パタゴニア訪問

一週間遅れで、やっとパタゴニア福岡店に行ってきました。

先週は台風のせいでキャンセル、

遅ればせながら、「こうばる通信」「ダムのツボ」と、急ごしらえのアルバム

(強制測量、川原の風景、石木川と生きもの、川で遊ぶ子どもの写真など)

を届け、ホッとしました。

 

ボイス・ユア・チョイスのコーナーには、

「ヒナモロコ里親会」のカラフルでりっぱなパンフレットなどが置かれ、

「石木川まもり隊」は何にもなくて・・・さびしい感じでした。

これじゃあ投票も少なかったことでしょう。

今日持参したものが役に立つといいな〜

明日から投票が増えるといいな〜

 

真ん中の色黒の男性は、ほーちゃんのBFではありません。

マネキンです。

彼のお腹のあたりにある透明の箱が投票箱。

I さん夫妻は先日もここに来たのに、

自分たちが投票するのは「ヤラセになる!」と思ってしなかったそうな・・・

なんと○○正直なお二人

「石木川まもり隊」の方でもいいんですよ、どうぞ投票してくださいと店員さんに勧められ、

みんなで投票を済ませました。

 

イムズの「野の葡萄」 http://nonobudouims.jimdo.com/ で、

体に優しい美味しいランチをたっぷり食べた後、

ほーちゃんと二人で行ったのは、「反転地」という不思議な名前のお店。

http://hantenchi.blog102.fc2.com/

 

原発や沖縄や無農薬関連の本やグッズがたくさん並んだインフォショップ。

若くて美しい女性店主サノさんは、トツトツと自然体で話す、お店に相応しい雰囲気の方。

反原発の運動に、いま少し悩みを抱えていることなど、

とても正直に話してくださいました。

 

すぐに帰る時間となり、手作りクッキー少々とお茶を買ってお店を後にしました。

また機会があったら寄ってみたいと思います。

                                 

 

石木ダム建設促進 町民の集い

「石木ダム建設促進川棚町民の会」結成以来初めての大規模な集会が開催されました。

会場はJAながさき川棚支店で、500人規模の集会と聞いていましたが、

前の方は空席が多く、たぶん200人くらいだったのでしょうか・・・?

それでも、たくさんの町民の方々がお集まりでした。

あ、私のような佐世保市民や長崎市民もごく数名混じっていました。

すみません。

町民でなくても参加させて頂いたことに、まず感謝します。

 

同会の結成は2008年12月だそうですから、

約3年9ヶ月ほど大きな活動はなさっておられなかったのに、なぜ今?

という思いがあって、是非傍聴させていただきたいと考えたのです。

 

会長の挨拶から始まって、

山口・川棚町長、石塚・長崎副知事、朝長・佐世保市長による来賓挨拶、

5人の川棚町民による意見発表など続きました。

 

おっしゃっていたことは、ほとんど皆さん同じ。

・川棚町民の命と財産を洪水被害から守るために、

 また佐世保市民や川棚町民の安定的な水源確保のためにも、

 そして県北地域の経済発展のためにも石木ダムは必要なダムである。

 (県の説明通り)

・ダムの検証も終わり国も継続を認めたのだから、 早く事業認定手続きを進めてほしい。

 (促進派の皆さんなので当然の思いでしょう)

・ふる里を失うという地権者の辛さを思うと心が痛むが、

 その苦渋の決断をして出て行かれた8割の地権者の犠牲を忘れてはならない。

 その犠牲に報いるためにも一日も早く建設してほしい。

 (他人の心情を美化したり決めつけたりして語るのは止めてほしい

  出て行った方々の中にもふるさとの存続を願っている人はいる)

などなど耳タコのような話がほとんど。

 

そんな中、ちょっと新鮮に感じた話として、次の2点がありました。

A:今まで川棚町民はどこか傍観者的で、他人事のようだった。

 石木ダム問題を町民一人ひとりが自分の問題としてしっかり考えていくべき。

B:ハイリョ(配慮)とエンリョ(遠慮)は違う。感情論にとらわれていてはいけない。

 県の対応を見ているとややもすると遠慮しているように見える。

 県には毅然とした勇気ある態度で臨んでほしい。

 

Aについては同感です。

まさにその通り。

建設予定地であり、治水の受益者でもある川棚町民が、

石木ダムのこと&石木川のことを当事者としてもっと真剣に考えて欲しい…そう思います。

川棚川の治水対策として、石木ダムが最適なのか?

