今日2月28日、県の回答を求めて再びやってきました。
地元地権者、県民、九州各地の弁護士からなる弁護団、そして一番遠方の支援者は神奈川県から!
その私たちの前で県の担当官が繰り返した言葉は、
「回答は差し控えさせていただきます」
その理由は?と問うと、
「すでに事業認定され、事業の必要性や公益性は認められたから」
「皆さんの疑問に関しては認定庁が告示の際に意見対照表で答えている」と言う。
「それを見てもわからないから質問しているのに、なぜ答えないのか?」と突っ込まれても、
「事業認定で…」と、あくまでも事業認定にすべての責任をおしつけるばかり。
板井弁護士が、「川辺川ダムの場合は、事業認定の後に、起業者である国と住民の討論会を
何度もやりましたよ。国は真面目に答えようとしましたよ。長崎県はそれをしないんですね」
と念押しすると、「もう説明済みなので…」と言う。
地権者が「あんた達は事業について理解してほしいと言いながら、質問すると答えない。
それでどう理解しろと言うんだ?」と言い、
弁護士が「もう話し合う気はないんだね?」と言うと、
「いやいや、話し合いはしたいと思っている」と答えるので、
「質問には答えないのに、何を話し合うの?」と問われ、
「将来への不安なお気持ちとか…」との答えに、みんな失笑。
「よく言うねー、不安な気持ちとか。わがどんがしかけてきとっとにから」
「ダムが不安の種です!ダムがなくなれば安心です!」
などの声があがりました。
今日のやり取りで、私たちは県の考えが十分に理解できました。
☆ 県は「事業認定」が全てだと思っている。
☆ 地権者の理解は、もはやどうでもいいと思っている。
☆ 話し合うべきテーマはただ一つ、補償交渉だけ!
何が何でもダムを造る。
必要性など考えなくてもいい。
住民不在、県民不在の県政。
それが県民にとって、どれほどの被害をもたらすのか…私たち県民自身が考えなければ。
今日、熊本県では、県営「路木ダム」について、建設は違法との判決が出されました。
(毎日新聞 2014年02月28日 21時24分)http://mainichi.jp/select/news/20140301k0000m040102000c.html
熊本地裁の片山昭人裁判長は
「ダム建設計画は著しく妥当性を欠き、県知事の裁量権を逸脱、乱用したもので違法」と指摘。
住民側の訴えを一部認め、判決確定後は建設事業の差し止めを命じたのです。
路木ダムは、治水と利水を目的に、熊本県が2010年から約90億円をかけ建設を進め、
本体はほぼ完成していて、今年4月から運用される予定でしたが、
その路木ダムが「架空の洪水を根拠に計画され、洪水調整施設としての必要性はなく、
社会通念に照らし妥当性を欠き、知事の裁量権の逸脱・乱用で違法」だと断罪されたのです。
建設費90億円は途方もない無駄遣いに終わります。
その負担は結局県民の財布からでたものです。
長崎県と佐世保市は、この結果を重く受け止めてください。
路木ダムのようにダム完成後でも、差し止め判決は出るのです。
石木ダムは、まだ付け替え道路さえできていません。
石木ダムは路木ダムの3倍以上の費用がかかります。
そして、自然破壊はお金に換算できない大きな大きな損失です。