石木ダムについて県議選候補者に聞きました

今日、長崎県議会議員選挙が告示され、9日間の選挙戦がスタートしました。

定員46人に対し、16の選挙区から66人が立候補しました。

皆さんは既に誰に投票するか決めていますか?

深刻な人口減少対策や子育て支援など多くの候補者が熱く語っていますが、なかなか聞こえてこない石木ダム問題。いったい候補者はどう考えているのでしょう?

そこで、私たち7団体は前回同様に石木ダムに関するアンケート調査を実施しました。

その結果をこれから公表いたします。ぜひ参考にしていただければ有り難いです。

 

①アンケート項目 立候補予定者へのアンケート用紙

②回答結果の集計一覧表 アンケート結果一覧表

③設問ごとの回答結果 アンケート結果 設問ごと

 

特に③をみれば、石木ダムに対する各人の考え方が分かるだけでなく、県政全体に対する思いも垣間見えてくるようです。

例えば、こちら。石木ダム事業の見直しが必要か不要かの判断ですが、

それは、石木ダムについての県民の思い(ダム計画について行政の説明が不十分)を知っているかどうかの答えと、かなり符合しています。

つまり、県民の思いを知っている候補者の多くが、見直しが必要だと答え、知らない候補者の多くが、見直しは不要と答えています。

また、 住民を実力で排除する行政代執行についての見解を記述していただいたのですが、これについては、全く同じ文章が2つあって、びっくり!でした。WHY?

最後に、こちらの設問に答えるだけでなく、自由記述をお願いしたところ、7人の方がびっしりと書いてくださいました。



立候補前のお忙しい中、ご回答いただいた皆様には深く感謝しています。

一方、60名に送付しましたが、44名の方がご回答いただけませんでした。実に73%もの方が無回答。

県民の問いかけに応えようとしない候補者の皆さんは誰のための政治をするおつもりなのでしょうか?

とても残念です。

 

ご回答いただいた方が善戦されることを期待します。

 

 

測量の約束

2月28日から始まった山の上での座り込みが続いていました。



昨日のニュースやブログを見て、数人の方から問い合わせや激励の電話等をいただきました。

朝日デジタル
長崎県の石木ダム、強制収用の土地で工事開始 反対住民は座り込み:朝日新聞デジタル (asahi.com)

テレビ長崎
石木ダム「収用地」で長崎県が初の工事|ニュース|KTNテレビ長崎

毎日新聞
長崎・石木ダム 13世帯住民座り込み 収用地で県が工事着手 | 毎日新聞 (mainichi.jp)

その他全ての新聞、テレビが報じています。それは、①強制収用した土地での初めての工事、②住民と県との久しぶりの衝突という、マスコミにとっては関心度の高いできごとだったからでしょう。



しかし、それだけではない。公共事業の進め方として本当にこれでいいのかという疑問を記者さんたちも持たれたのではないでしょうか?

 

重機の前で座り込む住民。それを見守る支援者。住民は何に抵抗しているのか?支援者は何に共感しているのか?

買受権が発生するかどうかなどではない。住民との約束を平気で破る、行程表通りに工事を進めるためには住民の意向や理解などはどうでもいいというやり方への怒り。その怒りが予想できない県への苛立ち。

今日(3月2日)の新聞記事です。

反対住民の石丸勇さん(73)によると、2月24日、県側に収用地と私有地の境界について疑念があると訴えると、測量をする旨の回答があったという。だが28日朝に測量できないと伝えられ、「約束したことをほごにされた」と憤った。これに対し、県石木ダム建設事務所は「(測量をする旨の)話をしたのは事実」と認めた。ただし、確定した収用地の図面変更はできないことも伝えたという。その後、内部で検討した結果、測量はできないと判断したとしている。

まず第一に、約束は守るべき。
第二に、守れないときは、その理由を説明すべき。
第三に、一度確定したといっても、間違いがあれば正すべき。間違いがあったかなかったかを確かめもせずに、決まったことだからと問答無用とするのは時代錯誤も甚だしい。確定判決がでても再審請求ができるのだから。断固拒否するのは、もしや自分たちの間違いを隠したいから?なんて疑念さえ持たれてしまいますよ。

そんな空気が県にも伝わったのか・・・?今日の午後、本庁から土木部の職員がやってきて、Hさんの土地の測量をやり直すことを告げたそうです。

もしかしたら、対話を重視する知事の指導があったのかな?

これで3日間にわたる緊迫の座り込みは終了しました。明日からはまた平常の静かな抗議行動に戻ります。

住民の皆さん、支援者の皆さん、お疲れ様でした。

それにしても、「約束を守る」という当たり前のことを果たしてもらうのに、これほど体を張った行為に出なければならないということが、そもそもおかしいですよね・・・(^_^;)

工事を止めろ!約束を守れ!

石木ダム収用地で初工事 長崎県、買受権との関連否定 | 長崎新聞 (nordot.app)

「工事を止めろ」一時騒然 石木ダム収用地初着工 反対住民、体張り抵抗 | 長崎新聞 (nordot.app)

ここに報じられているように、住民の皆さんが怒っているのは、県のやり方に対してです。

収用されずに残っている住民の方の土地に先週いきなり重機が入りました。住民の方が抗議した結果、図面に引かれた境界線について県と住民との認識の相違が判明したので、測量のやり直しを求め、それについて改めて話し合う約束になっていたそうです。

ところが、その話し合いがなされないまま、いきなり「これから工事を始めます」と言われても納得できるわけがありません。

「調べてもらえないのは歯がゆい」「地元の同意を得てから建設するという内容で県と交わした1972年の覚書が守られていない」と憤るのは当然です。

県は「収用裁決が済んでいるので新たな測量には応じない」との考えのようですが、このような一方的な公共事業の進め方は半世紀前と全く変わっていないのですね。残念です。



この日はたまたま千葉県から自然観察にやってきていたNPO法人の方々もこの光景を目の当たりにして、衝撃を受けておられました。


その後、周辺を視察中に、伐採された樹木の墓場に遭遇。



引き抜かれ、うち捨てられ、朽ち果て、白骨化した樹木の残骸から



なんと、緑の小枝が・・・!

逞しいいのち。自然界はやはり持続可能な世界ですね。

利水も治水も自然環境を破壊するのではなく、共存する方向に早くシフトしてほしい。県も佐世保市も国も。

川棚町の皆さん、佐世保市の皆さん、長崎県の皆さん、一度こうばるに足を運んでみませんか。

ここで何が行われているのか。それは決して、皆さんに無関係なことではありません。