期待しています!石木ダム議連❤

日本は一応「議会制民主主義」の国である。
議会制民主主義とは、国民から選ばれた代表者が「議会」で話し合い、政治を行う制度である。
しかし不思議なことに、国民の代弁者が集まって決めたこと=国民の声とはなっていない。原発政策しかり、選択的夫婦別姓しかり、辺野古基地建設しかり…数え出すと切りが無い。

なぜ国民の声が反映されないのか、その原因の最たるものは選挙制度。
現行制度のもとでは死に票が多く、民意が届きにくい。
で、投票意欲を失う国民が増え、投票率が低下。
ますます組織票で当選する人が増え、議会は国民代表ではなく組織代弁者の集まりになっているような気さえする。

地方議会も同じで、ここ長崎県の場合、半世紀にわたる懸案事項の石木ダム建設について、県議会では圧倒的多数の議員が賛成しているが、様々なアンケート調査結果を見ると賛成派は決して多くない。

昨年1月長崎新聞社が行なった県民アンケートでは、賛成2割、反対3割、わからないor知らない5割だった。
ところが昨年10月の県議会での石木ダム推進決議賛成者は9割!この乖離は何故だろう?

選挙の時は石木ダムの賛否で選ぶわけではないので、一致しないのは当然と言えば当然か。
また、政党による縛りもあるだろうし、後援会や支援団体(企業や組合)への忖度も大きいかも。

そういった現実の中で、石木ダム計画にもの申す貴重な議員達の集まりがある。
「石木ダム強制収用を許さない議員連盟」である。

2019年9月14日に発足し、現在会員数は100人を超え、県内外の国会議員・県議・市議・町議が参加し、所属政党も多様(立憲、共産、国民、社民、無所属)で、その目的は名前の通り「石木ダム事業における強制収用に関わる手続きの見直しを求めること」とある。

先日(11月10日)、その議連の総会が開かれた。
私も市民団体からの現状報告を求められ参加した。
その内容はこちら。2023.11.10 石木ダム現状報告

続いて各議員からの報告。
山田勝彦衆議院議員、小田徳顕佐世保市議、堀江ひとみ県議、牧山大和県議、坂本浩県議、炭谷猛町議が、それぞれの議会の場で質問し判明したことなどが語られた。

それらを総合すると、山田議員が今年4月に国会で質問し、事業費は既に7割消化されているが、ダム建設工事はまだ1~2割しか終わっていない(それも道路工事がほとんどで本体工事はこれから)ということが判明。

それを請けて坂本県議が6月の委員会で、牧山県議が9月議会の一般質問で、堀江県議も10月の決算総括質疑で、さらに突っ込んで質問。

そこから見えてきたのは、事業費の増額は間違いないという確信。
堀江県議が入手した事業費の内訳書石木ダム事業費内訳書を見ると、
測量設計費は既に予定の1.6倍の金額を使っている。

これは何を意味するのか?
この増額の原因が、「近年の資材・人件費の高騰」ならば、これから始まる本体工事費も1.6倍は覚悟せねばならないし、測量設計費に含まれる地質調査の増加によるものならば、地質の問題の深刻さのせいであり、地質対策工事費の大幅増を覚悟しなければならないだろう。

いずれにしても、事業費の増額、工期延長は必至であり、来年度の石木ダム再評価が極めて重要な場となる。

そこで、9月26日に大石知事と1対1で面談した山田議員は、「再評価の際には正確な数値を誠実に出してほしい」と迫ったところ、知事は「事業費は県が決められるものではなく、評価を行なう第三者委員会が決めるものだ」と答えたそうだ。大石知事が本気でそう思っているのかどうかは定かではないが、それはとんでもない誤解だ。
長崎県公共事業評価監視委員会の委員を選ぶのは県土木部であり、評価のための資料を作成するのは土木部河川課であり、ダムの専門家でもない委員たちが、この予算では少なすぎるとか多すぎるとか判断できるものではない。

ちなみに現在の委員は、元市長や弁護士や学者(工学部、薬学部、水産環境科学部等)など。各々の分野の専門家であっても、治水や利水に関しては素人である方々がダム建設費の妥当性をどうやって判断できるというのだろう。
河川課による説明を鵜呑みにして、追認するしかないだろう。

