「条例改正」は石木ダム実現のため?

昨日(6/25)午後、佐世保市議会都市整備委員会で【佐世保市上下水道事業経営検討委員会条例】の改正案、いえ、改悪案が提出されました。

●どこが改悪なのか?

第2条の所掌事務の中に「国土交通省所管公共事業の事業評価」を明記したことです。

●何故それが問題なのか?

国土交通省は長引く大型公共事業について、5年に1度の「事業再評価」を義務づけています。かつては必要だった事業でも、時の経過と共に社会情勢の変化により必要性が失われていないか?無駄な事業となっていないか?あるいは技術革新により新たな代替案が生まれていないか?見直し、場合によっては休止や中止の判断をするためです。

しかし、その判断は事業者自身ではなかなか決断が難しいので、その実施要領の中で

「再評価に当たって事業評価監視委員会を設置し、意見を聴き、その意見を尊重するものとする」と義務づけています。

ところが、佐世保市は前々回の再評価からは再評価監視委員会を設置せず、佐世保市上下水道事業経営検討委員会(略称=経営検討委員会)に諮問してきました。

この経営検討委員会は水道ビジョンの策定に大きく関わっていますが、そのビジョンには石木ダムの建設が不可欠で早期完成を目指すことが明記されているのです。

つまり、同委員会に諮問しても、結論は石木ダム事業「継続」しかあり得ない。「休止」や「中止」という選択肢はあり得ない。そんな委員会に諮問することはどう考えてもおかしいし、時間とお金の無駄だと思われます。

そこで私たち市民は、再評価制度の趣旨や目的に沿った評価監視委員会の設置を議会に請願したり、水道局に要請したりしてきました。

結果はいつも拒否でしたが、それでも公開の場で声を届け、行政の手法の間違いを指摘することはできました。

ところが、このように「公共事業の評価は経営検討委員会で審議する」と条例で制定すれば、それが錦の御旗となり、質そうとしても門前払いされます。

こうやって行政は自分たちの都合のいいように事を運んでいくものなんですね。

しかも、残念なことに、この条例案が提示されても、議員の中から異論は出ず、淡々と通過していきました。

佐世保市民として本当に情けなくなりました。

ところで、その経営検討委員会の6/9の議事要旨が水道局のHPに掲載されています。

https://www.city.sasebo.lg.jp/suidokyoku/suisou/documents/gijiyousi.pdf

とんでもない提案です。

どういうことかというと…

水道料金値上げについて水道局は、値上げ幅を2つ提示し、

①58%の値上げ=経営が安定するが市民の負担が大きい。

②28%の値上げ=市民の負担を小さくするため企業債の残高比率を今以上に増やし、上限を収入の600%とまでとする。

と説明しました。

つまり②案は今以上に借金に依存し、将来世代にツケを残そうとするやり方です。今でさえ500%を超えていて、同規模自治体の中では最悪レベルなのに…。

ちなみに長崎市の企業債残高比率はR5年度実績で約103%です。

もちろん、かと言って、58%値上げ案を支持しているわけではありません。無駄な事業費を削って支出を抑えるべきだと言いたいのです。

今回の値上げは、今後10年間に必要となる石木ダム関連事業費321億円を捻出するためでもあるのですから。

財政の健全化を目指すのが経営検討委員会の役目ではないかと思うのですが、このような委員に委ねていては佐世保市水道の未来は不安がいっぱい…

そして、このような委員会に石木ダム事業の再評価を委ねることは、どう考えても許されません!

石木ダム再評価って何?

いま進行中の6月議会で、県議会でも佐世保市議会でも、石木ダム再評価について話題になっています。

再評価?何それ?と思った方も少なくないかな・・

それはね、長―く続いている公共事業が、果たして本当に必要なのか?現時点において、そして未来においても必要なのか?それを見極めるための評価です。

そして、その評価の結果、今はもう必要性がほとんどないよねということが判明したら、その事業は中止して、その予算を、もっと必要なところに投入することができるのです。

それが公共事業の再評価制度で、5年に1度実施することが義務づけられており、それをしなければ、国からの補助金はもらえません。

そんな大事な再評価が、今年度石木ダムについて行なわれるのです。

しかも今回は、工期の延長や事業費の増額が決まるかもしれない、さらに重要な再評価です。公正に慎重に審議してもらいたいものです。

しかし、再評価の実態は、残念ながらそんな希望とはほど遠いものです。何故でしょう?

その事実や背景を指摘し、本当に有意義な再評価を実施していただくための請願を佐世保市内の4団体が請願書を提出しました。
20240605佐世保市議会への請願書

その請願についての委員会審議が下記の要領で行なわれます。

4団体による趣旨説明も行ないます。よかったら傍聴にいらしてください。どなたでも傍聴可能です。!

日時:7月2日(火)10:00~

※ 傍聴希望者は9:50までに市役所3階の議会事務局で、傍聴の申し込みを済ませてください)

問い合わせ連絡先:090-6171-5810 michi30@hyper.ocn.ne.jp

 

石木ダム 手抜き工事宣言!?

12月5日の県議会、土木部長の答弁を聴いて驚いた。
それって、「手抜き工事宣言」ですか?

一般質問で、堀江ひとみ議員は、こう切り出した。
「石木ダム事業における測量設計費、30億円の予算に対し既に49億円使っていますね。予定額の1.6倍も使われた理由は何ですか」

土木部長は初め「事業の長期化に伴い、技術基準等の改定による設計業務、新たな調査手法を用いての地質の調査解析など、追加費用が発生していることから増額となっています」と答えた。

堀江議員は1974年(昭和49年)の石木川の河川開発調査結果を持ち出し、「一部に大きい透水箇所や湧水箇所が見受けられた」とあるが、この地質問題の調査が長引き費用が膨らんでいるのではないか?と質すと、

土木部長:ダムに水をためると水圧がかかります。地盤に亀裂が入っていると水圧でそこを水が抜けていく可能性があるので、その基礎処理工を今後していく必要があります。その範囲をどのぐらい対策をしなければいけないのか、それがまだつかめておりませんので、それを掴むための地質調査を進めているところです。

堀江議員:その地質調査はまだ終わっていないので、測量設計費にかかる費用は、これからもかかるってことでしょう?

