藻谷浩介さんからのエール

2月19日毎日新聞の書評欄に、藻谷浩介さんの書評が掲載されていました。

天野礼子著『川を歩いて、森へ』の書評であり、天野礼子さんへの讃歌であり、女性へのメッセージです。

でも、もしかしたら、これは私たちへのエールかもしれない…と勝手に受け止めました。

ほんの2ヶ月ほど前、「ふるさと共創シンポジウムin佐世保」のパネリストとして参加して下さった藻谷さん。実は以前から佐世保が大好きで、何回も来られていたそうで、とても詳しくてビックリでした。

海山の幸に恵まれ食べ物は美味しいし、美しい自然はそのまま凄い観光資源なのに、佐世保市民自身がその宝に全く気づいていない。いつも福岡や東京を見ていて、若者は都会へと流れていく。気位が低いとの厳しいコメントも頂きました。

しかし、石木ダムへと話題が移ってからはほとんど何も語ることはありませんでした。
当然ですよね。市民でも無関心な人、あるいはよく知らない人が多いのですから、数回訪れているからといって、知ってる顔をされる方が違和感を感じます。

シンポジウム終了後、藻谷さんはフロアでたまたま川原の女性たちと遭遇。石木ダムの現状と地域住民の苦悩を直に聞き、衝撃を受けられたようです。後で主催者に、「この問題を何も知らなかった。ダムについては不勉強で恥ずかしい。これからきちんと考えたい」とおっしゃっていたそうです。

そして、それから約1ヶ月後に公開された藻谷さんの書評には、ダムについての藻谷さんの思いがしっかりと語られていました。

(天野礼子は)何をもってここまで「ダムのない川」に執着してきたのか。

逆に言えば…あなたはなぜ、川という川を何重にもダムでせきとめてきた戦後を、特に抵抗なく受け入れてこられたのか。

ダムのない自然河川は、洪水を通じて森の栄養を里にもたらし、魚の遡上を通じて海の栄養を森にもたらす通路だ。

ダム建設こそ「自然の大きな流れへの、人間の一時的な都合による反対運動にほかならなかった」

今世紀には勝利は明確に彼女(天野礼子)の側にたつだろう。

天野さんと天野さんが守ろうと闘い続けてきた「ダムのない川」への賛辞、そしてその闘いは必ず今世紀中に勝利するだろうというメッセージですが、それはそのまま、川原の地権者や地権者と共に闘っている私たちへのエールのように思えるのです。

そして、藻谷さんは最後にこう結んでいます。

ダムだらけ、コンクリート構造物だらけ、組織だらけ、利益最優先だらけになってしまった日本だが、自然なモノと心の循環を取り戻す未来は、きっとすぐそこにある

 

水源余裕率って何だろう?

昨日に続き、今日も「水道局だより」No.20を読み解いていきましょう〜

今日注目するのはこちら。

佐世保が保有している水源は、全国的に見てもたいへん少なくて最低レベル。それを示す水源余裕率は、全国平均42%に対し、佐世保は0%以下の、−10%だそうです。

えー!ほんと?それはたいへん!
でも・・・そもそも「水源余裕率」って何でしょう?

日本水道協会が定めた業務指数の1つで一日最大配水量に対して確保している水源水量が、どの程度の余裕があるかを示すもので、その数式がこちら。

[(確保している水源水量/一日最大配水量)−1]×100

佐世保の場合ー10.1%で、「水道を安定的に供給できるぎりぎりの水準である0%にも達していない」とのことです。

でも・・・なんかヘンですよね〜
そんなに足りないなんて、市民には実感が湧かないのですが・・・

そこで、この計算は平成26年度の佐世保地区の実績値で計算したと書かれていますので、その数値を当てはめてみました。

平成26年度の一日最大配水量は、77,099?でした。
そして確保している水源水量は、105,500?です。
その根拠はこちら。
      ↓

県のホームページから辿っていける石木ダム事業Q&Aを開いてみると、Q14にこんな図が掲載されています。

  

ここに佐世保の水源の現況として、合計105,500?と書かれています。
ただ、そのうちの28,500?は不安定なので、石木ダムに換えれば安定しますよとも。

で、その2つの数値を当てはめて計算すると、

(105,500÷77,099−1)?100=36.8%

あれれ??全然違う!なーぜ?
水道局さん教えて!どんな数値を入れて計算したの?

