もう一つの記事

少し間をおいて、「川のシンポジウム2014」に関する記事がもう一つ掲載されました。

西日本新聞の記事です。

五十嵐先生の「必要性に応じて計画を軌道修正していくべきなのに日本には『やめる』という概念がないことか一番の問題」との発言。

3ダムの報告者たちの「ダムがいかに不合理な理由で造られようとしているかを地道に訴え、世論を盛り上げていこう」という呼びかけ。

パネラーの石丸さん(石木ダム)の「署名運動を広げ建設中止に向け頑張りたい」という決意などが紹介されています。

私たちは3時間の中で、他ダムの問題点と現状を知り、

結局どのダムも不要で止めねばならないが止まらないという共通点を確認し、

止めるには世論を盛り上げるしかないことを再認識したのですが、

振り返ってみれば、その具体策についてはほとんど語り合っていませんでした。

 

またこのような機会があれば、次はそこのところをじっくり聴きたいものだと思います。

 

川のシンポジウムを伝えた2紙

一昨日の「川のシンポジウム」についての報道記事を貼付します。

毎日新聞は、講師の元内閣官房参与五十嵐弁護士の話と、参加した福岡市民の感想を伝えています。

 

長崎新聞は、パネル討論での意見も紹介し、石木ダム地権者石丸さんの「無関心層が多く、選挙に勝つのも大変だ」という本音と、それでも「地道に訴えていく」という決意を伝えています。そして、この写真!

 

五十嵐先生もおっしゃっていましたが、世論を広げるにはメディアの力が必要だと。

もちろんマスメディアの力は大きいけれど、ソーシャルメディアの活用も大事だと。

このブログもソーシャルメディアの1つですが、役に立っているのかな〜

伝えることは難しいし、読者の心を動かすことはもっと難しい。 

そして選挙のことになると、さらにさらに難しい。 

 

「川のシンポジウム2014」で学んだこと

昨日は「川のシンポジウム2014」に参加してきました。

タイトルにあるように、九州の3つのダム問題にスポットを当て、

なぜ公共事業は走り出したら止まらないのか、

どうしたら河川をめぐる癒着構造を断ち切ることができるのか、

まさにそれを知りたくて・・・

 

五十嵐敬喜先生(法政大学名誉)の基調講演は、

公共事業をめぐる政・官・業・学の癒着構造の実態をあらためて痛感させられるものでした。

民主党政権下で内閣官房参与として官僚の実態を目の当たりにされてこられた先生のお話は、

生々しく具体的で、疑いの余地がありません。

「この国は公共事業という麻薬漬けになっている」

「オリンピック以降は日本全体が財政的に崖っぷちに立たされるだろう」

などの言葉に、予感が実感に変わるショックを覚えました。

 

では、どうしたら変われるのか?

政策を変更するには「立法」、法律を変えるしかない。

ダムで言えば河川法を変え、土地収用法を変えないと、誰が大臣になってもダム推進を止められない。

一方で知事の考えによって止められたダムもある。

田中元長野県知事、嘉田前滋賀県知事などの功績は大きい。

また、川辺川ダムを止めたのは地元市町村長などの意思が知事を動かした。

地元の声、世論、議会が首長を動かす。

 

つまり、現在の負の連鎖を断ち切るために私たち市民ができることは、

世論を盛り上げ、「選挙に勝つ」こと

ダム推進ではなく「中立な市・町長を選ぶ」ことと力説されました。

 

基調講演の後は、3つのダムについて、現地からの報告です。

はじめは熊本県営「路木ダム」について、路木ダム裁判原告団長の植村振作さんのお話を聞きました。

路木ダムの不要性は明らかで、治水としての理由づけのために虚偽の報告を明記するなど、

やると決めた公共事業を達成するには何でも有りき、まさに麻薬中毒患者そのものです。

 

続いて、同じく熊本県の国営「立野ダム」について、

「立野ダムによらない自然と生活を守る会」事務局長の緒方紀郎さんのお話です。

問題点がパワーポイントにしっかりまとめられ、説明もたいへんわかりやすいもので、

立野ダムは不要というよりも、「こんなの造ったらいかんやろ〜」と実感させられました。

 

最後に控えし「石木ダム」については、石木ダム建設絶対反対同盟の石丸さんが話してくださいましたが、聴くことに集中していたあまり(身内意識でハラハラドキドキ?)、写真を撮り損ねてしまいました。 ごめんなさい!