土木部長:はい。増える可能性を持っております。ただ、その測量設計費が当初の予定より増えていることにつきましては、働き方改革ですとか、資材の高騰などいろんな影響がありますので、工事の進め方など検討していきたいと思っております。

堀江議員:資材高騰などで測量設計費が増えれば、総事業費もこれから増えるということですよね?

土木部長:いえ、建設費に係る予算のコストダウンなどに努めて、総額で収まるように、まずは努力して、令和7年度完成という姿勢も変えることはなく、工事の進め方などを検討してまいりたいと思っております。

堀江議員は来年度が石木ダムの再評価の年であることを確認した上で、再評価のあり方についても質した。

堀江議員:石木ダム事業の費用便益比B/Cは、再評価のたびにどんどん小さくなっています。2007年=1.43、2011年=1.27、2019年=1.21と。もしも今回費用が大幅に増えれば、1を下回る可能性もある。そうなると、石木ダム建設の意義そのものが問われることになる。それだけに、今回の再評価は重要であり、公正な資料に基づき、中立な委員によりなされるべきです。しかし、その再評価を行なう長崎県公共事業評価監視委員会は、県が選んだ委員によって、県が用意した資料を基に検討しています。事業評価のあり方として、専門家も交えた石木ダム事業に特化した委員会を設置する考えはありませんか?

土木部長:県公共事業評価監視委員会は技術分野を含め、様々な分野の専門家から構成され、幅広い視点でご意見をいただいています。また、令和2年には事業の必要性を認める司法判断が確定しており、石木ダムに特化した委員会を設置する考えはございません。

堀江議員は、県民の間から、石木ダム事業については特化した委員会を持つべきという声が寄せられているので、今一度検討してほしいと要望し、知事への質問に移った。

堀江議員:昨年9月以降、知事と反対住民との話し合いは途絶えたままです。信頼関係を築くために、工事を中断して話し合いをする考えはありませんか?

知事:昨年9月以降、話し合いには応じていただいておりませんので、職員が毎月お話し合いのお願いを続けております。今後もご理解いただけるように努力はしていきたいと思います。

堀江議員:ご理解をいただく努力というのは何を指しているのですか?今回補正予算で提案されている石木ダム基金のことですか?住民との対話を模索するのではなくて、反対地権者を協力感謝金で事業推進に変えようと考える、その知事の姿勢が問われているのですよ。

知事:基金については、生活再建に向けた支援や地域振興策に関して準備するものです。理解を得る努力については、私も話し合いを望んでいますが、住民の方からは「ダムの必要性を議論をしなければ、話し合いには応じることができない」ということでした。我々としましては、今この時点においてダムの必要性を議論する段階ではないと考えておりますので、そこの理解が得られてないものと思います。

この日の土木部長や知事の答弁で分ったことをまとめると、

1.ダムの必要性を見直す時期は過ぎた。今はダム完成に向け前進あるのみ。地元の方とはダム完成後の生活再建について話し合いたい。

2.石木ダム建設予定地の地盤には透水性の高い箇所がある。

3.その対策処理工事をするために地質調査を継続中で、その費用は今後も増えるだろう。

4.地質調査費は測量設計費に含まれており、測量設計費は既に予算額の1.6倍も使っているが、増額の原因は地質調査だけでなく、人件費や資材の高騰もある。

となれば、人件費や資材の高騰による予算増は測量設計費に限ったことではないので、当然本体工事費も増額となり、総事業費はいかほどになるのか…と誰もが心配になる。ところが土木部長は、

5.建設費のコストダウンに努めて、総事業費は予定額の285億円で収めたい。

6.工期も変更せず、令和7年度完成とする。

とおっしゃっている。

言い換えれば、「測量設計費に使い過ぎちゃって、さらにまだお金がかかりそうなので、建設費を削ります~」ってこと?
どうやって削るのか?

石木ダム事業費内訳書の資料を見ると、測量設計費は昨年度末時点で約19億円オーバーしている。まだ増えるとのことなので、最低でも20億円は増えるとして、では、工事費86億円から20億円削るのか?だとしたら23%ものコストダウン!

人件費や資材費が高騰している中でそのような大幅な減額はあり得ない。あり得るとしたら手抜き工事しかない。鉄筋を10本打つべきところを8本にするとか、コンクリートを10t使うところを7tにするとか、10人で作業すべきところを6人でやっつけるとか…

また、工期も変更しない(令和7年度までに完成)とのことだが、現在の行程表では、ダム本体工事を令和6年度までに完成し、令和7年度は試験湛水をやって水圧に耐えられることや漏水がないことなど全てのチェックを終える、その完成予定が7年度である。

まだダム本体は影も形も見えていないのに、あと1年と4ヶ月足らずでダム本体を完成させるというのか?

「石木ダムは手抜き工事で建設します!」と宣言しているようなものだ。

手抜き工事の結果、何が起きるのか?
ダム湖からの水漏れであったり、堤防のひび割れであったり、そのひび割れが地震の揺れで大きくなり、ついには決壊したり・・・などという可能性に繋がる。被害を被るのは下流域の川棚町民。

ハテ?
石木ダムは川棚町民の安心安全のための公共事業ではなかったのか???

期待しています!石木ダム議連❤

日本は一応「議会制民主主義」の国である。
議会制民主主義とは、国民から選ばれた代表者が「議会」で話し合い、政治を行う制度である。
しかし不思議なことに、国民の代弁者が集まって決めたこと=国民の声とはなっていない。原発政策しかり、選択的夫婦別姓しかり、辺野古基地建設しかり…数え出すと切りが無い。

なぜ国民の声が反映されないのか、その原因の最たるものは選挙制度。
現行制度のもとでは死に票が多く、民意が届きにくい。
で、投票意欲を失う国民が増え、投票率が低下。
ますます組織票で当選する人が増え、議会は国民代表ではなく組織代弁者の集まりになっているような気さえする。

地方議会も同じで、ここ長崎県の場合、半世紀にわたる懸案事項の石木ダム建設について、県議会では圧倒的多数の議員が賛成しているが、様々なアンケート調査結果を見ると賛成派は決して多くない。

昨年1月長崎新聞社が行なった県民アンケートでは、賛成2割、反対3割、わからないor知らない5割だった。
ところが昨年10月の県議会での石木ダム推進決議賛成者は9割!この乖離は何故だろう?