A:はい、計算式はこちらです→(69,300÷77,099−1)?100=-10.1%

Q:69,300という数字はどこから出たものですか?

A:安定水源の77,000に0.9をかけたものです。

Q:なぜ0.9をかけたのですか?

A:水道事業の設計指針に配水量換算をしなさいと書かれているからです。
  つまり水源量そのままではなく、10%程度の安全率をみるよういわれています。

(たぶん水源から取水、導水、浄水、配水の過程でいくらかの水が減っていくことを考慮して、安全な数値を入れよとのことでしょう)

Q:配水量換算は理解できたとしても、わからないのは77,000です。
  この一日最大配水量77,099の中に、「不安定水源」の水は入っていないのですか?

A:入っています。

Q:それなら水源量のところは77,000ではなく、105,500をベースにすべきでしょう?

A:おっしゃることはわかるのですが、
  「確保している水源水量」の定義が「実効ある水利権水量」となっているものですから・・・。

Q:実効あるじゃないですか。毎日「不安定水源」から取水してるでしょ?

A:毎日と言われても・・取れたり取れなかったりしますから・・。

 

「取れたり取れなかったり」ではなく「取ったり取らなかったり」ではありませんか?

 少し古いデータですが、佐世保地区の不安定水源の取水量がこちらです。
 四条橋と三本木は相浦川にある取水場で、岡本は湧水です。
 これらの慣行水利権の合計は23,500?です。

この表でわかるように、15年間の一日平均は、約14,000?以上です。

しかも、あの大渇水で苦労したとき、この「不安定水源」から18,000?以上も取水していた!

その後、減圧給水制限をした17年度と19年度の渇水年も、14,000以上取水しています。
渇水時にこれらの水源が無かったらと思うとぞっとします。

こんなに「実効ある水源」を佐世保市は水源として認めようとしないのはなぜでしょう?
全てが石木ダムに繋がっていると思えてなりません。

石木ダムを造るためには必要性が求められる。

佐世保は水不足であり続けねばならない。


しかし近年水需要は減り続けている。


過大な需要予測にも限界がある。


そうだ!保有水源を減らせばいいのだ。


使う量が同じでも保有水量が減れば足りなくなる。

105,500?のうち28,500?は慣行水利権なので、不安定を理由に保有水源から抹殺してしまおう〜
なんて・・・まさかね〜

でもそれなら何故これらの慣行水利権を「不安定水源」などと名付け、水源として認めないのか、わかりやすく市民に説明してください。

その義務が当局にはあります。

ちなみに、先ほどの配水量換算とやらを取り入れて、もう一度計算し直したら、こうなりました。 

(105,500×0.9÷77,099−1)?100=23.2% 

つまり水源の余裕は23%ほどということ。
全国平均よりは少ないですが、こちらのグラフをごらんください。

 

水源余裕率が最も多いのは30%〜40%で、次に多いのが20%〜30%。
佐世保もその仲間です。
特別悲惨な渇水都市ではないのです。
でも、当局のやり方は安定水源の水量しか認めないので、結果はマイナスとなってしまいます。

このように、当てはめる数値を変えることによって、真実は何なのかわからなくなってしまいます。

だから思うのです。
大事なのは事実だと。
予測はあくまでも予測であり、数字がはじき出した安全度だとか危険度だとかを鵜呑みにしてはダメだと。

近年は人口も水需要も減少の一途を辿っているという事実、

日照りが続いても渇水被害は起きていないという事実、


水道管の老朽化は年々進んでいるという事実、

これらの事実をしっかり受け止め、見据え、いま佐世保市水道局がやるべきことは何か?

水道局の皆さん、市民と共に考えていきませんか。

 

 

 

渇水トラウマから卒業しよう!

少し前になりますが、「水道局だより」No.20新聞折込で市内全戸に配布されました。
新聞を取ってない方は水道局のホームページからも見れますよ。こちらです。

6ページ建てになっていますが、水道局としては特に5ページを伝えたかったんじゃないかな〜
こちらです。

 

とっても「わかりやすい」説明ですね。

皆さん、貯水率が高くても安心してはいけませんよ。
なぜかというと、佐世保の貯水池は小さいので、100%でも貯水量はとても少ないのです。
バケツ1杯とコップ1杯の水の量が違うようにね。
だから雨の降らない日が続くと、すぐに足りなくなってしまうのです。
あの平成6年の大渇水の時を思い出してください。
あの時は2ヶ月で65%以上も減ってしまいました。
もしもあの時のような日照りがまた続いたら・・・
だから、佐世保の水は足りているなんて思わないでくださいね。
佐世保は今でも水不足なんですゾ〜

