工事阻止行動2日目 思いを歌に込めて!

午後1時半、定刻に石木ダム事務所の古川所長と職員がやってきた時、

私たちは皆、背を向けて立っていました。

これまでのように、同じことの繰り返し、不毛な言い合いに少々疲れてしまって・・

私たちは、その思いを背中で示し、歌うことで伝えました。

 

 

事前に打ち合わせをしていたわけでも何でもありません。

県の車が近づいてくるのを見た時、誰からともなく、

「また言うたっちゃ一緒」「同じことの繰り返し」「疲れるだけ」

「そんならあっちむいとこか」「ああ、それがいい」となって・・・

所長がテントに近づいてきたときは全員回れ右の姿勢。

 

所長:皆さん、どうしてそっち向いてるんですか?
 
住民:ふるさとがきれいかけんよー、山ば見とるとー
 
所長:皆さん、こっち向いてくださいよ
 
住民:見飽きたです
住民:疲れたー
住民:あっちを向いたら笑顔になるね
住民:そうやねー
 
ラーララーララーラララー🎵
S子さんが「川原のうた」を口ずさむと、みんな一斉に歌い出しました。
 
 
🎵春は黄色の帯のよう 石木川に寄り添って 水辺の菜の花どこまでも・・・
 
 
住民:ああ、涙の出てきた
 
所長:皆さんお願いします。こっちを向いてくださいよ。
 
などと言われても、私たちはその後も、「ダム反対の歌」「ふるさと」を続けて歌いました。
 
 
(私は、つい、🎵山は青きふる里 水は清きふる里〜🎵の歌詞に力を込めてしまった)
 
 
 
 
「どうしても皆さんが話をしてくれないので、私は引き揚げます。でもまた来ます」と言い、
 
所長は帰って行きました。 
 
 

付替え道路工事初日、着工阻止

付替え道路工事初日とあって、マスコミも殺到しました。

先日の立入調査に続いて、道路工事も絶対反対の意思を伝える地権者。

ダム事務所長は先日のように、簡単には帰りません。

今日は県の職員10名の他、工事業者11名も来ていましたから。

 

所長:買収済みの区間の工事だからやらせてくれ
     私たちは正当な手続きのもとでやっている
 
反対派:正当な手続きとか、法に基づいてとか言っているが、県は諫早では何をやっている?
   諫早では県は法を守らない、判決を無視して阻止している。
   そして、ここでは法に基づいてやります?そんな2枚舌を使うんじゃない!
 
地権者:久保知事の覚書を守れ!検証をやり直すことが大事。
   本当にダムが必要なら話し合いをすべき!
 
所長:話し合いは別途時間を設けてやります
 
地権者:別途ではダメだ。着工する前に話し合うべき!
 
所長:すでに8割の方が同意しておられますので、その方々の思いも我々は背負っており…
 
地権者:嘘を言ってはダメ。ダム建設に賛成しているのは43%じゃないか。
    地権者の57%は反対してるじゃないか!
 
 
これは、事業認定申請書に次のように明記されていることを指摘しています。
 
「土地所有者及び関係人は460名であり…うち約43%にあたる199名については円満に協議が成立している」
 
ということは反対者は57%であり、「8割の方に同意をいただいている」というのは確かに間違っていますね。
 
 
 
30分ほどやりとりをした後、県側はいったん引き揚げましたが、午後またやってきました。
 
私たちはテントの中だけど、所長も職員も午後の直射日光をガンガン浴びながら気の毒だな〜
 
と思ってしまうほど、意味のないやりとりでした。
 
 
職員は、これが仕事だとわりきっているのでしょうが、こんな仕事をさせる上司やトップに腹が立ちます。
 
 
今日もまた、阻止行動の様子をカメラやビデオにおさめる県職員に、非難ごうごう。
 
これも上司の指示でしょう。
 
 
地権者:知事はイサカンでは、地元の同意を得ずに開門するな!と国に言い、
    ここでは地元の反対を無視して工事するのか?
    矛盾してるじゃないか!
    
 
全くです。職員の皆さんは、その知事の矛盾の矢面に立たされているのです。
 
それでは「生え抜きの知事」として失格ではないですか?
 
 
 
 
 
 

立入調査阻止行動2日目

今日は立入調査阻止行動の2日目です。

午前9時過ぎ、先週金曜日と同じように、石木ダム建設事務所長以下職員数名が、強制収用のための測量調査の「お願い」にやってきました。

このように、冒頭、県職員による私たちへのビデオ撮影行為に皆が抗議しました。

止めろと言われてもしばらく撮り続けていたMさん。

当然上司の指示だったと思いますが、県はなぜこのようなことをしたのでしょう?

