石木ダムとカジノ、立候補者の政策は?

衆院選投票日まであと3日ですね。
すでに期日前投票を済ませた人もいるでしょう。

まだ自分の貴重な1票を託すべき人が決まっていない長崎県民の皆さん、こちらの情報を参考にしてみませんか?

10月24日の長崎新聞に掲載された候補者アンケートの結果です。
当スペースの関係上、2項目についてのみ貼り付けます。

<石木ダム>
・建設すべき=初村・加藤・谷川・石本・北村・萩原
・建設すべきではない=安江・山田勝彦・末次
・どちらとも言えない=西岡・松平・山田博司・田中

<IR>
・誘致すべき=初村・加藤・谷川・石本・北村・萩原・田中
・誘致すべきではない=安江・山田勝彦・末次
・どちらとも言えない=西岡・松平・山田博司

さすが自民党公認の候補者は全員、石木ダムもIR=カジノも推進で一致していますね。

それに対して立憲民主党は、候補者によって若干の差が見られます。
石木ダムもカジノも明確にNOと答えたのは、3区の山田勝彦さんと4区の末次さんで、2区の松平さんは△でした。

でも、この差の存在が大事だと思います。
党ではなく人で選ぶ、政策で選ぶ。
私たちの未来を託すのですから。

国民民主党の西岡さんは、どちらも△で、
共産党の安江さんは、どちらもNOでした。

また、ここには表示できませんでしたが、「選択的夫婦別姓」についての回答もお伝えすると、

賛成=西岡・安江・松平・山田勝彦・末次・北村・田中
反対=初村・加藤・石本
どちらとも言えない=山田博司・谷川・萩原

という結果でした。

みなさん、投票に行きましょうねー!

福岡高裁、初めて覚書に言及!

2021年10月21日(木)の昼下がり。
石木ダム工事差止控訴審判決の1時間前。

福岡高裁門前には、こんなに多くの市民が駆けつけてくれました。

いざ高裁へ。

14時30分。開廷

森冨義明裁判長:では、判決を言い渡します。

主文
1 本件各控訴をいずれも棄却する。
2 控訴費用は控訴人らの負担とする。

わずか数秒で終わり。
結果は予想通りとはいえ、
このようなやり方に私たちの落胆と悔しさは倍加する。

判決理由の説明もなく、
先月申請した弁論再開への返答もなく、
ただ機械的に主文の2行を読み上げただけ。
冷たい。冷た過ぎる。

コロナ禍の今、これで開廷する意味があったのか?
リモートで十分ではないか。
いや、判決文の送付だけでも事足りる。
傍聴席には、はるばる岐阜県から飛行機に乗ってやってきた原告もいるというのに・・

そんなことを思いながら福岡高裁を後にし、すぐ近くの報告集会会場に向かいました。

報告集会では、まず初めに弁護団事務局の平山弁護士から、判決内容についての説明がありました。

控訴審判決文(写真)

平山弁護士:まず、弁論再開の申し立てについては今日まで何の返答もなかったし、今日も触れられなかった。

判決について一言で言えば、内容の薄いものだった。
実質17ページの判決文で、しかもほとんどが事実の羅列であり、高裁の判断が示されたのはわずか4ページ。それも私たちが主張した平穏生活権に対しては、「主観的」「抽象的」「不明確」などと評価し、工事差止の根拠とはならないとした。これは一審の判決とほぼ同じ。

ただ、私が着目したのは最後の部分。覚書についてこう書かれている。
「3郷は長崎県知事を信頼し、川棚町長の協力を確信して、本件覚書に調印することを約束・・・そうであるにもかかわらず、未だ、本件事業につき地元関係者の理解が得られるには至っていない・・・県を始めとする本件事業の起業者には、今後も、本件事業につき地元関係者の理解を得るよう努力することが求められる」と。

覚書の存在が判決を左右するものではないと言いながらも、わざわざ判決文に記述されている。個人的には今回の判決で最も重要なところだと思う。

続いて、
馬奈木弁護団長:私が注目したのは受忍限度論

受忍限度論とは、被害と公益を秤にかけ比較衡量する。
そしてまず我慢しなさい、その我慢が一定の限度を超えたら損害賠償しますよ、お金をもらっても我慢できないというところまできたら止めてあげます、という恐ろしい理論。その論理がこの判決で採用されている。

