても、国交省から長崎県に何人出向しているのか?副知事も土木部長も主要なポストは国交省が占めているのではないか?反対派を説得できるような議論を、堂々と公開の場でやるよう、県の河川課に指導できる立場にいるではないか。

国交省:繰り返しになりますが、それは事業主体である県がお決めになることで・・・

 

私にとって石木ダム関係省庁へのヒアリングへの参加は3回目ですが、お役人の対応は今回が最悪でした。何を聞いても返ってくる言葉は同じ。判を押したように。壊れたテープレコーダーのように。
対話にならない。一方通行。

こうやって切り抜けていく方が出世していくのでしょうか。
それに負けない議員の皆さんはさすがです!
これからも、公共事業チェック議員の会の皆さんの活躍に期待します。

住民の犠牲はやむを得ない?!

長崎のダム建設「誰かが犠牲に」 北村創生相発言、住民の反発も

9/14(土) 19:36配信

共同通信


 北村誠吾地方創生担当相は14日、長崎県佐世保市で記者会見し、一部住民が反対している同県川棚町の石木ダム建設計画について、生活の維持のためには住民の犠牲はやむを得ないとの認識を示した。「誰かが犠牲(になり)、協力して役に立つことで世の中は成り立っている」と発言した。

ダムは1962年に北村氏の地元佐世保市の水不足解消や、川棚町の治水を理由に県などが計画。予定地の土地明け渡し期限が11月に迫っており、反対派住民の反発が強まるのは必至だ。

会見で北村氏は「人がそれぞれの立場と生き方の中で、自分自身の何かを犠牲にして生きていると思う」と持論を述べた。

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こんな人を閣僚に選んだのは安倍総理だけど、

こんな人を国会議員に選んだのは長崎県民であり、

とりわけ、私たち佐世保市民!

チョー恥ずかしい!!! (>_<)


強制収用を許さない議員連盟 発足!

NBCニュース

09月14日 18時03分

石木ダム事業で強制収用を許さない議員連盟設立 [長崎]


東彼・川棚町に計画されている石木ダム事業で、土地の強制的な収容や、行政代執行に、人権上問題がないか考えて欲しいと訴える超党派の議員連盟が、きょう、設立されました。



議連は、全国から5人の国会議員を含む超党派の73人が参加して設立されました。
呼びかけたのは、東彼3町の町議5人で、石木ダム事業では、住民の県への土地の明け渡し期限が、今月19日に迫っているため、強制的な措置の前に、「賛成・反対だけでなく、人権を侵害してまでダムが必要か議論して欲しい」と訴えました。
議連では、行政代執行が行われないよう知事や県に、申し入れを行いたいとしています。

 



こちらは、9/15の長崎新聞の記事。

代表の城後議員が述べたように、「住民が納得しないまま」行政がごり押ししてきたことに問題があり、その住民の声に耳を傾けるのが議員の役目だし、そういう公共事業のあり方をチェックするのが議会の役目のはず。

なのに、そうではなく、行政に忖度する議員のいかに多いことか…。

この73名の議員の行動に勇気を得て、もっともっと後に続く議員の数が増えますように…!!

 

守ろう!こうばる、止めよう!強制収用



9月8日(日)午後、佐世保市中央公民館での石木ダム緊急集会は、すし詰め状態!

机と机の間の通路にも椅子を補充しましたが、



まだ、立ち見?立ち聞き?の人がこんなにたくさん!

主催者としては申し訳ない気持ちと嬉しさと、予想外の展開にドギマギしながら開会のご挨拶。この集会の「趣旨」を伝えました。



県や佐世保市は、民意を無視してダム建設を強行し、地権者の家や土地を強制的に収用するための手続きを着々と進めています。このような人権侵害は許されるものではない。私たち市民の多くは、そう思っています。しかし、その思いを胸に秘めているだけでは何も変わりません。声に出し、行動を起こさねば、問題は解決しません。いま私たちにできることは何か、ぜひ一緒に考え、知恵を出し合いましょう。

ということで、まず、石木ダム問題に深く関わっている3人の方のお話を聴いて頂きました。

トップバッターは、石木ダム対策弁護団の八木大和弁護士。裁判では利水の担当ですが、この日は土地収用法、特に強制収用や行政代執行についての話や、石木ダム訴訟の経過や争点について、分かりやすく解説して頂きました。



そのレジュメはこちらです。石木ダム緊急集会講演 八木大和弁護士

裁判の争点についての話の中で、1つの疑問が解けました。あの滅茶苦茶な水需要予測がなぜ合理的だと裁判長は判断したのか不思議でしたが、それは、こういうことでした。

あの予測は国の設計指針に沿って計算されているから合理性があるのだそうです。ところが、その指針の中身は実はとても曖昧で、佐世保市はその隙間を縫って予測を立てたようです。弁護団は、その矛盾点をいっぱい見つけ、証拠もいっぱい提出したけれど、長崎地裁は一顧だにしなかった。行政の裁量権の範囲だと認めてしまったわけです。

