通行妨害禁止の決定下る

3月24日、県が申し立てしていた仮処分について、ついに裁判所の決定が下されました。
 
 
地権者を含む16人に対し、通行を妨害しないよう命じ、
残り7人に対しては「妨害したと認めるに足りる的確な疎明はない」として、
申し立ては却下されました。
 
昨年7月、石木ダム建設のための「付け替え道路」の工事再開の際に、
地権者や私たちが工事入口付近で8日間にわたっておこなった抗議行動に関する処分です。
 
私たちにとっては想定内の決定であり、むしろ、
仮処分の申し立てでありながら、裁判所が7ヶ月半もの時間をかけて慎重に判断されたことを、
評価したいと私は思います。
 
県はこの決定を受け、来月にも工事を再開する方針を示したようですが、
また昨年と同じ睨み合いをやりたいのでしょうか。
 
その前に、まず話し合いをやるべきです!
3月4日に地権者や私たちが提出した質問に、いつ答えるのですか?
地権者の求める説明には応じず、何度県庁を訪れても知事は会ってくれず、
手続きや工事だけは力ずくで進めようとする。。
 
現政権と同じですね。
沖縄県民と川原住民がオーバーラップします。
なぜ県は住民の声を聞こうとしないのですか?
なぜ住民の疑問に答えようとしないのですか?
 
「日本は法治国家だから」と沖縄県のやり方を批判し、工事は進めると菅官房長官は断言しましたが、
長崎県も同じことを言うのでしょうか。
 
ここは県が買い取った土地だから、住民がどんな反対しても工事は続ける、
それを妨害する者は法により罰せられるべきだと。
 
では、貴方たちの約束違反はどうなるのですか?
他者に法を守れというなら、自らがまず、約束を守るべきでしょう。
 
昭和47年に取り交わした長崎県知事と川原郷総代との覚書、つまり、
ダム建設の必要が生じたときは、協議の上、書面による同意を受けた後に着手すること、
この約束は平然と破り、勝手にどんどん進めているではありませんか!
 
まずは協議です。話し合いです。
起業者と地権者がしっかりとことん話し合い、理解を得た上で、文書を交わし、
そうしてやっと工事が始められるのです。
 
 
その約束を無視して、
国が認めたからとか、第三者機関が評価したからとか、みんな他人のせいにして、
工事だけは何が何でもやろうとする・・
 
県民の理解が得られるとお思いですか?
その工事費を負担するのは私たち県民です!
 

仮処分の結果は・・・えっ!来年3月?

今日は仮処分審尋の最終日。

県は今年8月、私たち(石木ダム建設予定地に住む地権者をはじめ石木ダム反対派市民など計23人)が通行を妨害したとして、その行為を禁止するよう地裁に仮処分を申し立てました。

そのため、私たちは債務者として審尋に参加し、裁判官と弁護団のやり取りを見守ってきましたが、今日で最後。

少しは専門用語にも慣れてきたかな?今日こそはしっかり内容を理解したいと思いつつ地裁前に行くと、

すでにたくさんの支援者と報道関係者が集まり、寒い中弁護団の到着を待っていました。

 

時間となり、私たちは裁判所内へ。

審尋が始まると、裁判長は双方の弁護団に、言い残したことはないか確認し、双方が「無い」と答えると、

これまでの準備書面を1週間以内にデータで提出するよう求めました。

そして結果が示される時期について問われると、裁判長は「来年3月の頭頃になりそうです」と言いました。

えっ?聞き間違えたのかな?と思いつつ正面の県側の席を見ると、県職員はもっと驚いた顔をしていました。

「もちろん、それより早く出せないか努力はしますが・・・」と早まる可能性も示したので、

県側も頷くしかありませんでした。

「では、これで終わります」との言葉を聞いたのは、審尋開始後ほんの2〜3分のことでした。

 

待っていた報道陣や支援者に弁護団からの報告。

 

終了後、近くの公民館でいつものように報告集会をおこないました。

経験豊富な弁護士の先生方は、

・仮処分の結論がこれほど先になるなんて考えられないこと

・普通1〜2週間後には出ますよ

と、口々におっしゃっていました。

 

素人が考えても、そうだろうと思います。

普通の裁判をやっていたら間に合わない場合にやるのが仮処分の申し立てのはずですから。

県にすれば、工事を始めようとしたら反対派が妨害して工事ができない、反対派を早く排除したい、

でも、警察権力など使うわけにもいかないし・・・ということで裁判所に申し立て、

「工事の邪魔をしてはいけませんよ、これ以上邪魔をするなら罰金を課しますよ」

というお裁きがあるに違いないと思い、その日を一日も早く…と願っていたのだろうと思います。

 

