”聞きたい” その5

西日本新聞の連載コラム、石木ダム問題についての「聞きたい」の最終回(9月25日付)は、長崎大学の戸田清教授。

ご専門の環境社会学の観点からみて、石木ダムの必要性は疑わしいとバッサリ。

利水に関して言えば、佐世保の水需要予測は現実味を帯びていないし、

治水についても、ダム万能説は捨てた方がいいと。

生態系への悪影響も懸念される。

そのような中で強制収用などすれば、公権力の乱用として歴史に残る。

(もちろん汚点として)

 

「公共事業は一度走り出したら止まらない。その理由は行政のメンツと考えるしかないようだ」ともおっしゃっています。

 

メンツのために家や田畑を奪われるなんて・・・絶対あってはならないことですよね。

 

こだま

今日の新聞です。昨日の署名活動について報じたのは朝日新聞のみ。

署名活動も2回目となると、マスコミはあまり関心を示しません。

当然ですよね。

やってることは前回と同じだし、他に面白いイベントや重要なニュースはたくさんあるのですから。

 

しかし、嬉しいことに、今回も署名活動への共感の声をいただきました。

昨日、私たちの呼びかけに応じて署名して下さった若者のお父さんからお電話があり、

「息子から署名活動のことを聞きました。私にも何かお手伝いできないかと思って…」と。

「では、署名用紙を送りますので、署名をお願いできますか?周りの方にも声をかけていただいて、一人でも二人でもいいので署名を集めていただけますか?」

と言うと、「そのつもりでした」と快諾してくださいました。

 

昨日、あの時間にアーケード街のあの場所をたまたま通りかかり、署名に応じて下さった386人との出会い。

それが、386人では終わらなかった。。

その中の一人が家族に話し、家族の一人が、逆に私たちに声をかけてくれた。。

まるで、こだまのようです。

 

私たちの知らないところで、別のこだまも響いているかもしれない。

「今日、街でこんなパンフレット配ってたよ」

「何?どれどれ・・へー、そうなの?知らなかったなぁ。少し考えてみなきゃね」

な〜んて会話が広がってるといいなー 

 

 

もっと声をあげんば!

路上といっても、ここはアーケード街。

怪しい集団ではありません。

ただいま署名活動真っ最中です。

 今日は第2回署名活動の日。

今日もたくさんの通行人の方々が呼びかけに応じて署名して下さいました。

 

ダムなんか、要りまっしぇん!

ふる里から追い出すやら、とんでもなか!

これ以上、水道料金が上がったら困ります。

それぞれいろんなことを話しながら署名してくださいました。

現地の写真をじっと見つめて下さる人、

佐世保の水事情を示すグラフにびっくり!半信半疑の表情を示す人なども。

「ごめんなさい。署名したいんだけど市役所に勤めているもので・・・」

「あ。この前ここを通った時、もうしましたよ。頑張って下さいね〜」

などと言ってくださる方も。

中には「市営住宅に住んでいるもので・・・」と言って断られた方もいたそうです。

少しでも市に関わっていると、市の政策に反する意思表示はできないと考える人が

けっこういるんですね〜

驚きです。これが佐世保市の実情なのかな〜 

 

でも、一方で、

「あんたたちはおとなしか!遠慮せんでもっと声をあげんば!」と、

地権者の皆さんにカツを入れた人もいたとか・・

 

また、ある人は、署名した後もいろいろ意見交換してくださって、

「うーん、なんとかしたいですねー。私も何ができるか考えてみます」と、

真剣な表情で帰って行かれました。

 

こんな方も含めて、今日はなんと、2時間で386筆!も集まりました。

前回は4時間で588筆でしたので、今回は2時間で300筆を目指しましたが、それをはるかに上回りました。

暑い中、今日も活動に参加して下さった25人の仲間に感謝! 

 

 

第2回署名活動

明日9月27日(土)、第2回署名活動をおこないます。

  場所:佐世保市四ヶ町アーケード街(島瀬交番前)
  時間:12時〜14時

お手伝い大歓迎です!

 

今日、佐世保市議会本会議において、

私たちが提出した収用裁決申請の撤回を求める請願は、予想通り不採択となりました。

賛成したのは社民党議員3名と共産党議員1名の計4名のみ。

残念ながら、山下廣大議員は起立しませんでした。

24日の石特委員会に置いては、たしかこのようなことを言われました。

(録音が禁じられているので一言一句正確ではありませんが)

「会派としてこの請願に反対します」

「自分の考えは裁決の時、議場で1票を行使することによって示したい」

この発言に感動し、今日はたいへん期待して見守っていましたが、座ったまま…。

今回は山下廣大議員の1票は行使しなかったのでしょうか?なぜ?