とのメッセージが伝わってきます。
「なるほど、そうなのね。では、やはり石木ダムは必要ね」と納得した市民も少なからずいたかもしれません。

でも私は、このグラフを見て、逆に安心しました。
あの時のような日照りが2ヶ月間続いても、もう佐世保は断水にはならない!と。

それは…思い出してください。昨年の夏のこと。とても暑かったですねー
日照りが続きました。その時の貯水率の変化はどうだったでしょう?
長崎県のホームページに「水道用ダム貯水率の推移」の記録があります。

これを見ると、7月4日〜9月5日までの2ヶ月間で佐世保の貯水率は、たった7.3%しか減っていません。

この間降った雨は、21.5mmです。
21.5mmって、もちろん2cmちょっとです。
2ヶ月間にたったそれだけなんて、蒸発量を考えたら、ほとんど降らなかったようなものですよね。
つまり平成6年の夏と同じような状況だったと考えられます。
しかし、貯水率の推移はこんなに違う!
   

 平成6年7月1日〜9月1日  98.8%→32,3%   66.5%減少

 平成28年7月4日〜9月5日  96.6%→83.7%   7.3%減少

同じような気象条件の下で、こんなに貯水率が違う!それはナゼ?

1.給水人口の減少、節水機器の普及により、水の使用量が大幅に減少

2.川棚川から暫定豊水水利権(日量5,000?)を取得

3.下の原ダムの嵩上げにより、下の原ダムの貯水量が3,000?増加

4.南北水系融通配水施設の完成

等の要因が考えられます。

また、まだまだ不十分ですが、漏水量も以前よりはずいぶん減っています。
佐世保地区(旧佐世保市)で見れば、平成6年当時は日量1万トン以上だった漏水量が、近年では7,000トン台となっています。このまま、いえ、もっと漏水対策に力を入れて漏水量を減らせば、他人(川棚町民)に迷惑をかけなくても自分たちで保有水量を増やすことができるのです。

もう1つの要因は給水管理運用技術だと思います。

先ほどの「水道用ダム貯水率の推移」を、もう一度見てみましょう。
その2ヶ月間の貯水率の変化を都市別に比較すると、

     7月4日  9月5日   差
 
長崎市  96.6%  83.7%  12.9%
佐世保市  96.2%  88.9%   7.3%
 大村市  99.8%  65.7%  34.1%
 平戸市  100.0%  86.3%  13.7%

他都市は2ケタの減少率(大村市は34%も!)ですが、佐世保市だけが1ケタに抑えています。
いつまで続くかわからない日照りに備えて、ダムの水を急激に減らさないような工夫がされていたのでしょう。
過去の渇水経験を糧として、佐世保市水道局職員の水の管理技術はたいへん高いものがありそうです。

というわけで、佐世保市民としては水道局職員の皆様にたいへん感謝していますし、その職員の努力が生かされるような水道行政を心から望みます。

石木ダム問題で苦しんでいるのは地元こうばるの皆さんだけではありません。
ダム建設有りきでなければ、もっと様々な水源対策が採用され、水道局職員の皆さんのご苦労も減り、誰かに恨まれたり批判されたりすることもなく、誇りを持って職務に励まれることでしょう。

と、同情しつつも、おかしいことはおかしいと言わせてもらいます。

明日は、水道局だよりNo.20のもう1つの問題について考えてみます。(^^)

 

こうばるをとらないでほしい

美しいこうばる。

ここで生まれ育った子どもたちのつぶやき。

 

できれば いっしょに闘いたい。

こうばるを とらないでほしい。

助けて・・・

 

キャンペーンにご協力を!

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24時間不安な県民がいる

3日前の長崎新聞『記者の目』をぜひ読んで頂きたい。

それは、東彼支局に勤務する記者にしか書けないコラムでした。

東彼支局は川棚町にあります。石木ダム建設予定地のある町です。

そこに常駐する記者は、石木ダムに関する全てを見つめています。

県の動き、住民の動き。

推進派も反対派も。

現場での抗議活動も、集会も、祭も、裁判も全て。

その記者の目に映ったのは、「ただ、普通の暮らしがしたい」という願いとは逆行して、「24時間、警戒心から逃れられず、不安な日々を送る県民がいる」という現実。

「そのことをあらためて伝えておきたい」と言う。

そう。私も、あらためて伝えたいと思い、ここに貼付させてもらいます。

私たち県民、特に川棚町民と佐世保市民は、この事実を知らなければならない。

そして、考えてほしい。

住民の穏やかな生活を奪って、心身をこれほど痛めつけるような事業が、果たして公共事業と言えるのでしょうか?