私たちは四大公害訴訟を通して、人が生存し生活する権利は秤にはかけられない守るべきものと考え、それを認めさせてきたと思っていた。しかし、それは私の幻想だったのかもしれない。原発訴訟では経済的効果と生活権を秤にかけるのが当たり前のようになってきた。このような流れをどう変えていくか。

また、仮に受忍限度論で裁くにしても、この裁判では肝心の公益性の大きさが示されていない。石木ダムでこんなに大きな利益が得られるよという説明もなく、被害は大したことではないので我慢しなさいという、論理破綻の判決である。

しかし、どんな判決が出ようと、社会通念こそが大事。こんなダムは要らないという県民の声、こんな事業はおかしいという国民の声、それが社会通念となるよう頑張っていきましょう。

続いて原告を代表して地元住民の方の感想です。
岩下和雄さん:私以外の住民は今日も現場で座り込みをしている。今日の判決に少しは期待していた(新たな証拠を提出していたので)が、この結果に腹立たしさを覚える。

裁判所はなぜ本当のことを審理しようとしないのか。行政の言いなりだ。
私たちは最高裁に上告する。そして、その結果がどうであれ、石木ダムは必要ないと県に訴えていく。今後とも皆さんのご協力をお願いします。

(会場から大きな拍手)

司会者
石木ダムは地元の方だけの問題ではありません。私たち長崎県民はもとより、ここにいらっしゃる福岡県民の方の税金も使われています。人口減少社会において無駄な公共事業を許し続けていいのかという全国的な課題だと思います。これからも共に闘っていきましょう。

このあと記者団からの質問に入りました。

六倉記者(長崎新聞)
この判決は一審の長崎地裁佐世保支部の判決を支持したものと言えるのか?
・今回も利水・治水に対する判断はほとんど言及されなかったのか?
・そして、覚書に対する言及はこれまでの判決ではなかったのか?
以上3点について伺いたい。

平山弁護士
・人格権が工事差止の理由にならないという一審の判決を基本的に踏襲している。
・利水や治水の観点から石木ダムの必要性についての言及はない。それは事業認定取消訴訟で扱われるものとして区分している。
・過去の判決においては、事実経過の中で触れられることはあったが、裁判所の見解が示されることはなかった。

山口記者(西日本新聞・福岡):判決で覚書に言及されたことについて、岩下さんはどう思われたか?

岩下さん:話し合いをしろとは書かれていないが、地元の理解は得られていないと書かれているので、県はそれを真摯に受け止めて、必要性についての話し合いに応じてほしいと思う。

馬奈木弁護士:つまり、裁判所は県に対し「説明義務を尽くしていないよ」と言っている。以前私が関わったし尿処理場に関する裁判で、裁判所は違法との判決を出した。それは、いくら必要な公共事業であっても住民との合意形成が大事だ。そのためのアセスメントを実行し、その結果を説明すべきだったが、それをやっていないから違法だと。しかし、今の裁判所は違う。説明不足を認めながら、でも差止の理由にはならないと堂々と述べている。残念だ。

山口記者(NBC長崎放送):覚書は、いつ誰と誰が交わしたものか?

平山弁護士:昭和47年7月29日に、地元住民(川原郷・岩屋郷・木場郷の各総代)と長崎県知事が、川棚町長を立会人として交わしたもの。同時に川棚町長と3郷の間での覚書もある。これは、県が覚書を破ったときには川棚町は住民と共に県と闘うと書かれている。

山口記者:
それを効力があると裁判所は認めたのか?

平山弁護士:
効力があると思うからこそ、「理解を得るよう努力することが求められる」と記述されていると理解していいのではないか。

原口記者(朝日新聞):裁判所は人格権を認めているのか?認めた上で受忍限度の範囲内と言っているのか?

平山弁護士:控訴人としては人格権を主張しているが、裁判所は、その内容が抽象的なので差し止め請求の理由にはならないと言っている。

この後、会場からの質問や意見が出されました。
ほとんどの方が意見や情報提供で、質問はお1人だけでした。

福岡市民:今年8月豪雨の記録により県の治水計画が間違っていたことが明らかになったと思うが、それを最高裁への上告理由にすれば勝てるのでは?と素人なりに感じた。その見込みはどうなのか?

