要らな〜い!と言われ、困ってる当別ダムの水

他人事ではありませんぞ。

 

これは、北海道のダムの話ですが、無関係と笑っていられます?

当別ダムは昨年完成したばかり。

これでやっと安定水利権が得られ、水道用水が確保できたと万々歳の写真もありますが…

http://www.town.tobetsu.hokkaido.jp/sogo/kouho/kouho_tobetsu/2012/2012_11.data/24-11-2.pdf

 

実際は、企業はダムの水なんか欲しくなかった。

だって高すぎるから。

これまで通り安価な井戸水を使いたいと、今月から供用が開始されたダムの水は未使用。

このままでは料金収入が得られないとして、小樽市と石狩市は道に補填を求めているそうな。

 

いずこも同じでしょう。

佐世保の企業だって、コストはなるべく抑えたいはず。

こんなに急にジャブジャブ水道水を使おうなんて考えるはずがありません。

でも、その有り得ないことを平気で予測するのが、ダム村の方々なのでしょう。

造船業で修繕船が増えるからとか、

佐世保テクノパーク(工業団地)には井戸水を使用している企業があり、それを水道水に変換するとか、

いま造成中の工業団地のためにあらたな需要を確保する必要があるとか、

いろんな理由をつけて、こんな有り得ない推計値をはじき出しています。

 

県や市にいくら言っても、聞く耳を持たないので、

やっぱり、水道料金を払う私たち市民が聞く耳を持つしかないのですよね〜

 

当別ダムのこの現実を、他山の石としましょう〜

 

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「シリーズ 石木ダム公聴会」のお知らせ

   

 

お知らせです。

推進派、反対派、双方の意見が出された公聴会を聴き逃した皆さんのために、

公聴会を録画で再現します。

そこで語られた公述を見て、聴いて、

何かを知ったり、感じたり、

他の人の感想を聴いたり、語り合ったりして、

自分の考えを深める材料にしていただけたら嬉しいです。   

 

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新水道ビジョンが目指すもの

厚生労働省は3月29日、「新水道ビジョン」を発表しました。
 
 
 
そこには、このように書かれています。
 
 
第1章 はじめに
 
平成25年現在、水道をとりまく状況は、水道ビジョンを公表した9年前や改訂した5年前とは大きく変化しました。
その一つが、日本の総人口の減少です。
統計データによると、日本の総人口は平成22年頃、1億2806万人を最大値として、以後、減少傾向に転じています。
現在の年齢別の人口構成や出生率の状況を踏まえると今後の人口の減少傾向は確定的であり、このことは水道にとって給水人口や給水量も減少し続けることを意味します。
 水道ビジョンの改訂までの時代は、水道は拡張を前提に様々な施策を講じてきましたが、これからは、給水人口や給水量の減少を前提に、老朽化施設の更新需要に対応するために様々な施策を講じなければならないという、水道関係者が未だ経験したことのない時代が既に到来したといえます。
 
 
人口減少については「第4章 将来の事業環境」のところでも述べられています。
 
日本の人口の推移は、少子化傾向から減少の方向を辿り、2060年には8600万人程度と推計され、3割程度減るものと見込まれています。
また、水需要動向も減少傾向と見込まれ、2060年には現在よりも4割程度減少すると推計されています。
 
 
「第5章 取り組みの目指すべき方向性」の中では、このように指摘しています。
 
水道施設の管理・運営における課題の一つに老朽化施設への対応があります。
人口や給水量が漸減しつづける一方、老朽化施設の更新需要が増大する時代には、どの施設をいつ更新するのかという計画性をもった資産管理が水道事業の経営方針に求められます。
これまで水道事業者は将来の最大給水量を見込んで施設整備を行ってきました。
今後、水道事業者は、施設の更新時に、当該施設の余剰分を廃止して規模を縮小するのか、あるいは一定の目的のために更新して保有するのかという、難しい判断を迫られることになり、事業規模を段階的に縮小する場合の水道計画論の確立が必要といえます。
 
