ついに、収用裁決申請!

県と佐世保市は今日午前、土地の強制収用に向けた裁決申請を県収用委員会に提出しました。 

知事は「ぎりぎりまで話し合いでの解決を目指す」と言っていたけれど、

期限の8日を待たず、3日早い今日、提出に踏み切りました。

 

「とるならとってみれ。命までとらんやろ。しかし、命をとるのと一緒」

何があってもここに住み続けると決めたKさんの言葉は重い。

 

S子さんも電話で言ってました。

「県はまーだわかっとらんね〜 うったちにお金や脅しはきかんとに。

 うったちはなーんも変わらんもん。同じ生活を続けるだけよ。

 だから、ダムはできんとに・・・」

 

どうして、この覚悟が知事には伝わらないのでしょう?

 

 

 

これは、県の土木部河川課から佐世保市水道局に届いたお知らせの文書。

佐世保市議会では緊急に「石木ダム建設促進特別委員会」が開かれ、

水道局長より報告があり、その際委員に配布されたものです。

 

 ※の但し書きが意味するものは・・・

 

地に落ちた「誠心誠意」 

両手を広げて行く手を阻む県職員とガードマン。

私たちが向かっていたのは知事室。

一枚の抗議文を手渡すために川棚町や佐世保市など県内各地から集まった県民が

知事に会うことは叶いませんでした。

 

伝えたかったのは、知事が裁決申請の方針を決定したことへの抗議と撤回の要請です。

いくら国が事業認定したとはいえ、石木ダムの必要性については大きな疑念が持たれており、

つい最近ようやく、起業者である県や佐世保市と反対地権者や県民との議論が始まったばかり。

そんな中で裁決申請とは、あまりにも乱暴です。

知事の真意を問いたい、この方針を撤回してほしい、その思いを届けに来たのです。

 

そんな県民を中に入れず、職員に人間の壁を造らせた県の姿勢に強い憤りを覚えます。

これは知事の意思でしょうか?

だとしたら、知事は嘘つきです。

知事はこれまで、議会でも記者会見でも、いつもいつも、

地権者の皆さんの理解が得られるよう、「誠心誠意対応したい」と言い続けてきました。

 

知事がどうしても裁決申請をやりたいのなら、

その前に、その方針決定について地権者に直接伝え、地権者の怒りの言葉に耳を傾け、

その思いを受け止め、犠牲を強いる皆さんへのお詫びの言葉を述べた上で、

それでも県としてはやらせて頂く、との決意を伝えるべきでしょう。

それがせめてもの誠意ではないでしょうか。

 

私たちは5日前には、今日知事に会いに行くことを知らせていました。

知事にとって「理解を得たい」相手、「誠心誠意」を尽くすべき相手が出向いてくるのだから、

その時間は何はさておき空けておくのが当たり前でしょう。

どうしても変更できない先約があるなら、

地権者へ別の時間帯を指定して変更を願い出るのが、これまた当然の処置。

そのようなことは何もせず、河川課企画監が出て来て、

「知事は不在です、連絡はとれません、いつ戻るかもわかりません、

 河川課が対応することになっています、別室を用意しています」などと言って、

知事にも副知事にも会わせようとしません。

秘書課長にさえ連絡をとろうとせず、私たちは何時間も庁舎外で待ち続けました。

そして、待っていても埒が明かないことを悟り、ついに皆で庁舎内に入って行ったのです。

私たちの行く手を必死に遮る河川課職員。

なぜ彼らは、そんなに地権者と知事を会わせたくないのでしょうか?

 

なぜ知事は逃げるのでしょう?

そのことが何よりも地権者を傷つけ落胆させ、知事への不信感を増していることがわからないのでしょうか?

それとも地権者が怖いのか?

地権者の固い意思と正当な道理の前に太刀打ちできない怖さを感じているのか?

激しいもみ合いの中で、そのような思いが頭の中をぐるぐると巡っていました。

 

秘書課との交渉の末、ようやく秘書課長が出て来て抗議文書を受け取ることで話がつきました。

皆を代表して抗議文を読み上げる岩下さん。

「この文書も、皆さんの言葉も、私が責任をもってしっかり知事に伝えます」と約束した秘書課長。

 

その抗議文とは、こちらです。

 

 

これを秘書課長に渡すだけで3時間半もの時間を消費し、県庁内に騒動をまきおこしてしまいました。

職員や来庁者の方々に多大なご迷惑をおかけしたことと思います。

しかし、これは決して私たちの本意ではありません。

知事がすんなり会ってくだされば、あるいはせめて副知事でも対応して下されば、

何の混乱もなく30分ほどで終わったはずです。

 

今回は秘書課長が受け取って下さいましたが、

本来は知事に直接会って渡したかった!

一言でも言葉を交わして受け取ってほしかった!

これが地権者の思いです。私たちの願いです。

それが、そんなに大それた願いですか?不可能な願いですか?

 

副知事さえも出てこない!

長崎県にとって、公共事業の犠牲となる県民の存在とは、そんなちっぽけなものなのですか!

 

今日、中村知事の「誠心誠意」は地に落ちました。

 

もうすぐ「水を大切にする日」!

