水道管の老朽化、対策と財源確保計画、迅速に

佐世保市民有志は、佐世保市議会3月定例会に、以下のの請願書を提出しました。

これに対する委員会審査が、今日、都市整備委員会にておこなわれました。

請願文書の補足説明として、次のような資料を提出しました。

 

  ★佐世保地区の1月の貯水率と配水量

表下に記しているように、1週間の断水の間も佐世保市のダムの貯水率は91%を超えていた!

という事実を委員の皆さんに伝えたかったからです。

これを見れば、

どんなに水源確保ができていても、それを運ぶ管が破損していたら断水に繋がる

ということが一目瞭然。

そして、そのような水道管の破損は寒波による凍結だけではない。

常日頃から慢性的に市内のあちこちで漏水している。

それを示す資料として、次のものを提出しました。

 

これは、佐世保市と長崎市の漏水量を比較したものです。

漏水量そのものは測れませんので、

総給水量から有効に使われた「有効水量」を引いた「無効水量」が漏水量と見做されています。

佐世保市のデータは、3月14日の都市整備委員会で審議された28年度水道事業会計予算の委員会資料から得たもので、

長崎市のデータは、長崎市上下水道局のサイトから入手しました。

それを表にして比較してみると、びっくり!でした。

上の表では見にくいので、一部を拡大して貼付すると、

 

こういう事実が明らかになりました。

人口も給水量も長崎市の60%台の佐世保市が、漏水量だけは120%台  

昨夜資料を作りながら、見間違い?計算間違い?と、何度も疑ってやり直しました。

佐世保市の漏水対策が長崎市と同じレベルだったら、無効水量も同じ60%台になってるはずです。

仮に給水量と同じ66%だとしたら、7850✕0.66=5181となり、

佐世保市の漏水量は、5,181㎥/日に抑えられるはずです。

実際には、9748㎥/日なので、9割増しの漏水ということになります。

 

佐世保市で漏水が多いのは、地勢的な要因によるものだと、市長も水道局長も説明してきました。

しかし、同じように斜面地の多い長崎市(坂の勾配は佐世保以上だと言われています)で、

これだけ漏水を押さえているということは、やはりやる気の問題です。

地形のせいにしないでください。

もちろん、それも要因だけど、地形は変えられないのですから、

じゃあどうしたらいいのかと、対策に頭を使うべきです。

お金を使うべきです。

人も使うべきです。

その努力を怠って、「お願いします!石木ダム」などと言わないでください。

 

3/14の委員会で頂いた資料によると、

平成25年度の佐世保地区水道管の経年化率(法定耐用年数40年を超えた管の割合)は、19.2%でした。

平成19年度時点では9.3%だったので、わずか6年で10%も増えています。

このままではますます老朽管が増え、水道管破裂の危険性が高まり、断水の可能性も増えるでしょう。

水道局長はいつも言います。

「安心安全な水を提供し続けるのが私たちの使命」と。

いつ破裂するかわからない水道管をかかえたまま、安心して暮らせますか?

(水道局職員の方も、本当に気の休まる時がないのではないかと、お察しします)

職員も市民も安心して暮らせるよう、取り組むべき課題の優先順位を考えるべきです。

 

しかし、委員の皆さんの反応は冷ややかでした。

*今回の断水は水道局の水道管ではない。個人所有の給水管で、ほとんどは給湯器の配管破裂。

*寒波による断水と老朽化を無理やりこじつけているように感じる

*水道局も老朽化対策はある程度やっている

*水道局も情報は提供している。市民の無関心が問題

*なんでも行政を頼るのではなく、個人の給水管は個人の責任で守るべき

あ〜あ

あの、すんごい漏水量の資料を目の当たりにしても、問題意識を感じない方々のようです。

*情報提供してる?どんな?慢性的水不足なら聞き飽きるほど聞いてますが。

 佐世保市は漏水がこんなに多いです。

 あなたの家のそばの道路の地下に埋まってる配水管はもう耐用年数を超えています。

 鉛管は漏水しやすいし、体にもよくないので早く替えた方がいいです。

 なんて、教えて頂いてます?

*ある程度の対応しかやってないから漏水が減らないんでしょ?

 議員さんたちはそれでいいとお思いなんですか?

*なんでも行政に頼ろうなんて思っていません!

 私たちが出したお金=税金や水道料金=を必要なところに使って頂きたいだけです。

 個人の給水管は個人が整備するのは当然だけど、その余裕がない家だってあるでしょ?

 シングルマザーの3人に2人が貧困だという現実ご存じないのでしょうか?

 三度の食事が満足に食べられない子どもたちがいます。

 そんな家で、給水管が古くなったからといって、すぐに更新できますか?

 そういうところは放っておくのですか?

 その結果破裂して断水を余儀なくされても自己責任。

 そういう家が数件あったために他の家庭まで断水の巻き添えを食ったら、

 貧困家庭を恨めとでも?

そんな反論が頭の中を駆け巡っていました。

そして、こんな質問を受けました。

 老朽化対策を急げと言うなら費用はどうするのですか?

 大村市のように水道料金を値上げする?それとも他からもってくる?

正直に言いました。

 私自身は他からもってくればいいと思っています。

 (石木ダムの予算を使えばいいでしょ!)

 でも、いろんな考え方があると思うから、それは一人ひとり考えることです。

 そのために、市民に現状を知らせ、対策を実行するための予算額を伝え、

 それをどう工面するか皆で考えることが必要だと思い、この請願を提出したのです。

 

帰宅したら、神奈川在住の方から、こんな情報がメールで寄せられていました。

 東京都では、漏水防止対策の推進により、

 60年前には30%以上あった漏水率を、2009年には3%に低減させた。

 この対策の結果、年間約3億3千万m3(人口250万人規模の都市の水道
 使用量に相当)の
漏水防止を実現。

 また、温室効果ガスである二酸化炭素排出量を年間約6万5千トン削減する
 効果も生み出している。

 このように漏水防止対策は、貴重な水資源の有効利用のみならず、
 地球温暖化防止にも有効な対策でもある。

 

石木ダム再評価 市議会も逃げる!