 
そして「第6章 方策の推進要素」の中では、このように謳っているのです。
 
将来の我が国の総人口が半数程度にまで減少した時代に、水道が理想の姿をもって、地域の利用者の信頼を得て水を供給し続けるためには、これまでの右肩上がりの常識を排し、新たな事業環境に順応し適応すべく、関係者が挑戦する意識・姿勢をもって取り組みを進める必要があります。
このため、新水道ビジョンでは、これまで経験してきた様々な事故、事件等の事例を教
訓に前向きな対応で調査研究を怠らず、水道関係者の「挑戦する意識・姿勢」を重要視し、これを「挑戦」として方策の推進要素に位置付けることとします。
 
 
 
これが本気なら、厚労省の水道課自体が素晴らしい意識改革を起こしたと言えます。
 
これまでのように、安心安全を謳い文句に、ダムなどの水源開発を良しとしてきた体制から脱皮して、
 
全国の水道事業者にも勇気を持って変化を受け入れ挑戦しろと呼びかけているかのようです。
 
 
だから、佐世保市水道局の諸君、
 
かつてのように水需要が右肩上がりで増加する時代は終わったんだよ。
 
その変化を受け入れなくちゃ・・それに適応しなくちゃ・・
 
石木ダムを造ってる場合じゃないんだよ。
 
需要が減ることを前提にした新しい施策を考え、
 
実現する勇気を持って欲しい。
 
それが君たちの生き残れる道なんだよ・・
 
 
私にはそう言ってるように聞こえますが、水道局長さんにはどのように聞こえるでしょうか?
 
 
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大村湾

ここ一週間のうちに2回も西海市に出かける用があり、西海橋を渡りました。

満開の桜と針尾瀬戸の渦潮と、両方を見に来た観光客でいっぱいでした。

私も橋を渡りながら車中から見下ろすと、たくさんの渦ができ、潮の流れはかなり激しいものでした。

でも・・・その流れが激しいのは、こんなに狭い場所だからです。

これが大村湾の衛生写真です。(Wikipediaより)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E6%9D%91%E6%B9%BE

まるで湖のようです。

が、上の方に1箇所、隣の佐世保湾と繋がった隙間が見えるでしょ?

ここが針尾瀬戸で、その上に西海橋がかかっているのです。

もう1つ、地図上部の真ん中辺りに川のように見える青い帯、これが早岐瀬戸と呼ばれるもので、

この2つの瀬戸によって、大村湾はかろうじて、海として存在しているのです。

しかし早岐瀬戸は狭いところで、幅10mほどしかありません。

まさに川のよう・・・。

 

Wikipediaによると、

繋がっている佐世保湾と比べて、干満の時間が約3時間も遅れる。

佐世保湾と同じ水位になる前に佐世保湾の水位が逆の変化を始めるため、

結果的に大村湾内は干満の差が小さくなってしまう。

佐世保湾の最大の干満差が3mほどあるのに対し、大村湾のそれは1mそこそこである。

水深は、激しい潮流によって抉られる針尾瀬戸で最深54mに達するが、平均水深は15mにすぎない。

潮の流れが緩いため、海底は細かい砂泥やヘドロが堆積し、ほとんどが砂泥底である。

湾口部の水質は悪くないが、湾奥部では排水による汚染が問題となっており、

1970年代から赤潮や貧酸素水塊が頻発するようになった。

沿岸地域の下水道の整備は始まったばかりで、環境改善が待たれる。

と書かれています。

 

本当に心配な大村湾です。

外海から大きく閉ざされたこの大村湾だからこそ、清流石木川の流れ込みが重要なのです。

石木ダムができると、新たに一日40,000トンの水が、佐世保に送水されます。

ということは、今まで大村湾に流れていた水が流れ込まなくなるということです。

その水量は、年間1,460万トンにもなります。

 

海の水の入れ替えも少なく、その上、川の水の流入まで減ってしまったら、

大村湾はどうなるのでしょう?

今でさえ瀕死の状態と言われているのに…

 

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今でしょ

明日で3月が終わります。

ということは、平成24年度の終わりです。

明後日から、平成25年度が始まります。

その25年度の佐世保市水道事業会計予算について、

3月13日、佐世保市議会企業経済委員会で審議されました。

 

その時の資料に石木ダム関連事業費が提出されました。

それによると、

   石木ダム関連事業費の総額=353億5000万円

財源内訳は、

             国庫補助金=54億9825万円

                地方債=164億776万円

          一般会計出資金=53億3584万円

              自己資金=81億815万円

とのことです。

つまり、約55億円の国庫補助を除くと、佐世保市の負担は298億5000万円に!

