そのニュースは突然飛び込んできました。
1月16日夜、知人からの知らせで、水道局のHPを確認すると、確かに「石木ダム建設事業にかかる事業再評価について」令和2年1月23日(木曜日)10時00分~16時00分に委員会を開催するとの告知が出ていました。
https://www.city.sasebo.lg.jp/suidokyoku/suisou/kentouiinkai.html
諮問する委員会は、「佐世保市上下水道事業経営検討委員会」です。
私たちは昨年11月から再評価委員会の設置を強く求めていましたが、それには全く耳を貸さず、結局、経営検討委員会で間に合わせるという、安直で形だけの再評価をやろうとしています。
23日と言えば、あと1週間しかありません。
まずは、なぜ不適切な経営検討委員会に諮問することになったのか、その経緯を知りたい。
また、委員会のスケジュール(何回、いつ頃開く予定か)も知りたい。
そのような思いで、翌17日の午前11時に5人で水道局に話を聞きに出かけました。
ところが、メンバーのKさんが事前に伺うことを告げていたにもかかわらず、石木ダム再評価について説明できる方は誰もいないと言うのです。
つまり、再評価の実務担当責任者である水源対策・企画課の課長も不在で、水源対策係の5名中4名も不在、在籍していたお1人は新人の方で何も答えられないとのこと。
しかも、いつ戻るのかわからない、携帯をかけても「現在電波の届かない所にいるか・・・」のアナウンスが流れるか、着信音が鳴っても繋がらない。結果、誰とも連絡が取れない、とのこと。「連絡ください」とのメールを入れてもらいましたが、それにも応答が無いとのこと。
そんなことがあるのでしょうか?
一般企業であれば、会社からの呼びかけに社員が応答しない、いつ帰社するかの予定も告げず出て行ったきり、何の連絡もしない・・・なんてことは許されません。
公営企業は許されるのですか?
佐世保市水道局は許されるのですか?
それとも私たちから逃げていたのですか?
逃げるよう指示されていたのですか?
そんな疑念さえ湧いてきました。
私たちは、水道局の終業時刻の17時15分まで局内で待たせてもらいましたが、とうとうどなたにも会うことはできませんでした。
なぜ市民から逃げるのでしょう?
なぜ説明すべきことから逃げるのでしょう?
私たちは石木ダム再評価をとても重要視しています。
私たち佐世保市民にとって、石木ダムが本当に必要な、今後も継続すべき事業であるのかどうかを検討する大事な機会だからです。
あらゆる実績値や人口予測や様々な資料が集められ、科学的に分析し検証される、その過程を市民も共有することができるからです。
しかし、その目的を本当に果たすためには、公正中立な再評価委員会を設置しなければなりません。
常設の上下水道経営検討委員会ではダメなのです。
なぜなら、同委員会は、佐世保市水道局の予算や決算など経営のあり方に関することだけでなく、上下水道ビジョン等各種計画の策定に関しても検討することと条例に明記されています。
その水道ビジョンの重点施策の1つが石木ダムです。石木ダム推進を図るというビジョン策定に関わった委員たちがその判断を否定するはずがありません。結論は分かり切っています。
石木ダムを推進する佐世保市が、石木ダムを推進する佐世保市上下水道事業経営検討委員会に諮問すれば、「事業継続」となるのは明らかです。
そのような再評価は茶番です。
そうならないように、国は再評価に関して「学識経験者等の第三者から意見を聴取すること」と義務付けているのです。
同委員会が第三者でないのは明らかです。
水道局の皆さん、佐世保市上下水道事業経営検討委員会になぜ諮問するのか、その理由を説明してください。
説明できないなら、今回の委員会開催は止めてください。
そして、今からでも再評価委員会の設置を考えてください。
お願いします!
1月23日10時~16時30分、「佐世保市水道事業経営検討委員会」(常設の諮問機関)が佐世保市役所4階の会議室で開催されました。52ページもの資料を出しておきながら録画録音ダメ、小さい字で書きだしたスクリーンは、最前列でも読みにくい。音声貧弱で聞き取りにくい、誰が何を発言しているのかよく分からない状況でした。水道事業が私たち市民のお金で成り立っているのだから、すべてを市民に公開するのが当たり前なのに、隠そうとしているように思えました。水需用実績のグラフは最近数カ月のものしかなく、「石木ダム建設が必要」ということを無理やり押し付けようとしているように感じました。現在、平均給水量が6.9万㎥/日なのに最後の結論には11.8万㎥/日必要とするなどひどいものです。委員長が「グラフが右肩下がり(水需要が減る傾向)ばかり、右肩上がりにできなかったのか」と言ったところは、笑いました。
検討委員会メンバーも、誰がどういう基準で選んでいるのか分かりませんが、全然関係のないことを発言したり、明らかに勉強不足で石木ダム推進派と言われるような人が多かったようです。到底、「公正中立な諮問機関」とは言えない人たちでした。メンバー選考には誰もが納得できる人を選ぶ方法を検討してほしいと思いました。 (靖)