「水を大切にする日」ってなあに?

17日午後、「石木川まもり隊」と「水問題を考える市民の会」は水道局を訪れました。

「水を大切にする日」のイベントが、本当にその趣旨に沿ったものとなるよう申し入れに行ったのです。

昨年の、このイベントはあまりにも趣旨にそぐわないものでした。

なぜ水を大切にしなければいけないのか?

どうやったら大切にできるのか?

などに関わることはな〜んにも無し!

ひたすら「石木ダムを早く造りましょう!」と気勢を上げるばかり。

そう。

佐世保市では、水を大切にする日=石木ダム建設促進デーだったのです。

 

そこで私たちは、次の4点について申し入れました。

 

1.「水を大切にする日」に行うイベント等(パレード及びセレモニーを含む)は、これを定めた目的、すなわち「水が限りある資源であることを訴え、水資源の有効利用を啓発する」内容のものとすること。決して石木ダム建設促進のキャンペーンに利用しないこと。

2.イベント等の実施に当たっては、佐世保の水事情について、市民の節水意識の高まりから水道使用量が明らかに連続して減少している現状を明らかにし、その上で水を大切にする市民意識を啓発する内容にすること。

3.「水を大切にする日」キャンペーンの宣伝チラシについても、1、2と同様とすること。

4.「水を大切にする日」に行うイベントに、政治課題として市民世論もまだ分かれている問題を持込み、ましてや幼稚園の園児を出演させて、その一方的な宣伝に利用しないこと。

 

その結果は・・・

残念ながら、当局はほとんどやり方を変えるつもりはないようです。

幼稚園児への出演依頼については、一応検討してみるそうですが、

石木ダム建設促進キャンペーンを止めるつもりはないと。

それは、石木ダム建設は佐世保市民のほとんどが望んでいること(!)だから、

だそうです。

 

もちろん、言ってやりましたよ!

「アースデイのイベント会場でアンケート調査をしたら、結果は59:1でしたよ。

 59人がダムは要らないと答え、ダムを望んでいる人はたった1人だったんですよ」と。

 

昨日の話し合いの中でいくつか判明したことをあげると、

1.「水を大切にする日」のイベントは、大渇水の翌年の平成7年から始まったが、
  「石木ダム建設促進」をメインテーマとし始めたのは平成20年から。

2.その理由は、19年度の渇水(減圧給水)で、市民から苦情が寄せられるなどしたから。

3.今年から開催日を変更。国が定めた「水の日」の8月1日直近の日曜日に実施。
 
4.内容は、上水道だけでなく、下水道50周年に合わせ、下水道事業のこともピーアール。
  また、夏休み中なので、小中学生の自由研究の題材となるような展示も予定している。

などがあげられます。

2.については、納得がいきませんね。

渇水が原因なら、平成7年から石木ダムをメインとするはず。

平成6年の渇水こそ市民がとても苦しんだ大渇水だったのですから。

(もちろんそれは、佐世保だけではありませんが)

やはりこれは、朝長市長の意向が働いてのことではないか?
(朝長市長は19年に就任。以後、石木ダム建設への動きが加速)と、
皆が言うと、「それはない。あくまでも水道局の企画だ」との回答でした。

それが本当なら、佐世保市水道局にはがっかりです。

当時、福岡市や長崎市のように有収率が90%に達していたら、給水制限の必要はなかったのですから。

ダム建設よりも前に、水道局自身が努力することがあったのです。

より真剣に漏水対策に取り組むべきだったのです。

そして、「水を大切にする日」にこそ、市民にも漏水点検の呼びかけをする絶好の機会だったのです。

(漏水の多くは、個人の敷地内の配管で漏れてる場合が多いから)

再生水利用地域を増やすとか、他にも対策は考えられるのに、

すぐに石木ダムに頼ろうとするのは、あまりにも安易です。

 

日本の電力の3分の1は原発で賄っているのだから、原発はどうしても必要!