今日午前、佐世保市議会石木ダム建設促進特別委員会で、私たち2団体(石木川まもり隊、水問題を考える市民の会)が提出した請願についての審査がおこなわれました。

請願文書の中身は次の通りです。

(請願の趣旨)

 私たちは9月議会に同じ題名の請願文書を提出しましたが、不採択となりました。その理由は「現時点では県公共事業評価監視委員会から県に対し答申がなされておらず、工期延長に関する県の判断が確定していない中で、市が独自に判断をすることは適当ではない」というものでした。

 しかし、今やその判断は示されています。県公共事業評価監視委員会はさる10月14日、6年の工期延長を含む石木ダム建設事業の継続を認め、それを受けて県は11月17日、工期延長を正式に決定しました。もう県の方針は確定したのです。佐世保市はそれを認めるのか、早急に対応を検討しなければなりません。また、その検討に際しては、再評価委員会を開き真剣に議論することが求められます。

 なぜなら、公共事業評価監視委員会が県に提出した意見書には、治水だけでなく利水や地域経済、環境保全などにより総合的に判断することが重要であると書かれていましたが、利水について判断するのは県の仕事ではなく佐世保市の問題だからです。共同事業者として石木ダムに参画している以上、再評価を通じて県民に説明する責任があります。

そして、6年もの工期延長を受け入れるなら、平成24年度再評価による水需要予測では、水供給不足をきたすことになります。その間の水の不足分をどうやって確保するのか、市民への説明責任も果たさねばなりません。

石木ダム建設を喫緊の課題としてきた佐世保市議会としても、工期延長に関しては不安や懸念を持たれているはずです。佐世保市はどのように対応するのか、しっかり検討するよう当局に強く要望することを願います。

 (請願事項)

1.     県が決定した石木ダムの工期延長を市は受け入れるのかどうか、再評価委員会を開き、しっかり議論検討するよう、議会は市当局に求めること。

 以上、請願いたします。

 

まず、この文書をSさんが読み上げた後、私からも補足説明をしました。

その内容は、      

・県は石木ダムの工期6年延長方針を決定し、12月8日の県議会環境生活委員会において報告した。まもなく共同事業者である佐世保市への報告と協議に入り、その後国へ報告の予定と聞いている。一刻も早く石木ダム事業の再評価に取り組む準備を始めるよう、市に促して頂きたい。

・私たちが再評価を議会に請願するのには3つの理由がある。

・1つは、前回の再評価で示された水需要予測がどうしても理解できないから。地権者の皆さんもそのことを訴え続けておられる。必要性のないダムのためにふる里を追われるのは承服できないと。ダムの必要性を検証する場ともなる再評価を避けるなら、地権者の理解はとうてい得られないだろう。

・2つ目は財政の問題。日本全国水道施設の老朽化が深刻な問題となっており、その財源確保にどこの水道局も頭を抱えている。施設の更新が追い付かないから漏水や水道管破裂事故などが頻発。先月も長崎市で水道管が破裂して道路は大渋滞、断水世帯は1500世帯にもおよんだ。もちろんそれは他人ごとではなく佐世保ではもっと頻発している。昨年は26件もおきていて、4月の破裂事故では2500世帯が断水した。耐用年数を超えた老朽管は19%を超え、順次取り換えているが、財源の問題もあってなかなか追いつかないという。その上、ダム事業費が重くのしかかれば、水道料金の値上げや一般会計からの補てんに繋がるのは目に見えている。298億円という莫大なお金が市民の財布から出ていくのだから、再評価という公開の場で情報をしっかり開示して、市民の納得を得るべき。

・3つ目は議会への期待。再評価をやらずに工期延長を認めるなら、それは市がもはや石木ダム事業の必要性を説明できない状況に立ち至ってしまったのだとみなされるだろう。そうでないなら、そのような誤解を払拭するためにも、また、工期を6年延長した場合の水源確保対策案を示すためにも、再評価は不可欠である。それを当局に要求できるのは議会であり、当委員会。公開の場での再評価もせずに、結論だけが市議会にもたらされるようなことがあれば、それは佐世保の水源問題だけではなく、佐世保の民主主義が問われることになるだろう。

などと説明しました。

 

その後、質疑に入り、

萩原委員:昨今の異常気象が心配。皆さんはダム以外にどうやって水を確保しようと思っているのか?

私:中水道を普及させ、再生水や雨水を活用すべき。また、佐々川からの取水もできる。

Sさん:大渇水の時はダムの水も干上がってしまう。異常気象を心配するなら海水淡水化も考えられる。

萩原委員:佐々川も大渇水の時は心配。中水道にしても海水淡水化にしてもお金がかかる。新たな水利権を得るのも難しい。今まで取り組んできたダム建設を進めるべき。

私:平成6年の大渇水の時にも佐々川からは一日平均1万トンの水を送って頂いた。川棚川よりも水量が豊富。またすでに佐々川には佐世保市の取水施設があり新たなコストはかからない。

Sさん:水利権の交渉が難しいと言われたが石木ダムはどうなのか?建設予定地の住人との交渉は難しくないのか?居住権を取り上げることこそ難しいのではないか。

山下議員(員外発言):佐々川には東部かんぱいや相浦発電所などの遊休水利権がある。遊休水利権の転用は厚労省も奨励している。佐々川の水利権を管轄するのは県。まずは流量調査をするべきだ。

永安委員:前回の再評価では平成36年までの見通しが出されている。前回の評価について特別に大きく変わった事があるのか?そのようなことがあるなら再評価しなければいけないかなと私も思うが。

私:例えば工場用水の問題がある。平成24年度再評価の際には平成27年度に急激に増えると予測された。直近実績値の3倍以上という異常な予測。これはSSKが当時発表した経営方針変換(修繕船の受注を増やす)から導き出された架空予測。その後SSKは名村造船の子会社となり今は造船のほうに力を入れてる。同社の水需要は全く増えていないので工場用水全体も変わっていない。

Sさん:もう一つの大きな変化は工程表の6年延長。その間4万トンの水が得られなくなるのだから、これは大きな変化だ。その間の水源確保をどうするかということをぜひ検討しなければいけない。

林委員:24年度から今日までに変わってきたものは色々ある。小佐々の工業団地や自衛隊などもそうだ。検討することは必要だと思うが、それが今なのか?6年の工期延長に至った理由を考えると、受け入れざるを得ない。民主主義は守るべきだし、再評価についても今後考えていきたい。

Sさん:工期延長を受け入れるなと言っているのではない。受け入れるなら、不足分の4万トンはどうするのか示してもらいたいということ。

小野原委員:工業団地に工場を誘致してもらいたいし、そのためにも水が必要。また不安定水源の水は渇水の時に使えない。ダムの老朽化による貯水量の減少もある。市民が安心して水を使えるよう石木ダムを何とかお願いしたいと思っている。

