「本当に必要?石木ダムはいらない!全国集会」の報告

全国集会当日は、たくさんの皆さんにお手伝い頂きました。

仕事をやりくりして時間を作って下さった方、遠くから早起きして駆けつけて下さった方など…

そのお一人、諫早のOさんから昨日、全国集会の様子を撮った写真が送られてきましたので、

その写真を交えながら、当日のご報告を致します。

 

まず、全容を新聞記事からお伝えします。

 

続いては、朝日新聞の記事。

 

この記事は、なんと、朝日新聞地方版ランキングで全国1位(26日)になったというのですから驚きです!

 

さて、本題です。

この日のプログラムは以下の通りでした。

 

総合司会をやってくれたあっこさん、お疲れ様でした!

 

オープニングは、1982年の強制測量の映像と、

そのことを歌った歌『心に杭は打たせない』の合唱です。

黄緑の川原Tシャツを着て歌うのは、地権者の女性たち。

優しくて逞しい、肝っ玉母さんぞろいです。

後ろに控えし男性合唱団は、長崎の男声合唱団「ながせん」。

このメンバーで「石木川まもり隊うたう会」として、9月に演奏交流会にも出場しました〜

 

主催者挨拶の後は、来賓の挨拶。

トップバッターは、民主党参議院議員で、「公共事業チェック議員の会」会長の松野信夫氏。

政府与党の一員としても、熊本の川辺川を中止に追い込んだ一人としても、

石木ダムを撤回させよう!と熱いエールを頂きました。

 

続いて、社民党衆議院議員の中島隆俊氏です。

昨年の国土交通委員会では、石木ダム建設の不必要さをしっかりアピールして頂きました。

引き続き頑張って下さっています。

 

長崎県議会議員運営委員長の末次精一氏。

佐世保市選出です。保守系です。

「なんで石木ダムに反対すっと?もう応援せんばい!」と支持者に攻撃されながらも、

信念を曲げず、コツコツと周りを説得する、正義感と人情に厚い政治家!です。

 

県議会で唯一「石木ダム反対」を明言している共産党の堀江ひとみ氏。

本会議でも、その爽やかな弁舌で、佐世保市の水需要予測を一刀両断されました。

 

さあ、いよいよ本編の始まり、始まり〜

基調講演をして下さったのは、京都大学名誉教授の今本博健氏。

河川工学の専門家で、淀川水系流域委員会の元委員長。

かつてはダムを造る側であった方が、いま「ダムは国を滅ぼす」と言う。

なぜか?

その思いを熱く語って頂きました。

 

続いて登壇されたのは、水源開発問題全国連絡会(水源連)共同代表の嶋津暉之氏。

今年初めから、私たち(当集会実行委員会メンバー)と共に、

「市民の手による石木ダム事業検証」に精力的に取り組んで下さいました。

その結果発表をして頂きました。

いつもは少々早口な方ですが、この日は市民の意識に合わせて、ゆっくりとわかりやすく話して頂き、

「これならダムは要らん!その根拠がよくわかった!」との感想がたくさん寄せられ、たいへん好評でした。

真剣に耳を傾ける会場の人々。

 

地元地権者を代表して、J君からのメッセージです。

大勢の聴衆の前でも気負わず、自然体で、たいへん心に沁みるお話でした。

佐世保市民を、自分たちの土地を取り上げようとする人たちというふうには思わない、

あなたたちも被害者かもしれない、一緒に水のことを考えていきましょう、

というメッセージが深く心に残りました。

 

これで前半終了です。

10分間休憩の後、後半の最初は、「川原のうた」のビデオ上映。

昨年の今ごろ、川棚町の文化祭で歌われたときの映像です。

ダム問題で町が二分されている状態、石木ダムがタブー視されている川棚町で、

地元地権者によるこの合唱に、その日最大の拍手が送られたと聞きました。

http://www.youtube.com/watch?v=gNHka_L2BIc&feature=related

(全国集会で上映された映像ではありませんが、上をクリックしても歌は聴けます)

 

続いては、座談会「佐世保市民の声」

 

一般主婦のMさん、環境カウンセラーの川内野さん、

佐世保市議の山下さんと速見さんの4人の方に参加してもらい、

石木ダムのことを佐世保市民はどう思っているのか?