ダムができたために洪水被害が大きくなったと嘆く住民はたくさんいます。

荒瀬ダムや県内では雪浦ダムなどの体験者の話も聴いてみませんか?

この夏の北部九州集中豪雨でも、大きな被害をもたらしたのは、

ダム計画があったために必要な護岸工事を怠った、その結果堤防が決壊したそうです。

そんな話も聞いてみませんか?

行政の話を鵜呑みにするのではなく、

川棚町の人の命と財産と、そしてかけがえのない自然を守る方法を

是非みなさん自身で考えて欲しいと心から思いました。

 

Bについては、少しドキっとしました。

町民の口から、そろそろ強行策に打って出よと、県にけしかけているようにきこえました。

促進派の町民にすれば、そういう思いは当然有ったのかもしれませんが、

これまでそれを公開の場で聞いたことはありませんでした。

その変化は、促進派の焦りのようにも感じられます。

 

それに関することで、副知事の発言にも注目すべきことがありました。

14日の県議会において、一般質問を受け知事は、足踏みしている事業認定手続きについて、

あらためて九州地方整備局に対し「早急に進めていただくよう要請する」と答えていましたが、

実は、「即日、要請を行った」そうです。

 

ということは・・

まもなく佐世保でも同様の行動が取られるでしょう。

市議会も動くかもしれない。

当然、促進佐世保市民会も…。

 

それらの怒涛のような「早く進めよ」の要請に惑わされることなく、

九州地方整備局におかれては、冷静に状況を判断して対応していただきたいものです。

審査をするには、正確なデータや資料が必要ですが、

県や市は、その提出を怠っているのですから。

新たな資料が出されるまで、審査を進めるべきではありません。

 

その後、元地権者で「石木ダム地域住民の会」の岩永会長と、

「箕島の会」(長崎空港が建設された島の元地権者の会)の元会長さん、お二人の講演がありました。

 

「町民の集い」の最後に読み上げられた大会宣言は、

工事の早期着工と事業認定手続きの早期再開を望むもので、

それは事業者の願いそのものでした。 

 

水需要予測難航

今朝の長崎新聞の記事です。

昨日の市議会一般質問で、石木ダム事業の再評価の準備が遅れている理由について、

水道局長の答弁が書かれています。

 

近年の水需要の実績は予測より大幅に減少。

それは「異常な状態」であって、そのデータを新たな予測にどう反映させたらいいのか

「判断に時間がかかっている」というのです。

 

「異常な状態」の意味を問われ、

経済情勢の悪化で企業への給水が急激に落ち込むなど予想外の事態があったと強調し、

異常なデータだけを基に将来の需要予測はできないと記者に答えたようです。

 

経済情勢の悪化とは、いわゆるリーマンショック以降のことを意味していると思われますが、

その前からすでに需要は減り続けていたのに、予測はずっと右肩上がりでした。

 

悩む必要はありません。

データをそのまま開示すればいいのです。

そのデータを無視した予測を示すのもいいでしょう。

が、そのデータを踏まえた予測も提示すべきです。

そのような予測ならいつでもご用意しますよ。

そして、それらを判断し、再評価するのが委員の皆さんです。

 

はじめから結果を用意しようとするから、結果に誘導できるような資料を作らなければならない、

でも現実のデータではそれが難しい・・・それで、水道局は悩んでいるのでしょう。

 

予測に合わない実績は、「異常」と決めつけるのですか?

 

予兆があってもそれを無視して、その結果被った災害を想定外として片付けようとする、

どこかの体質と似通っていませんか?