Sさん:確かに潤沢に水を使えたら良いだろう。しかし我々が潤沢に水を使うために、川原の13世帯の暮らしを犠牲にしていいのか、そこを考えてほしい。

 

などなど請願にしては珍しく、1時間以上のやりとりが続きました。

そのことは大変嬉しかったのですが、

休憩後の結論は・・・


緑政クラブ:前回の再評価から今日までの間にいくらかの社会経済情勢の変化などもあっているが総合的に判断することが必要。今再評価しなければいけないかと言うと、そうではないと思う。

自民党:佐世保市は厚生労働省の指導に従って再評価をやっている。次の再評価は石木ダムが完成したときにやることになるだろう。6年の工期延長は確かに辛いものがあるが、市民の理解を得ながら乗り切っていきたいと思う。

市政クラブ:再評価は補助金をもらうための手続きで事業の是非を問う手続きではない。なので再評価については反対だが、市民の方の疑問について丁寧に説明することは必要で、それを水道局に求めることは私としては大切なことだと思う。

民主党:再評価は補助金をもうための手続きで事業の是非を問う手続きではない。工期が6年延長になっても直ちに再評価を必要とするものでは無い。

公明党:工期延長については断腸の思いだが、受け入れざるを得ない。再評価については他会派と同じで、補助金をもらうための手続きなので国から求められない限りやる必要は無い。佐世保は常時渇水の危機にさらされている。抜本的な解決は石木ダムしかない。

等の理由で、いつものように不採択!

議会も行政と同じで結論有りきなのですね〜

わずか10分ほどの休憩時間で、会派内での議論などできるはずもありませんからね。

いくら委員会の場で、私たちが趣旨を説明し、委員の疑問に答えても、

予め決めてあった「再評価は不要、求めない」という結論は決まっていたのですよね。

 

それにしても、議会は何故そんなに再評価を避けるのですか?

逃げるのですか?

「再評価は補助金を受けるための手続き」ではありますが、結論として事業を継続すべきか否かを出すわけですから、ダムの必要性を見極めることと同じです。

それを市当局(=起業者)が避けたい気持ちはわかりますが、

議会も同じですか?

何故ですか?

かつて推進と決めたことでも、社会状況や民意が変われば、議会なら見直すことはできるし、

そうすべきなのに・・

 

反対理由を述べる時、あきらかに水道局の答弁そのままの委員の方もいましたっけ。

やはり、議会に期待するのは甘かったのでしょうか。

 

「国が求めなければ再評価する必要はない」とか「再評価をするのは今ではない」とかおっしゃっていた皆さん、9月議会への請願時に皆さんにはこの資料をお渡ししたはずです。

 

「工期の大幅な延長」、これが再評価をやるべき理由です!

だからこそ県は治水面からの再評価を8月にやったのです。

なぜ利水面ではやる必要がないというのですか?

9月議会で説明済みだったので既にご理解なさっているとばかり思っていましたが、

これを理由に反対されるとは・・・

なぜ質疑のときに、このことを言われなかったのですか?

私たちが説明できない裁決の場面になって持ち出すのは卑怯です!

 

ただ、嬉しい言葉も聞けました。

橋之口委員の「市民の方の疑問について丁寧に説明することは必要で、それは大切なこと」

林委員の「民主主義は守るべきだし、再評価についても今後考えていきたい」

お二人が今後どのように実行に移して頂けるか、見つめていきたい。。

 

 

県議会まで逃げるのか!

7日の長崎新聞の記事をご覧ください。

県議会は6日で9月定例会を終えましたが、石木ダム工期延長について、「議論は全くなかった」そうです。

何故でしょう?

初の強制収用が実施されたばかりで、さらに家屋を含む収用手続きに入っているこの重大な時期に、議会が無関心とは・・・。

 

9月には公共事業評価監視委員会の意見書が提出され、それを受けて県議会に報告、承認を得て工期延長が決定と言われていました。

しかし、何故か、まだ意見書が出ていない。(誰かが何かの目的で遅らせているのか?)

出ていないから県議会に報告できない。(誰かが何かの目的で報告せずに済むようしたのか?)

報告がないから、県議会として議論しないということのようですが、

これでは議会のチェック機能が働かなかったと言わざるを得ない」(緒方記者)

全くです。何のための議会でしょう?

チェックどころか、行政がやりやすいように協力している感さえあります。

そして、知事と市長の連携に見習い、佐世保市議会と県議会も助け合ってるのでしょうか?

 

工期延長に伴う事業の再評価を佐世保市民が求めている。

佐世保市議会は「県議会にも説明されていないので、市に求めるのは難しい」として請願を退けたが、

県議会にかけられ、報告承認されれば、佐世保市議会もそうせざるを得なくなる。

市議会にかければ、県が再評価したのに市が再評価しないのを認めるのは難しい…

再評価すれば、石木ダムの必要性が立証できなくなる…

だから、市を困らせたくない市議会を困らせないよう、県議会も知らんふりを決め込んだというわけ?

それはあくまでも私の勝手な想像ですが(限りなく事実に近い想像だと思っていますが)、

だとしたら、今後、行政も議会も、どのように進めていくつもりなのでしょう。

 

県議に対し個別に方針を説明済み」って、どーゆーこと?

個別に説明して議員の承認は得た、それで6年延長決定とする?

知事に倣って、県議会も逃げるのですか?

その後、佐世保市議会議員にも個別に説明し承認を得て、市議会も認めたということにするわけ?

市議会も逃げようと?

いくらなんでも、そこまで陰でコソコソすることは許されないでしょう。

腐っても議会なのですから。

コソコソ策を弄するのは行政の得意技ですが、議会はそれを表に出し、正々堂々と議論するのが役目なのに・・

 

今定例会でその機会が失われたのは、残念でならない」と私も思いますが、

私たちは、公共事業評価監視委員会の意見書提出を待ちます。

それを受けて県がどう動くか、県議会がどう動くか、見つめています。

そして、それをメディアがどう報道するか。どんな記事が書かれるか、注視しています。

それが今後の議会の動向に少なからぬ影響を与えるはずですから… 

 

 

 

石木ダムの再評価を求める請願 委員会で不採択

昨日、佐世保市議会石木ダム建設促進特別委員会が開かれ、私たちが提出した石木ダム事業の再評価を求める請願がいつものように全会一致で否決されました。

そのことが今朝の新聞各紙で報道されています。

 

ここに書かれてある通り、私たちが請願したのは、「石木ダム事業の再評価」。

なぜ再評価を求めるのかというと、

石木ダムの工期延長を決めるには、石木ダム事業の再評価をするというルールがあるからです。

このルールに則って、県は公共事業評価監視委員会に石木ダム事業の再評価を諮問しました。

知事も記者団にこのように答え、工期変更のためには再評価が必要との認識を示しています。

しかし、県がおこなった再評価は治水事業の部分だけでした。

確かに利水の部分は佐世保市の問題なので佐世保市の責任において再評価するべきですが、

このように市長は「必要ない」と言い、水道局長は「考えてない」と言う。

なんという無責任…

社会情勢が変化したわけでもない?