馬奈木弁護士:残念ながら、その観点でひっくり返せるとは思えない。
最高裁で唯一ひっくり返せるとしたら、地元の皆さんの要らないという声が目に見える形で出てくること。例えば県知事選で、石木ダムは要らないという人が勝てば民意が見えるし、その人が知事になれば、行政の裁量で石木ダムを止めることができる。

裁判で勝てばダムは止まると思ってはいけない。同時に負けたら終わりだとも思ってはいけない。裁判を通じて、行政がおかしいことをやっているよということを社会的に明らかにする、それが裁判の目的である。

以上、報告集会でのやりとりをまとめながら改めて実感したのは、覚書の力です。

今回の判決の最重要ポイントは、紛れもなく、覚書について初めて判決の中で裁判官の意見が述べられたことです。

覚書:久保知事と

覚書:竹村町長と

この2つの覚書の存在を知った誰もが驚きます。
① 知事は住民に対し、「今回はあくまでも調査だけ。ダム建設の必要が生じた時は協議の上、書面による同意を受けた後着手する」と約束し、
② そこに立ち会った川棚町長は、「県が約束を破った場合は、川棚町が全力を挙げて工事を阻止する」と約束していたのです。

住民はその約束を信じて調査に同意したのに、その約束は完全に反故にされたまま工事だけを推し進めているのが現実です。

こんなこと許されるの?と誰もが思いますよね。
約束は守らなくちゃ!
でも、これまでの裁判官は誰もその当たり前のことに言及しなかった。今回が初めてです。
やっと社会の常識が判決文の中で表明された!

判決結果を左右するには至らなかったけど、この事実は大きいと私は思います。

「住民の理解を得るよう努力すること」
これは実は今まで何度も目にしたフレーズなのです。

その1)2012年4月26日の「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」で、「石木ダムに関しては、事業に関して様々な意見があることに鑑み、地域の方々の理解が得られるよう努力することを希望する。」(議事要旨より)との付帯意見が付きました。

その2)2012年6月11日、国土交通相が石木ダム検証結果として事業の継続を認めましたが、同時に「地元の理解を得る努力を希望する」と県に通知しました。

その3)2015年10月14日、長崎県公共事業評価監視委員会が知事に提出した意見書には、石木ダムについて「反対地権者の疑問点について説明を継続し、円満な解決が図られるよう最大限努力することを求めたい」と書かれていました。

つまり、補助金を出している国からも、第三者委員会からも「住民の理解を得る努力」を既に求められてきていたのですが、ついに昨日、司法の場でも求められたということです。

それにしても、なぜ今回の判決で、このような、県への要望が出されたのでしょう?
それは裁判官に聞いてみないとわからないし、聞いても答えてはくれないでしょうが、もしかしたら・・・と、私は勝手に想像しています。

今回の判決前に日本中の支援者が声をあげてくれました。
北から南からたくさんの方が福岡高裁の担当裁判官宛てにハガキでメッセージを送ってくださいました。

少なくとも3000通以上。
私たちが印刷所に発注したハガキが3000枚で、欲しいという方にのみ配布したのですが、それが全て底をつき、自分で印刷して出した人もたくさんいましたから。

そして、個人だけでなく、団体としても、公正な判決を求める要請書が次々と送られました。そこには、心に残るメッセージがいくつもありました。(後日公開する予定です)
いただいたコピーを見ながら、どうかこの文書を裁判官が読んでくれますように!と願わずにはいられないようなものが・・

そして多くの方が、裁判官に、良心に沿った判決を!と訴えていました。

きっと読んでくださったのですね!
主文には反映されなかったけれど、判決文の中でそれを書いてくださったのだと信じたい。

良心に沿って考えると、やっぱり約束違反は見過ごせないな~
せめて一言触れておかねばと。

私たちも努力しましょう。
この事実を多くの人に伝えましょう。
そして、県に求めていきましょう。

石木ダムの必要性を住民にしっかり説明してください、と。

説明無くして理解は得られません。
理解とは一方的な説明では得られません。
相手の疑問にも丁寧に答えてやっと得られるものです。
丁寧に説明したつもりでも1回では理解できないことはたくさんあります。
2回でも3回でも相手が納得するまで説明する。
そうして初めて努力したことになるのです。