 

 

 

水道事業決算を斬る反対討論

9月13日市議会本会議において、23年度佐世保市水道事業決算に関する議案はすべて承認されました。

採決の前におこなわれた山下市議の反対討論は、たいへん素晴らしい内容でした。

結果は賛成多数で承認されましたが、その内容を多くの市民にも知ってもらいたいと思い、

ご本人の許可を頂き、ここに、その討論原稿を転載致します。

 

 

反対理由を申しあげます。

 

第一に、平成23年度決算は、約20%の水道料金値上げが年間通して市民に圧迫をもたらし続けました。また、この値上げにともない、一般会計から2億の財政投入、1億の借り入れがおこなわれ、水道事業会計を支えなければいけないというものでした。

 

第二に、これほど厳しい水道事業経営なのに、必要性もなく実現性もない、石木ダム建設事業推進に財政投入した決算になっています。

 

第三に、これほど値上げで市民負担、一般会計から年間3億の支援を受けなければならないのに、100億を超える北部浄水場統合事業に着手し、23年度本格的施設建設に踏み切った決算になっています。大手巨大企業に儲け口を提供するためではなかったのか、その疑惑の声が広がっているのも当然です。

 

9月議会冒頭議案質疑を行いました。明らかになったことはほんとうにひどいものでした。

石木ダムを必要とする水需要予測値は、一日平均配水量は、日量8万4901トンとされていました。決算値(実績値)はどうだったのか。日量7万1153トン、その差1万3748トン、約2割の見込み違いです。

では一日最大配水量はどうか。予測値は、日量10万5730トンでした。その予測に対し、決算値8万240トンにすぎませんでした。その差日量2万5490トンにまで拡大。25%の見込み違い。

有収水量は予測値は7万2336トンに対し、決算値6万2345トンにしかなっていません。その差9991トン、14%の見込み違い。給水収益額に換算すると、8億3千万円もの損失です。正しい予測値であれば、59億6400万円の給水収益があがっているはずなのに、決算における給水収益は51億3000万円にとどまっています。8億3000万円の大きな違いです。

この事実の前に、たまらず水道局長は「単年度、単年度の予測値が正しいとはいっていない」ととうとう石木ダム必要性の土台になる水需要論の誤りを部分的ではあっても認めることになりました。それでも水道局長は「将来的には必ず予測値は正しいものと確信している」となお、土俵際で踏ん張る見解を表明しました。将来的な予測値、それは平成29年度が最後の予測値です。その数値が正しいと言い切ったのですが、それが検証される時は、刻一刻と迫ってきます。

 

もうひとつ、決算が明らかにしたもの、渇水対策がきわめて意図的に行われ、「いかに佐世保の水不足が慢性的構造的なものかと世論誘導行ってきたものか、明らかになりました。

昨年8月10日、少雨により、川棚川からの安定水利権1万5000トン取水できない日が何日もあるということで、渇水危機の記者会見を行いました。

① 川棚川からの取水実績を聞くと、平均日量1万2000トン、1万3000トンもあること。

② 8月10日の下の原ダムの貯水率87%、貯水量191万トンあったこと。

③ 南部水系で市民の使用する水量は、日量2万7000トンであること。

これらの事実を確認しました。それでは川棚川からの取水を一滴も行わない、雨も全くふらなかったとしても下の原ダム貯水量でもって、71日間、2カ月以上も持ちこたえることができる。

現実には、少なくとも川棚川から1万2000トンは取水できているわけだから、これも考慮すれば、何と120日を超えて余裕がある、4カ月も余裕があるのに、なぜ渇水危機をあおらなくてはならないのか。

 

電力が足りないといって、原発再稼働を迫ってきた構図と同じように、水が不足してたいへんとあおって石木ダム建設促進をはかる行政のゆがみは極限に達したといっても過言ではありません。

 

誤った情報発信が多くの人に重大な影響を与えています。

たとえば、9月6日「水の日」パレードが行われました。その時の出発式で、議会代表は次のようなあいさつをされました。

① 確保できている水源は日量77,000トンであるが、その中の15,000トンは河川から取水しなければならないという不安定水源である。

② したがって、安定的な水源という観点に立ったときに、本市の水の実力は77,000トンをはるかに下回る状況にある。

③ 市民が使っている水量は、今の時期、一日約8,000トンである。

④ したがって、日々、水不足という状況で推移していると言わざるを得ない。

 

なぜこんなでたらめ発言が堂々とまかり通るのか不思議でなりません。

第一に安定水源7万7000トン以外に、水道局が不安定水源とネイミングしている水源日量2万8500トンもあり、どんなに渇水のときだって、日量1万5000トンは実際に取水している、したがって、佐世保市の実力は、控えめにみても最低でも日量9万2000トンはあるという事実を、水道局が公表しないからです。公表したら、石木ダム建設必要論の根拠が失われるからです。