 

数字が大きすぎてピンときませんね。

約300億円です。

「石木ダムは市民の願い!」との標語は、ほんとですか?

佐世保市民のあなたは、300億円の負担を受け入れても、石木ダムが欲しいですか?

そのお金は、水道料金と税金から、つまり私たちのお財布から出て行くんですよ。

佐世保地区の給水世帯数(約9万8000世帯)で割ると、1世帯約30万円

市の全世帯数(平成22年度10万6660世帯)で割ると、1世帯約28万円です。

 

そんな大金をつぎ込んでもダムが欲しいですか?

これから人口はどんどん減っていくのに、

つまり水の必要量もどんどん減っていくのに・・

どう考えても無駄でしょう?

 

佐世保市の財政を圧迫させないためにも、石木ダムから撤退しましょう〜

いつ?

いまでしょ! 

早ければ早いほど無駄遣いを減らせますから。 

 

お知らせです。

ある人に勧められて、「にほんブログ村」というのに入りました。

より多くの長崎県民に石木ダムのことを伝えるにはいいと思うよ、と言われて・・。

いつも駄文ですが、情報発信が目的です。

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26%人口減の佐世保市に、石木ダムは要らない

3月27日、国立社会保障・人口問題研究所が『日本の地域別将来推計人口』を発表しました。

国勢調査に合わせて5年ごとに行っているもので、今回は3年前の国勢調査を基に推計。

 

その結果、27年後の2040年には、すべての都道府県で2010年より人口が減少するとともに、

65歳以上の高齢者の割合は30%を超えるとのこと。

つまり、人口減少と同時に少子高齢化が進むということです。

 

その資料はこちらにあります。

http://www.ipss.go.jp/pp-shicyoson/j/shicyoson13/3kekka/Municipalities.asp

市区町村別では、全体の95%に当たる1603の自治体が2010年の人口を下回り、

2割以上人口が減少する自治体が70%に上るとしています。

ここから佐世保市の人口を取り出してみると、

佐世保市の人口は2040年には、2010年の74%まで減少します。

すでに減少傾向が続いている水道用水がさらに減少するのは必至です。

 

これでもまだ、水道局や佐世保市は、あの水需要予測、

急激な右肩上がりの予測が正しいと言うのでしょうか?

本当にそう思っているのでしょうか???

 

こちらに、とてもわかりやすい記事があります。

http://seisaku-essay.cocolog-nifty.com/blog/2013/03/post-f03e.html

「少子高齢化時代に石木ダムは必要か」と書かれたこの記事を、

朝長市長には是非、読んでいただきたいものです。 

公聴会再現

二日間にわたる公聴会の様子が、ユーチューブにアップされました!

動画を作成したのは、われらが「ほーちゃん」、石木川まもり隊員で、地権者のほーちゃんです。

ほーちゃんも今回の公聴会公述人に応募したのですが、残念ながら選に漏れ、

当日は客席から公述の一部始終をしっかり録画してくれました。

 

 

石木ダム公聴会(3月22日と23日、川棚町公会堂にて)動画リンク

1〜10番=3月22日、11〜20番=3月23日 (番号は公述順です)

推進派〜1、3、5、8、12、14、16、18、20

反対派〜2、4、6、7、9、10、11、13、15、17、19

 

1.起業者  http://youtu.be/LY7eo3aZPN8

 

2.石丸勇さん(川棚町:地権者) 

 

3.神野健二さん(福岡県)http://youtu.be/PRss-HPLS4A

 

4.生月光幸さん(川棚町)

 

5.河野孝通さんと篠原康洋さん(川棚町)http://youtu.be/651X3fbM2kw

 

6.松本美智恵さん(佐世保市)

 

7.坂本健吾さん(波佐見町)

 

8.嬉野憲二さん(佐世保市)http://youtu.be/6ROLoVa5IL0

 

9.嶋津暉之さん(埼玉県)

 

10.遠藤保男さん(神奈川県)

 

 

11.松本好央さん(川棚町:地権者)

 

12.山田義弘さん(川棚町)http://youtu.be/qmIwE_qnWRs

 

13.畑田三郎さん(川棚町)

 

14.佐々木廣志さん(佐世保市)http://youtu.be/PGTZ71xFRcE

 

15.宮野由美子さん(佐世保市)

 

16.森一敏さん(川棚町)http://youtu.be/qiF-p43WYBw

 

17.吉島範夫さん(長崎市)

 

18.西坂保憲さんと白昭子さん(川棚町) http://youtu.be/JGSHC-nph0A

 

19.岩下和雄さん(川棚町:地権者)

 

20.小松利光さん(福岡県)http://youtu.be/C0njFvGI9NE

 

僕らの子どもたちに残したいだけなんです!