 

休憩を挟んで後半は、パネルディスカッション。

ここでも世論を広げることの大切さと難しさが語り合われました。

その中で特に印象深かったのは、「子守唄の里・五木を育む清流川辺川を守る県民の会」の中島康さんの言葉。

「住民運動はまだまだ幼く甘い。正義が必ず勝つと思っている」

「川辺川ダムで勝ったのは、球磨川流域には古代から続く河川文化があったから」 

なるほど。深いな〜と思いました。

熊本県内のダム反対運動が全国一と言ってもいいほどの実力を持っている理由が、やっとわかりました。

 

そして、その皆さんが、自分たちの路木ダムや立野ダムだけでなく、他県の問題である私たち石木ダムのことも真剣に考え支えようとしてくださっていることを、この後知ることとなりました。

それは、閉会挨拶の場面でした。

 

その役目を担っていた私は、石木ダム関係者の皆さんに前に出てきてもらい、闘い続ける決意の言葉を一言ずつ頂く予定でした。

それを提案してくださったのは、当シンポジウム事務局長のTさんでした。

3つのダム問題を考えるシンポなのに、石木ダムだけ特別扱いするのは司会者としては気が引けるし、そもそも、来月福岡地裁でおこなわれる路木ダム裁判に向けての世論作りが目的だったはず…

それではあまりにも申し訳ないと一旦は辞退したのですが、

「そんなことはない、石木ダムは今が一番大事な時、遠慮しないでください」と言われ、

その提案を有難く受け入れることにしたのです。

 

しかし、閉会の時間が迫っていましたので、一人一人言葉をもらう時間もないし、

全員前に出てきていただく時間ももったいないと思った私は、

「石木ダム関係者の皆さん、地権者と支援者の皆さん、全員その場でお立ち下さい」と言いました。

するとTさんが飛んできて、「いや、だめだ、前に出てもらって!」と言うのです。

驚きつつも慌てて訂正し、急ぐよう促すと、皆さんもすぐに出て来てくれました。

そこでTさんは用意していた手作りの横断幕(A4の用紙に1文字ずつ書き込んだもの2つ)を皆さんに持たせてくださいました。

あまりにも思いがけない行為に一瞬驚き、

次に反省し(私が用意すべきことでした)、

そして、胸が熱くなりました。

  

このシンポジウムの総指揮官として、ここ2,3日はきっと寝る間もないほどお忙しかったはず。

そんな中で用意して下さった横断幕。。

 

今日、私が一番学ばせてもらったことは、

ダムを止める理論やノウハウよりも、「支え合う思い」の大切さでした。 

 

川原グラウンドゴルフ大会

スポーツの秋。

今日は川棚町の町民体育大会の日です。

老若男女スポーツが大好きな川原の皆さんはいつも大活躍なのですが、

今年は出場を取りやめにしたそうです。

県の収用裁決申請に川棚町が協力したことに抗議の意思を示すために。

それは町民の皆さんだけでなく、川原の皆さんにとっても寂しいことだったでしょう。

 

そこで、川原グラウンドゴルフ大会開催!

ってことになって、私も「枯れ木も山の賑わい」で参加してきましたが、

グラウンドゴルフ初心者の私は、おばあちゃんたちの腕前に圧倒されました〜

 

そして、もう一つの腕前は・・・このご馳走!