と言い続けた電力会社と同じですね。

でも、自然エネルギーや節電機器の技術開発もどんどん進んでいるし、

地熱発電やバイオエネルギーも有望視されてきた。

やる気になれば道は開ける!

ダムしかないと思い込んだら、そこで代替案への関心はなくなる。

まるで念仏のように、石木ダム、石木ダムと唱えているうちに、税金はどんどんムダに消費されるばかり…

 

水道局の皆様。

もう一度、初心に戻って、子どものような素直な気持ちで自問自答してみてください。

「水を大切にする日」って、なあに?と。

ほーちゃんの手作り新聞

「こうばる通信」

石木ダム建設予定地に生まれ育ったほーちゃんが、

家族のこと、地域のことを感じたままに書いている手作り新聞。

 

それを始めるきっかけは、やはりダム問題でした。

昨年の今ごろ、付替え道路建設を強引に始めた県と住民との対決、

激しい抗議、毎日の座り込み。

親世代、祖父母世代の必死の抵抗を見つめながら、

ほーちゃんは、自分にできることは何か?と考え、始めたのが「こうばる通信」でした。

 

この新聞がNBC記者の目に止まり、昨日、夕方のニュース番組の中で特集されました。

「石木川まもり隊」の仲間でもあるほーちゃんの雄姿?を、是非ご覧ください!

 http://www.youtube.com/watch?v=c-IB3at5vN4

 

最低レベル!長崎県の水道施設の耐震化

2011/03/25付 西日本新聞朝刊の記事です。

今回規模大地震なら県内9割断水も 配水池の耐震化 全国最低

 災害の際、命を支える水。東日本大震災では、水道管の破損などで14県150万世帯以上で断水した。長崎県の水道施設の耐震化は全国でも最低レベルで、同規模の地震が起きると県内9割以上の世帯で断水の可能性が強く、早急な対策が求められている。

 標高約200メートルに位置する佐世保市の赤崎第2配水池。直径20メートルのコンクリート製水槽に浄水施設から送られてくる水道水1700トンを蓄える。ここから高低差の圧力を利用して10基の配水池を経由し、約3500世帯に供給する。だが、38年前に作られた壁の厚さは25センチと薄く、震度4以上の地震でひびが入るとみられている。

 長崎の水道施設で最大の問題はこの配水池だ。震度6強の地震を基準に厚生労働省が2009年度に行った全国調査によると、配水池の耐震化率は全国平均34・5%に対し、長崎は9・3%と47都道府県で最下位だった。

 県水環境対策課によると、コンクリートやステンレス製の配水池は近年建造されたもの以外は耐震調査すらできていない。特にコンクリート製配水池の強度不足が懸念されるが、補強工事や新たに建造するにしても最低でも数千万円かかるため、県内で千基以上とされる配水池の耐震化はほとんど進んでいないのが実情だ。

 悩ましいのが斜面地が多い長崎市や佐世保市。水圧を落とすため複数の配水池を経由する必要があるからだ。長崎市で約250基、佐世保市で約200基の配水池を抱えている。「限られた予算を耐震化中心には組めない」と、佐世保市水道局の川久保昭水道局長はため息をつく。

 一方、ダムと浄水施設をつなぐ管など主要水道管の耐震化率も、長崎県は18番目に悪い26・3%と全国平均を4ポイント下回る。水道管は揺れがきても継ぎ目が外れにくい特殊な「耐震管」に取り換える必要があるが、耐震管は非耐震管の2、3倍と値段が高い。旧合併町を含む県内33地域のうち雲仙市など15地域がまったく取り入れておらず、52・3%の長崎市など3地域以外は全国平均の17・2%を下回る。

 断水時の給水対応も問題だ。県内21市町のうち給水車を持つのは長崎市や佐世保市など5市のみで、緊急時のマニュアルがない自治体も目立つ。県は近く各自治体にマニュアル整備を指導し、他県との相互協定なども再点検する方針だ。

 

     限られた予算の中で、耐震化対策に力を入れるためにも、

             石木ダムはもう止めましょう!