 

9日にはこのような県の強権的な事業推進に待ったをかける申し入れが2団体によっておこなわれました。

 

その申入書はこちらです。

 

 

                                                          2017年2月9日

                                     石木ダム建設事業に関する申し入れ

 

 長崎県知事 中村法道 様

 

                社会民主党長崎県連合

                代 表 吉村 庄二    

                長崎県地方自治研究センター

                理事長 舟越 耿一

 

貴職は1月29日未明、石木ダム建設に伴う付替え道路建設工事現場に重機類を搬入し、再び工事に着手しました。公務は休みとなる日曜日だったこと、空も明けやらぬ未明だったこと、地元住民への事前連絡もなかったことなど、異例ずくめの再着工です。

貴職はこの間、土地収用法の規定による土地・家屋の収用手続きを進め、すでに所有者の意思に反して一部の土地の所有権を取り上げ、更に、生活の拠点である家屋をも取り上げようとしています。また、工事現場入口における反対地権者等の抗議活動に対してはスラップ訴訟ともいうべき付替え道路工事妨害禁止仮処分申請を行い、これを排除しようとしています。加えて今回の工事再開強行です。

 こうした強権的な事業推進は反対地権者の一層の反発を招くばかりでなく、多くの県民の長崎県行政に対する信頼をも損なうものです。

 反対地権者の「故郷で平穏にくらしたい」という主張は憲法13条で保障された幸福追求の権利、人格権に基づいたものであり、行政運営においても最大限尊重されなければならないはずです。2012年6月に国土交通省のダム事業見直し検討委員会で石木ダム事業継続が認められた際には「地域の方々の理解が得られるよう努力すること」が、2015年8月に長崎県公共事業再評価委員会で事業継続が認められた際にも「地元地権者との話し合い」が貴職に求められました。そこに示されているのは反対地権者の人格権への配慮ではないでしょうか。

公共事業を進めるにあたって、人権侵害があってはなりません。貴職に求められていることは強権的な手法による石木ダムの建設ではなく、反対地権者の理解と納得を得る努力だと考えます。

よって、下記事項を要請します。

 

                             記

 

1.付替え道路建設工事を直ちに中止すること。

2.土地収用法に基づく強制収用の手続きを直ちに停止すること。

3.付替え道路工事妨害禁止仮処分申請を直ちに撤回すること。

4.反対地権者と話し合うこと。

以上

素晴らしい!

上記4項目は、私たちが何度も議会に請願してきたことです。

しかし、議会では、強制収用には反対の社民党も「付替え道路工事の中止」とまでは明言して頂けませんでした。

石木ダム建設のためには付替え道路工事は必須なので、それを否定することは石木ダムそのものを否定することになり、組合(市職や県職の労組など?)関係でいろいろ難しい問題が出てくるからでしょうか?

でも、今回、「付替え道路建設工事を直ちに中止すること」ときっぱり書かれています。

きっと党内で熱い議論が闘わされて、新たな一致点が見いだされたのでしょう。

石木ダムの是非を決めるには「反対地権者と話し合うこと」が必須であり、

反対地権者と話し合うには、今やっている工事を止めることが必須だという共通認識が得られたのかもしれませんね。

(勝手な想像ですが)

いずれにしても、今のような県民の人権を無視し力尽くで推し進めるやり方では、必ず壁にぶち当たるでしょう。

県民の良識と民主主義の壁に。 

住民イジメは止めて!

今日の長崎新聞に石木ダム工事の現状が掲載されています。

付替え道路工事再開から1週間経った今の現地の様子がよくわかります。

「反対派は阻止行動強化」とありますが、何故そうなったのでしょう。

日曜日の早朝に作業車両や資材を搬入したり、「反対派のいない時間と場所を狙って」現場に入ったり、不意打ちや隙をつく県のやり方に対応するためです。

機動隊を導入したり、ブルドーザーで蹴散らしたり、そんな手荒な真似はしなくても、住民を苦しめギブアップさせる方法を県は選んだのです。

いつやってくるかわからない敵に備えるためには、少ない人数で手分けして交代で対応しなければなりません。目を凝らし耳を澄ませ、常に気を張っていなければなりません。心身共に疲れ果てるのを県は高みの見物で待っているのでしょう。「夜も安心して眠れない」と地権者は語っています。

あまりにも卑怯なやりかたです。住民イジメです。なぜ、ここまで県は強行するの?

