昨日の佐世保市議会本会議で、林議員が農業用ため池について質問しました。
利水対策案の1つとして、ため池の活用を考えている私たちは、興味津々で傍聴。
たいへん参考になりました。
林市議は、一昨年3月と今年の7月、相次いで起こった溜池の漏水事故を、
決して軽んじてはならない重大な問題と受け止め、
原因究明と、十分な調査、そして対策を講ずべきであると指摘しました。
その質問と回答を簡単にまとめると、
Q.事故が起きた2つのため池と同じ形式の溜池は十分な検証が必要。
三度の事故があってはならない。どういう対策を考えているのか。
A.民有ため池の管理者に管理の方法を周知すべく点検マニュアルを配布した。
12月には県と市、災害ボランティアと共に重要な溜池を点検する予定。
さらに今後溜池台帳を精査し、下流域に民家、公共施設が有る民有溜池において
木栓が設置してある場合、金属製の栓に変えるよう啓発したい。
(2つの事故は共に、溜池の底樋の木栓が老朽化し破損したことが原因だった)
Q.市有はもちろん民有も含めた老朽溜池の長期的な整備計画の必要性があるのでは?
A.長期整備計画の必要性は認識している。
そのため市内のため池2670ヶ所について現況調査を行い、
下流に民家や公共施設のあるものを特に重要視している。
市有10箇所の溜池について平成22年度から整備しており現在6ヶ所を終了、
民有の溜池の改修については、助成事業として毎年配分をしている。
Q.全国的に耕作放棄地が増えている。
耕作者の激減に伴い、「遊休ため池」が問題となってきている。
有害鳥獣の住処となるなど周囲の環境への悪影響や、転落事故など防災上の問題も。
今後増加が予想されるこのような機能不能溜池の管理について、どのように考えているか。
A.農業用に利用されなくなった遊休ため池は、防災面の事が一番重要な問題。
水が溜らないよう土手の部分をカットする方法を取りたい、
そういう方向で所有者と話をしたいと考えている。
えー!せっかくの水源を無くしてしまおうってわけ?
水不足、水不足、と騒いでおきながら、今ある水源を活用しないなんて…
そんなやり方で、隣町の地権者の方々の理解が得られると市長は本気で考えているのでしょうか?
Q.旧合併町には国有林野の中に存在する農業用溜池がある。
これらはたんに農業用だけでなく、緑のダムとしての機能もある。
その整備に関する負担は農業者だけでなく、行政側の支援も必要と考えるがいかが。
A.中長期の対策として重要と認識している。
え?答えはたったそれだけ?
と思ったら、議員さんたちの間でも失笑が広がりました。
あまりにもそっけないというか、答えとも言えない答えに、誰もが笑うことしかできなかったのでしょう。
いつも冷静な林議員は、穏やかにこう言って、質問を終わりました。
ため池は農地の根幹。
ため池保全の健全化に向けて、総合的な対策に是非、取り組んで欲しい。