選挙の時は石木ダムの賛否で選ぶわけではないので、一致しないのは当然と言えば当然か。
また、政党による縛りもあるだろうし、後援会や支援団体(企業や組合)への忖度も大きいかも。

そういった現実の中で、石木ダム計画にもの申す貴重な議員達の集まりがある。
「石木ダム強制収用を許さない議員連盟」である。

2019年9月14日に発足し、現在会員数は100人を超え、県内外の国会議員・県議・市議・町議が参加し、所属政党も多様(立憲、共産、国民、社民、無所属)で、その目的は名前の通り「石木ダム事業における強制収用に関わる手続きの見直しを求めること」とある。

先日(11月10日)、その議連の総会が開かれた。
私も市民団体からの現状報告を求められ参加した。
その内容はこちら。2023.11.10 石木ダム現状報告

続いて各議員からの報告。
山田勝彦衆議院議員、小田徳顕佐世保市議、堀江ひとみ県議、牧山大和県議、坂本浩県議、炭谷猛町議が、それぞれの議会の場で質問し判明したことなどが語られた。

それらを総合すると、山田議員が今年4月に国会で質問し、事業費は既に7割消化されているが、ダム建設工事はまだ1~2割しか終わっていない(それも道路工事がほとんどで本体工事はこれから)ということが判明。

それを請けて坂本県議が6月の委員会で、牧山県議が9月議会の一般質問で、堀江県議も10月の決算総括質疑で、さらに突っ込んで質問。

そこから見えてきたのは、事業費の増額は間違いないという確信。
堀江県議が入手した事業費の内訳書石木ダム事業費内訳書を見ると、
測量設計費は既に予定の1.6倍の金額を使っている。

これは何を意味するのか?
この増額の原因が、「近年の資材・人件費の高騰」ならば、これから始まる本体工事費も1.6倍は覚悟せねばならないし、測量設計費に含まれる地質調査の増加によるものならば、地質の問題の深刻さのせいであり、地質対策工事費の大幅増を覚悟しなければならないだろう。

いずれにしても、事業費の増額、工期延長は必至であり、来年度の石木ダム再評価が極めて重要な場となる。

そこで、9月26日に大石知事と1対1で面談した山田議員は、「再評価の際には正確な数値を誠実に出してほしい」と迫ったところ、知事は「事業費は県が決められるものではなく、評価を行なう第三者委員会が決めるものだ」と答えたそうだ。大石知事が本気でそう思っているのかどうかは定かではないが、それはとんでもない誤解だ。
長崎県公共事業評価監視委員会の委員を選ぶのは県土木部であり、評価のための資料を作成するのは土木部河川課であり、ダムの専門家でもない委員たちが、この予算では少なすぎるとか多すぎるとか判断できるものではない。

ちなみに現在の委員は、元市長や弁護士や学者(工学部、薬学部、水産環境科学部等)など。各々の分野の専門家であっても、治水や利水に関しては素人である方々がダム建設費の妥当性をどうやって判断できるというのだろう。
河川課による説明を鵜呑みにして、追認するしかないだろう。

2015年8月に行なわれた石木ダム再評価において、当時の委員の1人は「専門家ではないので出された情報をどう読み取っていけばいいのか・・我々では能力が足りない。専門家を交えた議論の中でお互いに合意に至っていただきたい」と述べていた。その委員も現役の大学教授だったが、正直な感想だったと思う。

そのようなコメントも活かされることなく、ますます行政の方針を追認するだけの「評価監視」委員会となっているようだ。

形骸化した評価制度は税金の無駄遣いだ。
本当に県民のためになる公共事業なのかどうか見極めることのできる第三者委員会を立ち上げるためにも、議員連盟の皆さんにはこれから頑張っていただきたいと切に思う。

議員連盟のホームページはこちら。
https://ishiki-giren.org/

総会資料はこちら。2023石木ダム議連総会資料

新事務局のお1人、中西大輔(五島市議)さんの報告記事はこちら。
https://nakanishidaisuke.com/2023/11/ishikidam/

水道料金と石木ダム~2009年の市議会議事録から~

先日、あるミーティングで「石木ダムに関心があってネットで検索したが、石木川まもり隊のホームページは出てこなかった」と言われ、ショック!😿
以前は『石木ダム』で検索したら、必ず『石木川まもり隊』のHPやブログにアクセスできていたのに…最近は更新が疎かになっていたからですね。🙇

みなさん、まもり隊は消滅したわけではありませんよ~

メンバーは相変わらず精力的に活動を続けています。

現地での抗議行動、佐世保市内でのスタンディングや勉強会、
市長との対話要請行動、石木ダムパンフレット作成等々。

しかし、いかんせん、年齢と共に体も頭も動く速さが低下して、報告記事まで手が回らず…というのは言い訳に過ぎませんね。深く反省。

そこで、とりあえず今日は、勉強会についてお伝えしたいと思います。
私たちは今、月に2回、石木ダムに関する勉強会をおこなっています。

・第1木曜日10時~12時=石木ダム問題全般

・第3日曜日13時~15時=石木ダムの利水問題
(佐世保市は本当に水不足なのか?他に水源確保の策はないのか?等)

会場はどちらも、させぼ市民活動交流プラザです。

ご都合の良い方に参加してもらえればと思い2つの会を設定したのですが、両方に参加されている方も多いので、同じ内容にならないようテーマを分けています。

市内外を問わず、どなたでも参加できます。大歓迎です。
お問い合わせはこちらまで。https://ishikigawa.jp/contact/

ということで、今日は、直近(11月2日)の勉強会の報告です。
この日のテーマは、「水道料金と石木ダム」、資料はこちらです。
佐世保市 平成21年9月定例会企業経済委員会 9月18日