また、強制収用と行政代執行についても、憲法と土地収用法と行政代執行法を見比べながら、その関係性を丁寧に説明されました。

そして、東九州自動車道のみかん畑が行政代執行される映像を紹介した後で、八木弁護士は、こう結びました。

今観て頂いたのは、たった1人のミカン畑の所有者に対する代執行の場面です。石木ダムの問題では、13世帯が相手です。13世帯の結束は本当に強い、何も変わらない。この13世帯の方々の人生とか財産を、ああいう形で奪わせていいのかということを、我々は今一度考えなきゃいけない。裁判の中でわかってきたおかしな事実、そういうことをみなさんが発信していただきたい。大きく発信する必要はもちろんない。隣の人に言うだけでも発信です。この声を一つ一つ積み重ねて、13世帯の人たちに、我々は寄り添っていきたい、というふうに思います。

 

続いて登壇したのは地元地権者の岩下和雄さん。半世紀にわたる石木ダム反対運動の先頭に立って闘い続けてこられた方です。



・1972年住民の反対を押して予備調査をするために、知事と町長は住民と覚書を交わした。これは調査だけ。住民が反対するならダムは造らないと。しかし、県も町もその約束を破って石木ダム事業に着手し、強制測量を行った。

この話を初めて聞いた参加者の多くは、とても驚き、集会終了後、その覚書のコピーをスマホのカメラに収める人が何人も押し寄せました。

・石木ダムの真の目的は利水。治水は付け足しである。佐世保の水需要は減っている。佐世保が水は要らないと言えば石木ダムは立ち消えになる。どうか声を上げてほしい。

・川原は何世紀も前から先祖代々暮してきた。先祖が大事に育ててきたこの土地を子どもや…孫に残したいんです!

一瞬、声が途切れ、再び話し始めた時の声の震えに、私たちの胸も熱くなりました。そして、すぐに大きな拍手が広がりました。

 



三人目は、佐世保市民で石木川まもり隊の戦士、宮野由美子さん。

石木ダム反対運動に関わるようになったきっかけや、付け替え道路工事について、そして何よりも、現地での抗議行動を熱く熱く語ってくださいました。

座り込みの現場は楽しくて、そして美味しいものがたくさん出てきます…冬は焚火をして、卵をゆでたり、芋を焼いたり、猪肉が出てくることも。皆さん、ぜひ!座り込みの現場に行かれてみてください!

会場からは拍手や笑い声!お、いい感じ。来週は新人が何人か現れてくれるかな~

以上、3人の方のスピーチはYouTubeでも見れます。https://www.youtube.com/watch?v=l02EGO16Ti8&feature=youtu.be

お時間のあるときに、ぜひじっくりお聴きください。

 

講演終了後、さっそく質疑応答に入りました。

Aさん:裁判以外のやり方として、日弁連への人権救済申立など考えられないか?

八木弁護士:もちろん人権救済の申し立てというのも方法としてありです。ただ、もっと身近なこと、石木ダム問題は佐世保市民の税金の使い方として考えてみたらどうか。建設後の維持費がどのくらいかかり、水道料金にどのくらい跳ね返ってくるのかとか、石木ダムに使うお金を介護や保育にまわしてほしい等、自分の問題として考える。その手段として日弁連や議会のルートを使うもよし、選挙で託すもよし、ツイッターで呟くもよし、この問題を共有化し考えるということが大切だと思います。

Bさん:座り込みには誰でも参加してよいのか?

宮野さん:もちろんです!「応援に来ました」と言って頂ければ大歓迎です。

Cさん:覚書のことは全く知らなかった。文書で残っているのか?

岩下さん:残っているし裁判にも提出したが、紳士協定ということで問題にされなかった。

Dさん:それはおかしい。もっと広めるべきだ。

八木弁護士:裁判の中でも証拠として出しているし、覚書を無視してダム建設推進してきたのは違法だと主張したが、長崎地裁は私法上のことで事業認定には関係ないとして一蹴された。もちろん我々は私法上のこととは思っていない。相手は知事や町長なので。

Dさん:今の知事が約束したわけではなくても、言っていいと思う。行政代執行までしようというときになったら、これを持ち出すべきだと思う。弁護団には頑張って頂きたい。

八木弁護士:弁護団も1つの論点としてとらえているが、皆さんもこのことを広げ、それはおかしいと声をあげていただきたい。合わせ技というか両方で頑張りましょう。

Eさん:「得られる利益」とは?よくわからない。佐世保では石木ダムのために、水道料金から1世帯あたり年間5000円くらい30年間の負担となるらしい。議会で水道局長が言っていた。