 

第二に、決算が示したように市民が毎日使っている水の量は7万1150トンでしかありません。議会代表の発言8万トンという数字は、水道局が予測値であげている8万4000トンという数字、しかも「この予測値は正しい、正しい」と水道局が言い続けているから「7万トンしか使っていないのに、8万も使っている」という錯覚につながっていると、思われます。ここでも真実を隠さないと石木ダム建設の根拠を失うからです。

 

「石木ダムは市民総意だ」とか、いってのけるために、促進市民の会をつくりあげたり、通常業務をやめさせてまで、市職員を組織動員しての市民総決起集会を行うなど、常軌を逸したことを行ってきました。

 

問題の根源は、何が何でも石木ダム建設ありきという市長の態度です。任命権者の市長に追随する水道局長の責任も重大です。あなたがたが事実を発信しないから、惑わされた市民がまた不名誉な態度をとってしまうという罪つくりになっていることを、明らかにしたのが第93号、94号議案です。9月11日付長崎新聞コラム欄は「水道局が試算する将来の水需要は、近年の水使用量と比べて大きい。『水を大切にする日』ぐらい派手なパレードでなく、佐世保の現状を冷静に見つめなおしてもいい」と論評を行いました。全く市民目線の率直な指摘であることを申し添え、反対討論を終わります。

 

 

ボイス・ユア・チョイス2012 

「パタゴニア」と聞いたとき、

私は確か南米のどこかの地名だよな〜と思っていたら、

そのパタゴニアは、国際的な企業の社名でした。

釣り、登山、スキー等々様々なアウトドアスポーツのための衣料品のお店。

本社はアメリカのカリフォルニアにあり、日本にも直営店が、18店舗ほどあるようです。

 

「パタゴニア」は社をあげて、環境保護活動に力を入れているそうで、

現在、Voice Your Choice (ボイス・ユア・チョイス)という環境助成プログラムを実施中です。

地域で活動する環境保護団体のことを、来店するお客さんに紹介し、

助成したい団体への投票を呼びかけています。

各店舗で、それぞれ2つの環境保護団体を選出し、

投票獲得数が多かったほうに20万円、少なかった方には15万円が助成するそうです。

 

なんと!その助成先に当団体が選ばれました

http://voiceyourchoice.jp/

ここにアクセスすると、その助成先団体についての日本地図があります。

34番をクリックしてみてください。

「石木川まもり隊」のページが出てきます。

 

「パタゴニア福岡」さんが推薦してくださいました。

そのお店はこちらです。

http://www.patagonia.com/jp/patagonia.go?assetid=23944

 

福岡にお住まいの方で「石木川まもり隊」を応援してくださっている方は、

是非お店を覗いてみてください。

長崎県内の方も、お買い物などで福岡にいらしたときは、

ついでにお立ち寄りください。

投票期間は10月3日までです。

何も買わなくても投票できます。

 

よろしくお願いします。 

 

どっち?

昨日の新聞に促進パレードのことが報道されました。

石木ダム:建設促進、横断幕掲げ行進 反対市民、パレード中止訴えビラ−−佐世保
毎日新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120907-00000204-mailo-l42

「水を大切にする日」 石木ダム、賛否訴え
長崎新聞
http://www.nagasaki-np.co.jp/news/ishiki/2012/09/07091923.shtml

 

どちらも、市側の集会&パレードの内容と反対市民によるチラシ配りのことが書かれています。

そのチラシとはこちらのこと

1時間ちょっとで、700枚配布しました。

(新聞記者さんには間違って600枚と伝えてしまいました。700枚が正しい数です)

いつものように、拒否する人、避けて通る人、気持ちよく受け取る人いろいろですが、

終わってから、仲間の一人がこんな感想をMLに寄せてくれました。

 

チラシを渡そうとしたら 受け取らずに

「私は石木ダムに反対」と言って通り過ぎようとした方がありました。

「石木ダム反対のビラですよ」と言ったら、立ち止まって受け取られました。

 

別の仲間は、そのメールを読んで、こう伝えてくれました。

私も渡そうとしたら同じように

「私は石木ダムには反対」と言って受け取られなかった女性の方がいらっしゃいました。

「反対のビラです」と言ったのですが、結局受け取られずに行かれました。

同じ方かも知れませんね?

