荒瀬ダムと球磨川

荒瀬ダム撤去記念イベント“荒瀬で遊ぼう”当日。

前日に続きいい天気!

土手の上の桜も満開!

人々は何を見ているのでしょう?

河原でもみんな何かを見つめています。

その視線の先にあるものは…

カヌーレース?

いえいえ、河童レースです。

川面に浮かぶ黄色の小さな点々が見えますか?

あれは河童の人形。

これです。

河童レースのチケットを買うと、そこには番号が印字されていて、

この河童ちゃんたちの足の裏にも番号が貼ってあります。

ゴールインした順番にその番号が記録され、午後からの表彰式で発表。

たくさんの賞品が用意されていました。

河原には、こんな河童さんもいて、子どもたちの人気者。

会場の一角に展示された作品もお見事でした。

 

たくさんの河童たちが、ありがとう!と言ってます。

「荒瀬ダム」ではなく「荒瀬無駄」撤去工事が始まるのを歓迎しています。

一体一体、形も表情も違う河童たち…すごい!可愛い!面白い!

式典が終わると、昨夜に続いて、今日もあちこちから美味しそうな匂いが…

 

河童レース終了後、夫と私は車で上流へ向かいました。

初めて見る球磨川をもっと知りたくて…。

やはり、上流の球磨川は青かった!

それにしても大きいなぁ。佐世保の川とは大違い。

運良く、橋を渡るSLにも遭遇!

流域にはたくさんの桜が、春を謳歌するように咲いていました。

この辺は流れが速いな〜と思っていたら、急流下りの船がやってきました。

乗ってみたかったけど時間がなくて・・・残念!

 

急いで会場に戻り、熊本名物の「だご汁」の昼食を食べ、いよいよエコツアーに出発。

「自然観察くまもと」の皆さんのご案内で、瀬戸石ダムから球磨川を下って行きました。

 

これが瀬戸石ダム。

荒瀬ダムの上流7kmほどのところにあるダムで、やはり水力発電用のダムです。

魚がのぼりやすい魚道が整備されていると

「ダム便覧」には書かれていますが、

この魚道が親アユの降下を阻害していると

専門家は指摘しています。

 

 

 

こちらは荒瀬ダム。

ゲートは昨年から全開。水の色が瀬戸石ダムとは全然違います。

 

荒瀬ダムの魚道はこちら。

つづら折りのなんとも長い道のりです。

これらのダムができてから、アユが激減、当然釣り客も激減しました。

ダムができると観光客が増えますよ〜との説明を真に受け、

保証金でりっぱな旅館を建てたけれど、実際は真逆。

旅館業は成り立たず、ただの住居になってしまったというお宅です。

 

しばらく下流に向かうと見えてきたのが「遥拝堰」(ようはいぜき)

歴史のあるりっぱな堰ですが、高橋先生によると、ここの魚道は最悪だそうです。

魚が魚道に辿り着けない無意味な魚道だとか。

漁協の人もそう言ってました。

 

こちらは、さらにその下流にある「球磨川堰」

ここの魚道にはアユがたくさん遡上していました。

 

上段の右側黒い部分はアユの稚魚の群れです。

この稚魚をネットの中に誘導し、掬いあげ…

車に乗せて、球磨川上流へ放流するんだそうです。

詳しい作業の様子と、アユたちのその後については、こちらのサイトをご覧ください。

http://kumagawa-yatusirokai.cocolog-nifty.com/blog/2011/11/1-1ebc.html

 

そういう努力の結果、なんとか今でも球磨川でアユ釣りができるのでしょうが…

でも、それでいいのでしょうか?

稚アユたちは、苦労せずに(楽しまずに)川の上流に辿り着いていいのでしょうか?