佐世保市は2010年4月に水道料金が値上げされましたが、それについて、前年の9月~12月にかけて、行政と議会の激しいやり取りがあったのです。

2009年9月18日企業経済委員会の議事録を紐解けば、その様子が垣間見えます。

当初の料金改定案(約3割の値上げ案)に対し、委員たちは全員反発。値上げ幅を抑え、足りない分は一般会計からの繰り出すべきだと要求しました。なぜなら、石木ダム事業費の負担が水道会計を圧迫しているから。

委員会に呼び出された副市長と財務部長は、総務省で定められている公営企業に対する繰り出し基準を盾になんとか免れようとしましたが、委員たちは一歩も引きませんでした。

石木ダムは市の重要課題と位置づけているのだから、水道局だけに任せるのではなく、全庁的に取り組むべき。この大事な局面に市長がいないのは由々しき問題!市民に対して失礼だ。など委員の総攻撃?に押されて、副市長は持ち帰って検討することを約束し、継続審議となりました。

その結果、値上げ幅は2割に抑え、不足分は一般会計から補填することとなったのです。

一般会計からというのは、市民の税金からということで、私たちのお財布から出て行くお金に変わりは無いのですが、とりあえず水道料金の大幅値上げが抑えられたということで市民の反発も収まり、市議も役目を果たせた形になりました。

今の市議会では滅多に見られない現象です。

現状は、行政からの提案はほとんど異論無く通過。(反対意見を述べるのは、いつも共産党議員だけ)石木ダム問題に至っては、行政と議会はタッグを組んで市民の動きを抑えようとさえしているかのよう…。このような市議を選んだのは私たち市民なので、誰にも文句は言えないのですが。

でも、こういうものだと諦めることはしたくありません。議会と民意の格差を少しでも是正できるよう私たちは模索しています。

そのツールの1つが勉強会です。一度覗いてみませんか?

石木ダムアンケート 佐世保市議選立候補予定者の答は?

県議選が終わったばかりですが、佐世保市ではもうすぐ市長選挙と市議会議員選挙が始まります。
立候補予定の皆さんは石木ダム事業についてどう考えているのでしょう?

どうしても気になる佐世保市民の有志15名が「石木ダムに関するアンケート実行委員会」を結成し、調査を実施しました。

その結果はこちらに公開されています。
Facebook『石木ダムどう思う?アンケート』

アンケート用紙 ’23市議選立候補予定者アンケート
アンケート結果 市議選アンケート結果一覧表
アンケート結果のグラフ 市議選アンケート結果グラフ

まず、こちらのグラフをご覧ください。
市長選に立候表明しているお2人が、どちらも回答されなかったという事実。
これには、有権者の1人として、また、このアンケート実行委員の1人として、たいへん残念に思いました。

宮島氏も橋之口氏も、お二人とも石木ダム建設推進なので争点にならないのはわかっています。しかし、市民の世論は二分している中で市民の多額の税金や水道料金を投じる事業です。
なぜ石木ダムが必要なのか、疑問に思っている市民にご自身のお考えを伝えようとは思われなかったのでしょうか。

一方、市議選の方は、アンケート用紙を受け取った39人中、19人の方から回答が届きました。
約半数の方がアンケートに応じてくださったのは前回に比べると大変喜ばしいのですが、回答者の6割が無記名というのは、これまた、残念で、嬉しさも半減といったところです。

前回の市議選のときは石木川まもり隊がアンケートを実施しました。立候補予定者41人中9人の方が回答されたので、回答率は22%でした。今回は39人中19人が回答され、回答率は49%、大きく改善されました。

しかし、名前を記して回答された方について見てみると、前回は全員記名されていたので22%そのままですが、今回は39人中8人なので21%となり、ほとんど同じです。皆さんはこの結果をどう受け止めますか?

佐世保市議になろうという高い志のある方でも、石木ダムについて名前を出して意見を表明しにくい事情や雰囲気が議会や支持者の中に漂っているのでしょうか?立候補予定の皆さんは、そこを忖度して表明することができないのでしょうか・・・

さて、中身の方で私が気になったのはこちら。

ここ10年で水不足を実感しているか?との質問には、10人が実感していると答えました。
が、その中身はというと、

四半世紀前の大渇水のことだったり、最近の節水を呼びかける広報に接してそう感じたとか、IRや企業誘致のためには水が必要という意見だったりが大部分で、自分自身が水不足で困ったというような事例は皆無でした。
また、水不足を実感している人の中にも、石木ダムではなく、カタールのように海水淡水化による水源確保を考えている方がいたのは驚きでした。

水不足を実感していると答えた人の大部分が、Q.3の質問に「佐世保市の水需要予測は合理的である」と答えていました。

その水需要予測のグラフはこちらです。

右肩下がりの実績値に対して予測はいつも右肩上がり。予測は5~6回出されてきましたが、全て大外れ。それでも合理的な予測だと認める議員が多ければ、行政は安心ですよね。

このように、水不足かどうかも、将来の水需要も、行政の説明に賛同される方が多数派を占めながらも、石木ダム計画の「見直しが必要ない」と答えた人は7人です。回答者の37%であり、全体の18%に過ぎません。

さらに、石木ダムのためなら「行政代執行も仕方ない」と思う人は6人で、全体の15%に過ぎませんでした。

また、私が注目したのは、佐々川についての質問です。
知っているか否かにかかわらず、ほとんどの人が記述欄にコメントしています。

コメントを読むと、水利権の転用に賛同している人が6人、否定的なコメントが5人ですが、否定する根拠は「難しいと思う」とか「取水は困難と聞いています」など。
中には「転用可能な水利権は存在しないという事実(司法判断)は知っています」とのコメントもありましたが、そのような司法判断は出ておりません。何か勘違いなさっているようです。

皆さんが「存在しない」と聞いているのは県の説明だと思いますが、存在するかどうか現時点では不明です。その判断の根拠となる流量調査を今まさに県はやっている最中なのですから。まだ6年ほどかかるそうです。

「知らなかった」と答えた4人中2人は「今後も検討していくべきだ」「有効な手段の一つと考える」とコメント。

私たちは、このような議員を求めています。
石木ダムに限らず、何事も、行政の説明を鵜呑みにせず、
市民の声に耳を傾け、議会に届け、行政をチェックし、
佐世保の未来を切り開いていくために大いに議論して欲しい。