もう一つ、公述原稿をご紹介します。

会場中が、しんとなって聴き入った、あの地権者の公述です。

Y君は(と私たちは呼びますが)、4人の子の父親で、長男はもう高校生。

でも、スポーツマンのY君は、いつまでも若々しくて青年のようです。

そんなY君が、まるで選手宣誓のように、一語一語噛み締めるように区切りながら、

大きな声で、時には怒りを抑えるように、時には絶叫するように読み上げた公述文です。

 

原稿は手書きだというのでFAXしてもらいました。

受け取ってびっくり!

とてもきれいな文字です。Y君のイメージには似合いません。

はは〜ん・・・

やっぱり!愛妻のMちゃんの字でした。

そして、この原稿も二人で考えたものだそうです。

 

皆さん、どうかY君とMちゃんの、思いを感じ取りながら、目を通してください。 

 

 

 

 

 

公述 節水型のまちづくりこそが大事

公聴会で公述した20組中、11組(11人)が石木ダム建設に公益性がないことを訴えました。

うち3人は、半世紀にわたって反対運動を続けてきた地権者です。

絶対反対です。

 

うち、2人は、関東からわざわざ公述に来てくださった、専門家の方々で、

利水、治水、また土地収用法や憲法の観点からも、客観的科学的に論じてくださいました。

 

残る6人は、川棚町民2人、波佐見町民1人、長崎市民1人、そして佐世保市民2人で、

それぞれ治水、利水、環境などの視点で、関係住民として県民としての思いを語りました。

 

佐世保からは、私ともう一人M・Yさんが公述しました。

Yさんは過去の実績を丹念に調べ、まとめ、提示してくれました。

数字は嘘は言いません。説得力があります。

誰もが納得する素晴らしい公述でした。

ここに、その原稿を掲載します。

同じ「石木川まもり隊」の仲間として、誇りに思います。

 

        ☆公聴会のための「公述」☆

                                                2013年3月23日

 私は、いまお話になった方と同じように、佐世保市で生まれ育った人間ですが、佐世保市民は生活用水には少しも困ってはいないし、石木ダムを建設するよりも節水型の街づくりに力を入れるべきだと思っています。

 本日、このように公述の機会をいただきましたので、ただいまの方とは全く反対の立場から、佐世保市民のひとりとして、また主婦のひとりとして、

・佐世保の水は足りていて、石木ダムは必要がないこと。

・少子高齢化と人口減少が急速に進むことから、今後も佐世保市民の水の使用量は減少すること。

・大渇水を経験した佐世保市は、福岡市のような節水型街づくりを目指すべきであること。

などについて意見を述べたいと思います。

たくさんの数字が出てきて、お聞き苦しいかと思いますが、ご容赦いただきたいと思います。

 

佐世保市水道局は、「佐世保市は慢性的な水不足であり、安定的に取水できる水源は日量77,000トンしかない。今後、水の需要が伸び、一日最大給水量が117,000トンになる。その差の40,000トンが不足する。不足する水源を求めるには石木ダム建設しかない」と言っています。

しかし、40,000トンの水が不足することは絶対にありません。

水道局は、佐世保市には安定水源が77,000トンしかないと言い、危機意識を煽りますが、実は、これは真っ赤なウソです。

水道局は「不安定水源」という名称で、取水できないかのような印象を与えていますが、岡本湧水1,000トンや、四条橋取水場の18,000トン、三本木取水場の4,500トン、合計すると23,500トンの水源を有しています。。これは、れっきとした水源です。

加えて、川棚川には暫定豊水水利権5,000トンもあるのです。

石木ダムを建設したいがために、不安定水源と称して、現にそこに有る、確かな水源を、存在しない水源であるかのように誤魔化しているのが佐世保市水道局なのです。

これに関しては、昨日、3人の公述人の方が詳しく述べられたとおりです。

 