人間によって運ばれたり、孵化させられたり、そうして生きているアユが

「天然アユ」なのです。

 

高橋先生がおっしゃっていた「野生のアユ」の意味がやっと理解できました。

 

かつての美しい流れの中で、生まれ育ち、川と海を自力で行き来する…

そんな日が訪れたら、アユたちはどんなに幸せでしょう。

それはまた、人間の幸せにも繋がると思うのですが…

 

荒瀬ダム撤去〜前夜祭〜

荒瀬ダムは、発電目的で熊本県八代市(旧坂本村)に造られたダムです。

1953年着工1955年竣工。
1年半ほどで完成したのに、撤去にはなんと6年もかかるそうです!

また総工費は26億円だったのに、撤去費は90億円だとか!?

それほどの費用をかけてもダム撤去が決まったのは、

水質汚濁、アユなど漁獲量の激減、悪臭、甚大な水害などなど、住民にとって耐えられない邪魔な存在になってしまったからです。

ダム撤去が決まった昨年からゲートは全開。

いまではこんなにきれいな水が流れていますが、以前は臭くて淀んだ水だったそうです。

 

さて、この日本初のダム撤去を記念して、3月31日と4月1日の2日間にわたってイベントが開催されたので参加してきました。

 

まず参加したのは、講演会「球磨川とアユの再生を考える」

河川生物調査事務所代表の高橋勇夫先生は、高知県奈半利川における天然アユ再生の事例を紹介しながら球磨川の場合の可能性や問題点について、わかりやすく話して下さったはずですが、球磨川についても、魚や釣りについて何の知識もない私には理解できないことも多々あり…。

それでも唯一分かったのは、ダムがいかにアユの生育を阻害しているか、でした。

ダムができたことによって、直後から半分は減少します。

川が分断され、水の流れが減少するからです。

その後、ダムの影響で河床が劣化したり水温が変化したりすることによって、さらに減少します。

魚道の問題も大きいようです。

 

参加者からは多くの質問が出され、真剣さや熱意が伝わってきました。

清流球磨川の恵みを受けて、漁業や釣り客相手の仕事を生業として生活してきた住民にとっては当然のことでしょう。

なんとかアユを球磨川にとりもどしたいという思いがひしひしと感じられました。

この強い思いが知事や国を動かしたのですね…

 

さて、夕方からは、「道の駅 坂本」横の河原で前夜祭です。

撤去を勝ち取った人々の顔には笑顔があふれていました。

こちらは元坂本村の村長さん。

村長さんも村議会も全会一致で荒瀬ダム撤去を可決し、住民と共に力を合わせてこられたんですね。

話を聴きながら女性たちが作っているのは今夜のご馳走。

シシ汁に、里芋・トーフ・こんにゃくの田楽、鹿の刺し身、などなどごちそうがいっぱい。

もちろんこれ、アユの塩焼きも!

かつては「石を投げるとアユに当たる」と言われたほどアユが捕れていたって?!

しかし今は激減、参加者全員に行きわたるほどはありません。

でも、私たち遠くからの参加者には優先的に権利が与えられ、有り難く頂きました。

とても美味しかったです。

 

地元の方のお話の中で心に残ったのは水害の話。

「昔は水害なんてなかった。洪水はあったが、水が引いて乾けば床の上にザラザラと砂が残っているので、それを掃き出して終わり。無精者はたまに掃除がでけて良かことじゃ言うとった」

「ところが荒瀬ダムができてからは、全く違う。押し寄せる速さが違う。畳を上げる間もない」

「水が引いてもヘドロがいっぱい残って、臭くてやりきれん。二度と水につからんように嵩上げしたり、他の土地に越して行ったもんも多い」

 

また、蛍の話も…

昔は蛍が乱舞していた。

時期になると蛍を見に来る特別列車も走った。

「今は?」と訊くと、「今はほとんどいなくなった。エサになるカワニナが激減したから」という。

「どうして?」と訊くと、「たぶん護岸工事のせいだろう」と。

 

いなくなってからでは遅いのですね。

石木川にはまだまだたくさんの蛍がいます。

まだ間に合う。

今気付けば間に合うはず…

 

 

ダム計画を中止させた高校生たち

「コア渓谷とシエガベルデの先史時代の岩絵」ってご存知ですか?