市長は再評価の実施要領をご存知ないようです。

ここに書かれているように「工期の大幅な延長」が「社会経済情勢の急激な変化」にあたるのですが…

しかも水道局長は厚労省の実施要領に基づいて再評価をやったんだと胸を張っているのですから、

今回もその要領に基づいて再評価すべきですよね。

行政当局をチェックすべき議員の皆さんも当然そう思われるでしょう?

などと資料を提示しながら説明したことが1つ。

 

2つ目は、9月14日の本会議で明らかになったことですが、

山下千秋議員の質問「県の工期変更(6年延長案)について佐世保市も同意したのか?」に対し、

谷本水道局長が「全面的に長崎県に委託しているので、当然同意している」と答えたことです。

県においては、公共事業評価監視委員会の意見が示された後、県議会の承認を求める手順になっていますが、

佐世保市は議会に説明もなく、議会の意見も聞かず、県に「同意している」というのです。

あまりにも議会軽視と言わざるを得ません。

県が右と言えば右、左と言えば左、佐世保市政は市民の方を向かず県の方ばかりを向いているようです。

(国会に提案する前にアメリカ議会で安保法案の成立を約束してしまった現政権のよう…)

議会、中でも石木ダム問題を扱うこの特別委員会の皆さんこそ、当局に説明を求め、

当局の考えを確認する必要があるのではないでしょうか?

と訴えました。

 

3つ目は、その考え=対応策についてです。

水道局長は平成24年度の再評価は国のお墨付きを得た正当なものだと自信満々でした。

本当に正しければ、来年度(平成28年度)の水需要は最大で100,500㌧に達し、

水源としては112,000㌧必要で、現状では77,000㌧しかないから35,000㌧も不足する。

だから石木ダムが必要!喫緊の課題!だったんですよね。

でも、来年度にはできないことがわかった、完成は6年も延びる?

6年間も、35,000㌧以上の水不足が続く?

その予測通りであれば、確実に断水の危機に瀕し、工場用水も営業用水も不足し、

経済活動に支障をきたす恐れが十分にあります。

「水源を確保することは、市民の安全・安心を担保するため、議会としても責任を負う必要がある」

と言って、水需要予測見直しの請願(今年3月)に反対された皆様ですから、

6年もの延長を無条件に受け入れることはできませんよね?

どうか、今回の工期変更案について、当局に説明と再評価を求めてください!

とお願いした次第です。

 

しかし、結果は、新聞に書かれているように不採択。

委員全員が請願に反対。

またか・・・   

どうして・・・  

 

その理由は、

現時点では公共事業評価監視委員会からの答申も出されていないし、

県からの報告も無いので市に(説明を)求めるのは難しい。

というものでした。

 

14日の本会議で水道局長は県の方針に「同意している」と言ったんですよ。

最終報告を待ってからでは遅いんですよ。

説明を求めるのは「今でしょ!」と心の中で叫び、

その後で気づきました。

「現時点では難しい、できない」ってことですね?

 

公共事業評価監視委員会の答申が出たら、

県議会も承認して、県から市に正式な報告がきたら、そうしたら、

水道局を呼んで説明を求めるってことですよね?

再評価をするよう求めるってことですよね?

 

その時の委員会の対応を、皆さん、一緒にチェックしてくださいね。

県からの報告が市に届いたら、

佐世保市議会は、市当局に対してどのような対応をするでしょう?

同議会の公正さが問われます。

しっかり注目していきましょう〜

 

 

他紙の記事も貼付します。 

 

 

 

 

工期延長は「やむを得ない」?

昨日の市議会の一般質問で、山下議員が石木ダム工期延長について質しました。

あれだけ「石木ダムは喫緊の課題」と言い続けてきた水道局長が、

ダム完成が6年も先送りされることについてやむを得ないと言いました。

そして「過去7回の工程変更を繰り返してきた」と。

 

そうです。

ここに書かれているように事業採択当時は1979年度に完成のはずでした。

当初からすると43年も工期延長になったということです。

 

その都度、当時の市長や水道局長は「やむを得ない」と言ってきたのでしょうか?

やむを得ないで済むなら、「要らない」ということです。

どうしても必要なものなら、「やむを得ない」と言えるのはせいぜい3回でしょう。

「仏の顔も三度まで」と言いますから。

4回も5回も、7回も8回も言えるということは、10回も20回も、永遠に言えるということです。

そんな非常識に付き合わされる市民はたまったものじゃありません。

その間、無駄なお金が垂れ流され続けます。漏水ならぬ漏金!

3回目くらいで勇気ある撤退をしていれば、水道料金も今ほど高くはなっていないはず。

県民の税金ももっと有効に使われたはず。

そして、何よりも、地権者の皆さんはこんなに苦しまずに済んだはず。。

 

「やむを得ない」なんて軽々しく言ってほしくない!

 

佐世保市議会 “ 強制収用中止 ” 求める請願不採択

今回で6回目となる「強制収用中止を求める請願」は、またも不採択となりました。

佐世保市議会 “ 強制収用中止 ” 求める請願不採択

 

請願文書は以下の通りです。

                                        平成27年6月18日 

佐世保市議会議長 市岡 博道 様 

                         (請願者)石木川まもり隊 代表 松本美智恵

                              水問題を考える市民の会 代表  篠正人

                         (紹介議員) 早稲田矩子

                                 山下千秋

 

    石木ダム建設について強制収用手続き中止と地権者等との協議を求める請願

 

(請願の趣旨)

 県営石木ダム建設計画の一部である付替え県道工事について、長崎県当局が、地元住民の永年にわたる強い反対意見を踏み躙って6月12日に着手しました。

これは石木ダム建設の突破口だとして、地元住民等は身を挺した抗議行動を続けています。

 石木ダム建設計画に対して、地元住民はふる里に住み続けたい、美しい自然を壊してはならないと強く反対しました。現在も13世帯約60人の住民が半世紀に亘って反対し、 ダム用地としての提供を拒んでいます。