それとも、起立しない=請願に反対=それが山下廣大議員の考えなのでしょうか?

それは無いと思います。それなら、委員会であのような発言はされなかったはず。

会派の考え=反対と自分の考えは違うから、わざわざあのような発言をされたのだと理解しています。

きっと、どこかから、かなりの圧力がかかったのでしょう。

しかし、議員にとってはどこからの圧力よりも世論の圧力の方が重いはず。

世論を大きく広げるためにも、署名活動を頑張らねば・・! 

 

請願不採択を報じる各紙

昨日の石木ダム建設促進特別委員会の様子が今日の新聞4紙に掲載されていました。

まず長崎新聞。写真入りで掲載。

終了直後の傍聴席からの言葉も、しっかり紹介。

将来に向けて責任とれるのか!民主主義とは何なのか!

河川課ダム班参事のポスト新設?

WHY?

事業推進のため、地元との総合調整を担う?

やはり知事は、やる気満々なのでしょうか。。

朝日は「(意見書への)反対は会派の見解」と言った委員の言葉を、しっかり伝えてくれてますね。

西日本新聞は地権者の思いをしっかり伝えています。

 

ついでに「記者の目」もご紹介!

記者の目には、県が地権者の同意を得るための努力を尽くしたようには見えない。

ただ法頼みでは「強制収用について県民の理解は得られない」ときっぱり。

 

裁決申請撤回を求める請願 特別委員会で審議 不採択

9月24日、午前、石木ダム建設促進特別委員会で私たちが提出した請願(県に裁決申請の撤回を求める)について、1時間を超える審議がおこなわれました。

異例のことです。

やはりそれは地権者の生の声、率直な訴えがあったからだと思います。

 

はじめに請願者の私から請願の趣旨説明。そして、

 同様の趣旨の請願を過去2回提出したが、今は任意の解決を目指しており、

 強制収用という仮定の話を前提とした意見書を提出するのは不適当である

 として不採択とされた。

 しかし、もう仮定の話ではない。収用委員会に裁決申請され、それが受理された。

 ここにきてもまだ任意解決の道が残されていると考えるなら、

 それは現実を無視した希望でしかない。

 そのような可能性が残されているのかどうか、

 地権者の方々の真実の声に耳を傾けてほしい。

と訴え、地権者のお二人にバトンタッチ。

 

地権者のI・Sさん:ダム建設予定地こうばるは、緑とたくさんの種類の生き物に囲まれた素晴らしい所。

それらはお金では買えない。

このすばらしい環境を奪わないでほしい。

このかけがえのない自然を100年先のこどもたちに残したい。

それが私たちの願いだ。

 

もう一人の地権者のI・Hさん:土地収用法という権力を振りかざし、

行政代執行を行えば大きな衝突がおきるだろう。

13軒もの家を壊しての強行など聞いたことがなく、全国から大きな批判を受けるだろう。

もしそうなったら、私は家の柱に体を鎖でくくりつけて抵抗したい。

家を壊されたら、戻って来て、そこに小屋を建てて住みつく。

その小屋を壊されたら、また新たな小屋を建てて住む。その繰り返しになるだろう。

 

請願者のM・Yさん(石木川まもり隊):これほどの人権侵害は許されない。

委員の中にも強制収用には反対の方がいるはず。

かつて最悪の事態になったら断固反対すると言った方がここにもいる。

川棚町長も促進町民の会の会長も、強制収用は避けてほしいと発言している

 

請願者S・Mさん(水問題を考える市民の会):石木ダムは県の事業だがしかし、

出発点は佐世保市議会の決議だった。

40年前母が市議だった時に石木ダム建設の決議がなされた。

いま母はテレビなどで石木ダムの状況を見るにつけ、

あの時賛成したのは間違いだったと後悔している。

もしも代執行に至ったら、今ここにいる委員の皆さんも後悔することになるだろう。

 

その後、委員からの質問や意見が出されました。

 

田中委員:皆さんのお気持ちはわかるが、立ち退かれた方も苦渋の決断をしており、

その方々の思いも大事にしなければならない。

佐世保は大渇水を経験しており、あの被害は2度と繰り返してはならない。

100年に1回の大渇水がいつやってくるか、来年来るかもしれない。

あの時もっとお願いしておけばよかったと後悔しないよう、やはりお願いするしかない。

 