その努力もしないで強制収用など、本当はあってはならないことだったのです。
が、今からでも遅くないので、理解を得るための努力を始めてください。

弁護団と私たち7団体による声明文はこちらです。

控訴審判決声明

 

石木川ミュージアム(連載3)

石木川ミュージアムの立ち上げまでの道のり。

石木川ミュージアムの改装に向けて、おばちゃんたちの協力を得てお部屋の片付けと掃除までは完了。

連載2のつづきです。

石木川ミュージアム(連載1) : 石木川まもり隊 https://ishikigawa.jp/%e7%9f%b3%e6%9c%a8%e5%b7%9d%e3%83%9f%e3%83%a5%e3%83%bc%e3%82%b8%e3%82%a2%e3%83%a0/7576/

石木川ミュージアム(連載2) : 石木川まもり隊 https://ishikigawa.jp/%e7%9f%b3%e6%9c%a8%e5%b7%9d%e3%83%9f%e3%83%a5%e3%83%bc%e3%82%b8%e3%82%a2%e3%83%a0/7584/

改装は順調に進んでおりましたが、わたし自身の体調がかなりしんどくなっておりました。

カレンダー配布の件ですでに疲弊していましたし、2021年冬、とうとう長いうつ状態に入りました。

その間、2月の2~3週間ほど時間をかけて地元の大工さんにお願いして
トタンがむき出しになっていた部屋にベニヤの壁を貼っていただいてました。

実際の改装費用よりもかなり安くしていただき、感謝…

お部屋の電気工事は、地元の岩下さんに無償でやっていただきました。

こちらにも本当に感謝です。

石木川ミュージアムの改装費用はカレンダーの売り上げを大いに活用させていただきました。

買ってくださったみなさん、寄付してくださったみなさん、本当にありがとうございました。

私はというと、この改装期間中はほぼ何もできないまま、二、三ヶ月が経過。

改装中、何度か現場を見に出向く程度で(でも、うつ状態で本当は誰とも接したくない心境…)

改装は無事に完了したのちもその後しばらく放置…

体調が優れず自宅に引きこもり状態で両親に当たり散らす日々が続いていました。

そこに突然入ってきた訃報。

2021年4月20日のこと。

ダム小屋に通っていた岩永サカエさんが突然亡くなったという知らせが入りました。

その日も、わたしは気分が優れず抗議行動に出かけていた母に突然電話をかけ、

「わたしの話を聞いてほしい!」と言って急遽母は帰宅してきました。

ところがいざ母と話をしようとしたら我が家に訪ねてくる人があり、

お隣の家の岩永サカエさんが社協の「いきがいセンター」の温泉施設で倒れて心肺停止状態だと、

家族の方に連絡しても電話が繋がらないので親戚の女性が我が家を訪ねてきたのでした。

実は母は民生委員をやっておりまして、ピンチヒッターで慌ててサカエおばちゃんの所に向かいました。

突然の訃報に私は目が覚めたような感じになりました。

人っていうのは、明日どうなるかもわからんのやなぁ…と。

あんなに元気で、死にそうになかったサカエおばちゃんがまさか。

それがきっかけとなり、石木川ミュージアムをどうにか始めてみよう、動かしてみようということになり、

机や椅子、丸太のテーブルを持ち込みまして、試しに作品を展示。

まずは、宣伝なしでミュージアムに通うリハビリから始めました。

2021年5月はじめのことでした。

次回へつづく

石木川ミュージアム(連載4) : 石木川まもり隊 https://ishikigawa.jp/%e7%9f%b3%e6%9c%a8%e5%b7%9d%e3%83%9f%e3%83%a5%e3%83%bc%e3%82%b8%e3%82%a2%e3%83%a0/7684/

報告/こうばるほずみ

必見!候補者は石木ダムをこう考えています

一昨日公開した「2021衆院選立候補予定者への石木ダムアンケート結果」が、こんなに見やすくなりました!

 


ホントに見やすくて、候補者の考えが分かりやすいですね。

「投票するときの有益な情報なので、シェアされやすいように」と、プロの方のご厚意による編集です。

1人でも多くの長崎県民に伝わりますように、拡散へのご協力よろしくお願いします!