県が私たちに対する仮処分の申し立てをしたのは、8月7日でした。

その後、第1回の審尋が9月18日、第2回が10月24日、第3回が11月21日、そして今日が第4回目の最終日。

申し立てから審尋終了まで4ヶ月を費やし、さらに結論が出るまでに3ヶ月としたら、合計7ヶ月。

これは確かに異例中の異例のことでしょう。

なぜ、その異例のことがおきたのか…

 

弁護団はこう説明しました。(もちろん、あくまでも各弁護士の推測ですが)

裁判官は皆さんの熱意を受け止めたのではないか?

花開いたと言うのは言いすぎかもしれないが、成果を得たのは事実。

県は私たちとの話し合いを拒否して、工事や収用の手続きばかり急いでいる。

何故そんなに急ぐのか、もう少し地元の皆さんと話し合ったらどうですか?と裁判所も思ったのではないか?

 

なるほど・・

そうかもしれない。

そうなら嬉しい!

結論がまだ先になるということは、それまで工事は始まらないということ。

地元地権者をはじめ私たちも安心して年末年始が迎えられるし、1月の佐世保大集会にも集中できます。

また、県や佐世保市とも、話し合いの機会が再び持てるかもしれません。

 

弁護団の先生方は、こうもおっしゃいました。

「裁判官も収用委員も人間です。こちらが誠意を持ってぶつかることが大事です」と。

 

さあ、次は、16日の収用委員会です。

収用委員の先生方に、私たちの「誠意」が伝わるよう、がんばりましょう〜 

 

 

第2回審尋を終えて

昨日、石木ダム道路工事妨害禁止仮処分申し立てに関する第2回審尋がおこなわれました。

この日で結論が出され、すぐにでも道路工事が再開されるのでは?との覚悟もしていたのですが…

 

 このような結果となりました。

つまり、「県側は私たちが工事を妨害したというが、ただ現場近くに立っている写真だけでは妨害したという証拠にはならない、認否のしようがない」と当方弁護団は主張し、裁判長もそれを認め県側に質すと、県側は「ビデオ映像を提出する」と言い、それが提出されて後、当方の認否をあらためて示すことになったわけです。

次回審尋は11月21日です。

こんなに工事中断が延期されるとは…と内心意外な(もちろん嬉しい)気持ちでしたが、

裁判長のさらなる提案(和解協議)があり、双方とも前向きに検討する意向を示し、その予定日も12月に入れられました。

ということは…年内は工事の再開はない可能性もふくらんできたわけです。

 

当方弁護団の高い弁護能力と、裁判長の賢明な判断と、県側の慎重な姿勢に感謝します。

 

初めての審尋

午後1時半過ぎ。50人ほどの人が集まりました。

2時から始まる「通行妨害禁止仮処分命令申立事件」の審尋を前に開かれた「門前集会」。

門とは長崎地裁佐世保支部の門です。

債務者を代表して岩下さんが挨拶。

弁護士団からは、馬奈木団長が挨拶。

 

馬奈木先生の話で印象的だったのは、

「私はこれまで行政の理不尽な公共工事を止める闘いをいろいろやってきたが、この石木ダムくらい無茶苦茶な計画はない。そしてまた、その地元住民が40年にわたって闘い続けている例を私は知らない」

「昔、フリードリヒ大王という専制君主が粉屋の親父に水車小屋を明け渡せと言った。すると、その親父は大王へ言った。『一緒に町へ行こう!町には裁判官がいる。私の権利は裁判官が守ってくれる』と言ったんです」

「でも、私は付け加えたい。何もしないで裁判所が権利を守ってくれることはありえない。私たちが自分の権利を守って離さず闘い続ける。その場合にのみ裁判官は守ってくれるんです」

「権利を最後まで守り抜きましょう!我々は最後まで闘いぬく。勝つのは私たち!」

 

 馬奈木節に感動し、少し高揚した気分のまま、皆さんの拍手に送られて裁判所内に向かいました。

裁判を傍聴したことはあるけれど、自分が当事者になったのは初めてで、興味津々。

「審尋」という言葉も初めて知ったくらいなので、何もわかりません。

が、大丈夫。今回は23人全員が弁護団に委任しているので、弁護士の先生方がみな対応してくれます。私たちは見守っているだけでいいのです。

 