八木弁護士:裁判の中でも問題にしている。岐阜大学の富樫教授も意見書の中で佐世保市民の負担、水道料金からの負担について触れ、それは「失われる利益」として取り上げている。

 

 

いよいよ意見交換。これから私たちにできること、やりたいことの提案です。

Fさん:「石木ダムいらんばい!」パレードをしませんか!大人も子どもも障害のある方も、みんなが参加できるようなパレード。画用紙や段ボールや布などに自分で言葉や絵を描き、仮装などもいいかも。市民が注目し、趣旨を知り、賛同する人が気軽に参加できるようなパレード。特に子育て世代や若い人に参加してほしい。

Fさん:また、この石木ダム問題を全国ネットで取り上げてもらえないか。報道ステーションとかサンデーモーニングとか。

Gさん:僕は以前も石木ダム問題について新聞投稿しましたが、この機会にもう1度投稿して、佐世保市民の多くが石木ダム要らないと思っていることを伝えたい。皆さんもチャレンジして頂けると嬉しい。

Gさん:各自がすぐにできることを提案したい。県のホームページには「知事への提案」、佐世保市には「市長への手紙」というコーナーがあり、そこに意見を書き込むことができる。インターネットを使わなくても、FAXや郵送という手段もある。今ここにいる皆が何らかの方法で、19日までにそれを行動に移したら、知事と市長に150通の声が届くことになる。ぜひ一緒にやりましょう!

(いいですねー!あなたもやってみませんか?)

Hさん:長崎では毎週月曜日の朝に7:50~9:00まで県庁前でスタンディングをやって、県庁職員に笑顔で訴えています。

Iさん:県がここまで強行する本当の理由は何か、追及して明らかにすることも必要では?

Jさん:この問題をまだまだ知らない市民が多い。広報活動にもっと力を入れるべき。分かりやすく、端的に伝えることが大事。そして広げるには若い人の力を借りて、ネットを駆使することが最も重要だと思う。

 

などなど本当に様々なご意見や具体的なご提案を頂きました。

これらの声が活かされ、それぞれの行動として実現されることを心から願います。

 

そして、最後に集会宣言案が読み上げられ、参加者全員の拍手で採択されました。



宣言文はこちらです。

集会宣言2019.9.8

 

*お詫びとお礼
集会の参加者は予想をはるかに超え、席が足りず、沢山の方が立ちっぱなし。予備の椅子はもうないし、どうしようと思っていたら、あるお店の方が、床に敷くシートを持ってきてくださって、数人の方はそこに座っていただきました。

が、まだまだ立っている人はたくさんいます。すると今度は、椅子が20脚も持ち込まれました。ある政党の方が事務所まで行き、トラックに椅子を積んで運んで下さったのだそうです。

皆様のご親切に心から感謝いたします!

それでも、最後まで立ちっぱなしの方が14、5人おられました。2時間半近くも!どなたも帰らず最後まで立ち続け耳を傾けてくださいました。

主催者として大変申し訳なく、心からお詫び申し上げます。

 

*インフォメーション
参加された皆さんにはお伝えしましたが、このブログを読んでくださっている佐世保市民の皆様にも伝えます。

石木川まもり隊は皆さんの活動を応援しています。私たちも微力なので、サポートできることは限られていますし、逆に皆さんの力をお借りすることも多々あるでしょう。一番大事なことは、やはり情報の共有です。互いに情報が届かないと、応援できることもできないで終わります。

・私たちは、いつ、どこで、〇〇をやります!参加者募集中!

・私は、昨日、市長へこんな手紙をFAXしました。

・私は、〇〇新聞に投稿し、今日掲載されました。

などのお知らせをメールでいただけたら、石木川まもり隊のブログやフェイスブックやツイッターで広げます。
(宛先 michi30@hyper.ocn,ne.jp)
もちろん、直接それらのページにアクセスして頂いてかまいません。

・私も現地へ行ってみたいのですが行き方がわかりません。案内して頂けますか?

などのご依頼も、まずはメールで頂ければ、できるかぎり対応させていただきます。

逆に、

・情報を頂ければ、パレードやスタンディングに参加できるかもしれません。

という方も、メールアドレスをお知らせください。その都度情報を配信いたします。

世代や性格、得手不得手によって、やれることはまちまち。

それでいい。

みんな違ってみんないい。

でも、目指す山頂は1つです。

それぞれのルートを切り開きつつ、必要な情報交換をしながら、支え合っていきましょう。

 守ろう!こうばる 止めよう!強制収用

 

*挿入写真は石木川まもり隊のFさん、Uさん、Iさんによるものです。

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