2015年8月に行なわれた石木ダム再評価において、当時の委員の1人は「専門家ではないので出された情報をどう読み取っていけばいいのか・・我々では能力が足りない。専門家を交えた議論の中でお互いに合意に至っていただきたい」と述べていた。その委員も現役の大学教授だったが、正直な感想だったと思う。

そのようなコメントも活かされることなく、ますます行政の方針を追認するだけの「評価監視」委員会となっているようだ。

形骸化した評価制度は税金の無駄遣いだ。
本当に県民のためになる公共事業なのかどうか見極めることのできる第三者委員会を立ち上げるためにも、議員連盟の皆さんにはこれから頑張っていただきたいと切に思う。

議員連盟のホームページはこちら。
https://ishiki-giren.org/

総会資料はこちら。2023石木ダム議連総会資料

新事務局のお1人、中西大輔(五島市議)さんの報告記事はこちら。
https://nakanishidaisuke.com/2023/11/ishikidam/

水道料金と石木ダム~2009年の市議会議事録から~

先日、あるミーティングで「石木ダムに関心があってネットで検索したが、石木川まもり隊のホームページは出てこなかった」と言われ、ショック!😿
以前は『石木ダム』で検索したら、必ず『石木川まもり隊』のHPやブログにアクセスできていたのに…最近は更新が疎かになっていたからですね。🙇

みなさん、まもり隊は消滅したわけではありませんよ~

メンバーは相変わらず精力的に活動を続けています。

現地での抗議行動、佐世保市内でのスタンディングや勉強会、
市長との対話要請行動、石木ダムパンフレット作成等々。

しかし、いかんせん、年齢と共に体も頭も動く速さが低下して、報告記事まで手が回らず…というのは言い訳に過ぎませんね。深く反省。

そこで、とりあえず今日は、勉強会についてお伝えしたいと思います。
私たちは今、月に2回、石木ダムに関する勉強会をおこなっています。

・第1木曜日10時~12時=石木ダム問題全般

・第3日曜日13時~15時=石木ダムの利水問題
(佐世保市は本当に水不足なのか?他に水源確保の策はないのか?等)

会場はどちらも、させぼ市民活動交流プラザです。

ご都合の良い方に参加してもらえればと思い2つの会を設定したのですが、両方に参加されている方も多いので、同じ内容にならないようテーマを分けています。

市内外を問わず、どなたでも参加できます。大歓迎です。
お問い合わせはこちらまで。https://ishikigawa.jp/contact/

ということで、今日は、直近(11月2日)の勉強会の報告です。
この日のテーマは、「水道料金と石木ダム」、資料はこちらです。
佐世保市 平成21年9月定例会企業経済委員会 9月18日


佐世保市は2010年4月に水道料金が値上げされましたが、それについて、前年の9月~12月にかけて、行政と議会の激しいやり取りがあったのです。

2009年9月18日企業経済委員会の議事録を紐解けば、その様子が垣間見えます。

当初の料金改定案(約3割の値上げ案)に対し、委員たちは全員反発。値上げ幅を抑え、足りない分は一般会計からの繰り出すべきだと要求しました。なぜなら、石木ダム事業費の負担が水道会計を圧迫しているから。

委員会に呼び出された副市長と財務部長は、総務省で定められている公営企業に対する繰り出し基準を盾になんとか免れようとしましたが、委員たちは一歩も引きませんでした。

石木ダムは市の重要課題と位置づけているのだから、水道局だけに任せるのではなく、全庁的に取り組むべき。この大事な局面に市長がいないのは由々しき問題!市民に対して失礼だ。など委員の総攻撃?に押されて、副市長は持ち帰って検討することを約束し、継続審議となりました。

その結果、値上げ幅は2割に抑え、不足分は一般会計から補填することとなったのです。

一般会計からというのは、市民の税金からということで、私たちのお財布から出て行くお金に変わりは無いのですが、とりあえず水道料金の大幅値上げが抑えられたということで市民の反発も収まり、市議も役目を果たせた形になりました。

今の市議会では滅多に見られない現象です。

現状は、行政からの提案はほとんど異論無く通過。(反対意見を述べるのは、いつも共産党議員だけ)石木ダム問題に至っては、行政と議会はタッグを組んで市民の動きを抑えようとさえしているかのよう…。このような市議を選んだのは私たち市民なので、誰にも文句は言えないのですが。

でも、こういうものだと諦めることはしたくありません。議会と民意の格差を少しでも是正できるよう私たちは模索しています。

そのツールの1つが勉強会です。一度覗いてみませんか?