では現在、佐世保市民は毎日何トンの水を使用しているのでしょうか。

直近の平成23年度及び24年度の給水量について実績値をもとに述べることにします。

  

まず、平成23年度です。

一日平均給水量は71,153トンで、一日最大給水量は80,240トンです。

通常、水の使用量は暑い夏場が最大になりますが、23年度の8月の一日平均給水量は75,262トンです。ちなみに、最も低かった月は平成24年3月で、一日平均給水量は69,335トンです。

私たちは、毎月の給水量を水道局にお聞きして記録をしていますが、あと10日ほど残した平成24年度については、3月20日すなわち一昨日までの実績値をお聞きしています。

そこで平成24年度の3月20日現在では、一日平均給水量は71,482トンで、一日最大給水量81,070トンです。

平成24年度の8月の一日平均給水量は75,762トンです。

24年度の実績値は、23年度のそれをわずかに上回りそうですが、先月・2月の一日平均給水量が68,735トンであり、3月は20日現在で68,339トンと、70,000トンを切りました。今後とも、水使用量が右肩上がりに伸びるとは到底考えられませんし、人口減少に見合って減少していくと考えるのが自然です。

強調したいのは、平成23年度の一日平均給水量71,153トンと、24年度の71,482トンの中には、この間の水道局の漏水対策の結果、若干の改善が見られるようになったとはいうものの、なお、7,000トン前後の漏水量が含まれているということです。つまり、現在の佐世保市の実際の水使用量は、一日平均で65,000トンを切っているのです。安定水源77,000トンでも十分過ぎるほど足りているのです。

佐世保市の水使用量は、給水人口が23万3,000人台であった平成4年度以降の一日平均給水量の実績値でみてみると、ずっと微減傾向が続いています。増加傾向を示したことは一度もありません。そして、平成19年度以降、減少傾向は顕著になってきました。平成23年度と24年度の実績値については先ほど示したとおりですが、佐世保市水道局は、相変わらず今後も、水使用量は右肩上がりで伸びていくと予測しています。はたしてそうなるでしょうか。今後は、少子高齢化・人口減少に見合って減少していく、このように考えるのが常識ある市民の感覚として自然だと思います。

佐世保市水道局は、将来的に一日最大給水量は117,000トンまで伸びる。安定水源は77,000トンしかない。不足する40,000トンを石木ダムで確保する。このように言い続けています。

 

専門家でない素人の私が、この「117,000トン」という数字について考えていることを述べてみたいと思います。

117,000トンの根拠について、佐世保市水道局は、平成11年12月31日に記録した一日最大給水量101,510トンをもとに説明してきました。すなわち、101,510トンを利用量率95%で割り戻した数字だという説明です。つまり、過去最大の一日最大給水量を記録した平成11年12月31日は、117,000トンの原水量が必要だったというのです。

ここで私が疑問に思うのは、ある年のある一日が、原水量で117,000トン必要だったからと言って、どうして77,000トンのほかに毎日40,000トンの水が必要になるのかということです。

水道局発行の資料で、平成11年度の一日の給水量を見てみると、平成11年度は、一日の給水量が10万トンを超えたのは12月31日だけです。9万トンを超えた日ですらたったの7日間にすぎません。しかも、平成11年度の漏水量は毎日10,000トンを超えていました。12月31日の一日最大給水量101,510トンのうちには、実に13,000トン強の漏水が含まれていたのです。

近年の一日の給水量をみると、80,000トンを超える日が極端に減少してきました。平成20年度は55日。21年度は19日。22年度は9日。そして23年度と24年度はたったの1日です。

ごく近い将来に、一日最大給水量ですら、77,000トンを切ることになるのではないでしょうか。

 

事業認定申請書に関して1点だけ述べます。

 

事業認定申請書の中の「事業の施行を必要とする公益上の理由」の「水道用水効果」の項に、「昭和53年、同57年、同59年から同61年まで、同63年、平成元年、同5年から同11年まで、同15年から同17年まで及び同19年から同20年までの過去の渇水時に渇水調整や地域住民への節水の呼びかけを行うなど、頻繁に渇水対策が強いられてきた」と、誇張された記載があります。