もう9月!早や9月!昨日9月1日は防災の日でしたね。

まもなく9月6日「水を大切にする日」がやってきます。

何?「水を大切にする日」?そんなの知らん!という方がほとんどでしょう。

「水を大切にする日」は、佐世保市独自の記念日なのです。

市のHPにはこのように書かれています。

 

平成6年、北部九州一帯で起こった異常渇水により、水源に乏しい佐世保市では264日間にも及ぶ給水制限を余儀なくされました。
このことは、市民生活はもとより、街の経済にまで大きな打撃を与えました。
本市では、これを教訓とし、今後に生かすため、市内全域に給水制限を実施した9月6日を「水を大切にする日」と定め、平成7年以降、水に関する啓発を行っています。
市民の皆様ならびに事業者の皆様におかれましては、「水を大切にする日」を通じて、「水の大切さ」について改めて考えていただく機会として下さいますようお願い致します。 

 

で、実際どんなことをおこなっているかというと、

こんなうちわを会場で配っていたり、

「水を大切に」の幟を持ってパレードしたり・・

って、それはいいんだけど、何やら変な横断幕が・・・

水不足は続いています?今までもこれからも?!

そう、この日の目的は、水を大切にしよう〜という啓蒙運動にはほど遠く、

市民の皆さん、あの昔の渇水の苦労忘れちゃいないでしょう?

あの時は大変でしたね。皆さんは忘れかけているかもしれませんが、

実は今も水不足は続いているんですよ。

幸い大きな干ばつが起きてないので皆さんは気づかないでしょうが、

いつまた、あの渇水被害がおこるかもしれないんですよ、

怖いですね〜、困りますね〜、どうしましょう?

やはり、石木ダムをお願いするしかありませんね〜

ということで、市長、市議会議長、国会議員等々勢ぞろいで石木ダムをアピールする、

それが、「水を大切にする日」の実態なのです。

上の写真は、全て一昨年のものです。

 

昨年の9月6日は、事業認定の告示がなされた日。

長崎県や佐世保市が待ちに待ってた事業認定です。

反対地権者の土地を強制的に取得してダムを造ってもいいですよ。

それほど石木ダムは公益性の高い事業なのですからという認定を国からもらった日。

なので、こんなイベントなど昨年はやっちゃいません。

 

いっぽう私たちは、やりましたよ。

ほーちゃんの川魚の絵を使って作ったオリジナルうちわを配って、

石木ダム問題をアピール。

そして、石木ダム反対や、強制収用しないでください!の署名集めをしました。

老若男女たくさんの方が署名してくださいました。

 

あれから1年。

いよいよ知事は収用裁決申請の決断をしました。

8日までに、県収用委員会に手続きすると、8月26日に発表しました。

その日が、今日なのか、明日なのか・・・私たちにはわかりません。

が、その方針を撤回してほしい!と、明日知事に訴えにいきます。

地権者の皆さんと共に。

10時半過ぎに県庁前に集まります。

お近くの方、同じ思いの方、一緒に集いませんか?

 

話がすっかり横道にそれてしまいましたが、

私たちは、今年も9月6日の「水を大切にする日」に、佐世保のアーケード街で、

署名活動と、うちわやリーフレットを配ります。

 

今年のうちわは、こちらです。

なーんだ。去年と同じじゃん!

と思うでしょ?

ほんの少し違ってますよ。

どこが違うでしょう?

正解者にはうちわをもう1本プレゼント!

な〜んてことはいたしません。

 

よかったら、お立ち寄りください。

9月6日(土)13:00〜15:00、

四ヶ町アーケード街島瀬公園そばで、やってまーす!  

本市に助成制度は存在しない!?

 

先月情報公開請求していた資料が用意できたとのことで取りに行くと、

そのうちの1件は「情報不存在」のため開示できないという。

その件とは、市が助成している雨水貯留タンクの総数と総貯水容量などについて。

不存在の理由欄に書かれた文言は「本市に助成制度は存在しない」だって・・・。

 

なぬ?!

慢性的水不足です。

水不足の解消は本市の喫緊の課題です。

市民は節水に努めていますが、受忍の限界にきています。

等々並べて石木ダムの必要性を訴える佐世保市が、

雨水貯留タンクの助成もしていないって?

 

渇水都市と言われている市の多くが取り組んでいるし、

長崎市でも雨水タンクに助成するという記事を数年前に見かけました。

日本一の地下水を誇る熊本市でさえ、小中学校のすべてに雨水タンクを設置し、

個人宅に設置する場合は雨水タンクなら上限が35,000円、

雨水槽なら上限70,000円助成するそうです。

他にも雨水浸透マスやビニールハウス雨水浸透施設にも助成しています。

 

佐世保市はそのような雨水利用も呼びかけず、助成金も出さず、

ただただ石木ダムに頼るばかり・・・

水道局の職員さんも、この文書を出すとき、相当恥ずかしかったでしょうね〜

 

川原にある、この看板を思い出しました。


       何故造らぬ 己の水がめ 人だのみ

まさしく、その通り。

おっしゃる通りです。

佐世保市民として、超情けない〜〜〜〜〜〜!