それは「17年度内にダム本体工事への着手」を予定しているからで、そのためにはそれまでに「付替え道路をある程度使える状態にする必要がある」から。

なぜ17年度内にダム本体工事に着手しなければならないの?

それは18年2月の知事選を見据えてのこと。「中村法道知事は3期目を目指すだろう」それまでに石木ダム建設への「道筋をつけたいのではないか」ということらしい。

 

それが当たっているなら、冗談じゃない!と言いたいです。

選挙のために公共事業をやるの?

任期中にこれだけのことをやりましたという業績作りのために、住民を苦しめていいの?

そのために県民の税金を浪費していいの?

いいはずがない。

県営の公共事業はあくまでも県民のためにやるもの。

来年の知事選に出るのなら、その選挙で県民に訴えればいい。

石木ダムはカクカクシカジカで必要だと。

過去の選挙では、ほとんど石木ダムについて語ってこなかったし、最初の選挙では「強制収用はしない」とアンケートに答えておきながら、既に一部の土地は強制収用してしまった…

 

この記事の上部に掲載されている写真をもう一度見てほしい。

座り込みをしている人々の後ろに貼られている横断幕。

「今こそ考えよう石木ダムと強制収用〜未来を決めるのは私たち」

これは2年前、アルカス佐世保で開催した集会のタイトルです。

この思いは今も同じです。

この2年間、県や佐世保市は私たちとの対話を拒み続けてきましたが、本当に必要なダムなら、対話すべきです。説明すべきです。

一度立ち止まり、県民の声に耳を傾け、県民と共にしっかり考えるべきです。

 

少なくとも、住民を苦しめ疲労困憊させるやり方は、直ちに止めて下さい! 

 

日曜早朝、付替え道路工事着手!

今朝の長崎新聞1面。
昨日の石木ダム工事現場への重機搬入、工事着手を大きく伝えています。

 

こちらは毎日新聞。

県土木部の吉田次長のコメントを紹介。

「昨年12月に長崎地裁佐世保支部は工事差し止めの仮処分申請を却下した。緊急に止める理由はないと判断されたので、必要な工事を進めていく」

司法のお墨付きを得たからと言いたいのでしょう。

いつものパターンです。

自分たちにとって都合の良い判決が出ればそれを利用する。

諫早湾開門訴訟の時はどうでしたっけ?

2010年福岡高裁が開門を命じる判決を出し、2013年12月までに開門調査をやることを農水省も決めたのに、それに反対し抵抗を続けていたのはどなたでしたっけ?

 

 一夜明けて今日のこうばる。

いつもと変わらない長閑な田畑を、虚空蔵山が見守るように見下ろしていました。

 

早朝からたくさんの車が・・・。

きっと新聞を見た支援者たちが、応援に駆け付けたのでしょう。

 

 

ゲート前では、いつものように阻止の準備。

機械は中に有っても、動かす人間が入れなければ工事はできないのですから。

 

少し下流から対岸を眺めてみると、

衝立の向こうにはたくさんの車両が…。望遠にして見ると、

おお!かなりでっかいクレーン車。

他にもバックホーだのユンボだのあるようですが、私にはどれがどれだか、さっぱりわかりません。

この現場は石木川を挟んで向こう岸に渡らなければ行けません。

橋のあるゲート前を通らずに行ける方法と言えば、この堰を渡ること。

ここなら歩いて向こう岸まで渡れます。

以前ここから業者が現場に入っていったことがあるので、

その堰の近くにも、こうやって見張りの人たちが目を光らせています。

寒さの中で肩を寄せ合って、頑張っています。

ここからは見えないもう1つの出入り口(浦川内)にも数人が張り付いています。

 

こういう日常がいつまで続くのでしょう。

地権者の皆さんが倒れるのを県は待っているのでしょうか?

 

でも、地権者の後ろにはたくさんの支援者がついています。

普段はぼちぼちですが、いざとなると結集する心強い仲間がいます。

 

その支援者のためにと、地権者の男性たちが手作りでリフォームしたという評判のトイレにお邪魔しました。

まあ!