 

私たちは、チラシを渡すときに、渡しやすいよう、また受け取りやすいようにと考えて、

A4サイズのチラシを2つ折りにして、A5サイズにして渡していました。

こんな感じになります。

通行人の方から見れば、タイトルの「水を大切にする日」と「石木ダム」が目に付き、

ダム推進派のチラシだと思われたのでしょう。。

 

私も配布していて、同様の誤解を感じました。

これは何のビラ?水を大切にする日?それがどうしたの?

ああ、石木ダムね・・

で、賛成と言いたいのかしら?反対なのかな?どっち?

といった感じの一瞬の戸惑い。

そんな雰囲気を感じたら「私たちは石木ダムに反対しているんです」と言ってみます。

「そうでしょ?いらないよね?私も前からずっと要らんと思ってました。頑張ってください」

と嬉しい反応が返ってくることもあるし、

「え?反対?じゃ要りません」とチラシを返される方もいるし、

「どうして要らないんですか?水不足になると困るでしょ?」と反論される方もいるし・・

そういう方の話を聞くのは、とても参考になります。

ダム賛成派の市民の本音が聞けるから。

 

一昨日出会った賛成派の方は、元市議会議員さんでした。

反対派だと知って、チラシの受け取りは拒否した上で

  私はあなたたちよりも石木ダムのことはよく知っている、

なぜこの問題が何十年も続いているのか、あなたは知っていますか?

あ、そう?まだ佐世保に来て4年で昔のことは知らないんだね。

それはね、強制測量という手荒なことをやってしまったから住民を心底怒らせてしまった。

それが拗れて尾を引いているんですよ、感情的な問題。

当時の高田知事の失敗だ。

彼の前は久保知事と言って、久保さんは住民の気持ちがわかる人だった。

あの人がどうやってミノシマに長崎空港を造ったか・・・

と、ひとしきり昔話をされ、

その久保知事のやり方をそばで見ていたはずなのに、高田知事は何も学ばなかったんですよ。

だから未だに石木ダムができないんですよ。

と結び、去っていこうとなさったので、

昔の経緯はわかりました。で、これからはどうなんですか?

水需要はどんどん減っているし、人口も減る一方だし、もうダムは必要ないと思われませんか?

と質問すると、

それは、そう簡単にはいかないでしょう。今減っていてもまた増えるかもしれないし・・

そこで、そのような予測でダム事業に参画し、結局水余りでダムからは一滴も取水せず事業費の負担だけが重くのしかかっている他都市の例などを説明すると、

ほー、そうですか。それはまずいですね。

ダムに頼らない身近な対策、雨水利用や再生水の普及、ため池の活用などの話も少し伝え、

とにかく帰られたら、このチラシを読んでみてください、と渡しました。

はじめは受け取りを拒否してた方が、

わかりました。読んでみましょう。

と持ち帰ってくださったのは、とても嬉しいことでした。

 

水を大切にする日2012

9月6日午後6時、島瀬公園には大勢の人が集まっています。

いかにも仕事帰りのサラリーマン風の人々が・・

「佐世保市PTA連合会」「佐世保市商店街連合会」などのプラカードが見えます。

右にカメラを振ると・・

水を大切に・・の文字が見えます。

そう。今日は佐世保市の「水を大切にする日」です。

平成6年の大渇水のとき、市内全域が給水制限に入った日です。

この時の苦労を忘れないで、限りある資源の水を大切に有効に使いましょう〜

という日のはずですが、

幟に見えるのは、「石木ダム建設は市民の願い」とか「石木ダム建設にご理解とご協力を」???

その横断幕の前で、マイクを握っているのは、

石木ダム建設に誰よりも執着なさっているかに見える佐世保市長さん。

続いて、長崎県議会議長や佐世保市議会議長、石木ダム建設促進佐世保市民の会会長代行・・

などの挨拶がありました。

どなたも、いかに佐世保が水不足で困っているか、

地元地権者の方々の苦しいご心中は十分察せられ申し訳ないが、どうぞご理解を・・

といった内容で、想定通りでしたが、市議会議長の発言にはビックリしました。

彼はこう言ったのです。

 