残念ながら、今の市議会は、そんな理想とはほど遠いのが実情です。
今回の調査で、立候補予定の現職議員の方にアンケート用紙を送ろうとしても、佐世保市議会のHPには、住所も電話番号もメールアドレスなども掲載されておらず、連絡の取りようがありません。
しかたなく議会事務局に持参して、なんとか届けることができました。

県議会のHPには、議員の住所や電話番号、議員HPのURLまで掲載しています。
雲泥の差ですね。

佐世保市議の皆さんは、まるで市民との対話を拒否しているようで、悲しくなりました。

今回のアンケートにお答えくださった皆さんには、ぜひ当選していただき、議会改革に乗り出していただくことを期待しています。

そして、石木ダムの賛否に関わらず、石木ダムについて市民と大いに対話していただきたい。
市議は市民の声を託された人なのですから。

佐世保市水道局、石木ダム関連で5億7500万円

3月5日の長崎新聞が報じているように、佐世保市水道事業の2022年度予算で、石木ダム関連事業費として、5億7479万5000円が計上されました。

こちらが、その資料です。これは水道局が自ら提示したのではなく、委員が資料請求して初めて出されたものです。

しかも、委員は「来年度の石木ダム関連事業費」として請求したのですが、タイトルは「長崎県への負担金及び水道施設再構築関連経費」と書き変えられています。

石木ダムにかかる経費をなるべく小さく見せたいのでしょうか?

かつての委員会資料には、このように堂々と「石木ダム関連事業費」と書かれていたのですが。

上の資料は9年前の委員会資料ですが、事業費の総額は、353億5千万円です。ところが、現在の総額は445億5千万円になっていますね。

これも議会で審議され採択されたことではありませんが、いつのまにか承認されたことになっています。

いずれにしても、R4年度=2022年度予算として、石木ダム関連経費として約6億円近くが支出されるということがわかりました。この金額を私たち市民はどう判断すればいいのでしょう?

こちらは資本的収支の予定表です。資本的収入から支出を引くと、その差はマイナス25億円にも及びます。それを留保資金で補填するので、自己資金は年々減少しています。

つまり水道事業会計は決して楽ではないのです。減らせる支出は少しでも減らしたいものです。しかし、石木ダム事業が続く限り支出はどんどん増えていく・・これは間違いのない事実です。

令和1年度再評価の資料を見ると、令和4年度=2022年度の石木ダム事業費は54億円と見込まれていました。しかし、実際の予算額は約10分の1でした。何故か?それは工事が進んでいないからです。

予定通りの進捗状況であれば、本体工事がどんどん進められ、それに合わせて新たな取水施設、導水管の埋設、新たな浄水場建設などなどたくさんの工事をしなければならないから、予算も桁違いの額となっていきます。

そのお金はどこから湧いてくるでしょう?今後収益が増えるでしょうか?

こちらは収益的収支の予定表ですが、営業収益は年々減っており、全体的な収支の差も昨年度比で26.7%も減る見込みです。

それもそのはずで、この表を見れば、有収水量が年々減り続けているので、当然、水道料金収入も減り続けます。

(今回の委員会資料はこちら file00006640 )

そういうことが分かっていて、なぜ石木ダム計画から撤退しようと水道局は考えないのでしょうね~

水道局だけではありません。予算審査する企業経済委員会の委員の中から、石木ダムへのアピールが足りないとの𠮟責の声が上がる一幕も・・

角田副委員長:今年度は佐世保市の水道事業が始まって115周年の節目の年。石木ダムをアピールするいい機会なのに何も予定していないのは何故か?平成6年の渇水の苦労とか、現地の8割の方が犠牲になって出ていかれたのに未だにできていないこととか伝えるべきではないか?

経営管路部長:100周年の時は島瀬公園でアピールし、パンフレット等も配布した。それ以後も毎年「水を大切にする日」にパネル展示などのイベントをやっている。

水道局長:次の120周年に向けてはイベントなど考えていきたい。

角田副委員長:知事も代わったことだし、佐世保が本気であることを示さないと。かつての渇水の苦労が風化しつつある。

水道局長:確かに最近では市職員の中にも、あの大渇水について知らない者もいるようだ。石木ダムへの理解を深めるよう、必要であれば局内でも議論したい。

角田副委員長:「必要であれば」ではない。必要だから言っているのだ。しっかりやってもらいたい。

(-_-; 角田議員とは一度じっくり意見交換したいものですね~)

もう1人、石木ダムの早期実現を願う委員から、熱心な質問が続きました。この方は小佐々町出身の永安議員です。

小佐々町は佐世保市以上に水不足の町です。水道局長の話では、3月4日朝の貯水率は佐世保市の下ノ原ダムでは60.7%でしたが、小佐々町のつづらダムは54.3%だったそうです。(後で水道局のHPで確認すると、北部の貯水率は72.1%でした。南北融通管は存在するのに、市内でも相変わらず南北格差は続いています)

永安委員は、合併後は佐世保市の水が送水され安心だと思っていたのに、16年経っても未だに管が繋がっていないので、相変わらず不安な日々を送っていると訴えておられました。

小佐々町の方には本当にお気の毒だと思います。以前は渇水時には佐々町から日量1000t~1500t送水してもらっていたのに、合併後は日量200tまでしかもらえないのだそうです。2018年の渇水の時は一日に113tだけでした。理由は佐々町自身にも余裕が無くなったとのことですが、本当にそうなのでしょうか・・?ここにも県の思惑が見え隠れします・・

今回の予算審議で、佐世保から小佐々までの送水管の整備計画がやっと示されました。

完成はR11年度=2029年度の予定です。

永安委員:やっと具体的に示されたのは有難いが、ちゃんと水は届くんでしょうね?管は通ったけど、肝心の水の確保ができるのか心配で・・

川野事業部長:送水管の完成はR11年の予定で、石木ダムはR7年度完成予定なので大丈夫です。万一それまでに石木ダムができていなくても、1000t~2000tは供給できるのではないかと考えています。

と、そこで、水道局長から「補足説明」が・・

水道局長:今申したのはあくまでも緊急的な供給であり、石木ダムができていなければ、やはり本格的な供給はできません。

と釘を刺していました。長年佐世保市水道の現場で仕事し、水源対策の責任者となっている川野事業部長が大丈夫と言っているのに、水道局長になってまだ2ヶ月しか経っていない中島氏が供給できないと否定するのはヘンですね~やはり石木ダム必要性の口実の1つを示すためでしょうか。

実は、この送水管整備事業については、午前中も面白いやり取りがありました。

湊委員:佐世保から佐々町を通って小佐々まで送水管を繋ぐ意味は何?