以前のトイレとは別世界のように、清潔で快適なトイレに大変身してました!

うわさ以上のビフォーアフターです。

窓もきれいになって、

写真立てには、あのパンフレットの表紙(こうばるの風景写真と「こうばるのうた」)が飾られ、可愛いお人形や観葉植物も。

男性たちの思いやりに負けないような、女性たちの心遣いが感じられて、かつてのトイレを知っている支援者たちは、とても温かい爽やかな気分になるでしょう。

そして、この心優しい人たちを、もっともっと応援したくなるでしょう。

 

たかがトイレ、されどトイレ

 

3月6日提訴へ

空は晴れていますが、長崎地裁佐世保支部の門前にはとても冷たい風が吹いていました。

今日は県から訴えられた通行妨害仮処分の2回目の審尋がおこなわれました。

 

弁護団からの報告によると、今日やりとりされたのは、提出書面の確認と、今後の予定の確認だけだったようです。

①1月20日に当方弁護団より4つの書面が提出された。

②2月28日までに当方は残り全ての書面を提出する。

③それを見て、県は2週間以内に反論や新たな証拠を提出する。

④次回の審尋は、3月6日15:30。

 

報告集会にはマスコミも数社来ていましたが、夕方のニュースで報道されたのは審尋についてではなく、これから起こそうとしている差止訴訟についてでした。

こちらは、夕方のNHKニュースです。

 

川棚町に建設が計画されている石木ダムについて、反対する地権者らは、県と佐世保市を相手にダムを建設しないよう求める裁判をことし3月にも起こす方針を決めました。
長崎県と佐世保市が川棚町に建設を計画している石木ダムをめぐっては、一部の地権者や支援者が計画に強く反対し、建設が進んでいません。
建設に反対する地権者らは去年2月、県と佐世保市に対して工事をしないよう求める仮処分の申し立てを長崎地方裁判所佐世保支部に行っていましたが、裁判所は12月、「緊急性がない」などとして却下しました。
これに対して地権者側は、不服として福岡高等裁判所に抗告しましたが、さらに県と佐世保市を相手に石木ダムの建設工事とダム建設に伴う道路工事をしないよう求める裁判をことし3月6日に長崎地方裁判所佐世保支部に起こす方針を24日開いた集会で決めました。
提訴について弁護団は、「緊急性に関わらず、ダムの必要性などについて争うことができる」としていて、広く原告を集めたいとしています。
石木ダムをめぐっては現在、地権者側が国を相手にダムの事業認定の取り消しを求める裁判を起こしているほか、県が地権者などを相手にダム建設に伴う道路工事を妨害しないよう求める仮処分を申し立てています。

 

ここに書かれているように、「石木ダムの建設工事とダム建設に伴う道路工事をしないよう求める裁判をことし3月6日に長崎地方裁判所佐世保支部に起こす方針」を決めたのです。

仮処分ではなく本訴にするのは、「緊急性に関わらず、ダムの必要性などについて争うことができる」からです。

もしそれが無駄なダムなら?

莫大な財政負担を背負わされる佐世保市民は被害者です。

でも、仮処分だと緊急性が無いとして佐世保市民の権利など考えてもくれません。

全国の支援者の権利など論外って感じ。

やはりここは、腰を落ち着けて、石木ダムの必要性の有無が問える工事差止の裁判で闘いたいですね〜

 

皆さんもよかったら、仲間に入りませんか?

ご希望の方はこちらへ → ishiki-hotaru@buz.bbiq.jp お問い合わせください。

資料をお送りいたします。

 

無駄のない暮らしこそ正しい選択

明日は通行妨害禁止仮処分の審尋の日。

私たちの仲間が19人訴えられている裁判です。

石木ダム計画にはおかしなところがたくさんある。

ちょっと立ち止まって見直しましょう。

そのためには、工事を中断して議論しましょう。

そう主張しているだけなのに、その声には耳を塞ぎ、

県は県民を司法の場に訴えたのです・・・。

 

私たちの主張はそんなに無視すべきものでしょうか?