 県当局は、石木ダムの目的を佐世保市の利水と川棚町の 治水としていますが、その内容は度々変遷しています。利水並びに治水の専門家は、既に無用なものだと指摘しています。しかし県当局は、専門家の批判には耳を傾けず、計画に固執し、土地収用法を援用して反対地権者所有地等の 強制収用を行おうとしています。

 石木ダム建設計画を提起したときの県知事は、住民の理解が得られなければダムは造らないと約束しています。しかし、その後の知事は、ダム建設ありきの強行姿勢です。

 しかも、反対地権者等が建設計画の問題点を指摘して、その解明のための話合いを求めても、中村県知事は一度のみ応じましたが、それも建設ありきの主張を述べるにとどまり、問題解決の姿勢がありません。民主社会ではありえない態度です。

 このまま県当局が建設を強行すれば、不測の事態を招く ことが心配されます。

 利水については、佐世保市当局も共同事業者です。石木ダムが建設された場合を想定して、専門家は、市水道局が発表した資料に基づいて、建設費とその後の維持費をあわせると1173億円にものぼると試算しています。

 石木ダム建設は、佐世保市民も自らの問題として真剣に考える必要があります。佐世保市民を代弁する立場にある市議会としても、真摯に検討されるよう要望します。

 

(請願事項)

1.長崎県知事ならびに佐世保市長へ、強制収用手続きは中止することを求めてください。

2.長崎県知事ならびに佐世保市長へ、石木ダム建設計画について地元地権者等が提出している公開質問書等に基づく検討を行い、当該地権者等と真摯に協議することを 求めてください。

 

以上、請願いたします。

 

追加趣旨説明として、次の文書を読み上げました。

 

石木川まもり隊の松本です。補足説明致します。

私たちは強制収用だけは止めて下さいという趣旨の請願を、過去5回やってきました。いずれも委員会では全会一致で不採択でした。

理由は、<まだ強制収用すると決まったわけではない。県は話し合いによる任意の解決を目指して努力しているところである。「任意での解決ができない場合に」という仮定のことを採択はできない>というものでした。

しかし、そう言い続けたこの3年の間に強制収用の手続きは粛々と進められてしまいました。

先月22日、ついに4世帯の農地約5,500㎡について収用裁決が出され、明渡し期限も通告されました。畑の場合は8月24日まで、水田の場合は10月30日までです。

川原のおばあちゃんたちは畑仕事が生きがいです。歳はとっても畑に出て安心安全の美味しい野菜を作り、家族に喜んでもらう、その野菜で美味しい漬物を作り遠くで暮らす子や孫にも送って喜んでもらう、それが生きがいで、元気に過ごしておられます。その生きがいがまもなく奪われようとしています。

また、新たな土地約3万㎡の収用裁決申請がまもなく出されようとしています。そこには4世帯の宅地が入っています。4軒の家があり、4つの家族が今そこで幸せに暮らしています。その家も数か月後には裁決されるでしょう。そして、そのまた数か月後には明渡し期限が来て出て行けと言われるでしょう。県はそのための手続きを進めています。させぼ市議会はそれを認めるのですか?

 

昨年9月議会で請願した時に、川原の地権者のお一人がここにきて意見陳述されました。

その方は「もしも私の家が取り壊されそうになったら、私は家の柱に自分の体を鎖でくくりつけて抵抗したい。家を壊されたら、戻って来て、そこに小屋を建てて住みつく。その小屋を壊されたら、また新たな小屋を建てて住む。その繰り返しになるだろう」とおっしゃいました。そんな犠牲を強いてまで水が欲しいと、佐世保市民は思っているでしょうか?

石木川まもり隊は過去5回ほどアンケート調査をやってきましたが、強制収用だけはしてほしくないと答える人がほとんどです。中には「そんなことまでして造ったダムの水は飲めませんよ」と言う人もいました。

 行政は一度決めた事業はなかなか見直そうとしませんが、議会はそうではないはずです。市議さんは私たち市民の代表で、私たちの声を議会に届け、行政をチェックするのがお役目のはずです。最近は新聞の声の欄などを見ていると強制収用に反対する意見ばかりです。

 このような現状に危機感を感じている方々がいます。先日(6/29)県議会環境生活委員会の審議の様子をインターネット中継で見ていたのですが、その委員会の委員のほとんどが「最近は反対派の声ばかり聞こえてくる。推進派ももっと声をあげてもらわねば。どうなっているんだ」と河川課長に苦言を呈していました。ほんとにおかしなことを言う方々だと思いました。県民の声を届けるのではなく、県の方針を県民に押し付けようとするなんて、県議としての資質を疑いたくなりました。佐世保市議の皆さんはそのようなことはないと思っています。 

 一昨日4日(土)私たちはアルカスSASEBOで石木ダム問題の集会を開きました。生憎の雨天でしたが、イベントホールがほぼ満席となりました。

講師のお一人の板井弁護士がおっしゃっていたのは、大型公共事業の必要性を決めるのは地域の住民であるということでした。なぜなら、その事業には莫大な費用が必要で、それだけのお金を負担しても必要かどうか判断できるのはその地域の人だからです。石木ダムで言えば、莫大な税金と水道料金の負担に変えてもダムの水が欲しいと佐世保市民が判断するかどうかということです。4日の参加者の多くは、ダムを造るお金があれば老朽管の更新に取り組むべきだとアンケートの感想の中でのべていましたが、とにかくこれ以上無駄な公共事業はしてほしくないという趣旨のものばかりでした。

 長崎市や諫早市は水需要予測を見直した結果、本明川ダムから撤退しました。諫早市長は「予測が甘かったが、今の時点で中止する方が将来の負担が軽くなる」と語っていました。佐世保市も是非見直す勇気を持ってほしいです。

 皆さんは石木ダム建設促進を目的とした委員会だから、見直しはできないと言われるでしょうが、少なくとも強制収用まで目的にはなっていないはずです。

地権者の意思は絶対変わりません。登記簿上強制収用されても、皆さんは絶対にふる里を出て行かれません。そうすると、強権発動しかありません。警察を使って強制排除し、ブルドーザーを使って13軒の家を壊すしかありません。そのような野蛮な人権侵害を、今の日本で実際にできると思われているのでしょうか? 