 

衆院選2021 立候補予定者への石木ダムアンケート

10月11日、私たちは衆院選立候補予定者への石木ダムアンケート結果を記者発表させていただきました。

未だに解決の見通しが立たない石木ダム問題を、次期衆議院議員になろうとする皆さんはどのように考えているのだろう?私たちも知りたいし、多くの県民にも伝えたい。そして投票の判断材料の一つにしてほしいと思ったからです。(公表することは回答者の皆さんには事前にお伝えしています)

まず初めに、このアンケート調査の趣旨を説明しました。

・石木ダム建設は長年にわたる県政の重要課題であるにもかかわらず、これまで選挙の争点にはなってこなかった。それは県民の多くが無関心だったから。

・その無関心が政治家をも無関心にさせ、この問題の解決を先送りしてきた。

・しかし、気候危機が進む今、治水対策は国家的課題であり、環境問題は持続可能な社会を目指す国際的課題である。そして人権問題や公共事業のあり方、それら全てが詰まった石木ダム問題は私たち県民一人ひとりが考えるべき問題である。

・今回の選挙がそのきっかけになることを願って・・・。

続いて結果発表に進みましたが、その後の記者団からの質問で、調査方法などを聞かれたので、それを先に記しておきます。

<調査の概要>
・調査対象者=立候補予定と報道されていた11名(1区=西岡秀子、初村滝一郎、安江綾子、2区=松平浩一、加藤竜祥、3区=谷川弥一、山田勝彦、山田博司、4区=末次精一、北村誠吾、瀬川光之各氏)

・調査方法=アンケート用紙を郵送し、回答はFAXで返送。

・発送日=9月1日。(12日に擁立が確定した加藤氏には9月14日に発送)

・回答期限=9月20日。(加藤氏のみ9月22日)

・回答者=11人中8人が回答(記者会見の時点では7人だったが、その後1人から送られてきた)回答をいただけなかったのは、谷川弥一、瀬川光之、加藤竜祥各氏

回答形式
・2つの選択肢から1つを選ぶ形式=10問
・4つの選択肢から複数を選ぶ形式=1問
・自由記述=1つ

質問内容について
2021衆議院議員選挙にあたってのアンケートのお願い

回答結果について
2021衆院選立候補予定者アンケート結果一覧表

印象的だったのは、

住民を実力で排除することに賛成ですか、反対ですかに対し、8人中7人が「反対」、1人は無回答

意外!自民党の北村氏も反対とのこと。中村知事に提言してほしいな~

佐世保の水需要予測は合理的だと思いますかに対し、8人中5人が「合理的ではない」、1人は「合理的である」、1人は「回答を差し控える」、1人は「全ての判断材料をもちあわせていない」

う~ん。北村氏の目にはこのグラフがどうして合理的に見えるのかな~(アンケート用紙に添付していたのだけれど・・・)


川棚川水系の水害対策として優先すべきものは何ですか(複数選択可)に対し、8人中5人が「堤防整備」を、3人が「河道掘削」を、1人が「石木ダム」、1人が「優先順位をつけることは困難」、1人は「回答を差し控える」つまり、多くの人がダムよりも堤防整備や河道掘削を選んでいた!

・ということは、多くの候補者が石木ダム計画に納得していない。ではどうするか?その方法として自由記述欄に書かれていた意見は、ダム事業について中立、独立の機関による・・・必要性等を精査すべき」「公共性の再検証が必要」「地権者の皆さんだけの問題ではなく、私たち長崎県民にとっての環境問題」「県民的議論を深めるための情報公開を求めていくなど。

真の再検証のシステムが実現すれば、多くの無駄な公共事業を減らすことができますね。
そこに投じられていた莫大な税金を、本当に必要としている事業に使うことができます。

今回のアンケート結果が少しでも多くの長崎県民に届くことを願っています。
拡散へのご協力よろしくお願いします。 =^_^=

石木川ミュージアム(連載2)