川野事業部長:小佐々地区の水不足の解消のためです。

湊委員:佐世保全体が水不足になったらどうするの?送る水が無かったら?

川野事業部長:ため池や民間の井戸などから水を提供してもらって・・・

湊委員:西海市や有田町など水の豊富なところと繋がることをなぜ考えないのか?渇水の時はそういうところから水を買えばいいではないか?佐々町も売ってくれるはず。また、五島では、天水の活用を進めているが、そういう努力も足りないのではないか。

川野事業部長:まずは市内での水源確保に努めるべき。渇水にいたらないと佐々町から買うことはできない。県からの達しでそうなっている。

(やはり・・・石木ダムを造りたい県が、代替案の邪魔をしているのかな?)

湊委員:石木ダムが要らないと言っているわけではない。石木は石木で進めてもらうが、いつになるかわからない。それまでに渇水がおきたときにどうするか考えておかねばならないと思う。光武市長の時は、海水淡水化などいろいろ考え、工夫されていた。新しい局長の下で変わってほしい。最初から諦めていたら何もできない。
このような危機意識を持ち、石木ダムだけに固執するのではなく、前向きな議論をもっともっと、してほしいものです。

 

久しぶりに質問続出、石特委員会

今日は、石木ダム建設促進特別委員会を傍聴してきました。傍聴者は私も含め5人でした。

傍聴者に配布された閲覧用資料はこちらです。

今日は審議ではなく、経過報告でした。

a. 事業の動き(工事の進捗状況と用地取得の状況)

b. 石木ダム訴訟の動き

c. 地権者ら住民との面談後の知事のコメント

d. 長崎県の再評価と佐世保市の対応

私たちが最も知りたかったのは、d についてです。そのために傍聴に来ました。

ここで書かれていることを整理すると、

1.9月30日の長崎県公共事業評価監視委員会で、県から「3年間の工期延長を含めて事業継続」との考えが提示された。
2.同委員会から提出された答申を踏まえて県の対応方針がまとめられる。
3.その方針が「工期延長による事業継続」となった場合は、佐世保市においても「再評価の要否を検討」し、「再評価の必要が生じていると判断された場合には速やかに実施に移る必要」が生じる。

というものでした。それに対して委員から出された質問と回答を整理すると、

永安委員:3年間の工期延長により、(リスク管理の観点から)どういった影響が考えられるのか?

水道局長:まだ3年の延長が決定しているわけではないが、その蓋然性は高い。そうなれば、佐世保市としては、①渇水のリスクがさらに3年間続く、②ダムの老朽化のリスクも高まると言える。何らかの対応が必要となるが、今は具体策を示せる段階ではない。

永安委員:私の地元の小佐々地区は元々水源が乏しい。10年前に佐世保市と合併したことにより改善を期待していたが、常に「石木ダムによる水源が確保されないと…」と言われ、小佐々地区の渇水対策は何も進んでいない。昨年度は農業用ため池の水を渇水対策に提供したために、今年の田植えに水不足が生じてしまった。また、製氷工場では漁民への販売を制限したこともあった。そのような具体的な危機意識を県に伝えているのか?

水道局長:前回も、度重なる工期延長は受け入れがたいとの声があった。今回は、小佐々地区の現状を念頭に、渇水意識の高まりを県に十分伝えたい。また、今後は小佐々を含め北部エリアへの広報に力を入れたい。

永安委員:再評価をするかしないかはまだ決めていないのか?するならば、どういうスケジュールか?

水道局長:オフィシャルに言えば、県の対応方針が決定し、その連絡を受けてから検討となる。が、補助金の関係もあるので、我々としては、決定するであろうと想定し、今でもやれるところからやろうと考えている。

永安委員:再評価するとなった場合の費用については大丈夫か?

水道局長:やるとしたら、企業会計の予算の範囲内でやることになるだろう。

久野委員:前回の工期延長の時に再評価に至らなかった理由は何か?

川野水源対策企画課長:前回平成27年度の際は、厚生労働省の再評価実施要領に照らしてみたが、「急激な社会情勢の変化」は起きていないと判断し実施しなかった。また、その後も厚労省からは補助金をもらっているので、その判断はおかしくなかったと思う。

久野委員:再評価の必要が生じているという判断基準は何か?

川野課長:前回6年今回3年合計9年の工期延長が生じようとしている。それをどう捉えるか。また、どういった工程になるのか、それに伴う財源などの方針も確認した上で判断しなければならない。

久野委員:平成24年度の再評価の次は10年後と言われているので、今回はしなくてもいいのか?それとも県がしたので佐世保もするべきなのか?

水道局長:厚労省の補助金を得るために再評価は通常5年ごとにしなければならない。しかし、実施細目によると、着手前再評価の場合は10年後でいいとされている。そのルール通りであれば、次は令和4年である。しかし、大幅な工期延長などの社会経済情勢の変化が生じた場合は適宜行うとなっている。今回の延長をそのような変化と捉えるかどうかという判断になる。

草津委員:長年この委員会に関わっているが、なかなか前に進まない。度重なる工期延長に対して、水道局長の答弁は他人事のようで心に響かない。本音のご意見が聞きたい。

水道局長:市独自にダムを造る力はなく、昭和50年に県が造るというので、共同事業者となった。早くやってください、頑張ってくださいという後押しは議会と一緒になってやってきた。

草津委員:川棚町民、佐世保市民、それぞれ賛否ある。マスコミに登場するのは反対派の動きばかり。ノンポリの市民の声は聞いたのか?アンケートなどしたことあるのか?大多数の市民は「いつまで石木ダムに関わっているのか?前に進めるのか中止するのか、いいかげん決断せんばやろ。半世紀近くも引っ張っていいのか?」と思っている。石木ダムに頼らなければやっていけないという現状を考えた時、市長は知事に「腹をくくりましょう」と早期決断を促す時期に来ていると思うが、いかがか?