世界遺産の1つです。

私は昨日たまたま観ていたNHKのテレビ番組で知ったばかりです。

コア渓谷はポルトガルにあり、シエガベルデはスペインにある、どちらも先史時代の岩壁画です。

特にコア渓谷には、世界最大級の広さで、さまざまな時代の岩絵が1000以上点在するそうで、

最も古いものは、2万5000年も昔のものだと言われています。

馬、鹿、牛などの動物が生き生きと描かれ、人類初期の作品としてとても貴重なものです。

ところが、当初ここは水力発電用のダム建設が計画されていて、

これらの岩絵は水底に沈む運命でした。

しかし、この岩絵の価値をしった地元の高校生たちが立ち上がり、署名運動を展開。

わずか3週間で11万人もの署名を集め、まわりの大人や政府を動かし、

ついにダム計画を止めてしまったのです。

 

大切なものを守るには、まず知ること、気付くこと。

そして、それを守るために、どれだけ真剣に行動するか・・・ということですね。

 

田んぼダム その2

以前、田んぼダムについて書かれた新聞記事をご紹介しました。

https://ishikigawa.jp/blog/cat11/542/

その田んぼダムについて、新潟県の取り組みがよくわかるサイトを教えて頂きました。

http://www.pref.niigata.lg.jp/niigata_kikaku/1245009683025.html

http://www.pref.niigata.lg.jp/nochikensetsu/1285704028085.html

 

農家のメリット 
・たんぼに水をたくさん貯めるので、転作田から水をどんどん流しても排水路に水があふれません。
・転作田を完全に排水できるので、転作農作物を保護します。
・安心して転作することができ、転作率の向上が期待できます。
・水が地域内にあふれなくなり、特に果樹農家の多い白根郷では、果樹の保護につながります。
・たんぼの乾かしすぎを抑えるので、コメの品質向上にも貢献します。

都市住民のメリット
・たんぼに水を貯めると夏場の「水打ち」と同じ効果で周辺の気温が下がり、ヒートアイランド現象を防止する効果が期待できます。
・ゲリラ豪雨にも「たんぼダム」は対応します。我々のたんぼで約200〜300万トンの水を貯めるので、市街地の浸水を防ぐ効果が期待できますよ!
・動植物がたんぼ周辺に戻ってきました。特に、カエル、コブナ、どじょう、メダカ、タニシが増え、昔ながらの田園風景が楽しめます。
 これらの水生生物は、かつては用水路でよく見られたものです。これを餌にする「サギ」がしょっちゅう飛んできます。
 「トキもつられて来ないかな〜」なんてみんなで言っています(笑)

 

などと、いいことばかり書かれています。

ほんとかな〜?と半信半疑で読んでいましたが、

この田んぼダムに取り組んだ農家の方のアンケート結果が、それを証明していました。

http://www.pref.niigata.lg.jp/nochikensetsu/1262661363832.html

田んぼダムの洪水対策効果は、「ある」と「多少ある」合わせると97%が認めています!

また、田んぼダムをやることで稲作への不都合は74%が「なかった」と答え、

今後も89%の農家が、引き続き田んぼダムに取り組みたいと答えています。

 

農家にも都市住民にもメリットがあって、

もちろん、田んぼに住む生き物たちには嬉しい環境の復活です。

デメリットだらけのコンクリートのダムとは大違い。

これを学ばない手はないと思うんですが、

川棚町の皆さんはどう思われるでしょう?

 

「週刊金曜日」にも登場!石木ダム

ついに出ました「週刊金曜日」3月2日号!