石木川ミュージアムの立ち上げまでの道のり。

連載1のつづきです。

石木川ミュージアム(連載1) : 石木川まもり隊 https://ishikigawa.jp/%e7%9f%b3%e6%9c%a8%e5%b7%9d%e3%83%9f%e3%83%a5%e3%83%bc%e3%82%b8%e3%82%a2%e3%83%a0/7576/

きっかけは今年2021年の1月中旬。

2021年石木川カレンダーを川棚町全戸配布する!という計画の終盤ごろに、

これからどう活動していくかということで悩んでおりました。

そこで、母の提案「ダム小屋の手前を穂澄が使ったら?」という案に「それいいなぁ〜」となって、

地元のおじちゃんおばちゃんたちにも許可を得まして、

このように、1月下旬に改装前の荷物の運び出しまで手伝っていただきました。

これ、本当に助かりました。

私にとっては、どれを処分していいか、捨ててはいけないものはどれか、全くわからないですから!

そして、

2月から大工さんにお願いしてお部屋の改装工事に入ってゆくのでした。

なんせ、部屋というか…トタンがむき出しの掘って小屋だったから。

改装前の石木川ミュージアムの写真です。

BeforeAfterがすごいです。

こうなるんだから!

次回へつづく

石木川ミュージアム(連載3) : 石木川まもり隊 https://ishikigawa.jp/%e7%9f%b3%e6%9c%a8%e5%b7%9d%e3%83%9f%e3%83%a5%e3%83%bc%e3%82%b8%e3%82%a2%e3%83%a0/7623/

報告/こうばるほずみ

石木川ミュージアム(連載1)

こんにちは。

こうばるほずみです。

2021年はカレンダー配布後に長くうつ状態に入りあまり活動ができていません。

今年2021年は石木ダムのダム本体部分に40年建っている団結小屋「ダム小屋」を間借りして、

石木川ミュージアムを作る!ということでゆ〜っくり動いていました。

そのことを石木川まもり隊のブログの方で、どれくらいご報告していたのかさっぱりよくわからない状態です。

なので、経過報告を短文連載するカタチで更新させてください。

2021年9月下旬現在、

石木ダム水没予定地では、長崎県が本体工事に着手すると言ってパフォーマンスを見せていますが、

実はわたし、本体部分に40年建っている団結小屋を間借りして、石木川ミュージアムをぼちぼちやっているんです。

団結小屋といえば、地元のおばあちゃんが通っているあの「ダム小屋」です。

ダム小屋に通うおばあちゃんは、今現在、松本マツさん一人になってしまいました。

おばあちゃんは、奥の畳の部屋を使っています。

わたしは、手前の台所、物置のようになっていた部屋を改装してアトリエにして使っています。

まぁ、ぼちぼちですが。

いつ行政代執行されてもおかしくない団結小屋ですが、素敵にDIYしています。

次回へつづく

石木川ミュージアム(連載2) : 石木川まもり隊 https://ishikigawa.jp/%e7%9f%b3%e6%9c%a8%e5%b7%9d%e3%83%9f%e3%83%a5%e3%83%bc%e3%82%b8%e3%82%a2%e3%83%a0/7584/

報告/こうばるほずみ

タブノキの咆哮

これは何?
自分で撮影しておきながら、一瞬、映画ゴジラを連想してしまった。

人間が行った水爆実験の影響で生まれてしまったゴジラは、結局、人間によって滅ぼされた・・・身勝手な人間への断末魔の咆哮を思い出していた。

これはタブノキ。
石木ダム関連工事のために頭や手を、重機でもぎ取られ、引っこ抜かれ、投げ捨てられたタブノキ。

ほんの半月前までは、このように大きく枝を伸ばしていた。
猛暑の頃は、この優しい木陰にどれほど助けられたことだろう。
この木の向こうには手作りの休憩所があって、
真夏や雨の日はそこでお弁当を食べていたので、
誰が名付けたか『森のレストラン』と呼ばれていた。

タブノキは『森のレストラン』の日除け、風除け、雨除け・・まさにガードマンであった。

9月8日、森のレストランのすぐ傍に作業員がやってきて、重機でまわりの草木を伐採し始めた。
この位置から撮った写真では草に覆われて見えないけれど、作業員のいるところは草原ではなく、細い砂利道である。

