家庭などの節電が効果をあげている。7月は全国で前年から12%余り販売電力量が減った。原発事故を起こした東京電力管内では、やはり節電を呼びかけた昨年より14%も少ない。
暑さをしのぎ節電に取り組んだたまものではあるが、裏を返せばこうも言える。「電力の安定供給」を掲げる電力会社任せにしてきた結果、必要以上の過剰な投資がされてきた——。
自治体が供給する水道も、同じことが言える。
最大の水道事業者である東京都はこの春、9年ぶりに需給予測を見直した。人口減をみすえて全体を下方修正し、初めて右肩上がりの予測を改めて将来の減少を見込んだ。
とはいえ、需要のピークは「2020年度の1日あたり約600万トン」。これに対し、10年度の実績は490万トンにすぎず、78年度の645万トンから減少傾向が続いている。見直しは全く不十分だ。
過剰な予測に基づく投資は利用者の負担増につながる。今後、既存の浄水場などの更新だけで1兆円かかるという。社会構造や利用者の意識の変化をとらえて節水を促し、コスト削減への取り組みを強めるべきだ。
水道の需要予測は、次のような手順を踏む。
生活、工場など用途別に1日あたり平均使用量の見込みを出す。漏水分を考慮し、使用のピーク時に備えた修正をする。平均に対してピークを何倍と見込むかがカギだ。
高度成長期以降、東京都の最高値は77年度の1.25倍。倍率は低下傾向にあり、昨年度は1.11倍。夏場の需要がかつてほどふくらまなくなった。
東京都は今回の推計で77年度の1.25倍を使った。「災害対策も意識し、より長期的に見込んだ」という。
対照的なのは、大阪府が3年前に行った見直しだ。
大阪でも倍率は低下傾向にある。その原因を分析し、通年で使う屋内プールが増えたこと、エアコンの普及で夏場のシャワーの回数が減ったことなどを全国的な傾向として指摘。「倍率の上昇は考えにくい」とし、直前5年間の平均である1.14倍とした。
渇水による給水制限は、東京では平成になってからも5回あった。安定供給は欠かせないが、だからといって八ツ場(やんば)ダム(群馬県)など国が開発中の施設からさらに水を買う、という発想はとるべきではない。
今こそ節水を呼びかけ、需要を抑えて安定供給につなげる好機とすべきではないか。
朝日さん、久々に「いい仕事してますねー!」
「電力の安定供給」を掲げる電力会社任せにしてきた結果、必要以上の過剰な投資がされてきた。
そうだ!
自治体が供給する水道も、同じことが言える。
そうだ!
過剰な予測に基づく投資は利用者の負担増につながる。
そうだ、そうだ!
東京都はこの春、9年ぶりに需給予測を見直した。
人口減をみすえて全体を下方修正し、初めて右肩上がりの予測を改めて将来の減少を見込んだ。
え、そうなの?
それは偉いじゃん。佐世保市は見直しさえしようとしないよ。
しかし、見直しは全く不十分だ。
え?それはなぜ?
平均に対してピークを何倍と見込むかがカギだ。今回の推計で77年度の1.25倍を使った。
あ、それは過去の最高倍率で、高すぎるということですね。
大阪は、直近5年間の平均の倍率=1.14倍を使った、東京も見習うべしというわけですね。
な〜るほど。では、佐世保の場合をみてみましょう。
佐世保市水道局の推計によると、
平成29年度の一日あたりの平均給水量=89,462トン、最大給水量=111,410トンで、
予測倍率は1.25倍。偶然にも?東京都と同じです。
では、実際はどうかな?
昨年度の一日あたりの平均給水量=71.153トン、最大給水量=80,240トン、
実際の倍率は、1.13倍でした!
昨年度の平均給水量に予測倍率の1.25を掛けると、88,941となり、
実際の最大給水量よりも9,000トン近く水増しされます。
こういうふうにして、予測値を過大に設定してきたのですね・・
しかし、倍率の前に、平均給水量の予測そのものがめちゃくちゃ過大なのですから…
赤い線が佐世保市の主張する水需要の推計値です。
青の線が最大給水量の実績値。
緑の線が平均給水量の実績値。
現実はどんどん減っていき、予測はどんどん増えていき、その差は広がるばかり。
昨年23年度の実績と予測の差は、2万5千トンも!
さて、今年度は市水道局にとって、石木ダム事業の再評価の時期です。
今こそ、しっかり現実をみつめ、需要予測の見直しに取り組んでほしいものですね〜