いえ、もちろん、本誌は3月2日に発売されています。

そこに掲載されている記事が、やっとネット上で公開されたのです。

(といっても公開されたのは13日で、私が知るのが遅すぎたのですが…

 

5ページ『金曜アンテナ』のコーナーに、流会になった有識者会議の記事が掲載されています。
http://www.kinyobi.co.jp/kinyobinews/?p=1741

筆者は、フリージャーナリストのまさのあつこさん。

以前このブログでご紹介し、この記事の予告もしました。
https://ishikigawa.jp/blog/cat11/553/

 

記事を読んで、すぐにここに転載したかったのですが、そこはホラ、著作権の問題があって・・・

というわけで、ちょっと気の抜けたビール?コーラ?みたいですが、

まあ、そこは気になさらずに…とくとご覧あれ。

 

あらためて、「河川ムラ」の住人(河川ゾンビとも言う)の実態に怒りが湧いてきますね。

 

政務三役や有識者も操る国交官僚——ダム予定地住民の傍聴退け会議を流会


傍聴を求める住民らに迫る国交官僚。もはや“河川ゾンビ”だ。(撮影/まさのあつこ)

 二月二二日、長崎県営石木ダム(川棚町)を含む四ダムの検証結果を審議する予定だった国土交通省の「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」(座長:中川博次・京都大学名誉教授)が流会となった。

 二二日当日は、石木ダムが議題であると知った予定地一三世帯の代表が上京。「半世紀反対してきた。たった二時間でどう審議されるのか聞きたい。審議を聞いて地元地域の人たちに報告しなければならない。傍聴させてください」と訴えて当局側と硬直状態になり、その結果流会した。

 同ダムは前農相の山田正彦民主党衆院議員(長崎三区)も「佐世保市の水需要は年々減っているからダムは不要。たとえ水需要があるにしても代替案はある」と反対の立場だ。山田前農相には「石木ダムができ、閉鎖性海域の大村湾に四万トンが流れなくなればナマコ漁が打撃を受ける。かつて郡川に萱瀬ダムができたことで、大村湾の漁に影響が出た」との知見がある。前日には国交省水管理・国土保全局長に代替案を渡し、傍聴も認めるよう求めたという。

 前農相によると、二四日に局長と治水課長が「座長が延期を決めた。代替案は座長を通じて各委員に渡している」と報告にきたという。しかし実際は、官僚が対応を協議し、流会も宣言されたことを筆者は確認している。

 会議では、諮問側の責任者である奥田建副大臣や津川祥吾政務官も傍聴を求める声に背を向け、出席予定だった前田武志国交大臣は姿すら見せなかった。

 昨年一二月、同大臣による八ッ場ダム継続の判断を後押ししたのもこの会議だ。二月の衆院予算委員会で前田大臣は、野田佳彦首相がダム中止の場合の生活再建法案提出や上位計画たる河川整備計画の策定を本体着工の要件としたことを認めたが、国交省政務三役も有識者会議も、もはや官僚の言いなりであることは明らかだ。

(まさのあつこ・ジャーナリスト、3月2日号)

2012年長崎県予算案への反対討論

本日、長崎県議会では2月定例会の最終日でした。

その本会議で、共産党の堀江ひとみ議員は予算案に対する反対討論を論じました。

その第一の理由が石木ダム予算です。

10億円を超える予算計上、その不当性、非実現性をきっぱり示しています。

 

 

石木ダム建設促進市民の会

この時期、国も地方も、どこでも来年度予算の審議がなされていますね。

佐世保市でも同じく。

その中で、「石木ダム建設促進市民の会」に100万円の助成金を支出することについて、

昨日、総務委員会で審議されました。

この団体に市は毎年150万円ずつ助成してきましたが、2010年度から130万円に減額、

さらに2012年度からは100万円にしようというのです。

減らすのは大いに結構ですが、でも、この助成金そのものに問題があるのではないでしょうか。

この資料をご覧ください。

今年度予算の資料です。

収入の部をご覧ください。

繰越金以外はすべて市の助成金です。

「市民の会」と言いながら、市民である会員は1円も会費を出していないのです。

すべて市から出たお金、つまり税金で賄われています

私たち、石木ダムは要らないと思っている市民の税金も入っているわけです。

それっておかしくないですか?