水道局長:市長に代わって答えることはできないが、市長は常々「市民の代表は市議会議員の皆様だ」と言っている。サイレントマジョリティに押されているという見解ではないか。(???この発言は回答になっているのか意味不明でした)

長野委員長:他になければこれで終わりたい。議会としても石木ダムがなるべく早く実現するよう誠心誠意寄り添って行きたい。

結果としては委員会の名称通り、石木ダムを早く完成させてほしい、行政と議会が手に手を取って頑張りましょう!という内容でしたが、なかなか参考になる内容でした。

草津委員が言うように、大多数の市民は思っていますよ。「いつまで石木ダムを引きずっているのか?」「いい加減で白黒つけろよ」と。

しかし、石木ダムしかないと思っているのは思考停止している行政や議会であって、市民は違います。

白黒つけるために「公開討論会をやるべき」だと言っています。その声、草津委員も知っているはずですが、なぜそれについては一言も触れなかったのでしょう?

永安委員の発言で小佐々地区の渇水事情を知りました。石木ダムを理由に10年間も対応しなかったのは水道局の怠慢ですね。

石木ダムの工期延長はこれで9回目です。一般企業でこれほど延長される事業があるでしょうか?不可能なダムという証拠です。そんなダムにしがみついているからより良い対策も後手後手になり、市民が苦労しているのです。

そういうことを声に出す私たちを市当局は、ボーカルマイノリティとして排除したいのでしょうが、今や、少しずつマジョリティ化していますよ。草津委員はマスコミも行政も何もアンケート調査をしていないとおっしゃってますが、それは少々認識不足ですね。

昨年1月長崎新聞社は有権者へのアンケート調査をやっていますし、その結果、佐世保市民の回答者のうち、石木ダム反対派は賛成派の1.5倍の率でしたし、同年5月の佐世保市によるまちづくりアンケート調査結果でも、水道施設の更新整備を望む声は水源確保を望む声の1.65倍でした。

水道局長、これらを見る限り、石木ダム推進派がマジョリティとは決して言えませんよね。サイレントマジョリティの多くは無関心です。

なぜ、無関心派が多いのか?それは政治と市民の関係が遠いから。市民の関心を遠ざけようとするシステムの存在もあるようです。

今日、委員会を傍聴した5人は、傍聴時に閲覧した資料を頂いて帰りたいと、議会事務局へ申し出ましたが、断られました。

かつては傍聴者全員に配布された資料が、今年から閲覧のみとなっていることに他の傍聴者は初めて知り、いろいろ問い質しました。そこでわかったことは、

1.これまで委員会資料の配布についてはバラバラであったので、公平を期すために統一した。内容は、傍聴時は閲覧用資料を用意するが、持ち帰れない。持ち帰りたい人は、6階の閲覧コーナーに同じ資料が置いてあるので、そこで1枚10円でコピーして持ち帰れる。(同コーナーのコピー機は白黒コピーのみ、カラー印刷ができない。資料によっては色分けで判別するものもあり…

このような資料は、赤や黄色に色分けしてあるから見やすいのですが)

2.委員会ごとに対応が異なっていたということについて市民からクレームがあったわけではないが、議会事務局として統一すべきと考えた。それを決めたのは議会運営課で、議事録は無い。(このような大事な変更について議事録が無いとは!)

3.閲覧用資料は、委員会が終わり、不要になれば処分される。シュレッダーにかけるか、裏紙として使うか…(捨てるくらいなら必要としている市民になぜ渡せないのか?資源や労力の浪費ではないか!)

私たちは、以前のように委員会傍聴者には資料配布して頂けるよう強く要望し、その件について議会事務局で検討して頂くようお願いし、その結果の会議録を頂きたいと何度も頼みましたが、「記録は残さない」「口頭では伝える」「それがいつになるか今はわからない」など。

なんだか現在の政府と同じような対応ですね。

議会事務局の職員の皆さんお一人お一人は、とても親切で誠実そうな方々ばかりなのですが・・・

ま、あちらから報告が無ければ、また、皆で聞きにいきましょう~

(‘◇’)ゞ

 

 

川棚町議選で、地権者トップ当選!

ビッグニュースです!

昨日投開票だった川棚町議会議員選挙で、石木ダム建設予定地の地権者、炭谷猛さんがトップで当選されました。

炭谷さんが訴えたのは、「自然あふれる川棚町に石木ダムは要らない!!」この1点です。

洪水対策ならダム以外にある。ダムができたら川棚町民は汚いダムの水を原水とする水道水を飲まねばならなくなる。川棚の山、川、海を守ろう!石木ダムは造らせない!

スーパーエレナの前で演説していると、前を通る車の中から多くの人が手を振っていかれました。立ち止まって耳を傾ける方もいました。

その後、この選挙カーに同乗して町内を回りましたが、縁側から、また玄関に出てきて手を振る人もたくさんいました。驚いたのは子どもたちの声援です。車を追いかけて走ってくる子たちもいて「危ないから、もう来ないで~」と言いたくなったくらいです。

「この子どもたちに川棚の美しい自然を残しましょう!ダムではなく、この子たちの子育てに税金を使いましょう!」炭谷さんの娘さんの明るい声が子どもたちにも通じているかのようでした。

午後から選挙カーに乗ったのは「こうばる」の若者たちです。僕たちのふるさとをダムの底には沈めない!皆さんの清き1票をお願いします!との思いを訴え続けたことでしょう。

そんな訴えが川棚町民にしっかり届きました。トップ当選!この意味を川棚町も長崎県もしっかり受け止めてほしい!そして、共同事業者である佐世保市も!です。

その佐世保市の選挙結果はどうだったかと言うと…。

まず、市長選挙は予想通り現職の朝長則男さんの圧勝ですが、それでも、告示日直前に手を挙げた田中隆治さんが2割以上も票を集めるとは意外でした。(朝長さん78,3131票 田中さん21,877票)出口調査では、カジノ反対の声が多かったそうなので、そのような政策に対する批判票が田中さんへいったのでしょう。石木ダムに関しては、反対より賛成の方が多かったとのことで、これは残念でした。

さて、私たちがアンケート調査をおこなった市議選の結果はこちらです。

市議選2019当選者

名前欄が黄色の方々が当選者です。やはり現役は強いですね。石木ダム反対を公約に掲げていた2人のうち1人(共産党候補者)は当選ですが、もう1人の方は残念でした。でも、「佐世保の水と石木ダムを考える市民の会」の仲間からも当選者が出たのはたいへん嬉しいことです。今後の活躍に期待しています!