賛成、反対、わからない…いろんな声が聞こえてくるが、

必要だと思っている人の理由は何か?

わからないと思っている人には、どのようなことを伝えたいか、等々話してもらいました。

 

例えば大渇水の時の断水の苦労は二度と経験したくないと思っている人が結構いるけれど、

あの平成6年から7年にかけての大渇水は、佐世保だけでなく西日本全域でおこったこと、

その教訓が節水条例や漏水対策で活かされてきた他都市と、

石木ダム建設に頼るばかりで対策を怠ってきた佐世保市との違いが明らかにされたり、

佐世保市民にとって実はダム建設が大きな負担増となって、

水道料金値上げだけでなく一般会計にも響いていること、

ダム建設が及ぼす生態系の破壊がどれほど大きな損失に繋がるか、

絶滅危惧種に詳しい専門家の貴重なお話なども聞けて、

会場の皆さんも興味津々の表情でした。

 

その佐世保市民の声に続くのは・・・「全国からの声」

全国のダム反対運動の実情を一番よく知る「水源連」の遠藤共同代表。

いま国が行っている「検証」がいかにいい加減なものであるか、

石木ダムだけじゃない、全国の仲間が闘っている、

その仲間が、ここにこんなに応援に来ましたよ〜と紹介してくれました。

北は北海道(当別ダムなど)から、

秋田(成瀬ダム)、茨城(八ッ場ダムをストップさせる茨城の会)、岐阜(徳山ダム)、

香川(内海ダム)、山口(平瀬ダム)、等々、

南は熊本(川辺川ダム)まで、たくさんの皆さんのエールを頂きました。

 

そして、最後に登壇した議員

民主党参議院議員、「公共事業チェック議員の会」事務局長の大河原雅子氏は、

「今日、ここに来れて、この場に参加できて本当に良かった!」と、

感動で言葉を詰まらせながら、感想を述べて下さいました。

 

続いて以下の集会決議文を採択し、

 

 

最後に、地権者で、実行委員長の岩下さん(石木ダム建設絶対反対同盟)から挨拶。

(この写真が残念ながらありません!)

 

岩下さんは、

「自分たちの思いは、今日の資料に同封した文章を読んでください、そこにすべて書いています」

「とにかく、私たちの住む川原に足を運んで下さい。私たちはいつでも歓迎します」と結びました。

 

こちらが、その文章の最初のページです。

年表も付いています。

 

 

このような資料が数ページにわたって綴じられています。

 

他にも、事務局発行の新聞や八ッ場ダムのチラシなど同封しました。

また、

こちらは、「石木川まもり隊」発行のパンフレット。

市民向けに「石木ダム事業検証」をわかりやすくまとめてみました。

 

以上、簡単に?「本当に必要?石木ダムはいらない!全国集会」についてお伝えしました。

明日は、アンケートの結果を報告します。

 

石木ダムはいらない!

「おめでとうー、大成功だね!お客さんがいっぱいで、よかったねー」

「今日の集会に来て、本当によかった!こんなことなら、友だちを誘うんだったな…」

「嶋津先生の話、すごくわかりやすかった、私でもこれなら石木ダムは要らない!って理解できたもん」

 

などなど、終了と同時にたくさんの嬉しい感想が寄せられた。

が、正直なところ、事務局スタッフ一同、集会をプログラム通りに進行させることで頭がいっぱい…

会場の反応など感じる余裕はなかった。

 

翌日の新聞報道で、夢でなかったことを確認。

http://www.nagasaki-np.co.jp/kiji/20111024/08.shtml

長崎新聞 2011年10月24日

「石木ダムいらない」 佐世保で建設反対集会

(写真)約500人が集まった石木ダム建設事業に反対する全国集会=佐世保市コミュニティセンター

 