 4月の市議選の直前に40人の候補者の方に石木ダムに関するアンケートをお送りしましたが、回答が帰ってきたのは6人の方だけでした。あとの方は有権者を無視しているのか、石木ダムに関するものは答えたくないのか、わかりませんが、たいへん残念でした。

 強制収用に関する質問では6人中4人が「反対する」で、1人が「わからない」、もう1人はどれも選択せず「熟慮が必要と思われるが、個人としては、強制的な収用については疑問を持っている」と書かれていました。つまり「強制収用に反対しない」に丸を付けた人は1人もいませんでした。その回答者6人の中のお2人はこの委員会のメンバーです。 

 どうか、この強制収用についてだけは、皆様の良識と良心に従って中止を求めていただけますようによろしくお願い致します。

 

しかし、この訴えも、何の効果もありませんでした。それぞれの会派を代表して述べられた意見は、

 

・小野寺委員(民主市民クラブ)

13世帯の郷土への思いは理解できるが、出て行かれた54世帯の思いも受け止めねばならない。

本市は過去にも渇水で辛い経験がある。近年の異常気象を考えるとダムは不可欠。

この事業は公平公正な機関で認められたもの。今後も県と一体となって粛々と手続きを進めてほしい。

 

・橋之口委員(市政クラブ)

憲法25条の2項には、国は国民の生存権保障義務があり、公衆衛生の向上及び増進に努めなければならないとしている。

本市の水資源不足は深刻な状況であり、生存権を守っていくためにダムは必要だと思われる。

40年かけてもまだできていないということは、それだけ慎重に対応しているということでもある。

 

・萩原委員(自民党市民会議)

平成6年の渇水のとき私は酪農を営んでいた。水不足の辛さ、もらうことの難しさを経験している。

石木の皆さんには心からお願いしたい。

 

林委員(緑政クラブ)

協議を求めることは大事であるが、そのスタンスの隔たりが広がっている。

知事の態度が民主的でないとされるのは残念。精一杯の努力が行われていると思う。

 

森田(公明党)

双方とも話し合いを望んでいる。強制収用に反対するのは今の段階ではない。

 

以上のような意見表明の後、裁決に入り、賛成者無し。

よって今回も全会一致で不採択となりました。

 

それにしても、残念です。

この8人の委員の中には、ダム有りきではない、建設的な意見交換ができるに違いないと勝手に思い込んでいた方々が数名います。

しかし、この委員会の委員になられたということは、委員会の設置目的が「石木ダム建設の促進」とされていますから、推進派になられたということですね。

8人中2人はかつて「強制収用には反対」とおっしゃっていたのに・・・

どこで思いが変わられたのでしょうか?

なぜ変わられたのでしょうか?

切に、知りたい!と思いました。   

 

県の意にそわない県民の声は、聞こうとしない県議たち

今日の長崎県議会環境生活委員会で、私たちのラッピングバスについて取り上げられていたと聞き、

ustreamの録画を覗いてみました。

http://www.ustream.tv/recorded/65391451

土木部長と河川課長から石木ダムの進捗状況についての説明の後、

委員からの主な意見は、「賛成派の声が聞こえてこない」ということ。

・反対派の声ばかりが聞こえてくる。

・反対派の話を聞いて、「ああ、なるほどな」と県民の皆さんがなってしまいよる。

・推進派の声をもっと大きくせねば。ピーアールが足りない。

・佐世保市民は節水に慣れてしまってる。

・川棚町では過去に大きな洪水があったことを県民に分かってもらわねば。

・反対派が活動してるように推進派も活動してもらいたい。

 

本末転倒の議員たちばかりで呆れます。

県議は県民の代弁者。

県民の声を届けるのが仕事。

石木ダム反対の声ばかり聞こえるなら、石木ダムはもう要らんのじゃないか?と行政に問いかけるべきなのに、

推進派の市民県民がもっと声をあげ、もっと活動するよう指導せよと行政の尻を叩いている。

あ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜嘆かわしい〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

河川課長の答弁は、

マスコミにも反対派の意見が取り上げられる事が多く・・

県民だよりとかいろいろやってはいるんですが・・佐世保市とも協議して広報活動をもっと努力していきたい。

でした。

 

全くです。

行政は、県民だより、広報させぼ、水の輪、水道だより、新聞広告、県政チャンネル・・

あらゆるメディアで、お金をかけて、十分広報活動なさっていますよ。

質問していた委員たちが何も見てないだけ!勉強不足も甚だしい!

 

そして、ついに、こんな質問が飛び出しました。

中村委員:今ネットで見ていたら、西肥バスにダムの必要性を問いかけるバスが走ってるそうだが、

     西肥バスは県の公費入ってないの?補助金とか・・

     こういう一つの団体のものをさ、公共のバスがそれを掲示して走るのは大丈夫なの?

河川課長:佐世保市によると、市バスにも掲示させてほしいと言ってきたそうですが、

     そちらは丁重に断ったということです。

中村委員:西肥バスについても調べる必要があるだろう?

     片方だけの掲示物を掲げるのは良くないだろう?

     どうなんだ?

河川課長:早急に調べてご報告します。

 

このやり取りに至っては唖然としました。

「西肥バスに補助金払ってないの?」と聞くってことは、補助金払ってたら、圧力かけて車体広告を止めさせろってこと?

あらら、自民党の若手勉強会と同じですね。

と思ったら、この中村委員は自民党議員でした。やっぱりね〜(表現の自由が全くわかってない党だ!)

 

「片方だけの掲示物を掲げるのは良くないだろう?」

本当にそう思うんだったら、もっと早く言わんかい!

推進派のバスは20年前からずーっと走っていたんだよ!

片方だけの主張を載せて、西肥バスも市バスも。

 

20年後にやっともう片方の主張を掲げさせてもらえたのに、それを潰そうとするんかい!?

河川課長ならその事実関係を説明できるだろうと思っていたら、

知らない?調べて報告します?

もー、ホントに皆さん勉強不足というか、情報収集できてませんねー。

長崎新聞にも西日本新聞にも大きく出たのに。

NBCのニュースにも登場したのに。。。

 

行政も県議会も、「世の中の動きを察知し、県民の意思に寄り添う」ことをしようとせず、

ただただ自分たちがやりたいことをしゃにむに推し進めようとしているだけなのでしょうか?

イサカン問題が解決しないはずです。

 

はじめ呆れて、次に怒って、最後は空しさばかり・・・

 

 

アンケートへの回答者 11人中2人だけ

明日は長崎県議会議員選挙の投票日ですね。

石木ダム問題は県の重要課題でありながら、ほとんど争点になっていないようです。

なぜなのでしょう?