 

阻止行動の参加者個人を特定し、このうち地権者が何人いるとか、

地権者の〇〇家からは参加者がいなかった、あそこは落とせるんじゃないか?

などと吟味するためでしょうか?

 

それとも、参加者の中で地権者ではない人物をブラックリストにアップして、

非県民としてマークするためでしょうか?

秘密保護法や共謀罪が押し寄せてくる昨今ですが、

日本の民主主義はいよいよ危うくなってきたような気がしてなりません。

 

そんな中、川原の地権者の皆さんは、

権力を恐れず、果敢に意思を貫いて生きている!

その姿が感動を与え、共感を呼びます。

 

ダム事務所長から意思の再確認を求められた4人の地権者が、

今日もきっぱりと拒否しました。

「〇〇です。絶対ダメです。造らせん!帰れ!」

「最初国が造るて言うた? 始めたとは県やろ?なんが法か!」

(「事業認定」を錦の御旗のように持ち出す県に責任転嫁はするな!という意味の発言)

「測量は絶対反対です!所有者が立ち会わなければ意味がない。やっても無駄ですよ」

 

こうして、4人の意思を確認した所長は、このことを知事に伝え県の判断を仰ぐ、

その結果は午後伝えに来ることを約束して引き揚げて行きました。

 

そして、午後1時半。約束の時間に所長たちはやってきました。

 

明日からの測量調査はしないと明言!

しかし、付替え道路工事は「やる」と、これまた明言。

 

すべて予定通り。

30日から暑くて長い闘いが始まります。

心配なのは川原のおばあちゃんたち。

今日、所長の前に出て「絶対造らせん!」と言ったおばあちゃんも、言葉ほどお元気ではない。

午後、第一ダム小屋から歩いてきたおばあちゃんは、苦しそうに肩で息をしていました。

木陰に置かれたイスに座って「心配せんで大丈夫。休めば平気」と笑顔を見せてくれましたが…

 

このおばあちゃんたちの意志の強さと思いの深さが、県にはなぜ届かないのでしょうか?

 

 

 

立ち入り調査阻止行動 初日に関する報道

今日の新聞各紙の記事の見出しを紹介します。

長崎新聞1面:石木ダム立ち入り調査 測量 反対派が阻止 県、28日にも再度試み

長崎新聞27面:アリバイづくりだ 県、滞在わずか10分

西日本新聞:県、石木ダムの調査できず 反対地権者や支援者が阻止

朝日新聞:石木ダム 地権者の抗議で 県が測量できず

読売新聞:石木ダム 立ち入り調査できず 地権者ら80人阻止行動

長崎新聞1面

長崎新聞27面

 

西日本新聞

 

朝日新聞

 

読売新聞

25日の立入調査 阻止

今日の「立入調査」阻止行動はわずか10分ほどで終わりました。

県の職員(石木ダム建設事務所長他)がやって来てから帰るまでの一部始終が、この動画に収められています。

 

福岡から2時間半かけて応援に来たIさんにとっては、あっけない阻止行動だったことでしょう。

でも、県外からの弁護団が到着したのは終了直後で、こちらはもっと唖然となさったかも・・

 

しかし、10分が短すぎるとは思いません。

1分でもいいし、そもそも来なくてもよかったのです。

立入調査はお断りすると、7月17日県庁で、地権者は明確に伝えていたのですから。

が、そこは手続きを最重要視するお役所のこと、どうしても当日もう一度現地でお願いする必要があったのでしょう。

 

そして今日、地権者の意思をあらためて確認したわけですから、

来週28日〜31日は、もう来る必要はないはずですが・・・

終了後記者の一人が、地権者の思いを無視するのか?と質問すると、

石木ダム建設事務所の古川所長は、

無視するわけではないが、この手続きは法律で認められていることなので来週また来てお願いする、

また、皆さんの疑問については、別の場できちんと答えていく、

などと返答していました。

 

話し合いをしながら一方で、強制収用の手続きを進めたり、ダム建設に繋がる工事をやるという、

そこのところが地権者の皆さんや私たちの考えと相容れないところです。

 

まず話し合いを徹底的におこなうべきだと思います。

その中で初めて地権者の理解が得られる可能性が生まれるのです。

お座なりな形だけの話し合いをいくらやっても理解が得られるはずはありません。

決してそうではない、誠心誠意説明すると県は言いますが、

話し合いの裏でダム有りきの態度を見せつけられたら、どうして素直に向き合えるでしょう?

そんな、ごく普通の感覚が、行政の皆さんには理解してもらえないようで…残念です。

 

 

第2ダム小屋設置!