ホッとする間もなく、県庁へ申し入れに行く。

昨日の集会で採択した決議文を県に突きつけ、事業の撤回を求めるために。

いつものメンバーだけでなく、水源連事務局のダム問題専門家の皆さんや、

それぞれの地域で先頭に立って活躍なさっているベテランの方々も加わって、

いつもと違う雰囲気の交渉に、県側の皆さんもタジタジ…。

2時間を超える意見交換ができた。

http://www2.nbc-nagasaki.co.jp/houdou/index.php?itemid=12555

報道センターNBC 2011年10月24日

 

また、翌日25日には、全国集会に参加なさった熊本の方から、

たいへん嬉しい感想と温かなメッセージを頂いたので、ご紹介したい。

 

皆さま
23日の集会は、本当にご苦労様でした。
今本先生と嶋津さんのプレゼンも非常に分かりやすかったし、
後半の松本さんがコーディネートされた、
市民の視線で見た石木ダム問題もとてもよかったと思います。
内容も、時間配分も、雰囲気も、わかりやすさも、
どれをとっても素晴らしくて、あっという間の3時間でした。
絶対石木ダムは阻止できると確信しました。

私は、川辺川ダム反対に携わってきて18年経ちました。
川辺川の場合は、水没予定地(五木)の反対が終息した後の、
下流域からの反対運動だったので、
本当に厳しい戦いでした。
しかし、「ダムは治水でも利水でもいらない」ことをずっと訴え、
球磨川漁協がダム本体着工を阻止し、
「受益者」であるはずの農民が裁判で勝利し、
ダム予定地の相良村長と
最大の治水の「受益地」であるはずの人吉市長が反対し、
県知事がダム反対し、
政権交替で国交大臣のダム反対に至ったという、
本当に苦しく厳しい戦いでした。

石木ダムでは、岩下さんら地権者の人たちと、
佐世保の人たちが一緒に戦えば、
絶対石木ダムは阻止できると思います。
しかし、佐世保市長も急には変わらないと思います。
とにかく、これからも戦いを継続していかれることが
大切だと思います。
石木ダムは、治水でも利水でも不要であることが、非常に分かりやすく、
市民に訴えやすいと思います。
川辺川も、ダムを造りたい人々は、いまだ全くあきらめていないので、
これからもずっと戦っていかなければ、必ず反撃にあいます。
これからも連携を深め、
がんばりましょう。よろしくお願いします。


ここは残さんば・・・

たった二日間でしたが、「石木川流域の写真と絵画展」大成功でした。

14日は、一日中雨だったのに、13日以上の来場者がありました。

テレビや新聞で報道して頂いたおかげですね。

清流の美しさに釘づけになる人、

里山の風景に見入る人、

絵画をじっくり眺める人・・・

それぞれが楽しんで下さったようです。

 この元気な魚や虫たちの絵を描いたのは、

この元気な少年です。

いつも自宅前の石木川で遊んでいます。

川は公園であり学校でもあるようです。

いいえ、石木川は彼の友だちなのかもしれません。

 

こんな写真を見ながら、多くの人たちがつぶやきます。

「よかとこやね〜」

「まだこんなとこが残っとっとね〜」

「ここは残さんばね〜」

 

でしょう〜?

ですよね〜 

 

 

石木川流域の写真と絵画展

 

まもなく開催!

8月好評だった「水の日パネル展」

中でも、川原の写真が大好評でした。

気を良くした私たちは、新たに写真と絵の作品を募集し、再びアルカスで開催します。

 

つい最近、この地域に住む人が撮った写真です。

川棚のシンボル虚空蔵山と、森と田畑と、小さな清流「石木川」

河原の草むらを赤く縁取る彼岸花。

懐かしい秋景色が昔のまんま、残っています。

 

流域の子どもたちは、川で遊び、川で学び、川で食材もゲット?

暮らしの中になくてはならないもの・・・それが石木川なのです。

 

 

心に杭は打たせない!