佐世保市水道局も、「2年に一度の頻度で渇水の危機に瀕している」と、負けず劣らず危機を煽っています。、水道事業者の心得としては、もう少し冷静に対応してもらいたいものだと思います。

 

石木ダム建設事業が正式に認可された昭和51年以降、断水があったのは昭和53年の11日間と平成6年から7年にかけての264日間の2回だけです。

平成17年に8日間の減圧による給水制限、平成19年から20年にかけて旧佐世保地区は125日間の減圧による給水制限がありました。

しかし、減圧給水というのは、水道局が誇張して言うほど、市民生活への影響は大きくなく、普段と変わらない生活が出来ました。

 したがって、市民生活に影響のある断水が実施されたのは、昭和53年の11日間と平成6年から7年にかけて264日間の2回だけなのです。

 

佐世保市の南部にある下の原ダムは、平成19年に嵩上げ工事が竣工しました。ところで、平成17年の渇水で、8日間の減圧による給水制限が行われましたが、水道局は、この17年の渇水を総括する文書を公表しています。

この中に、「下の原ダムの嵩上げが完成していたら、結果的に給水制限に入ることもなかった。一日も早い嵩上げの完成が待たれる」との記述があります。

つまり、下の原ダムの嵩上げ完成後であったら、平成17年の減圧による給水制限はなかったと言っているわけです。

水道局は強調して、「2年に1度の頻度で渇水の危機に瀕している」と言いますが、折からの降雨で解消された水道局が言う2年に一度の渇水の危機も、下の原ダムの嵩上げが竣工した今日、文字どおり過去のものであって、これからはもうありません、と言っているわけです。

 

ここで私は、素人らしく物事を考えてみようと思います。

 

長崎県の県都である長崎市の水の使用量はどのくらいかHPで調べてみました。平成22年度の給水人口は428,472人で、一日平均給水量は127,121トンとなっています。

ところで、佐世保市水道局が今年度実施した「石木ダム建設事業に係る再評価」で、水道局は平成36年を目標年度として新水需要予測を示しました。

これによると、平成36年の給水人口は209,119人に減少しますが、おかしなことに一日平均給水量は増加して84,685トンなるにとしています。

 

長崎市の平成22年度の数値と、水道局が予測した平成36年度の数値を比較してみます。素人なりに、的を射た見方だと思います。

 

佐世保市の給水人口は長崎市の半分以下なのですから、一日平均給水量は127,121トンの半分である63,561トン以下となります。それなのにどうして、水道局が予測するような84,685トンという大きな数字になるのでしょうか。全くあり得ない数字だと思います。

 

県庁所在地である長崎市には公的機関や民間会社の支店の多くが集中し、佐世保市と比較するとはるかに、生産活動や経済活動が活発です。その長崎市の給水人口と一日平均給水量をもとに比較した平成36年の佐世保市の一日平均給水量は63、561トン以下にしかならない、これは極めて妥当な数字ではないでしょうか。

 

 次に「節水型街づくり」に関連して述べたいと思います。  

 

確かに、平成6年から7年にかけての渇水は大変でした。

水道局は、このときの渇水を、日本一厳しい264日間といいます。厳しくなかったと言うつもりは毛頭ありません。しかし、この年の大渇水は西日本から関東地方までの広い地域で起こったもので、何も佐世保市だけではありませんでした。広島県福山市では、佐世保市を上回る290日間、福岡市ではさらに上回る295日間の制限給水でした。

 

この厳しい渇水を経験して、佐世保市民は水を大切にすることを学びました。我が家でも、散水や掃除には井戸水を使いますし、洗濯には風呂の残り湯を活用しています。多くの市民は、普通に節水をしています。

佐世保市長は、よく「佐世保市民はシビアな生活をしている」と言われますが、私たち市民は、節水することが辛いだとか、苦しいだとか誰も思っていません。節水に心がけることは、生活していくうえで、当たり前のことではないでしょうか?