佐世保が確保できる水源は日量77,000トンと言われていますが、

その中の15,000トンは河川からの取水です。

安定的な水源確保の観点に立てば、本市の水の実力は77,000トンをはるかに下回るのです。

しかし、使われている水の量は、今の時期、一日に約80,000トンです。

つまり、日々水不足なのです。

 

この話を聞いて私もギョッとしましたが、

さすがに後ろの方から「嘘つくな!」との声が聞こえてきました。

そうです。この話の中にはいくつもの嘘というかマチガイがあります。

 

1.現在の佐世保地区の水源は、77,000トンではなく105,500トンです。

  なぜなら、その77,000トンの水源以外にも毎日取水できている場所があり、

  その取水所での最大取水量もプラスすれば、105,500トンになるからです。

2.77,000トンというのは水道局がかってに名づけた安定水源の量です。

  水道局が安定水源は77,000トンと言っているのに、

  部外者の議員さんがかってに安定水源の量を変更していいのでしょうか?

3.その中の、つまり77,000トンの中の15,000トンが河川水とおっしゃってますが、

  その中の河川水は21,600トンです。残り55,400トンがダムの水です。

4.今の時期の使用水量は約80,000トンと言われましたが、

  水道局のホームページをご覧下さい。

  昨日の配水量は、71,820トンと記されてますよ。

  つまり安定水源77,000トンで足りているんです。

  議長さんがおっしゃるように日々本当に足りてなければ、不足分はどこから持ってきてるのですか?

  全くデタラメな数字を自信有りげにおっしゃらないでくださいね。

  思い込みが激しい方なのか? わざとデタラメな数字をおっしゃったのか?わかりませんが。

 

6:40頃、楽隊を先頭にいよいよパレードに出発です。

あら〜!

新しい横断幕ができましたね。

「水不足は続いています 今までも これからも」

さきほどの市議会議長さんの話のエッセンスですね。

うまい表現ですね。誰がこんなキャッチフレーズを思いつくんだろう・・

 

うまいけど、ウソです。

今も水不足じゃないし、これからはますます水は十分な余裕が出てきます。

今より人口が減るんですから。

今よりも節水機器が普及していくんですから。

 

会場ではこんな素敵なうちわを配っていました。

シンプルでいいですね〜

 

このうちわのように、わかりやすい企画を、来年こそはお願いします。

「水を大切にする日」には、水を大切にしよう!という意味をこめたキャッチフレーズを考えてください。

水を大切に使う方法、工夫例を紹介してください。

節水に努めた家庭や企業を表彰するのもいいかもしれませんね。

少なくとも、水を大切にする=石木ダム、ではないはずです。

 

動員された皆さま、お疲れ様でした〜

 

集会の一部始終とパレード出発の様子 

 

なぜ遅れているのか?再評価委員会

8月28日、私たち「石木川まもり隊」と「水問題を考える市民の会」は、

まもなく開催される「水を大切にする日」に「石木ダム建設促進パレード」をするのは止めてほしい、

趣旨に合わないし、「水を大切にする」ためにやるべきことは他にある、

と水道局に申し入れに行きました。 

それについては、8月29日の長崎新聞が伝えています。

http://www.nagasaki-np.co.jp/news/ishiki/2012/08/29090515.shtml

 

この記事の最後の方で、再評価委員会についても触れ、次のように書かれています。 

 

 また、同市の水道施設整備事業を再評価するため、厚生労働省が本年度の

開催を義務付けている第三者委員会(再評価委)について、同局は「開催時期

や委員選考はまだ検討中」と説明。市民団体のメンバーは取材に「再評価委で

水の需要予測と実際使用量のずれが明らかになるはず。市は石木ダム計画の

前提が崩れることを恐れ、開催を先延ばしにしている」と指摘した。

 

再評価?第三者委員会?初めて目にした方は何のこっちゃ?と思われますよね。

これについて少し説明します。

 

石木ダム建設事業は長崎県と佐世保市の共同事業ですから、佐世保市も事業費を負担しています。

その巨額の負担費を軽減するために国の補助を受けています。

佐世保市の場合、水道用水確保のために石木ダム事業に参画するのですから、

水道を管轄する国の機関である厚生労働省(厚労省)に補助金をお願いすることになります。

 

厚労省は、補助する事業が本当に必要な事業なのかどうかチェックする必要がありますから、

第三者による5年ごとの再評価をやってもらうよう、事業者に義務付けています。

これが再評価委員会です。

 

石木ダム事業の場合、佐世保市は平成19年度に再評価を実施しましたので、

今年度が再評価の年度です。

 

過去の事例を見ますと、そろそろ第1回目の委員会が始まってもいい頃なのに、

公募委員の募集のお知らせもありません。

で、どうなっているのかお尋ねしたところ・・・

 

  まだすべて検討中で、お答えできる段階ではありません。

なぜそんなに遅れているのですか?