9月23日、真っ青な秋空の下を、私たちは朝から車で長与町へ。

「2011長崎のうたごえ演奏交流会」に出場するためです。

 

 

昨年に続き2度目の出演。

今回歌ったのは「心に杭は打たせない」

1982年の強制測量を歌で表現しました。

機動隊導入という強権を発動されても、ふる里を守ろうとした住民の思い、

その団結、その誓いが今も脈々と生きている川原の人々の絆。

 

それを伝えたくて、歌いました。

「命をかけてふる里を守り抜く」と断言する人々の心が、

少しでも伝わりますように・・・

 

 

全国集会が新聞に!

昨日、佐世保市役所の記者室にて実行委員5人で記者会見を行いました。

もちろん、全国集会のご案内です。

 

今日、長崎新聞は早速掲載してくれました。

http://www.nagasaki-np.co.jp/news/ishiki/2011/09/23111052.shtml

 

「石木ダムいらない」 佐世保で来月23日に全国集会

 県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダム建設事業の反対派住民は10月23日、同市内で学識経験者を招いて「本当に必要?石木ダムはいらない!全国集会」を開く。

 同町の地元地権者でつくる石木ダム建設絶対反対同盟や、同市の「水問題を考える市民の会」など反対5団体が実行委を結成。約600人の参加を目指す。

 集会では、河川工学が専門で「ダムが国を滅ぼす」などの著書がある今本博健・京都大名誉教授が基調講演。集会前日に同町で総会を開く「水源開発問題全国連絡会」のメンバーは、自主的に実施した同ダム事業の検証結果を報告する。

 22日、同市役所で会見した実行委事務局の松本美智恵代表は「県や市が進める政策に無関心であってはならない。市民に石木ダム事業を自分の問題として考えてもらうきっかけにしたい」と参加を呼び掛けた。

 集会は同市体育文化館内コミュニティセンター大ホールで午後1時半開会。資料代500円。問い合わせは事務局(電0956・31・2782)。

この日は、「よさこい佐世保祭り」の最終日だし、

豪華客船「飛鳥」は寄港するし、

市民はお祭りムード一色かも。

昨年までの私がそうでしたから・・

カメラを持って、踊り子たちの後をくっついてまわってましたから、わかります〜

 

あるいは、そのような人ごみや喧騒を嫌って、この日は家から出ない!

という人もけっこういらっしゃるとか・・

どっちにしても、集会主催者としてはイタ〜イ現実です。

 

このブログをご覧になった佐世保市民の皆さん、

この日は潔く?街に出ましょう!

よく学び!よく遊べ!

集会もお祭りも両方楽しめる、素敵な一日にしませんか?

 

 

全国集会告知看板設置にNO!?

これは佐世保市水道局の建物です。

まるで全市民が石木ダムを願ってるような誇大広告です。

ここにも全く同じ文言の看板が設置されています。

設置者は「石木ダム建設佐世保市民の会」ですが、100%市の補助金で活動している団体です。

だから立派な看板も、横断幕も、バスの車体広告だって何でもござれ!です。

 

でも、ここは市営駐車場のフェンスで、場所代はタダなんです。

そうだ!私たちもここに看板を設置しよう!

来月開催の全国集会のこのポスターを看板にして。

 

             

 

多くの人に伝えて、来てもらえるように、ここなら人通りも多いし、グッドアイデア!

というわけで、9日に仲間が申し込みに行きました。

 

翌日、不許可の返事が電話で返ってきました。

なぜ?

納得がいきません。

市民に提供される公共の施設に、なぜ区別?差別?をするのでしょう。

許可を与えるか与えないか、その根拠は何なのでしょう?

 

このような疑問を、山下市議が15日の本会議で早速問いただして下さいました。

その結果は、翌日の新聞が報じています。

 

 

 

当実行委員会に届いた「屋外広告物設置不許可通知書」には、

「設置許可することができない理由」として以下のように書かれていました。

 

イベント開催に関する掲示物であり、佐世保市の後援を受けていないものと認められること。

 

つまり、佐世保市の後援を受けていないイベントのお知らせはダメだということのようです。

ところが・・・

ここにあるイベントの告知看板は、皆、佐世保市の後援を受けているのでしょうか?