片渕委員:戦後どれだけのダムや道路などの公共工事がなされただろう。

それらが整備されたおかげで今の恵まれた暮らしがある。

その陰で多くの方がその工事を受け入れ家や土地を離れていかれた。

石木ダムもやはりご協力をお願いするしかない。

なぜなら、確かに今は貯水率95%だが、

ひとたび大渇水になったときには暮らしも経済も大変なことになる。

 

請願者:100年に1回とかの大渇水のために石木ダムが造られるならば、

国からの補助金はもらえない。

そのようなことを理由にすれば日本中に造らなければならなくなり

お金はいくらあっても足りない。

また、県や市の財政も逼迫している。佐世保の水道施設は老朽化している。

これからはそれらの補修などに多額の費用がかかる。

 

片渕委員:大渇水が石木ダム建設の理由にならないことは私も知っている。

ただ、端的な例として市民の皆さんに理解されるよう申し上げている。

実際には民主国家としていろんな手続きを踏んで事業認定されたと理解している。

 

請願者:しかし、市長も市議も石木ダムの必要性の話を市民にする時、

二言目には平成6年の渇水を持ち出している。

市民の多くは石木ダムはあの渇水の苦労を避けるために造られるのかと誤解していると思う。

そのような誤解を招かないよう発言に注意してほしい。

 

地権者:利水のためなら、採石場跡地に貯水池を造る方法もある。

それならダムよりももっと簡単に安く造れるのに、県はまともに検討しようとしない。

 

湊委員:石木ダムは治水の面でも大事だと思う。

川棚町の方を洪水から守るためにも必要なんじゃないか?

 

地権者:河川改修工事が完了すれば過去の洪水被害は防ぐことができる。

100年に1回降るか降らないかの雨に備えてと言っているが、

それも降る場所によっては石木ダムでは防げないと思う。

 

湊委員:広島でも大きな被害がおきたが、最近は100年に一度、200年に一度の被害が各地でおきている。

それに備えて対策を講じる必要はある。その被害がいつ起きるかわからないのだから。

 

地権者:雨は何処に降るのかわからない。

県内どこでも100年に一度に備えてダムを造らなければならなくなる。

 

市岡委員:地権者の皆さんに聞きたいが、話し合いの扉は開けておられるのか?

裁決申請されたが、今後も知事と話し合う気はあるのか?

 

地権者:ダムの必要性についての話し合いには門を開いている。

補償とかの話し合いに応じる気はない。

 

さて、最後に山下委員はこのような発言をされました。

地権者の方の故郷への思いがダイレクトに伝わってきた。

しかし、いま私は会派の代表としてここにいる。

私自身の1票は議場で行使したい。

これからもいろんな声に耳を傾けていきたい。ありがとうございました。

 

午前中の委員会はここで終了。昼食を挟んで午後1時再開。

各会派の結論が述べられ、その後裁決。予想通り全会一致で不採択となりました。

 

しかし、山下委員は、会派として反対するが、私の気持ちは午前中と変わってはいないと発言され、その勇気に心の中で拍手。

 

他にもいるはずなんだけどな〜

山下委員と同じ思いの方が。

でも、自分に正直になる勇気が出ないのでしょうか?

それとも、あの時おっしゃったことは嘘?話を合わせただけ?

いえいえ、そんなはずはない!

と、信じています。 

 

 

”聞きたい” その4

シリーズ4回目の今日登場したのは、石木ダム対策弁護団副団長の板井優氏。

川辺川ダムを止めた弁護団団長として知る人ぞ知る板井弁護士。

私も聞きたいと思っていました。

その通り!と、読みながら頷くことばかり。

★ この国の政策は「はじめにダム有りき」

★ ダムを造りたければスパンを長くすればいい

★ しかし、想定外の大雨が降ればダムもあふれる→ソフト面の対策こそ重要

★ 過去の大渇水を石木ダムで防げるというデータも根拠もない

★ ダムを造らないということを法律で決める時代に来ているのではないか

 

この記事を読んで、目から鱗の読者もけっこういたのでは?

板井弁護士の鋭い視点を、わかりやすくまとめた記者さんに拍手! 