 

同じように、渇水で苦しんだ他の都市では、その後どのような取り組みをされているでしょうか。

295日間という長期の制限給水に苦しんだ福岡市では、天候に左右されず水を供給できる海水淡水化の導入に向けた研究会が、平成7年9月に設置され、10年後の平成17年6月より水の供用が開始されています。

それだけではありません。平成15年には、「福岡市節水推進条例」が制定され、「雑用水道の設置」「節水機器の奨励」などが決められています。

 

同じように渇水に苦しんだ香川県高松市では、平成13年に「高松市節水・循環型水利用に関する要綱」を定め、「水は限りある資源であると言う視点から、市・市民及び事業者の協働により、全市をあげて節水・循環型水利用を推進する」こととし、「渇水に強い街づくり」をめざすとしています。

さらに「高松市・再生水利用下水道事業実施要綱」をも定めて、トイレや散水など飲料水以外の用途に再生水を使用していくことをめざしています。

また、愛媛県松山市では、平成17年に「大規模建築物の節水対策に関する条例」を定め、大規模な建築物の新築、増築には節水機器、雨水タンクの設置を義務付けています。

 

これらの節水に取り組んでいる都市では、雨水タンクへの助成も行なわれています。九州では福岡市、長崎市、熊本市、鹿児島市、飯塚市など多くの自治体が雨水タンクへの助成を行なっています。

 

 では、佐世保市ではどうでしょうか。

10年ほど前、佐世保駅周辺に大きなマンションが建ち始めたころですが、知り合いの市議会議員の方を通して「大きな建築物には節水機器を取り付けるべきではないか?」と質問をしてもらいました。これに対する回答は、「そういうことを義務付ければ、業者が佐世保に進出してこなくなる」というものでした。あきれた話だと思います。

 

あれほどの渇水を経験したにもかかわらず、節水条例を制定する動きはなく、雨水タンクへの助成すら検討されていません。ただ、「石木ダム建設」があるのみなのです。

 

 昨日、公述人のお一人で石木ダム建設促進佐世保市民の会の方が、平成6年の渇水時の辛さを述べ、「市民の中には水が足りていると言う者がいるが、あの渇水を経験したのだろうか」と疑問を呈され、石木ダムの必要性を訴えられました。私は冒頭に述べたように、佐世保生まれの佐世保育ちで、もちろん平成6年の渇水も経験しています。しかし、ダムは要らないと思っています。

 

ダム建設には時間がかかります。促進市民の会の方々は、それほどまでに水が必要だと考えられるのなら、なぜ今まで、ダムよりも安価で手軽に設置できる雨水タンクの奨励や中水の活用を言ってこられなかったのでしょうか? 私にとってはそれこそが疑問に思えます。

 

 佐世保市内には、共同使用されているものも含めて多くの井戸があります。

私は、佐世保駅から少し南の稲荷町というところに住んでいますが、この一帯は、ほとんどのお宅に昔ながらの井戸があります。あの渇水のときには大いに役立ちました。保健所で水質検査をしてもらいましたが、「沸かせば飲める」と言われました。我が家周辺の地下には良い水脈が走っているのかも知れません。佐世保市は家庭用の井戸など1度も調査をしていません。きちんと調査をして、活用すべきです。

 

最後に、下水の「一次処理水」について述べます。

下水の一次処理水は、日量35.000トンも捨てられています。

このことは、平成20年の3月議会で、石木ダム建設推進の立場であられるN議員が取り上げられ、『提案だが、中部下水処理場において処理している中水の活用を崎辺、倉島、米海軍佐世保基地及び佐世保地方総監部までのラインで施行をしていただければ、また、西部下水処理場における中水は陸上自衛隊の相浦駐屯地で再利用していただければと考えている。中部下水処理場における日量3万トンの処理水は余りにももったいない。このことができるとすれば、そのライン周辺の公共施設にとどまらず、民間施設への活用もできることから、貯水池への負担が相当に軽減できるものと思われるし、水源確保と同様の効果として評価できるものと考えている。』と発言されました。

実に納得のいくご提案でした。

N議員がおっしゃるように、もっと一次処理水の有効活用を考えるべきではないでしょうか?