案内された部屋に入ると、県側の弁護士1人と石木ダム建設事務所長を含む県職員4人がすでに席についていました。

こちら側は、弁護士4人と債務者21人(23人中、2人が欠席)が県側と向かい合って着席。

ほどなくして裁判官ら4人が入ってくると、全員が起立して礼をし着席。 

裁判長はまず、県から提出された申立書と、こちらから提出した答弁書の確認をおこない、付け足すことがあるか尋ねました。

 

こちらからは、この申立書には誰が何をしたのか、何をもって妨害したというのか、その事実が書かれていない。

全体として妨害したと言うが、それならいつどこでどのような妨害をしたのか、妨害の謀議をしたのか、それが示されなければ認否もできない。まずそれをしてほしいと要求。

裁判長もそれを認めて県に示すように言い、県は今月末までに提出すると約束。

こちらの弁護団は、それを受け取ってから、債務者各人に話を聞き確認の上、妨害の認否を表明するが、それには時間がかかる、1ヶ月とまではいかなくても、それに近い日数を要することを告げました。

 

県からこちらへ出された要求は、この道路工事はダムとは関係ない、それを関係あると言うなら、それを示すものを提出するようにとのことでした。

え?関係ない?
石木ダムができることによって今ある道路は水没する、だから、それに代わる新たな道路が必要、そのための道路工事でしょ?それが関係ないなんて…

皆から驚きの溜息がもれました。

しかし弁護団はそれを受け入れ、妨害の認否と共に10月20日までに書面を作成することを約束しました。

 

その結果、2回目の審尋は10月24日午後4時半からと決まり、今日の審尋はわずか15〜6分で終了。

その後、市民活動交流プラザにて報告集会をもちました。

 

ここでも馬奈木節は冴え、諫早湾開門訴訟と対比させ、県がいかにあべこべちぐはぐなことをやっているか、わかりやすく説明されました。

知事は国に対しては、開門有りき、事業有りきではいかん、まずちゃんと説明しろと言う。

約100項目の質問を国に提出し国がそれに答えても、答えになっとらん、やり直せと言い、その繰り返しを3〜4回もやっている。

ところが石木ダムに関しては、ダム有りき、まさに事業有りき。こちらの質問にきちんと答えない。知事は説明しようとしない。知事は補償の話にしか出てこない。 

それはおかしいだろう?ということを県に、そして県民に伝えよう。

私たちは頭から全面否定しているわけではない。
質問を出し納得できるよう説明して下さいと求めている。その納得が得られて工事をすればいい。

地権者や県民に対しては問答無用なのか?
権力を振り回せばどうにかなると思っているのか。

税金を無駄遣いしてはいけない。
知事は誰のためにお金を使おうとしているのか?

等々の話に、皆深く頷きながら聞いていました。

 

弁護団の頼もしさを再認識するとともに、

県が圧力をかければかけるほど、かけられる側の団結は深まり、支持は広がるものなんだな〜

と実感! 

速報!付替え道路工事中断!

付替え道路工事中断!です。

午前中はいつものように所長以下県職員が数名やってきて、

いつものやりとりをして「また午後来ます」と帰っていったのですが・・・

私たちを説得することの不可能さをようやく納得したのでしょうか?

「法的措置」をとったそうです。

どのような措置なのでしょう?

 

とりあえず、明日からしばらくお休みです。

今後についてはまたお知らせします。

 

今日は久しぶりの夏空です。

昨日届いたばかりの横断幕を今朝設置。

Y子さんも、絵の中の虚空蔵山も、朝日を浴びて眩しそう!

でも、日除けになって、これはいいかも・・・これから役に立ちそう!

と思っていたところでした。。。

 

 

歌の力 県職員もたじたじ

今日で6日目です。 

いつものように私たちは背中で、所長の言葉を聞いていました。

暑い中また雨の中、阻止行動を続ける私たちの団結力と熱意に「敬意を表します」と言いながら、

しかし、これは正当な手順や手続きに則って発注した工事なので、何とか通してほしいと訴える。

向かい合っていれば「何が正当か!」と誰かが怒鳴り返すところだけど、いまは静か。

私たちは静かに所長の言葉を聞き、

 

 

所長への答えは、歌で返しました。

「川原のうた」で川原の素晴らしさを歌い(1:35頃から)、

こんなところをダムの底に沈めることに繋がる工事は、ちっとも正当ではないと伝えました。

 

 

そして、「心に杭は打たせない」の歌で、その意思を伝えました。(0:40頃から)

 

  団結固く今もなお ふるさと守り腕を組む

  地面に杭は打たれても 心に杭は打たれない

  地面の杭は抜けばよい 心に杭は打たせない

  心に杭は打たせない

 

3曲目の「石木ダム反対の歌」は、もう聞きたくないとばかりに、所長は退散。

対応策を考えるようですが・・・

 

工事阻止行動2日目 思いを歌に込めて!

