土木部長からの誠意のない回答にがっかりしていた私たちですが、
「石木ダム建設絶対反対同盟」の皆さんは、
何よりも、土木部長からの回答であったことに憤っていました。
私たちは知事に申し入れたのだ。
当然回答は知事名でなされるべき!と。
これまで数回にわたって知事と話し合いを重ねてきた皆さんには、
知事ならもう少しまともに答えてくれるだろう…との期待があったので、再び申し入れを行い、
今度は知事からの回答でなければ受け付けないと伝えたのです。
それは、11月29日でした。
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平成22年11月29日
長崎県知事
中村 法道 様
石木ダム建設絶対反対同盟
石木川の清流を守り川棚川の治水を考える町民の会
水問題を考える市民の会
石木川まもり隊
日本共産党長崎県北部地区委員会
石木ダム建設事業の検証に関する再申し入れ
平成22年11月5日、貴方様に対し「石木ダム建設事業の検証に関する質問と申入れ」を行いました。この回答を平成22年11月12日付け22河第253号で長崎県土木部長名によりいただきましたが、今回の回答は全く不十分で回答になっていませんので、再度申入れを行います。
前回の申入れにおいて、私たちは「公正な検証」というごく当然の要求をいたしました。公正と言うのは、予断を持たず、客観的なデータをもとに、あらゆる角度から検討してほしいということでありました。しかし、土木部長の回答は「石木ダム有りき」の主張で、全くその姿勢がみられません。
そもそも石木ダム事業が国の見直しの対象になったのは、税金の無駄遣いを無くし「コンクリートから人へ」の政策転換をするためで、今までの手法に問題有りと判断されたからでした。今までとは違った手法で、視点、観点を変えて見直すべきものです。
そこで私たちは、再度以下の6点を申入れます。
1 馬渕国土交通大臣は「中止も推進も全く予断を持たずに検証する」と国会答弁で言明された。長崎県は「予断を持たない再検証を行う」と約束すること。
2 「関係地方公共団体からなる検討の場」を設ける場合でも、予断を持たない再検証を行うために諮問機関を設けること。諮問機関は、治水・利水の専門家(有識者)や関係住民を含む第三者機関である検証検討委員会を設置し、委員の構成は県のダム案に対し賛成、反対双方同数とすること。
3 関係地方公共団体からなる検討の場及び諮問機関である検証検討委員会は、川棚町で開催すること。また、会議は公開で傍聴を認め、録画、録音を可とし、議事録等を誰もが閲覧できるようにすること。
4 検討の場や検証検討委員会は、公聴会や公開討論会を川棚町で開催すること、及び、その公聴会は、質問したり議論したりできる双方向性の運営にすること。
5 「事業認定申請」の取り下げも付替え道路工事の中止も考えていないとの土木部長の回答であるが、石木ダム有りきでは、予断を持たない再検証など望めない。知事は土地の強制収用を目指しているのか。
6 県政チャンネルで放映されている「石木ダムについて」ダム推進のための全く一方的な情報である。今この時期に放映することは、県が公正な検討の主体者として失格であることを証明するものである。直ちに放映を中止すること。
ご多忙のところ恐縮ですが、知事の前進的なご判断を項目ごとに列記の上、 月 日までに文書でご回答いただきますようお願いいたします。
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はたして・・・
今度は知事自らの名前の回答を頂きましたが、それはすでに第1回検討の場の後の、
12月17日でしたでした。
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22 河 第 297 号
22年12月17日
長崎県知事 中村法道
石木ダム建設事業の検証に関する申入れに対する回答について
平成22年11月29日に申し入れのありました事項につきましては、下記のとおり
回答いたします。
1 ダムの検証につきましては、国が定めた「ダム事業の検証に係る検討に関する再
評価実施要領細目」に基づき、予断を持たずに検討を進めて参ります。
2 「同再評価実施要領細目」に基づき、検証の進め方として、 「関係地方公共団体
からなる検討の場」を設置し、検討過程においてパブリックコメント等を行い、多くの
方々のご意見をお聞きし、さらに、第三者機関である事業評価監視委員会の審議
を経ることとしており、諮問機関としての検証検討季長会の設置は予定しており
ません。
3 「関係地方公共団体からなる検討の場」では,情報公開のため傍聴席を設けると
ともに、議事録は、後日、インターネットにて公表いたします。
4 「関係地方公共団体からなる検討の場」の開催日時・場所につきましては、出席
者との調整のうえ決定させていただきます。
5 国は、個別ダムの検証を事業の再評価の枠組みを活用することとし、事業を中断
しての検証検討を各道府県に要請しているものではなく、今年産も事業進捗の予算
配分がなされております。
事業認定は、ダム検証とは別の法律に基づく手続きとして、事業の必要性・公益性を
国が改めて判断するものであり、県としては、話し合いを促進させていくためにも、
申請を取り下げることは考えておりません。
6 「なるほど!県政チャンネル」は、県の主要事業を県民の皆様にわかりやすく説明する
ために、年度当初より放映を予定していたもので、放映の中止は考えておりません。
なお、この放映とは関係なく、国からの要請であるダム検証は、予断をたずに検討して
いきます。
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ところで、後になりわかったことですが・・・
この回答は知事名で出していながら、やはり制作者は県の河川課職員で、
知事はまともに目を通してさえいなかったのです。
というのは、反対同盟と知事の会談のとき、県政チャンネルの話を反対同盟の人が抗議したら、
「県政チャンネル?何のことですか?」と、全くご存じなかったとのことでした。
あ〜あ