  国交省のダム検証があって・・

それは、もう昨年の7月に国へ報告し終わってますよね?あれから1年以上経ってますよ。

  でも、国からの回答が遅れていたので・・

その国の回答も6月11日に届いたじゃないですか。2ヶ月半、何をなさっていたのですか?

それに、国交省のダム検証と厚労省の再評価は全く別のものでしょう?

  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

あのー、本当に今年度中に再評価を実施するんですよねぇ?

  そこを・・いや、それも含めて再評価自体について検討しているところで・・

 

なんと!今年度実施するかどうかも含めて未だ検討中とのことでした!

なぜ実施するかどうか迷ってるのでしょう?

実施しないと補助金はもらえないのに…

 

 

やはり、この現実を評価されるのが怖いのでしょうか?

5年前に出した予測がこんなに外れてしまった・・

実績値(青線)推計値(赤線)のあまりにも大きな乖離。

29年度の推計値をどうやって信じろと言えるでしょう?

この数値がデタラメだとわかれば、石木ダムの必要性は崩れてしまうのですから。

 

皆さんの苦しいお立場はお察しします。

でも、現実は現実。きちんと認めてください。

事実は事実。正しい情報を提示してください。

そして正々堂々と第三者の評価を受けてください。

 

さあ、時間がありませんよ。急いでくださいね〜

 

荒瀬ダム撤去開始!

現地の皆さんが待ちに待った荒瀬ダムの撤去が、いよいよ始まりました。

住民の方々はきっとワクワク、ドキドキでしょう。

なにしろ、日本発のダム撤去ですから。

嬉しい半面、何が起こるかわからない…そんな不安もあるでしょう。

でも、とにかく清流球磨川の復活を期待して、皆さん、万歳三唱なさったそうです。

 

毎日新聞の記事を貼り付けます。

http://mainichi.jp/select/news/20120901k0000e040167000c.html

 

荒瀬ダム:熊本で撤去工事始まる

毎日新聞 2012年09月01日 10時55分(最終更新 09月01日 12時01分)

 河川法で定義されたダム(高さ15メートル以上)では全国初となる熊本県営荒瀬ダム(同県八代市)の撤去工事が1日始まった。18年3月まで6年かけて撤去する。事業費は約88億円で、うち19億円の国負担を見込む。県はダムがある球磨川の清流復活を目指し、上下流9地点を中心に環境モニタリング調査も行う。

 撤去は、ダム湖にヘドロがたまり、悪臭などの環境が悪化したため地元が要請した。作業は1日午前8時、地域の生活道路でもあったダム管理橋の封鎖で始まった。施工業者の現場責任者の合図で、作業員が鉄パイプの柵を管理橋の両端に並べた。当面は資材置き場の整備など本格着工に備えた準備工事が続く。

 現場には清流復活を求め、長年ダム撤去を要望してきた地元住民らも訪れた。02年、合併前の旧坂本村議会に地元の請願を提出した元村議、元村順宣(よしのぶ)さん(75)は管理橋の欄干に酒をかけて別れを告げた。「発電用ダムとして県の発展に寄与してくれたのも事実。ありがとうと伝えた。工事が無事終わって昔の美しい川が戻ったらうれしい」と話した。【取違剛】

 

1954年に完成した荒瀬ダム。

総工事費は26.5億円。(http://kawabegawa.jp/tr/arase/gakusyuukai-arasekeii1.pdf

発電用として建設され、当時は経済成長に必要なダムだったのでしょう。

が、自然破壊のデメリットはあまりにも大きく、年々住民を苦しめるようになったようです。

水質悪化で、アユなどの魚がとれなくなり、観光客は激減、

大雨が降ると、以前よりも水害はひどくなり、

近年はダム湖に堆積したヘドロの悪臭に悩まされ…

村も村民も県に撤去を求め、

10年前に当時の瀬谷義子知事が撤去を決めたのでした。

蒲島知事になって様々な紆余曲折がありましたが、ようやく実現。

 

それにしても…

建設に要したのは26.5億円で撤去には88億円もかかるという意外な事実。

 

長崎県も他人事ではありません。よくよく考えて欲しい。

石木ダムも建設するときの事業費は、

県負担分の半分を国交省から、佐世保市負担分の3分の1を厚労省から補助してもらえるでしょうが、

撤去の時は国はアテにできないようですよ。

荒瀬ダムのように、造るときの3倍以上の費用がかかるとすると、

285億円の3倍以上だから…約900億円!?