今日の長崎新聞です。

昨日、石木ダム建設絶対反対同盟が小屋を設置したと報じています。

 

小屋が建てられた場所は、今回県が強制収用を狙っている場所です。

ダム建設予定地の中にあるダム反対地権者13世帯が所有する土地の中でも、

4件だけが今回(9月8日がタイムリミット)の収用裁決申請の対象となるものです。

その土地にこの小屋が建てられたのです。

 

ここは強制収用反対の拠点となるでしょう。

この小屋が壊されるのは、強制収用され、行政代執行されるときです。

私たちは、それを許すまいとここに集まり、この小屋を守ろうとするでしょう。

それでも重機を使って、この小屋を壊すのか?

権力で住民の暮らしを捻り潰そうとするのか?

県の意思が問われ、県民の前に可視化されるでしょう。

 

その時が来るまで、ここは阻止行動の休憩所となるようです。

 

前からあった第1のダム小屋はこちら。

1982年の強制測量の時以来、ずーっと県の動きを監視してきた小屋。

今や川原のおばあちゃんたちのサロンと化していますが・・・

ここには、こんな看板も掲げられています。

あの下筌ダムに反対し、蜂の巣城を築いて最後まで闘った室原知幸さんの言葉です。

まるで返り血で書かれたような真っ赤な文字が、胸にグサリと刺さります。

 

知事、佐世保市長、河川課長に、この言葉を贈りたい…

 

裁決申請へ対立激化〜長崎新聞解説

今朝の長崎新聞です。

石木ダムをめぐる県と住民の対立の現状について、わかりやすく解説しています。

 

1.なぜ対立しているのか

県:石木ダムを建設したい→反対地権者の土地が必要→強制収用してでも取得したい

地権者:石木ダムは必要のないダム→必要のないダムのために自分たちが犠牲になるのは嫌

 

2.なぜ対立が激化しているのか

県:強制収用を可能にする裁決申請の期限まであとわずか。急いで手続きを進めたい

地権者:話し合いは続けると言いながら、一方で権力を振りかざしている

  32年前の強制測量の時と同じ。二枚舌を使う県のやり方は許せない

 

3.付け替え道路工事

県:工期の残り期間も迫っているし、今回の工事区間の土地はすべて買収済み。早期に着工したい

地権者:今回工事区間ではないが、残り区間に我々の土地が含まれている。我々は絶対に売らない  

   つまり道路は完成しない。完成しない道路に使った税金は無駄になる

記者:県の工程表では、付け替え道路の開通目標は2016年度となっているが、道路の完成には

   数年を要し、現実的には困難。県は工程表の再変更も視野に入れている

 

このように冷静で客観的な状況分析をした後、

この記事の下のコラム「記者の目」で、宮崎智明記者は指摘しています。

県のいう「話し合い」は、「帳面消しとしか思えない」と。

「話し合いと裁決申請への手続きを平行して進める」こと自体が、どだい無理な話だ。

とも述べています。

全く同感です。

左手に刀を持ったまま、右手で握手しようとしても、誰がその手を握れるでしょう!

 

 

県に怒りの抗議!

午後3時過ぎ、県庁玄関前に、地権者と支援団体が集まりシュプレヒコールを繰り返しました。

 石木ダムは要らないぞー!

 石木の美しい自然を壊すなー!

 強制収用は許さないぞー!

何度も何度も繰り返しました。

そして、地権者の一人はマイクを持つと、県庁の建物に向かって、

「私たちは納得のいかないダム建設には死んでも反対します!」と叫びました。

 

私たちの前には、マスコミだけでなく、数人の河川課職員が取り囲んでいました。

地権者は、抗議文を渡すから責任者を呼んでほしいと言いましたが、

知事だけでなく、2人の副知事も、土木部長も誰もいないとのことで、

第2庁舎へ案内されました。

 

移動する間は、さながら短いデモ行進となりました。

 

用意された会議室で待っていたのは、河川課長と企画監でした。 

まず弁護団副団長の板井弁護士から、

知事は話し合いをしたいと言ってたのに、測量を始めると発表したと聞いているが、

それについての事実関係はどうなっているのか説明を求めました。

 

河川課長:11日の川原公民館での話し合いのとき、知事は冒頭、話し合いもしていくが、

  裁決申請まで残り少なくなっているので、事務手続きは進めさせていただきたい。

  また、付け替え道路工事も近々に始めさせていただきたいとお願いしました。

 

地権者:立ち入り調査の話は聞いていないし、お願いを聞き入れるわけにはいかない。

  私たちは何度も言ってるように、必要性のないダムを認めるわけにはいかない。

 

弁護団:地権者はお願いを受け入れないと言っているんだから、それでいいですね。

 

課長が「いや、今の発言者は今回立入調査の対象となっている該当者ではないので…」

と言うと、該当の地権者4人が立ち上がって次々に意思表示しました。

 

該当者:Aです。立入りはイヤです。

該当者:Bです。ダメです。

該当者:Cです。絶対ダメです。

該当者:Dです。絶対ダメです。

 

弁護団:このように、立ち入りに対しては、4人全員イヤだと言ってます。

  それはまず理解して下さい。それでもなおかつ実力で入りたいということなのか? 