私は実はこちらが楽しみで参加したようなもの・・

テーブルの上には、川原で採れた食材を使って、女性陣が愛情込めた手料理がズラ〜リ。

大西監督(映画「水になった村」の監督)もご馳走をカメラに収めていましたよ。

 

K君をだっこしてるのは、K君のおばあちゃん。

向こうにいる二人のおばあちゃんは、K君にとっては、ひいおばあちゃんのようなもの。

川原13世帯60人は、まさに1つの大家族のよう!

 

K君、大丈夫だよ。

この自然豊かな川原で、たくさんのジジババやお兄ちゃんお姉ちゃんに囲まれて、

君がすくすく育つように、みんな頑張るからね。

君のふる里が奪われないよう、川原の家族はみんな必死で闘っているよ。

そして、その闘いを私たちも精いっぱい応援しているからね。

大丈夫。

きっと、石木ダムは中止になる! 

 

県民の声

新聞がきちんと報道し始めると、読者も声をあげ始めます。

あっちから、こっちから、県民の声が聞こえてきます。

最近見かけた長崎新聞の声の欄「みんなのひろば」から、2つご紹介します。

まず、今日の記事。

まったく同感!

見栄のためにふる里を奪われる住民の方の身になって考えてほしいですね。

そして、私たち県民も被害者。

県民の宝でもある貴重な自然が破壊される上、

そのための費用負担が私たちの肩に重くのしかかってくるのですから。

それが県の見栄のためだったら、許せるわけがありません。

 

 

こちらも貴重なご意見です。

これからは水も電気も広域で融通し合う時代。

余っているところから足りないところへ流されてこそ、資源も活かされ再生可能な社会が実現されます。

西海市からの送水は、ずっと前から提案されていたことでした。

それをストップさせていたのは、他ならぬ県。

それが実現したら、石木ダムが不要になるから。。。

 

”聞きたい” その5

西日本新聞の連載コラム、石木ダム問題についての「聞きたい」の最終回(9月25日付)は、長崎大学の戸田清教授。

ご専門の環境社会学の観点からみて、石木ダムの必要性は疑わしいとバッサリ。

利水に関して言えば、佐世保の水需要予測は現実味を帯びていないし、

治水についても、ダム万能説は捨てた方がいいと。

生態系への悪影響も懸念される。

そのような中で強制収用などすれば、公権力の乱用として歴史に残る。

(もちろん汚点として)

 

「公共事業は一度走り出したら止まらない。その理由は行政のメンツと考えるしかないようだ」ともおっしゃっています。

 

メンツのために家や田畑を奪われるなんて・・・絶対あってはならないことですよね。

 

こだま

今日の新聞です。昨日の署名活動について報じたのは朝日新聞のみ。

署名活動も2回目となると、マスコミはあまり関心を示しません。

当然ですよね。

やってることは前回と同じだし、他に面白いイベントや重要なニュースはたくさんあるのですから。

 

しかし、嬉しいことに、今回も署名活動への共感の声をいただきました。

昨日、私たちの呼びかけに応じて署名して下さった若者のお父さんからお電話があり、

「息子から署名活動のことを聞きました。私にも何かお手伝いできないかと思って…」と。

「では、署名用紙を送りますので、署名をお願いできますか?周りの方にも声をかけていただいて、一人でも二人でもいいので署名を集めていただけますか?」

と言うと、「そのつもりでした」と快諾してくださいました。

 

昨日、あの時間にアーケード街のあの場所をたまたま通りかかり、署名に応じて下さった386人との出会い。

それが、386人では終わらなかった。。

その中の一人が家族に話し、家族の一人が、逆に私たちに声をかけてくれた。。

まるで、こだまのようです。

 

私たちの知らないところで、別のこだまも響いているかもしれない。

「今日、街でこんなパンフレット配ってたよ」

「何?どれどれ・・へー、そうなの?知らなかったなぁ。少し考えてみなきゃね」

な〜んて会話が広がってるといいなー 

 

 

もっと声をあげんば!