 

そのお金が何に使われているか見てみると、

「石木ダムは市民の願い」などと書かれた幟や横断幕、チラシなどの作成費。

一番大きな支出はバス車体の広告費72万円ですね。

他県の人から大いに顰蹙を買っているあのバスに書かれた「お願いしよう石木ダム」の文字です。

次に多いのが、バス・タクシーの賃借料30万円です。

市民ならマイカーで行きなさい!

バスやタクシーで行くなら、自分で出しなさい!

と、声を大にして言いたいですね。

 

私たち「石木川まもり隊」も、れっきとした市民の会です。

チラシも幟も自分たちのお金を出し合って作ります。

県庁に申し入れに行く時も、会議や調査で遠方に行く時も、全て自分で出します。

当たり前のことです。

どこからも助成金など出ませんから。

 

なぜ、ダム促進派には、助成というより、その活動費の全てを市が面倒みるのでしょう?

それは、市がダムを造りたいからでしょう?

佐世保市長はじめ市のお役人が造りたい(なぜだか知らないけど)、

でも、それをあたかも佐世保市民が願っているように見せかけたい、

それには石木ダム建設を促進する市民の会が必要・・・

だけど、市民の中からそんなものは自発的に生まれてこなかった、

それで、すべて市がお膳立てをして、お金も全額出しますから、名前だけ連ねて下さい!

それが実態なのではないでしょうか?

佐世保市民の皆さんはどう思われますか?

 

3.14団結大会決議文

昨日お伝えした「第33回 3.14団結大会」の決議文は、文字が小さ過ぎました。

きっと読みづらかったと思います。

作成者から原稿を送って頂きましたので、横書きにして以下に貼り付けます。

どうぞ、じっくりお読みください。

 

 

              決  議  文

 

 今年度はいいことがいくつかあった。

 一つ、「おまえの面(つら)は見とうもなか」と嫌われた朝長佐世保市長も、
動けない日々が続いている。私たちにとって、今年の正月は静かで良か正月
だった。
 

 二つ、付け替え道路工事ストップ続く。山は動かなかった。おそらく長崎県は、
平成二十一年度の補助金を国へ返還することになろう。無駄な予算消化にな
らずよかった、よかった。
 

 三つ、川棚、佐世保に続いて県庁所在地の長崎市でも石木ダム反対の拳
(こぶし)があがった。「石木川の清流とホタルを守る市民の会」が八月二〇日
に設立された。そして大きな成果をあげようとしている。私たちの運動を側面
から支えてくれる頼もしい仲間である。
 

 四つ、「本当に必要?石木ダムはいらない全国集会」大成功。市民が少し
ずつ反対を表明しはじめた。石木ダム建設反対全国集会の盛り上がりは、
普段の活動が全国の仲間に「励ましと勇気」を与えたということだろう。
「心を籠(こ)めれば人は振り向いてくれる」ことを強く感じた一年だった。
 

 五つ、国の有識者会議が流会した。傍聴は当然の権利だ。国交省の思い
どおりにさせてはならないと、楔(くさび)を打ち込んで、いよいよ石木ダム反対
運動も全国区だ。

 

 思うに、今まで私たちの闘いは、県や国の動きに合わせて行動してきた。
それは、後手後手の運動であり行動であった。これでは、石木ダム推進の動
きがいつまでも止まらない。先手、先回りの知恵と行動が必要だ。
「策(さく)無き者は少兵にも負ける」歴史が伝える戒めである。
一人一人の力は小さいが、知恵と策で必ず勝てる。この一年余りの間に感じた
「本当は石木ダムはいらない」という世論の拡大に自信を持とう。石木ダムは
建設の必要がないのだ。私たちが犠牲になる必要は全くないのだ。