課長:実力で入ることはしない。

  敷地に立入はしなくても周辺からの調査はさせて頂きたいので、現地には行きます。 

該当者:周辺から見られるのもイヤです。

課長:とにかく、現地へ行き、現地でもう一度お願いさせてください。

 

どんなに拒否されても行く姿勢を崩さない課長に対して、堀江県議が発言しました。

堀江県議:議会で知事はいつも言ってますよ。地権者に「誠心誠意対応する」と。

  あなたの発言はその対応になってないですよ。

  25日に行くことになっているので行きますという主張ばかりでは、ダメです。

  今日あなたは地権者から立入を拒否された。こんなに抗議を受けた。

  抗議文を持って帰って「部内で協議します」と言わなければ!

 

そこでやっと、

 「事業が要らないと考える地権者の疑問に対し、合理的な説明ができないまま

  土地収用の手続きを進めていこうとする行動に強く抗議するとともに、

  立ち入り調査の撤回を求める」

などとする抗議文が読み上げられ、課長に手渡されました。

 

課長は「知事に報告し、検討します。その回答は来週、25日前に提出します」

と約束しました。

 

最後に地権者から、

・付替え道路工事はダム建設に繋がる工事なので、私たちは反対である。

・知事は着工の1週間前には連絡をすると以前約束したので、それは守ってもらいたい。

 (強制測量の時も前回の付替え道路工事の時も、約束を破って事前連絡をしなかった)

・今年は国体がある。その年に強制収用などしたら大変なことになる。

 国体の会場で石木ダム問題が日本中に知れ渡り、長崎県は大恥をかくだろう。

などのメッセージを知事に伝えるようお願いして、抗議行動を終えました。

 

地権者の怒りの10分の1でも県に伝わったでしょうか?

奪う者と奪われる者の立場の違いをまず理解してほしい。

抗議文と共に、地権者の思いを、知事はしっかり受け止めてほしい。。

 

付替え道路も 近々着手!

今朝の長崎新聞です。

8月には付け替え道路工事が始まりそうだと伝えています。

 

「裁決申請しなければ、事業認定そのものが無効になる。

 地権者の理解を得る努力と並行し、事務手続きも進めなければならない」

 

この言葉から、県の意思(=石木ダムは絶対造る)が伝わってきます。

今後も続けると約束した地権者との話し合いは、

話し合うと言っても、石木ダム有りきの基本は変わらない。

話し合っているうちに地権者がダム建設を認めてくれれば、それが何より。

期限までに認めてくれなければ、予定通り強制収用をしてダムを造る。

だから、手続きだけはしっかり進めておかなければ・・・

ということのようです。

 

本当にダムが必要なのか?

佐世保市の水不足は本当はどの程度なのか?

川棚川の洪水対策はダムがベストなのか?

ダム以外に対策は無いのか?

そんなふうに真摯に考えてみようという気は、さらさらないということ。

 

淀川水系流域委員会や川辺川住民討論会のような本物の話し合いとは程遠い、

あくまでも形だけの話し合いなのですよ、ということのようです。

 

地権者の皆さんは度重なる欺きに怒り、明日県庁へ抗議に行きます。

私たち支援団体も参加します。

午後3時20分、県庁前広場に集合です。

よろしくお願いします。

 

話し合いからわずか3日後、「立ち入り」通知!

これは今朝の新聞です。

7月14日、長崎県は石木ダム建設予定地の地権者4世帯に、測量調査のため農地に立ち入ることを通知したと報じています。

何のための測量かと言うと、収用裁決申請に必要な書類を作成するためで、

その調書には実測平面図を添付しなければならないからです。

 

石木ダムの必要性について、話し合いを始めたばかりです。

石塚副知事は記者会見で「必ずしも立ち入りの通知が採決申請に直結するものではない」

「事務手続きの一環とご理解頂きたい」などと述べて、話し合いは続けると強調しましたが、

ほんの3日前、県市合同の第1回目の話し合いをスタートしたばかりです。

 

こんな矛盾した、手のひらを反すような態度に地権者の皆さんは怒っています。

KTNニュースでは、Kさんが、「あれだけ話をしてやり方が汚いもんね。馬鹿にしとる。

権力でねじふせようとしても、負けはせん」と語っていました。

 

立ち入り調査は今月25日から1週間予定されています。

地権者の皆さんは、1982年の強制測量のときと同じように、座り込んで阻止します。

もちろん、私たちも・・・