路上といっても、ここはアーケード街。

怪しい集団ではありません。

ただいま署名活動真っ最中です。

 今日は第2回署名活動の日。

今日もたくさんの通行人の方々が呼びかけに応じて署名して下さいました。

 

ダムなんか、要りまっしぇん!

ふる里から追い出すやら、とんでもなか!

これ以上、水道料金が上がったら困ります。

それぞれいろんなことを話しながら署名してくださいました。

現地の写真をじっと見つめて下さる人、

佐世保の水事情を示すグラフにびっくり!半信半疑の表情を示す人なども。

「ごめんなさい。署名したいんだけど市役所に勤めているもので・・・」

「あ。この前ここを通った時、もうしましたよ。頑張って下さいね〜」

などと言ってくださる方も。

中には「市営住宅に住んでいるもので・・・」と言って断られた方もいたそうです。

少しでも市に関わっていると、市の政策に反する意思表示はできないと考える人が

けっこういるんですね〜

驚きです。これが佐世保市の実情なのかな〜 

 

でも、一方で、

「あんたたちはおとなしか!遠慮せんでもっと声をあげんば!」と、

地権者の皆さんにカツを入れた人もいたとか・・

 

また、ある人は、署名した後もいろいろ意見交換してくださって、

「うーん、なんとかしたいですねー。私も何ができるか考えてみます」と、

真剣な表情で帰って行かれました。

 

こんな方も含めて、今日はなんと、2時間で386筆!も集まりました。

前回は4時間で588筆でしたので、今回は2時間で300筆を目指しましたが、それをはるかに上回りました。

暑い中、今日も活動に参加して下さった25人の仲間に感謝! 

 

 

第2回署名活動

明日9月27日(土)、第2回署名活動をおこないます。

  場所:佐世保市四ヶ町アーケード街(島瀬交番前)
  時間:12時〜14時

お手伝い大歓迎です!

 

今日、佐世保市議会本会議において、

私たちが提出した収用裁決申請の撤回を求める請願は、予想通り不採択となりました。

賛成したのは社民党議員3名と共産党議員1名の計4名のみ。

残念ながら、山下廣大議員は起立しませんでした。

24日の石特委員会に置いては、たしかこのようなことを言われました。

(録音が禁じられているので一言一句正確ではありませんが)

「会派としてこの請願に反対します」

「自分の考えは裁決の時、議場で1票を行使することによって示したい」

この発言に感動し、今日はたいへん期待して見守っていましたが、座ったまま…。

今回は山下廣大議員の1票は行使しなかったのでしょうか?なぜ?

それとも、起立しない=請願に反対=それが山下廣大議員の考えなのでしょうか?

それは無いと思います。それなら、委員会であのような発言はされなかったはず。

会派の考え=反対と自分の考えは違うから、わざわざあのような発言をされたのだと理解しています。

きっと、どこかから、かなりの圧力がかかったのでしょう。

しかし、議員にとってはどこからの圧力よりも世論の圧力の方が重いはず。

世論を大きく広げるためにも、署名活動を頑張らねば・・! 

 

請願不採択を報じる各紙

昨日の石木ダム建設促進特別委員会の様子が今日の新聞4紙に掲載されていました。

まず長崎新聞。写真入りで掲載。

終了直後の傍聴席からの言葉も、しっかり紹介。

将来に向けて責任とれるのか!民主主義とは何なのか!

河川課ダム班参事のポスト新設?

WHY?

事業推進のため、地元との総合調整を担う?

やはり知事は、やる気満々なのでしょうか。。

朝日は「(意見書への)反対は会派の見解」と言った委員の言葉を、しっかり伝えてくれてますね。

西日本新聞は地権者の思いをしっかり伝えています。

 

ついでに「記者の目」もご紹介!

記者の目には、県が地権者の同意を得るための努力を尽くしたようには見えない。

ただ法頼みでは「強制収用について県民の理解は得られない」ときっぱり。