午後1時半、定刻に石木ダム事務所の古川所長と職員がやってきた時、

私たちは皆、背を向けて立っていました。

これまでのように、同じことの繰り返し、不毛な言い合いに少々疲れてしまって・・

私たちは、その思いを背中で示し、歌うことで伝えました。

 

 

事前に打ち合わせをしていたわけでも何でもありません。

県の車が近づいてくるのを見た時、誰からともなく、

「また言うたっちゃ一緒」「同じことの繰り返し」「疲れるだけ」

「そんならあっちむいとこか」「ああ、それがいい」となって・・・

所長がテントに近づいてきたときは全員回れ右の姿勢。

 

所長:皆さん、どうしてそっち向いてるんですか?
 
住民:ふるさとがきれいかけんよー、山ば見とるとー
 
所長:皆さん、こっち向いてくださいよ
 
住民:見飽きたです
住民:疲れたー
住民:あっちを向いたら笑顔になるね
住民:そうやねー
 
ラーララーララーラララー🎵
S子さんが「川原のうた」を口ずさむと、みんな一斉に歌い出しました。
 
 
🎵春は黄色の帯のよう 石木川に寄り添って 水辺の菜の花どこまでも・・・
 
 
住民:ああ、涙の出てきた
 
所長:皆さんお願いします。こっちを向いてくださいよ。
 
などと言われても、私たちはその後も、「ダム反対の歌」「ふるさと」を続けて歌いました。
 
 
(私は、つい、🎵山は青きふる里 水は清きふる里〜🎵の歌詞に力を込めてしまった)
 
 
 
 
「どうしても皆さんが話をしてくれないので、私は引き揚げます。でもまた来ます」と言い、
 
所長は帰って行きました。 
 
 

付替え道路工事初日、着工阻止

付替え道路工事初日とあって、マスコミも殺到しました。

先日の立入調査に続いて、道路工事も絶対反対の意思を伝える地権者。

ダム事務所長は先日のように、簡単には帰りません。

今日は県の職員10名の他、工事業者11名も来ていましたから。

 

所長:買収済みの区間の工事だからやらせてくれ
     私たちは正当な手続きのもとでやっている
 
反対派:正当な手続きとか、法に基づいてとか言っているが、県は諫早では何をやっている?
   諫早では県は法を守らない、判決を無視して阻止している。
   そして、ここでは法に基づいてやります?そんな2枚舌を使うんじゃない!
 
地権者:久保知事の覚書を守れ!検証をやり直すことが大事。
   本当にダムが必要なら話し合いをすべき!
 
所長:話し合いは別途時間を設けてやります
 
地権者:別途ではダメだ。着工する前に話し合うべき!
 
所長:すでに8割の方が同意しておられますので、その方々の思いも我々は背負っており…
 
地権者:嘘を言ってはダメ。ダム建設に賛成しているのは43%じゃないか。
    地権者の57%は反対してるじゃないか!
 
 
これは、事業認定申請書に次のように明記されていることを指摘しています。
 
「土地所有者及び関係人は460名であり…うち約43%にあたる199名については円満に協議が成立している」
 
ということは反対者は57%であり、「8割の方に同意をいただいている」というのは確かに間違っていますね。
 
 
 
30分ほどやりとりをした後、県側はいったん引き揚げましたが、午後またやってきました。
 
私たちはテントの中だけど、所長も職員も午後の直射日光をガンガン浴びながら気の毒だな〜
 
と思ってしまうほど、意味のないやりとりでした。
 
 
職員は、これが仕事だとわりきっているのでしょうが、こんな仕事をさせる上司やトップに腹が立ちます。
 
 
今日もまた、阻止行動の様子をカメラやビデオにおさめる県職員に、非難ごうごう。
 
これも上司の指示でしょう。
 
 
地権者:知事はイサカンでは、地元の同意を得ずに開門するな!と国に言い、
    ここでは地元の反対を無視して工事するのか?
    矛盾してるじゃないか!
    
 
全くです。職員の皆さんは、その知事の矛盾の矢面に立たされているのです。
 
それでは「生え抜きの知事」として失格ではないですか?