私たちと同じようなことを語っている著名人がいます。

二週間ほど前の東京新聞ですが、少し大きくして、内容を読んでみましょう。

 

いとうせいこうさんは、こうおっしゃっています。

 

今ある資源を有効に使おう。

無駄のない暮らしこそ正しい選択である。

この問題を知らずにいたことに罪悪感を覚えた。

今からやれることをやりたい。

意見がどうであれ、考えてもらうことが大事。

豊かな自然は失ったら取り戻せない。

不条理を前にして、知らないふりをする方がよっぽど名誉が落ちる。

石木ダムには日本各地が抱える課題が象徴的に含まれている。

ダムに多額の税金をかけるのは非合理。

辻井隆行さん「オープンな場でもっと議論すべきだ」

いとうせいこうさん「賛否にかかわらず、まずは問題に目を向け、一緒に考えよう」

 

彼らの発言の一つ一つが私たちにはとても納得できる。

うん、うん、と首を縦に振りたくなる。

でも、行政の皆さんはそうではない。

議会もそうではない。

 

では、長崎地裁佐世保支部の裁判官の皆さんはどうなんだろう?

 

 

石木ダム問題を考える中組地区学習会

「とてもいい勉強会でした。ありがとうございました」

21日夜、帰宅してパソコンを開いたら、嬉しいメールが届いていました。

1時間ほど前までやっていた川棚町での「石木ダム問題を考える学習会」についての感想でした。

私は主催者ではないのでお礼を言われる筋合いではないのだけれど、少しだけ関わった者として、その評価をたいへん嬉しく感じました。

数日前に掲載された告知記事。

ここに書かれているように、実行委員の皆さんは、中組地域の約500軒にお誘いチラシを配布して回りました。

しかも、ただポスティングするのではなく、1軒1軒ドアを叩き、出てきてくださった方には、ちゃんと石木ダムの勉強会だと説明して手渡したのです。

そんな呼びかけ人の熱意に動かされたのでしょうか。

この日、予想を超える多くの人がやってきました。

皆さんが熱心に見ているのは、

地元こうばるで暮らしている女性が撮った映像。

美しい川原の風景や住民の日常、お祭り等々。

そして、後半は石木ダムの目的の1つである、川棚川の治水について解説。

その治水計画には大きなトリックがあること、想定された洪水は、何百年に1回起こるか起こらないかの超レアなケースであること、しかも石木川にダムを造っても川棚川の洪水被害は防げないこと、ダムよりもパラペットを使った堤防の嵩上げなどのほうがより効果があり、しかも低コストで済むことなどが語られました。

とても説得力のある説明でした。

説得力があると言えば、今回も、熊本の八代から環境カウンセラーのつる詳子さんが来て下さって、球磨川にダムができたことによって、どんなに環境が悪化したか、水害はかえって増え、アユなど魚が遡上できなくなって激減、川の汚れは海の生態系をも破壊、海苔や貝類が捕れなくなったことなど話してくださいました。

経験者の話ほど説得力のあるものはありません。
しかも自然観察指導員でもあるつるさんの話は数字や言葉ではなく、写真が中心で、見たまんま、ありのままの光景ですから、理屈ではなく一瞬にして納得させる力があります。

佐世保の利水については、私から話をさせて頂きましたが、質疑と意見交換の時間には、佐世保の水事情に関する質問やご意見がほとんどで、川棚の皆さんの佐世保への関心の高さを知って驚きました。

それは、もしかしたら、関心というよりも不信感、疑念、怒りに近いものかもしれません。

佐世保市は相変わらず水不足だ、ダムが必要だと言ってるが、ほんとのところはどうなんだ?
佐世保がダムを造りたいというので、川棚町民は分断されてしまった。
佐世保が要らないと言えば、それで解決するのに・・・という気持ちの方も多いのかもしれません。

ある男性は、

佐世保は山道橋のところから水ば取りよると?
どのくらい取りよると?
あそこにもう少し高い堰を造って、今より多く取れば、ダムがなくても済むんじゃない?

と言い、ある女性は、

私は介護の仕事で、10年以上佐世保市のいろんな地域を見て来ましたが、水が出なくて困ったというケースは1回もありません。仕事仲間からもそんな話は1回も聞いたことはありません。確かに20年前は大渇水で苦労されたようですが、それは昔のことなんです。今は違うのです。

と力説されていました。

その通りです。
その通りなんだけど、行政は水不足で石木ダムが必要だと言い続けています。
私たちの力不足で、まだまだ「石木ダムは要らない」の声が大きくなっていません。
川棚の皆さんの「石木ダムは要らない」の声が大きくなれば、佐世保も変わっていけると思います。

ぜひ一緒に頑張りましょう〜