この道は、赤道(あかみち)と呼ばれる公図上には記されていない里道で、登り切ったところに、こうばる住民の先祖が眠るお墓がある。
住民や支援者は、そのお墓の近くに車を停め、赤道を下って抗議行動の現場に向かう。

翌9月9日、森のレストランの周りの草木は引っこ抜かれてしまった。
そして、あの大きなタブノキが・・・
まるで生きたまま処刑されたかのよう・・・

翌週来てみると、
赤道の途中から両側の草木は削り取られ、
道幅は何倍にも広くなっていた。

そして、あのタブノキは、ついに根こそぎ引っこ抜かれ、横たわっていた。
幹の何倍もの太さで大地に根を張り、あの巨木を抱えていたのか・・
タブノキは古くから樹霊信仰の対象とされていたようで、日本各地に巨木が残っており、「鎮守の森」によく見られるそうだ。

たまたま、友人がこんな絵本を貸してくれた。
村の人たちから敬い慕われてきた大きなタブノキ。
でも、ダム計画のため水の底に沈んでしまうと知った子どもたちが、タブノキを助けて!と村長に手紙を出した。こどもたちの願いが大人を動かし、ダム湖の傍にできる公園に移植することになり…難しい移植も皆の努力で成功し、翌年の春には新しい葉っぱが…。

そんな心温まる話。こうばるのタブノキとは大違いのハッピーな運命。子どもの声にもしっかり耳を傾ける村長さんや村議会の大人たちの優しさが大樹の命を救ったのか…

と思っていたら、思わぬどんでん返し。
幸せな?タブノキは数ヶ月後、台風がやって来て、根こそぎ倒れてしまった。根を切り詰められたため、踏ん張ることができなかった、と書かれていた。

やはり…小手先の対策では問題は解決しない。
人間の都合で大地を支えている大きな木を切ったりしてはいけないことが、子どもにも伝わってくるだろう。

ましてや、無残に倒され放置されたこうばるのタブノキは、長崎県政の象徴であり、子どもたちには見せたくない光景だ。

でも、知事と佐世保市長には、是非こうばるのタブノキを見に来てもらいたい。

骸となったタブノキがきっと何かを教えてくれるだろう。

コンコルド効果

コンコルド効果

(長崎新聞コラム2021/9/10 11:00 ) https://nordot.app/808879421200924672

〈「いつ始めるか」を決めるのは難しいが、「いつやめるか」の決断はもっと難しい〉-本紙情報面の人気コラム「歳々元気」が2年ほど前、こんな書き出しで「コンコルドの誤謬(ごびゅう)」という経済用語を紹介している

▲英仏の共同プロジェクトで生まれた優美な機体の超音速旅客機は、燃費が悪い、定員が少ない-などいくつか大きな欠点があり、開発途上で採算性の厳しさが指摘された。だが、いったん動きだした計画は止められず、赤字を膨らませながら空を飛び続けた

▲一つの事業で、ある時点までに投資されて回収できない費用のことを経済学ではサンクコスト(埋没費用)と呼ぶ。「コンコルド効果」は、このコストを惜しんで引くに引けない心理的圧迫を言う言葉。いろんな場面で誰にも覚えのある感覚でもある

▲東彼川棚町の石木ダム建設事業で、県が一昨日、ダムの本体工事に着手した。事業採択から46年。半世紀近い時間が経過している

▲事業が長く実現できずにいることと、ダムの必要性とを単純に結び付けて論じるのは乱暴だろう。ただ、過去の投資や時間や経過や労力を惜しむあまり、判断が歪んでいないか-を、繰り返し問い直す姿勢を行政には求めたい

▲冒頭のコラムは〈引き際の決断にこそ、勇気と知性が求められる〉と結ばれていた。(智)

 

「抗議の行動変わらぬ」 石木ダム建設、本体工事開始から一夜

(西日本新聞2021/9/10 11:30 )  https://www.nishinippon.co.jp/item/n/798500/

本体工事の現場を監視する水没予定地の住民と支援者

長崎県と佐世保市が進める石木ダム建設事業で、ダムの本体工事が始まった。着工から一夜明けた9日、川棚町のダム建設予定地では山の掘削や木の伐採が進められたが、反対する住民と支援者はこれまで通り座り込みを続けた。「本体着工で住民の行動が何か変わることなんてなかっさ」。「みんなここに住み続けたいんだ」。事業への抗議の姿勢を崩さなかった。

