付替え道路着工できず・・・阻止活動を伝える各紙

付替え道路工事阻止を伝える7月31日の各紙を貼付します。

朝日新聞

 

長崎新聞(1面)

 

長崎新聞(27面)

 

長崎新聞の解説は核心を突いています。

「対話より手続き優先」、これが県の姿勢です。

県のやろうとしている「話し合い」は地権者の疑問に真摯に答えようとする「対話」ではなく、

測量や工事と同様に、自分たちの目的を達するための「手続き」に繋がるものでしかありません。

 

「理解を求める」と言いながら、「理解する」ための素地をわざわざ消し去っています。

このやり方を改めない限り、溝は深まるばかりです。

 

立ち入り調査阻止行動 初日に関する報道

今日の新聞各紙の記事の見出しを紹介します。

長崎新聞1面:石木ダム立ち入り調査 測量 反対派が阻止 県、28日にも再度試み

長崎新聞27面:アリバイづくりだ 県、滞在わずか10分

西日本新聞:県、石木ダムの調査できず 反対地権者や支援者が阻止

朝日新聞:石木ダム 地権者の抗議で 県が測量できず

読売新聞:石木ダム 立ち入り調査できず 地権者ら80人阻止行動

長崎新聞1面

長崎新聞27面

 

西日本新聞

 

朝日新聞

 

読売新聞

裁決申請へ対立激化〜長崎新聞解説

今朝の長崎新聞です。

石木ダムをめぐる県と住民の対立の現状について、わかりやすく解説しています。

 

1.なぜ対立しているのか

県:石木ダムを建設したい→反対地権者の土地が必要→強制収用してでも取得したい

地権者:石木ダムは必要のないダム→必要のないダムのために自分たちが犠牲になるのは嫌

 

2.なぜ対立が激化しているのか

県:強制収用を可能にする裁決申請の期限まであとわずか。急いで手続きを進めたい

地権者:話し合いは続けると言いながら、一方で権力を振りかざしている

  32年前の強制測量の時と同じ。二枚舌を使う県のやり方は許せない

 

3.付け替え道路工事

県:工期の残り期間も迫っているし、今回の工事区間の土地はすべて買収済み。早期に着工したい

地権者:今回工事区間ではないが、残り区間に我々の土地が含まれている。我々は絶対に売らない  

   つまり道路は完成しない。完成しない道路に使った税金は無駄になる

記者:県の工程表では、付け替え道路の開通目標は2016年度となっているが、道路の完成には

   数年を要し、現実的には困難。県は工程表の再変更も視野に入れている

 

このように冷静で客観的な状況分析をした後、

この記事の下のコラム「記者の目」で、宮崎智明記者は指摘しています。

県のいう「話し合い」は、「帳面消しとしか思えない」と。

「話し合いと裁決申請への手続きを平行して進める」こと自体が、どだい無理な話だ。

とも述べています。

全く同感です。

左手に刀を持ったまま、右手で握手しようとしても、誰がその手を握れるでしょう!

 

 

知事と地権者の面談を伝える報道

長崎新聞1面

 

長崎新聞27面

 

朝日新聞

 

西日本新聞

 

毎日新聞

 

読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/local/nagasaki/news/20140711-OYTNT50194.html

石木ダム事業 知事、反対地権者と面会

 県と佐世保市が川棚町に建設を計画している石木ダム事業を巡り、中村知事は11日夜、予定地内のこうばる公民館を訪れ、建設に反対する地権者13世帯に協力を求めた。地権者側は「今はダムが必要な水不足の状況にない」などと反発した。

 反対地権者が集団で知事と面会するのは2010年9月以来2回目。知事には佐世保市の朝長則男市長と川棚町の山口文夫町長が同行し、地権者側は弁護団や支援者を含めて約50人が参加した。

 国は昨年9月、ダム事業の公益性を認めて土地収用法に基づく事業認定を告示。県は建設に必要な土地を強制的に収用することが可能となり、その裁決申請期限が9月8日に迫っている。知事は「残された時間はわずか。そろそろ具体的な事務手続きを進めなければならない」と地権者側に立ち退きに理解を求めた。