 「人口減少社会」が到来し、佐世保市の人口も確実に激減する。
今のままでも、水は十分足りることになる。しかも借金財政にあえぐ日本、特
に長崎県はダム建設どころではないはずだ。
 

 反対運動の輪は広がり続けている。この輪を更に強固なものにするのは、
「決してこの土地を渡さない、この地を離れない」という信念である。
全国の闘う仲間と共に住民無視の石木ダム建設計画にしぶとく抵抗していこう。

「石木ダム建設計画白紙撤回」、明るい明日に向かって

右決議する。       

          2012年3月11日

              石木ダム建設絶対反対同盟 第33回3.14団結大会

第33回 3・14団結大会

今日は33回目の「3・14団結大会」の日。

3月11日、あの大震災からちょうど一年。

追悼の黙祷から始まった今年の団結大会では、

多くの来賓者が挨拶の中で、原発事故のことに触れました。

 

ダムも原発も本質は全く同じ。

経済発展と公益の大義名分のもとに、地方の暮らしや自然を破壊する。

より多くの電気や水を供給して、より多く消費させようとする。

リスクも被害も地方に押し付ける。

ふるさとを奪われるのはイヤだと反対する地権者を、金の力で黙らせる。

しかし、その手には乗らぬと半世紀にわたって反対を貫き通してきたのが、ここの皆さん。

川原地区に住む13世帯の皆さん。

この強い絆の団結大会、なぜ「3.14大会」というのか?

私も不思議に思っていたら、地権者の一人、ほーちゃんという若い女性が、教えてくれました。

「3.14」とは円周率にちなんだもの。丸い円が強い絆を表しているそうです。

な〜るほど。

「3・14」と思ってましたが、「3.14」だったのですね。

 

今年の3.14大会は、大震災の日と重なって、参加者はいつもより少なめでしたが、

(毎年参加なさってた映画監督&絵本作家の大西暢夫さんも、今日は宮城県東松島市だし…)

それでも、参加者は元気、元気!

地権者も支援者も、明るい気分で熱気ムンムンでした。

そのわけは…この決議文をご覧いただければ、きっと納得!

 

 

この決議文に参加者一同、感動でした。

京都から急きょ駆けつけて下さった今本博健先生も、石木ダムは絶対造らせてはならない。

私は科学者の立場で、これからも石木ダム建設絶対反対同盟の皆さんを支援し続けます。

と、力強くおっしゃって下さいました。

 

今本先生のメッセージは、こちらです。

 

         石木ダム建設絶対反対同盟 第33回3.14団結大会に寄せて

 

 石木ダム建設絶対反対同盟・ふるさとを守る会の皆さん。

 そして、支援のためお集まりされている皆さん。

 

 また、この日がやってきましたね。

きっと、皆さんは「来年こそは石木ダムが中止されていて、これからをどうするかを楽しく

話し合う日になっていてほしい」との思いでお集まりになっているのだと思います。

 

 しかし、現実はあまりにも厳しいと言わざるを得ません。

すでに、長崎県は石木ダムの検証を終え、「建設継続が妥当」との結論を出しました。

今後の治水対策のあり方に関する有識者会議は、岩下さんご夫妻の傍聴を求める声に

屈して一度は流会としましたが、強引に追認しようとするでしょう。

 

 長崎県知事中村法道氏にお聞きしたい。

あなたは本当に石木ダムが必要と思っているのですか。

石木ダムの治水効果は小さいです。川棚川の改修によって同等以上の治水効果が得られます。

今後の水需要を考えると新規の利水開発は不要です。

あなたは自らこのことを検証しましたか。部下の説明を鵜呑みにしているのではないですか。

 

 佐世保市長朝長則男氏にお聞きしたい。

あなたは佐世保市の水需要が増えると本当に思っているのですか。

佐世保市の水需要はすでに減ってきています。これからも減り続けるでしょう。

石木ダムをつくれば不要な利水のために佐世保市民に多大の負担をかけることになります。

それでもあなたは石木ダム建設を本当に推進しようとするのですか。

 