私たち(「水問題を考える市民の会」+「石木川まもり隊」)は各候補者の思いを知りたくて、アンケートを実施しました。

特に佐世保選出の候補者には、県議会で佐世保の水問題をしっかり論じて頂かねばならないので、

利水の観点を中心に6項目からなる質問を設け、県政アンケートとして各候補者の事務所に3月27日に郵送しました。

佐世保・北松地区の候補者は11名ですが、今日現在回答が送られてきたのはわずか2名のみ!

残り9名の方は、完全無視です。

理由は何でしょう?

石木ダム問題が難しくて答えられない?

興味が無いので読む気もしない?

一部の有権者のアンケートなんぞ答える必要もない?

いずれの理由も県議候補としては失格だと思います。

そのような人たちに県政を委ねねばならないなんて、

これでは、佐世保や長崎県の未来が明るいはずがありませんね〜

 

アンケートに答えて下さった2人の候補者の回答を公開させて頂きます。

皆様の参考になれば幸いです。

 

 

「実績は単なる数字、見直しの必要性はない」石特委員会

「国が事業の必要性を認め補助金継続を判断した」「第三者機関がこれでよしと評価した」

だから水需要の実績値が予測値と乖離していても、予測が間違っていたとは言えない。

「議会は石木ダム建設促進決議をあげている」「本委員会は石木ダム促進のための委員会だ」

だから需要予測の見直しに賛同すれば矛盾が生じる、整合性がない。

そのような理由で、私たちの請願(水需要予測の見直しを議会から当局に求めてほしい)は、

石木ダム建設促進特別委員会において不採択となりました。

 

本当に情けない気持ちでいっぱいです。

国が認めたものは間違っていない、第三者機関の判断は常に正しい、議会がそれをとやかく言う必要はない、

と本気でお思いなら、市議会議員なんてお辞めになれば?

議会の決議は絶対で、それが間違いであったと気づいても永遠に見直しできないというのなら、

佐世保市議になれるのは神様しかいませんね。

市議は市民の代弁者であり、市議会は行政のチェック機関であるはずなのに、

行政のチェックを求める市民の声には耳を貸さず、市当局の代弁者になってしまってる。

そんな議員など、はっきり言って要りません。

みなさん、来月の市議選には、市民の声に耳を傾け、それを議会に反映させてくれる人を選びましょう〜

 

準備した資料も、化石のような頭の石特委員には役に立たなかったけれど、

せっかくなので、ここにアップして、少しでも多くの皆さんに見ていただくことにします。

関心のある方、よかったら、お付き合いくださいませ〜 

 

まず、このグラフをごらんください。

青い線が一日最大給水量の実績値で、赤い線がその予測値。

平成24年度の石木ダム事業の再評価の時に出された予測です。

2年後の平成26年度の予測と実績を比べてみると、その開きはこんなにも大きいのです。

予測では前年度より大幅に増加して91,717㎥になるとのことでしたが、

実際には77,210㎥と、前年より減っています。

その差、約14,500㎥!

まだ26年度は終わっていませんので、77,210という数値は確定ではありませんが、ほぼ確定です。

かつて3月に一日最大給水量を記録した年はありませんから。

それにしても、この乖離は今後ますます大きくなるでしょう。

石木ダム完成予定年度の29年度には約10万3千㎥に達するとの予測です・・

 

どこから、こんな数字がでてくるのでしょうね〜

日本中どこでも水需要は減っているのに。

これが、そのグラフです。

日本中の上水道と簡易水道の一日最大給水量の実績値をグラフ化したもの。

1994年以降、ずーっと右肩下がりです。

それもそのはず。人口が減っているのですから。

使う人が減れば、水使用量が減るのは当たり前。

人口がいまだに増加し続けている東京都でも水需要は減っているのだから、

人口減少が激しい佐世保市の水需要が増えるわけはない!

これは転入者に比べて転出者が多い、つまり人口流出傾向の高い市町村のランク。

なんと、1718市町村の中で、長崎市が第5位、佐世保市が第6位という県内2大都市がトップ10入り!

そこで、長崎市はこの人口減少の厳しい現実を2年前にきっちり受け止めました。

平成24年度の再評価のとき、水需要予測を次のように見直したのです。

 

〇〇〇と続く線をご覧ください。

予測も実績値のように右肩下がりに修正しました。

その結果、前回まで必要としていた新たな水源7,500㎥の必要量はゼロと判断し、本明川ダムから撤退。

諫早市も必要量を半減、長与町・時津町も賛同し、今年3月末に県南部水道企業団は解散されます。

それが決まったときの同企業団長の諌早市長の弁はこうでした。

「見通しが甘かったと言われるだろうが、今の時点で中止する方が将来の負担が軽くなると判断した」

 

一方こちらは、決断できなかった札幌市。

どこかと同じように、予測が過大だと何度も批判されたのですが、将来は20万㎥も増えると言い張って…。

とうとう2012年10月に当別ダム完成。

すると、2014年3月には新たな需要予測を発表し、なんと予測値を25万トンも下方修正!

以前の予測は当別ダムを造るためのデッチアゲだったことがミエミエ・・・

2013年度以降、小樽市、石狩市、当別町の3市町は当別ダムから給水していますが、札幌市はしてません。

それでも、すでに当別ダム建設のために札幌市は106億円を出資していますし、

さらに給水を始めたら毎年約20億円を支払わねばならないそうです。

 

こんなことにならないよう、造る前に、その必要性をしっかり吟味しなければならない。

行政の示す根拠をしっかりチェックするのが議会の役目ですよね?

そこで、先ほどの一日最大給水量の急激な増加の根拠の1つ、工場用水の需要予測をみてみましょう〜

これまた、急に激増するという予測です。

わずか4年で直近の実績値の3.5倍にも工場用水が増えるなんて・・・

佐世保市は急に工業都市に変貌するとでもいうのでしょうか?

よほど水を使う業種の大企業がやってくるのでしょうか?