中ほどの「芹洋子ふれあいコンサート」は佐々町教育委員会の主催で、佐世保市の文字は見当たりません。

左端の「かとうフィーリングアートバレエ 第29回リサイタル」の看板も、佐世保市の後援など・・・無し。

後援云々は明らかに言い訳のようです。

市の方針と違う、石木ダム建設を願わない市民は市民として認めないかのような扱いです。

このような非民主的なやり方が許されていいのでしょうか?

市長は、「市の財産は市の事業の方針に沿って利用されるべきだ」と言いましたが、

市の財産は元をただせば市民の税金からできたもの。

私たち反対派の税金もつぎ込まれているはず。

市の財産は市長の財産ではありません。。

 

全国集会ニュース第1号完成!

「本当に必要?石木ダムはいらない!全国集会」まで、もう5週間となりました!

まだまだ準備はこれから・・

大丈夫かな〜

かなり不安・・

でも、昨日やっとニュースの第1号ができました。

担当のMさん、お疲れ様でした!

一人でも多くの人にチラシやニュースを見て頂いて、関心を持って頂きたいと思います。

 

 

 

 

このように、賛同人の方々もどんどん集まっています。

賛同人or賛同団体になろう!と手をあげて下さる方は、次のアドレスへメールでご連絡下さい。

no.ishiki.dam@gmail.com

このブログのコメント欄でも受け付けます。

 

皆さんのメッセージをお待ちしています。 

 

 

日本初!ダム撤去

来年4月、日本で初めてのダム撤去が始まります。

熊本県の「荒瀬ダム」です。

ダムができたおかげで、自慢の清流から鮎がいなくなり、

基幹産業は衰退し、

村の人口は激減し、

洪水防止のはずが、水害は甚大になり・・・

 

ダムができて良かったことは何も無し!

一日も早い撤去を願う村民市民が集まり行動を開始したのはいつからだろう?

私が彼らと出会ったのは2009年の春。

皆さんの活動に圧倒されながら、

中でも抜群の知識と行動力の持ち主「つるさん」にはいろいろ教えて頂いた。

 

その彼女のブログに嬉しい写真が満載!

是非見て頂きたい。

ダム撤去を待ち望む村民の嬉しさがビンビン伝わってきます。

http://kumagawa-yatusirokai.cocolog-nifty.com/blog/2011/08/post-efd1.html

Photo_2

 

 

 

抗議と申し入れ

昨日(8月22日)、私たち4団体(地権者と、まもり隊、清流の会、水問題の会)は、県庁へ行き、

石木ダム建設事業の継続方針決定に対する抗議と、事業断念を求める申し入れをおこないました。

 

申し入れた相手は、もちろんこの決定をした中村知事ですが、

知事が出てくるはずもなく、対応したのは河川課長N氏で、私たちの申し入れを、

必ず知事に伝えると約束しました。

 

地権者の一人のSさんは言いました。

「知事が話を聴きたいと言うから、私たちは一生懸命伝えた。

でも、それに知事は何も応えず、事業継続という結果を出してしまった。

私たちへの答えはどうなってるのか」

 

知事の誠実な回答を私たちは待っています!

 

抗議と申し入れの全文を掲載します。

 