 

 

佐世保市議選立候補者に聞きました!

佐世保市民の皆さん、明後日は市長と市議選の投票日ですね。あなたの1票を託す方は決まっていますか?

あなたは市政に何を期待しますか?
IR?人口減少対策?基地問題?気になることはいろいろありますね。

私たちは石木ダムと佐世保市水道の問題について、各候補者がそれぞれどのような考えを持っているのか知りたいのですが、テレビや新聞等からも情報はほとんど伝わってきません。(市長選に関しては現職の朝長さんは石木ダム絶対推進で、新人の田中さんは今は他にやるべきことがあると言い、その違いは報道されているが、市議選候補者についてはほとんど不明)

そこで、私たち自身の手で、市議選立候補者の皆さんにアンケート調査をさせて頂きましたので、その結果をここに公開します。

1.いつ、どのような方法で行ったのか?
4月3日に、切手を貼った返信用封筒を同封し郵送しました。

2.何人に送ったか?
告示前だったので正確な情報が掴めず、44名中41名に送りました。

3.どのような質問をしたのか?
各候補者へ送ったアンケート用紙はこちらです。
市議立候補者へのアンケート2019-4

4.回答率はどのくらいか?
41名中回答者は9名=回答率22%
(現職の場合、24名中回答したのはわずか4名のみ!)

集計表はこちらです。市議選2019アンケート集計表

・名前の欄が黄色の方が回答された方です。
・番号欄が赤=現職、緑=元職、青=新人です。
・42番~44番の方は情報が得られず送れませんでした。

問題別にまとめてみます。

問1)1972年の予備調査から今日までの石木ダム建設問題の経過と現状について
「よく知っている」と答えたのは、現職1と新人1の2人のみ。

問2)2012年度に佐世保市は、石木ダム事業の再評価を実施しましたが、そこに示された水需要予測は、その後の実績値と大きく乖離しています。いまここで立ち止まり、建設の是非を問うことについて
6人が「立ち止まり議論が必要」と答え、「不必要」と答えた3人は全員現職でした。

問3)石木ダム建設計画により水没予定地とされている川棚町岩屋鄕川原(こうばる)に行ったことがありますか。
ない」と答えたのは元職の1人だけでした。

問4)2017年度、佐世保市では年間353万㎥(山の田ダム6個分)の水道水が漏れていました。佐世保市は漏水対策をしていますが、漏水はなかなか減らず漏水率は毎年11%を超えています。抜本的対策の必要性について
全員が「必要」でした!

問5)ダムや水道管の老朽化が問題になっていますが、老朽化対策について具体的に考えをお持ちですか。
「持っていない」と答えたのは新人の1人だけ。

問6)人口減少時代に突入し、水需要の減少とそれに伴う料金収入の減少は避けられず、水道料金の値上げや民営化などが取り沙汰されています。安全安心な水道を持続させるための具体的な考えをお持ちですか。
「持っていない」は現職も含め3人。

問7)佐世保市は、水源確保のために石木ダムは必要だとして計画を推進してきました。そのための佐世保市民の負担は353億円ですが、これは2007年時点の予算です。その後の人件費や資材の高騰で完成までには相当の増額が予想され、水道事業会計を圧迫するのは必至です。それでも石木ダムは必要だと思われますか。
「思う」「思わない」「わからない」が3:3:3の同数。
「思う」と答えたのは全員現職でした。

問8)水没予定地では既に一部の農地が強制収用されていますが、地元の方々は以前と変わりなくそこで米や野菜を作って暮らし、家屋を強制収用されても住み続けると断言しています。ダム建設を強行するには行政代執行しかありません。13家族の家や暮らしそのものを破壊しても、ダムのためなら仕方無いと思われますか?
「思う」=現職の2人  「思わない」=5人  「迷っている」=2人

※各候補者がどのように答えているかは、集計表で確認してください。

また、質問は全て2択~4択で答えるものでしたが、5人の方が文章を添えておられましたので、ご紹介します。

湊浩二郎さん=代替案を検討すべきと思う。→水は必要なので。(生活の多様化により)

市岡博道さん=2択、3択からの解答方式なので答えに困りましたが、一定解答させていただきました。解答に至るまでいろいろな思いがある事を付言させていただきます。

松尾俊哉さん=必要、不必要の是非は市民、住民が決めることだと考えます。

浦川栄一さん=問5に対して「海軍?石綿管?」、問6に対して「人口増の方策は?」、問7に対して「再評価が必要」、問8に対して「ダムのため?市民のため?13家族?」

武雄智穂さん=アンケートを送っていただき、ありがとうございました。現地にも行って参りました。よろしくお願いいたします。

以上です。
最後に感想を2つだけ記しておきます。

★現職の方と新人の方で傾向が分かれるようです。
現職の方の多くが、水需要予測が現実離れしていても、事業費の負担が大きくても石木ダムは必要で、強制収用もやむを得ないと考え、新人の方の多くは、その逆のようです。
それは何故なのでしょう?

★結果的に32名の方が無回答でした
返信用封筒を同封しただけでなく、郵送した数日後、各候補者の事務所やご自宅に電話を入れ、アンケート用紙が届いたかどうかの確認と10日までの返送依頼を実施しました。留守のところも多かったので何度も電話したりしました。また、知り合いの議員さんを通じて回答を頼んでもらったりもしました。それでもナシの礫の現職候補者が20名もいたことに憤りを覚えます。
しかし、そのような人を選んできたのは私たち佐世保市民です。
私たちの政治に対する無関心と怠慢が招いた結果です。

反省と共に、回答をお寄せいただいた9人の候補者の方のご健闘を祈ります。