いえいえ、その理由は、SSK(佐世保重工業)にありました。

工場用水の大口需要者であるSSK。

その経営方針の転換により、2015年度(平成27年度)から同社の水需要が急増するというのです。

その方針とは、以下の記事の赤い線のところ、

造船部門を縮小して、修繕船部門を拡大するというもの。

修繕船部門では船を洗うための水を大量に使うので、

修繕船の売上が伸びる=修繕船の受注が増える=水需要が伸びるという論理で、

その売上高を全体の13%から25%に拡大と聞いて、売上も2倍になると水道局は考えました。

しかし「全体の」です。

割合が2倍になっても、全体の売上高が落ちていれば、売上そのものが2倍になるわけではありません。

当時SSK自身の予測では、2014年度の売上高は2011年度の60%との見込みでしたので、

修繕船の売上高は2倍ではなく、1.2倍にも満たないと考えねばならなかったのですが・・・

なんと水道局は、2倍どころか、修繕船部門での水需要は13倍にもなり

その結果、SSK全体では5倍になるという。

水増しどころではない、デッチ上げの予測。

こんな予測、見直すべきですよね?

現に、つい一週間前の企業経済委員会で、

水道局自身が示した27年度予算のための工場用水の需要見込みは、1,848㎥でした。

2年前のデッチ上げ予測では、6,604㎥でしたので、自ら3分の1以下に縮小しています。

この予測の誤りは一日平均給水量や一日最大給水量の予測を押し上げ、

その結果、4万㎥の水源不足、それを解決するためには石木ダムしかないとの結論に導き、

そのための大きな財源確保を市民に押し付けるのですから、

それでいいのか、いまこそ見直しを議会から水道局へ求めてください、とお願いしたのですが…

 

私たち2団体から30分ほど説明した後、委員長が「これより質疑に入ります」と言ったものの、

委員からは誰ひとり質問無し!

請願者のSさんが「私たちの請願に賛同していただけるのならいいのですが、採択の前に反対意見を言われても、その場ではもう私たちに発言の機会は与えられませんので反論ができません。私たちの説明に納得して頂けないなら、今ここで質問してください」とお願いしましたが、それでも皆さん、ダンマリです。

傍聴者からも、議会は何をするところですか?沈黙をするところですか?何か言わんですか!と促す発言がありましたが、

それでも質問はなく、休憩に入り、30分後に再開となりました。

再開後は、それぞれの会派の意見をまとめたものを発表しましたが、 

内容は、冒頭お伝えしたように、

国が認めた予測だから間違いはない、

我々は石木ダム推進の立場だから、水は必要と思っている、見直すなんて自己矛盾でできない、

そういう理由で賛同できない。

よって、全会一致で不採択。

 

この結果にも落胆ですが、それだけではありません。

石木ダムの特別委員会委員でありながら、石木ダムについて何もわかってない委員がほとんど。

「今は水は足りていても、想定外の渇水対策のために石木ダムが必要

「この予測は第三者委員会がおこなったもので水道局がおこなったものではない

なんて、誤解も甚だしい。

 

挙句の果てには、こんな発言まで。

「請願者は実績に重きを置きすぎている

「実績は単なる数字

「実績主義では発展が生まれない

「水が豊かであれば企業誘致もできたかもしれない

などなど。

 

委員の皆さんはバラ色の夢を描くのがお好きなよう。

実績に基づかない、希望だけで組み立てられた予測でもって、佐世保市を発展させようとお考えみたい。

夢を持つのはいいことですけどね〜

根拠のない夢は失敗の可能性が大。

失敗した時の責任は誰がとるの〜?

石特委員の皆さんがとってくださいます〜?

今後235億円ほど負担する予定ですよ〜

 

    「平成25年度までに約115億円の支出をしているので、

     あと残り235億円の財政支出をする形になろうかと思う」

    (平成26年9月5日 企業経済委員会 水道事業課主幹・川野氏の答弁より)

 

 

『予測』が外れても関係ない?!責任感ゼロの水道局

大切なのは予測の合理性であり、結果と一致しなくても、それは別問題である。

はあ!?

全く理解に苦しむ水道局長の発言に私たちは唖然としました。

昨日の佐世保市議会企業経済委員会で審議された水道局の予算審議の中の一コマです。

 

来年度(平成27年度)予算案の中で水道局は料金収入の見込みを示すために配水量の予測を出します。

当局が出したデータは佐世保市全体のものでしたので、山下委員は、石木ダムに関わる佐世保地区(旧佐世保市)のデータを求めました。

その結果わかった今回の予測値と過去2回の石木ダム事業再評価時の予測値を比べてみますと、

平成27年度の一日平均配水量の予測値はこんなにも大きく乖離していました。

        平成19年度再評価の場合=87,699㎥

       平成24年度再評価の場合=79,208㎥

        平成27年度予算の場合=70,231㎥

8年前の予測からは17,000㎥も減少し、わずか2年前に示した予測からも9,000㎥も減少です!

そこで山下委員は厳しく水道局を追及しました。

 

山下:これほど貴方たちの予測は誤っている。どう説明するのか?

   その誤った予測に基づいて石木ダムが必要と言ってきた。

水道局長:同じ一日平均配水量といっても予算時のものと再評価の時のものは意味合いが違う

   施設の規模を決定する際の予測値は10年先を見据え、リスクも加味したものでなければならず、

   予算時は直近の実績を見極めて料金収入を算出するためのものでシビアな数量になるのは当然。

   両者がピッタリ合えばそれが一番わかりやすいかもしれないが、違ってもしかたない。

   我々が説明すべきことは再評価での予測の合理性であり、その結果についてではない

 

つまり、5年ごとの再評価では、石木ダムの補助金をもらうために、様々な理由付けをして、

過大な水需要予測をたてる、その合理性が説明できればそれで良い。

その予測が当たっていようが間違っていようが、結果は関知しない。

と言っているように聞こえます。

私はあまりにも無責任な言い逃れに吹き出しそうになりましたが、

他の傍聴者からは怒りのヤジが飛び、質問者の山下委員の憤りも頂点に達しました。

努めて平静に質問を続けておられましたが、委員会の途中で退席、病院で点滴を受けることに…。

 

当たっても当たらなくてもいい予測なら誰でもできる!

素人でもできる!

私でもできる!

そんな信ぴょう性のない予測に基づいてだされたのが「あと4万トンの水源不足」で、

その4万トン確保のためには「石木ダムしかない」と言ってきたってわけです。

いかに石木ダムの必要性がいい加減なものであったかが判明した瞬間でした。

 

その言葉を信じて石木ダムを造っても恐らくダムの水は必要ないでしょう。

そのとき彼らは言うでしょう。

「結果的には予測が外れましたが、それは……が原因で、当時としては妥当な予測でした」

 

民と官の違いは散々言われてきましたが、公務員や公営企業の感覚がこれほどとは… 

私は初めて実感しました。