そんなお金を国に頼らず、県や佐世保市だけで用意できるのでしょうか?

まあ、知事も市長もその頃はもうご存命ではないでしょうから、知ったこっちゃないとお思いでしょうが、

50年後100年後に、その処理をさせられる知事や県民のことを考えてください。

私たち県民市民も、ツケを未来に残すやり方は、そろそろ考え直しましょう。

そんな政治家に1票を投じるのは、そろそろ止めましょう。

 

石木ダム市民アンケートについて

 

これは、8月25日、西日本新聞の記事です。

私たちが行った街頭市民アンケートの結果についての報道です。

 

アンケートを行ったのは5日で、すぐに集計し、結果はまとめていたのですが、

あらためてマスコミへのお知らせなどはしていませんでした。

96人ほどのデータでは、あまり信ぴょう性がないと無視されるだろうと思っていたからです。

 

しかし、21日の市役所前チラシ配布活動の後、そのチラシを記者クラブへも配布しました。

その際、チラシの中に書いていたアンケートについての資料として添付していたのですが、

それをしっかり見てくださった記者さんがいたというわけです。

 

そして、その数日後の30日には、読売新聞が伝えてくれました。

こちらは、記事を見た方が、わざわざワードに転記して送ってくれましたので、それを貼り付けます。

 

2012年8月30日 読売新聞 佐世保版

 

石木ダム建設 6割「必要ない」

      佐世保で市民団体アンケート

 

 県や佐世保市が計画している石木ダム(川棚町)の建設を巡り、反対派地権者を支援する市民団体「石木川まもり隊」(松本美智恵代表)は、佐世保市民を対象に行ったアンケートの調査結果をまとめた。ダム建設については6割近くが「必要ない」と答えた。今後も調査を続けて民意を集約し、計画見直しを求める考えだ。

 調査は5日、同市中心部の四ヶ町商店街で実施。まもり隊のメンバーらが通行人に協力を求め、96人から回答を得た。

 ダム建設の是非を問う質問では、「必要ない」が57.3%(55人)を占め、「必要」は27.1%(26人)、「わからない」は15.6%(15人)だった。

 地権者の土地を強制収用してでも建設すべきとの意見は11人で、全体の11.5%だった。

 建設理由の柱に挙げられている佐世保市の渇水問題に関しては、「水不足だと思わない」が59.4%(57人)で、「思う」の33.3%(32人)を大きく上回った。水不足の解消策として、雨水利用や漏水対策、節水などを挙げる声が多かった。

 松本代表は「どうしてもダムがほしいという市民は少ないと思う。今後も調査で市民の意向を把握して、活動の参考にしたい」と話している。

 

マスコミの皆さんも、きっと市民の本音に関心があるのでしょう。

佐世保市民は本当にダムを必要としているのか?

本気でそれを望んでいるのか?

私たちもそうでした。

でも、行政側の凄まじい宣伝力(新聞、テレビ、広報紙、バスの車体広告、推進パレード等)に気圧されて

洗脳されている市民も多いはず、必要の声が不必要を上回っていたらヤバイ・・・

そんな弱気が働いて、なかなか実施できずにいました。

 

でも、思い切ってやってみて良かった。

お上の宣伝に惑わされず、現実をしっかり見ている市民は意外に多かった…

それがわかって嬉しかったし、正直なところ少し驚いてもいます。

記者さんたちもきっと同じように驚かれたのでしょう。

だから、興味を持って取り上げてくださったのでしょう。

 

またいつか、時期を見てやりたいと思います。

佐世保市民の皆さん、今度はあなたに尋ねるかもしれませんよ。

その時は、ホントの気持ちを教えてくださいね。