 

”聞きたい” 石木ダム問題

ついに強制収用の手続きに踏み出した長崎県。

もはや地権者だけの問題ではない。

川棚町民や佐世保市民だけの問題であってはいけない。

県の事業なのだから、県民の多額の税金が投入される事業なのだから、

県民自信が関心を持って考えるべきこと。

でも、多くの県民は「よくわからな〜い」というのが実情。

で、少しでもわかるために、まずは話を聞いてみましょう。様々な立場の人に。

 

そういう意図なのかどうかはわかりませんが、石木ダム問題について、

西日本新聞が連載を始めました。とても読み応えがあります。

何回まで続くのか不明ですが、とりあえず、18日〜20日までの3回分をまとめて転載します。

 

今年度から県土木部長に就任された浅野氏の話には、正直がっかりです。

いつも柔らかな言動で、これまでの官僚的、上から目線の部長さんとは違う、話し合える方のように感じていました。

というのも、昨年から何度か公開質問状を出しましたが、今年3月までは企画監が対応するだけ。
しかも、質問に答える必要はないというのが彼の答えでした。

それは企画監の答えというより、それは河川課長の答えであり、土木部長の答えだったはず。

ところが、5月以降、話し合いがもたれるようになり、そこには必ず新土木部長の姿がありました。

だから、私たちは、浅野部長は地権者の理解を得るためには、ちゃんと話し合いをしなければならないことを理解している人なのだと思っていました。
地権者の疑念を払拭するための説明責任を自覚している人だと感じていました。

しかし、このインタビューに答えている浅野部長はまるで違います。
これが部長の本音だったのでしょうか。

「ダムの必要性については、われわれは前から説明して来ている」
「理解が得られていないのは、見解の相違と言わざるを得ない」

その見解の相違を解決するべく、私たちは「県の主張のここが納得できない。県がそう判断する根拠を示してください」と具体的に質問するのですが、県はその根拠を示す具体的な資料やデータは示さず、同じ説明を繰り返すばかりです。

それでは見解の相違が縮まるはずはありません。

その努力をせずして「ご協力いただくしかない」と結んでいるのは、これから話し合いを続けても、それは形だけのものですよということなのでしょうか。

結局、県自身は石木ダム計画を精査する意思はさらさらなく、ただ「理解せよ、協力せよ」と押し付けるだけ。浅野部長も、その方針に沿って仕事する官僚に過ぎないということなのでしょう。残念です。

 

川原で暮らす地権者の思いを実にしっかりまとめてあります。

石丸さんが日頃おっしゃっていることが、そのまま文字化されている。

石木ダムのことを何も知らない読者でも、3回ほど読んでくださったら、きっと、その本質が伝わってくると思う・・・そんな記事でした。

 

推進派の会長さんの話は、私には初耳でした。

予備調査を始めたころの長老たちの条件闘争、強制測量を県に促しておきながら「知らなかった」とコメントした当時の川棚町長の嘘などバラしています。
反対同盟13世帯との昔の思い出や記念写真を大切に持っていることを語るなど・・・
フェアないい人!と思いながら読み進みました。

ところが、ところが、最後に来て、「十分な損失補償金が出るうちに、理解してほしい」「建設できなければ・・・町も大損する」ときた。

うーん、残念!

こりゃダメだ。

ここの違いなんですよね。13世帯はお金ではない。お金を求めてはいない。お金では動かない。本当の豊かさを求めているのだけれど、それが、この方には理解できていないようです。

 

明日は誰が登場するのか、識者とはどなた?

楽しみです。 

 

9月18日の動きを伝える各紙

なるほど、そういうことか〜

と、収用裁決がどういうものなのか知らない人(ほとんどの読者)にも分かりやすく書かれています。

*収用委員会が裁決申請を受理する要件は、書類として整っており、手続き上の不備がないことだけ。

*そこで審理するのは補償額や明渡し期日などをきめること。

*裁決申請書の写しは9月中にも公告縦覧が始まるようです。

*「18日は非公開で開かれた」とありますが、10月に開かれる次回以降の委員会は、公開されるのでしょうか?

 

 

へー!

県は取材に対し、「審尋の内容は明らかにできない」と言ったらしい。

そんな規則でもあるのでしょうか?