午後、ダム堤体建設予定地付近に設置されたテントでは、5人が工事の進行を監視した。住民の岩本宏之さん(76)は「ダム堤体そのものの工事の見通しが立たないまま本体着工しても意味がない。県は何がしたいんやろか」と話した。

堤体部分には、建設反対の象徴として住民が築いた「団結小屋」が立つ。事業を進めるため、住民の理解を得るか、小屋の強制収用に踏み切るか。行政側には大きな課題が突き付けられている。県石木ダム建設事務所は「できるところから、安全に配慮して進める」と述べるにとどまっている。

この日は本体着工と同時に再開された県道付け替え工事の現場にも、変わらず座り込みをする住民たちの姿があった。付近では盛り土工事へ向けた木の伐採が行われ、木陰にあった住民たちのトイレやテーブルなどが太陽の光にさらされた。岩下すみ子さん(72)は「私物が置かれたままでは盛り土はできない。嫌がらせやろうか」と反発した。

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石木ダム建設事業の本体着工について中村法道知事は9日、報道陣の取材に応じ、「地域住民の安全安心を確保するために、できるだけ早期に完成させるべきだ。安全性に十分配慮しながら、工事を円滑に進めていきたい」と述べた。 (岩佐遼介、泉修平)

 

工事再開

これが何だか分かりますか?もちろん木です。雷に打たれたわけではありません。見るも無残にへし折られています。

まるで、腕を返せと叫んでいるよう・・

その後ろに見えるのは、私たちが「森のレストラン」と呼んでいる休憩所です。
ブルーシートの屋根と、周りの緑に覆われて、真夏でもひんやり涼しい空間で、昨年の夏は、お昼のお弁当はここで食べていました。

それが、今日来てみたら、この有り様。

かろうじて、背後の木々は残っていますが、右も左も前も、木々は全て伐採、草も引っこ抜いてしまったようです。

一昨日まではこのように、緑に覆われ、森のレストランは下からは、ほとんど見えなかったのです。

そして、この道にもご注目ください。大小様々な石がゴロゴロのデコボコ道です。8月中旬の大雨でこうなりました。

降った雨が川のように、いえ、滝のように道を流れ、こんなに大きな石まで押し流してしまったのでしょう。しかし、両脇の土の壁はビクともしていません。草木が根を張っていたからです。

私たちは水流の威力と共に、草木の底力も実感したばかりでした。

それを、こんなに裸んぼにしてしまって・・・

いま大雨が降ったら、この崖はイチコロ。土砂崩れが発生することでしょう。ここには家も田畑も無いからお構いなし?

唯一残っている後ろの木々。そのはるか後方から重機の音が聞こえていました。昨日から始まった「本体工事」の掘削をやっているのでしょう。

小さな林をかき分け音のする方へ進みますが、野バラの棘や立ち入り禁止のネット、その傍に立っている県職員に阻まれ、なかなか現場は見えません。

かなり離れたところから望遠で撮ってみると・・

こんな感じ。この掘削を対岸から見てみると、

てっぺん付近で動いている重機が見えますか?白い雲を背景に空色のユンボが、ほら・・

写真を撮っていたら、傍のダム小屋(団結小屋)から、マツさんが出てきました。これから帰るところだとのこと。

この春、仲良しのサカエさんが亡くなって、一人ぼっちになってしまった団結小屋の主、94歳です。

強制測量の頃、県の動きを監視する見張り小屋として建てられた団結小屋に、マツさん世代の女性はその後もずっと通い続けました。しかし、その仲間たちも、1人、2人となくなっていき、今はマツさんだけ。

団結する相手もいないのに、週に3日、お弁当持参でここに来るのは何故だろう?

きっと、今まで通りの生活を続けることがマツさんにとっての抗議行動であり、ここに来ると、亡くなった仲間の気配を感じるのかもしれない。だから寂しくない。だからマツさんも闘い続けられるのだろう。

「マツさん、ここにいると重機の音が聞こえるでしょう?」

「そうね、聞きたくないね。木が倒されていくのは見たくもないね。

みんな要らんて言よらすとに、なんでここにダム・・なんかね?」