 川棚町長山口文夫氏にお聞きしたい。

川棚町にとってなんのメリットもなく、町民である水没地区の住民に犠牲を強いるだけの

石木ダムに本当に賛成するのですか。

 

 今後の治水対策のあり方に関する有識者会議座長の中川博次氏にお聞きしたい。

ダムに頼らない治水に政策転換を実現するために、新たな治水理念の構築を目的として

設置された貴会議が、規約にも示されないダム検証の片棒を担ぎ、真摯に議論することなく、

ダム検証の結果を追認しています。学者として本当に恥ずかしくないですか。

 

 そして国土交通大臣前田武志氏にお聞きしたい。

全国で無駄なダムがつくられようとしていることに本当に良心の呵責を感じませんか。

かつて席を並べて学んだだけに悲しいです。

 

 私はこれからも石木ダム建設絶対反対同盟の皆さんを支援し続けます。

 

                            2012年3月11日

                                         京都大学名誉教授 今本博健

 

 

さて、今日は、「3.14大会」に先立って、午前中は、石木川の清掃活動を皆でやりました。

河原に落ちているゴミを拾い、枯れ枝などを燃やし…

こちらでは男性二人が、しゃがみこんで草取りかな?

石木川も石木川のほとりも、もっともっときれいにしたい…

石木川は僕らの住む川原のシンボルだから。

「WE LOVE KOUBARU」と書かれた背中が、そう語っているようでした。

 

 

ダム検証の本質を突いた赤嶺議員

昨夜の衆議院予算委員会第八分科会[国土交通省)。

赤嶺政賢議員による石木ダム問題の追及に、多くの共感の声やメールが届いています。

なんと、「八ッ場ダムをストップさせる埼玉の会」のブログ管理人の方は、

半日もかけて!文字起こしして下さいました。

 
 
ぜひ覗いてみてください。
 
一部始終が書かれています。「えー」とか「あー」とかも。臨場感たっぷりです。
 
聴いただけではわからなかったことも見えてきます。
 
 
 
私が感じたことは・・・
 
1.官僚の得意技〜はぐらかし答弁や責任転嫁
 
2.民主党の弱点〜記憶力減退や信念欠如
 
 
おや?と思ったのは、津川政務官の発言
 
元々出来るだけダムによらない治水というものを希求する中で…
 
まさにこれまで建設を進めて来たかどうかと言った予断を持たずに、
 
一切の予断を持たずに検証していただくというのが大原則であります。
 
有識者会議の中でチェックをしていただく予定になっておりますが、
 
これはまさに共通的な考え方に基づいて検証がされたがどうかということであります。
その中には多くの幅広い方々のご意見を聞かなければならない…
 
聞いたけれどそれでお終いでは、そもそもこの検証の考え方に則っていない…
まさに次回改めて今後の治水利水のあり方に関する有識者会議を開いていただく中で、
 
そういった検証がなされたかどうか見ていただくことになります
 
 
 
そして、質疑の最期に赤嶺議員はこう結んでいます。
 
この有識者委員会のあり方という中で、結局国の整備計画に基づいて検証していくことになったら、
 
ダム建設に辿り着かざるを得ない、ということになっていると思うんですよ。
本当に県からの報告書もまともな内容ではない。ダム建設の事業がそもそも地権者の住民を
 
だまし討ちにするような形で始められた計画、50年反対して来ています。
そして県が主体となって検証するといいながら、実はその県の検討主体の中には国交省からの
 
出向者によって占められている、こういうあり方を根本から見直さない限り、
 
「ダムによらない治水計画」という民主党の公約、これは本当に国民に嘘をついた、国民を騙した、
 
と言われかねない。

そういうことを強く指摘して質問を終わりたいと思います。