あったとしたら、馬奈木弁護士たちは規則違反になりますが・・・

こちら側の弁護団は審尋後に丁寧な報告会を開いてくれました。

マスコミの方にもオープンで。

審尋の内容を明らかにするのが規則違反なら、そんなことはできないでしょう。

 

審尋に対して取材拒否したのは、なんでもこっそりやりたがる、特に都合の悪いことは秘密にしたがる行政側の習い性みたいなものでしょうか・・・

 

 

初めての審尋

午後1時半過ぎ。50人ほどの人が集まりました。

2時から始まる「通行妨害禁止仮処分命令申立事件」の審尋を前に開かれた「門前集会」。

門とは長崎地裁佐世保支部の門です。

債務者を代表して岩下さんが挨拶。

弁護士団からは、馬奈木団長が挨拶。

 

馬奈木先生の話で印象的だったのは、

「私はこれまで行政の理不尽な公共工事を止める闘いをいろいろやってきたが、この石木ダムくらい無茶苦茶な計画はない。そしてまた、その地元住民が40年にわたって闘い続けている例を私は知らない」

「昔、フリードリヒ大王という専制君主が粉屋の親父に水車小屋を明け渡せと言った。すると、その親父は大王へ言った。『一緒に町へ行こう!町には裁判官がいる。私の権利は裁判官が守ってくれる』と言ったんです」

「でも、私は付け加えたい。何もしないで裁判所が権利を守ってくれることはありえない。私たちが自分の権利を守って離さず闘い続ける。その場合にのみ裁判官は守ってくれるんです」

「権利を最後まで守り抜きましょう!我々は最後まで闘いぬく。勝つのは私たち!」

 

 馬奈木節に感動し、少し高揚した気分のまま、皆さんの拍手に送られて裁判所内に向かいました。

裁判を傍聴したことはあるけれど、自分が当事者になったのは初めてで、興味津々。

「審尋」という言葉も初めて知ったくらいなので、何もわかりません。

が、大丈夫。今回は23人全員が弁護団に委任しているので、弁護士の先生方がみな対応してくれます。私たちは見守っているだけでいいのです。

 

案内された部屋に入ると、県側の弁護士1人と石木ダム建設事務所長を含む県職員4人がすでに席についていました。

こちら側は、弁護士4人と債務者21人(23人中、2人が欠席)が県側と向かい合って着席。

ほどなくして裁判官ら4人が入ってくると、全員が起立して礼をし着席。 

裁判長はまず、県から提出された申立書と、こちらから提出した答弁書の確認をおこない、付け足すことがあるか尋ねました。

 

こちらからは、この申立書には誰が何をしたのか、何をもって妨害したというのか、その事実が書かれていない。

全体として妨害したと言うが、それならいつどこでどのような妨害をしたのか、妨害の謀議をしたのか、それが示されなければ認否もできない。まずそれをしてほしいと要求。

裁判長もそれを認めて県に示すように言い、県は今月末までに提出すると約束。

こちらの弁護団は、それを受け取ってから、債務者各人に話を聞き確認の上、妨害の認否を表明するが、それには時間がかかる、1ヶ月とまではいかなくても、それに近い日数を要することを告げました。

 

県からこちらへ出された要求は、この道路工事はダムとは関係ない、それを関係あると言うなら、それを示すものを提出するようにとのことでした。

え?関係ない?
石木ダムができることによって今ある道路は水没する、だから、それに代わる新たな道路が必要、そのための道路工事でしょ?それが関係ないなんて…

皆から驚きの溜息がもれました。

しかし弁護団はそれを受け入れ、妨害の認否と共に10月20日までに書面を作成することを約束しました。

 

その結果、2回目の審尋は10月24日午後4時半からと決まり、今日の審尋はわずか15〜6分で終了。

その後、市民活動交流プラザにて報告集会をもちました。

 

ここでも馬奈木節は冴え、諫早湾開門訴訟と対比させ、県がいかにあべこべちぐはぐなことをやっているか、わかりやすく説明されました。

知事は国に対しては、開門有りき、事業有りきではいかん、まずちゃんと説明しろと言う。

約100項目の質問を国に提出し国がそれに答えても、答えになっとらん、やり直せと言い、その繰り返しを3〜4回もやっている。

ところが石木ダムに関しては、ダム有りき、まさに事業有りき。こちらの質問にきちんと答えない。知事は説明しようとしない。知事は補償の話にしか出てこない。 

それはおかしいだろう?ということを県に、そして県民に伝えよう。

私たちは頭から全面否定しているわけではない。
質問を出し納得できるよう説明して下さいと求めている。その納得が得られて工事をすればいい。

地権者や県民に対しては問答無用なのか?
権力を振り回せばどうにかなると思っているのか。

税金を無駄遣いしてはいけない。
知事は誰のためにお金を使おうとしているのか?

等々の話に、皆深く頷きながら聞いていました。

 

弁護団の頼もしさを再認識するとともに、

県が圧力をかければかけるほど、かけられる側の団結は深まり、支持は広がるものなんだな〜

と実感!