 

しかし、佐世保市の対応は鈍いというほかありません。

やはり、石木ダム建設推進しか頭にないのだと思います。残念なことです。

 

佐世保の市民たちは、平成6年の渇水時に石木ダムがあったら、あのような制限給水はなかったと思い込まされていますが、それは違います。日照りが続けばダムも干上がるのです。「平成6年の渇水時に、石木ダムがあっても制限給水は避けられなかった。」といったのは、水道局自身です。

 

これまで、いろいろと述べてまいりましたが、これらのことを総合して考えると新たに「石木ダム」を建設する必要はまったく無いことが、ますます確信できました。みなさま方にも、「石木ダム」を建設する必要がないことがお分かりいただけたと思います。

 

ご清聴ありがとうございました。

 

 

 

公聴会2日目

今日も10人の公述人が登壇。

ダム推進派と反対派がちょうど半々でした。

人数で言えば6人対5人ですが、5枠ずつ。

 

トップバッターは、地権者の若者。

と言っても、なんと4人の子のお父さんです。

ぼくらは、生まれ育ったふる里を、自然の恵あふれる川原をただ守りたいだけ。

そして、この素晴らしいふる里を子どもたち、○○、○○、○○、○○に残したいだけ!

と涙声で叫ぶように訴えました。

みんな、会場中が固まったように身じろぎもせず、全身で聴き入っていました。

国交省の事業認定官はもちろん、

起業者(長崎県職員+佐世保市職員)も、ダム推進派の人たちも、

きっと立場を忘れて聴いていたに違いありません。

 

その後も推進派と反対派が交互に意見を陳述しました。

 

昨日同様、推進派の皆さんは、水害体験、渇水体験の苦労話が主です。

中には土地を売って出て行った者の辛さ、肩身の狭さなどを訴え、早くダムを造って欲しいと言う方、

また、県や佐世保市水道局のいつもの説明そっくりに話される方も。。

 

反対派は、

Hさんが環境評価についての話、大村湾の赤ナマコの被害、そして憲法で保証された人権侵害に当たることなどを話し、

Mさんは、佐世保市の水が足りていることを具体的な数字をたくさんあげて説明し、

節水型の街創りにこそ力を入れるべきことを力強く断言しました。

反対派のトリを務めた地権者のIさんは、石木ダムの歴史を語り、13世帯の不動の意思を語りました。

その中で、元佐世保市長の桟氏の話は印象的でした。

 

桟市長は平成6〜7年の大渇水被害の責任をとって辞められたそうで、非常に悔しがっておられた…。

なぜなら、市長は石木ダムに代わる代替案をいろいろ考えて実行しようとしたが、

ことごとく県に阻まれ実現できなかった、

代替策を実現できていたら、こんなひどい渇水被害は起きなかった…と。

そして、私に「これからも頑張ってください」と励ましの言葉さえかけられたのです。

 

県がダムを造る本当の目的は何なのか…あらためて考えさせられる話でした。

 

一方、推進派のトリを務めたのは、某大学教授のK先生。

話を聴く前から御用学者との噂が飛び交っていましたが、公述の途中で退席する人が続出。

私は最後まで聴きましたが、なぜ、この先生がここにいるのか…不思議な気分になりました。

様々なグラフや図や写真を沢山提示して、

将来の気象傾向、洪水被害、渇水被害の予測を示し、

昨年の集中豪雨による九州各県の被害実態とその原因について詳しく報告されました。

 

「洪水被害調査」の報告会なら、たいへん関心を集めたでしょうが、

石木ダムとは関係のない話を延々と聞かされ、

最後の4分ほど前にようやく石木ダムの話が出てきました。

要は、地球温暖化により、今後は洪水被害も渇水被害も増える、

その際役に立つのがダムで、さらなる工夫と弾力的な運用で、大いに期待できるそうで、

「石木ダムが今後長きにわたって地域の安全・安心に大きく貢献することを確信する」そうです。

 

地元のことを何も知らず、地元調査もせず、一般論だけで石木ダムを云々するなんて、

あまりにも安直なやりかたですね〜

 

公聴会はこれで終わりました。

事業認定官の方の心には、しっかり届いたはずです。

地権者の思い、佐世保市の水受給計画のデタラメさ、長崎県の河川整備計画の悪質さ、etc.

 

でも、この公益性を実際に審議するのは、九地整ではないんですよね〜

社会資本整備審議会が公益性を判断するのですよね〜

なぜ?

なぜ認定官の方々ではダメなのか、わかりませんね〜

せっかく、心を込めた公述がなされても、

それを実際に聞いていない人たちが審議することに、どんな意味があるというのか…???