                                     2011年8月22日
長崎県知事 中村 法道 様
 
石木ダム建設絶対反対同盟
石木川の清流を守り川棚川の治水を考える町民の会
水問題を考える市民の会
石木川まもり隊
 
 
   石木ダム建設事業「継続方針決定」に対する抗議と、「事業断念」を求める申し入れ
 
 
拝啓
 貴方は、去る7月26日の記者会見において、石木ダム建設事業について、「県として事業継続の方針を決定したことを国(国交省)へ報告する」旨を表明されました。

                         (1)
 私たちは、県の方針検討の過程で、その都度、意見を提出してきました。
今回の「事業継続」方針の表明に際し、私たちは、その方針検討の過程に、大きな欠陥があることをあらためて指摘します。
 先ず、「検討の場」での審議です。私たちは、石木ダム建設事業計画を分析して、専門家の助言も得て、「市民による石木ダムの検証結果」を提出しました。
ここには、川棚川の治水にも、佐世保市の利水にも、石木ダム建設は必要でないことを、根拠を示して指摘しています。
 「地権者との意見交換の場」で、私たちは、「検証結果」を詳しく説明しました。また、地権者は、ダム計画による様々な苦しみを切々と訴えました。
 「検討の場」の審議は、これらの根本的な問題を検討しないままに、「事業継続」の結論を出しました。
 次に、「県公共事業評価監視委員会」の審議です。ここにも、私たちの「検証結果」を提出しました。これをふまえて、委員から、新しい資料の要求や問題指摘がありましたが、それを無視して、「事業継続」の結論が強行されました。
 貴方は、佐世保市議会が「石木ダム建設促進に関する意見書」を可決したこと、県議会が「石木ダム建設促進に関する決議」を可決したこと、これらを記者会見で強調されました。
 しかし、佐世保市議会での「意見書案」の審議で、これを厳しく批判する反対意見が述べられたことをご存知でしょうか。県議会での「決議案」の審議で、これを厳しく批判する反対意見は、お聞きになられたはずです。
 私たちは、この反対意見の中にこそ、正義と道理があると確信します。
数の多寡に惑わされず、道理ある正論を見抜くことが、指導者の資質として必要です。
 佐世保市には、「石木ダム建設促進佐世保市民の会」という団体があります。
石木ダム建設促進のキャンペーン活動を行なっています。佐世保市長などは、この団体の活動を根拠にして、「石木ダム建設促進は市民の願い」だと主張しています。しかし、この団体の運営資金は、100%が佐世保市からの補助金であることをご存知でしょうか。この団体と佐世保市が共催して平成21年1月27日に開催した「石木ダム建設促進市民決起集会」は、2千人が集まったと宣伝されました。しかし、この集会に、市の職員が勤務時間中にも拘わらず  多数動員されたことをご存知でしょうか。貴方の真実を見る目が、「偽装された世論」のために曇ることがないよう望みます。
 以上の理由により、貴方が、石木ダム建設事業について「継続の方針」を決定したことに抗議します。
                        (2)
 次に、県の方針決定を受けて、国も「事業継続」を決定した場合に、生じるであろう事態について、貴方は、どのように想定されていますか。
 絶対反対同盟に結集した地権者の意思は強固です。それは自らの居住権、財産権を守るという何人も侵すことのできない基本的人権に基づくものです。
そして、石木ダム自体が不要であるとの確信に裏付けられ、その意思は益々強固です。
 ダム建設用地を取得するためには、強制収用の道しかありません。
それに対して、地権者は頑強に抵抗します。それでも強制収用を執行するためには、強権発動が伴います。そうなると流血の事態も想定されます。
そういう事態でも、貴方は、ダム建設を強行する覚悟がありますか。
いまの時代、強権政治は通用しません。世界的にも、強権政治家は国民によって辞任させられています。また、国民から訴追される事例も少なくありません。
 貴方は、政策を実現して政治家として名声を挙げたいという願望をお持ち かもしれません。しかし、誤った政策は、一時的には実現したとしても必ず破綻することは歴史の教えるところです。その際、名声は地に墜ちます。
 誤りを指摘されながら強行した政策の破綻は、国民に深刻な被害を与えます。いま私たちが体験している原子力発電所事故の被害はその何よりの教訓です。
 
 私たちは、貴方が「石木ダム建設からの撤退」を決断されることこそ、英明で勇気ある政治家としての名声を世に挙げる道であると考えます。
 私たちは、貴方が、国への「事業継続報告」を撤回すること、そして県公共事業評価監視委員会へ、先の審議で求められた資料を提出して、指摘された問題を検討するために審議の見直しを委嘱することなど、石木ダム建設事業から撤退する道を進まれるよう提言します。貴方の熟慮を求めます。
                                                     敬具