 これに対し、地権者の岩下和雄さん(67)は「時間がないから同意しろと言うのか。我々の理解を得たいのなら、ダム以外の選択肢も含めて議論すべきだ」などと主張した。

 

NHK
http://www3.nhk.or.jp/lnews/nagasaki/5035623681.html

石木ダム 知事と地権者が面談

長崎県と佐世保市が川棚町に建設を計画している石木ダムをめぐり、中村知事は11日夜、ダムの建設に反対する地権者と面談して改めて建設への協力を求めましたが、地権者側はダムの必要性は認められないとして、議論は平行線をたどりました。
石木ダムをめぐっては、国が去年9月、地権者から土地を強制的に収用することが可能となる「事業認定」を行い、ダムの建設に反対する地権者との対立が深まっています。
こうした事態を打開するため、中村知事は11日夜、現地を訪れて、地権者や弁護団などおよそ50人と面談し、「ダムは地域の治水対策に必要でどうかご理解を賜りたい」などと改めて建設への協力を求めました。
しかし、地権者側からは「佐世保市への水の供給量の実績は下がっているのになぜ市が立てている需要予測は上がることになっているのか」などとダムの必要性を疑問視する声が相次ぎ、議論は平行線をたどりました。
面談のあと、中村知事は「地権者の皆様にはダム事業が理解できないというお気持ちがあると思うが、話し合いをさせて頂くなかで、ご理解を得られるよう努力していきたい」と述べました。
一方、地権者の岩下和雄さんは、「私たちは不要なダムだと思っているが、県がどうしても必要だと言うならその根拠を示して頂かなければならない」と述べました。

 

NBC長崎放送 
http://www.nbc-nagasaki.co.jp//news/nbcnews.php#4

石木ダム反対地権者と知事が面会

県と佐世保市が東彼・川棚町で計画している石木ダム事業で、事業に反対している地権者と中村知事が11日夜、4年ぶりに話し合いの場を持ちました。地権者と中村知事との話し合いは、川棚町の地元公民館で行われ佐世保市長も同席しました。石木ダム事業を巡っては、県が土地を強制的に収用できる「事業認定」を受けたことから、地権者らは反発を強めています。土地の収用を採決する委員会への申請期限が9月に迫る中、地権者らは中村知事に、ダムの必要性を直接説明するよう求めていました。中村知事は「川棚川の治水対策、佐世保市の水不足を解消するために不可欠な事業。私はこれからも話し合いの中で解決を目指してまいりたい」とあいさつ。これに対し、地権者代表の岩下和雄さんは「私たちの理解が得たいという思いなら、ダム以外に方法がないか納得のいく議論をしていこう」と答えました。その後の議論では、中村知事らがダムの必要性として、佐世保市の水不足解消を主張したのに対し、地権者側は「水は足りている」と反論。最後まで議論はかみ合いませんでした。

 

KTNテレビ長崎
http://www.ktn.co.jp/news/

石木ダム 中村知事が4年ぶりに地権者と面談

東彼・川棚町に建設が計画されている石木ダムをめぐり、中村知事と、反対地権者が、昨夜、4年ぶりに面談しました。しかし、計画への理解を求める県側と、白紙撤回を求める地権者との溝は埋まりませんでした。 

石木ダムの建設予定地にある東彼・川棚町の川原公民館で、4年ぶりに顔を合わせた中村知事と、反対地権者。冒頭、中村知事が、計画への理解を求めますが、地権者らは反発。計画の根拠となっている水需要への疑問をぶつけました。馬奈木昭雄弁護士「(実績では)減っているのに、なぜか予測をたてると、今後は右肩上がりで伸びていく。なぜ、こんな予測をたてるのか」これに対し、中村知事や佐世保市の朝長市長は、水需要は適宜見直していて、これから起こり得る水害や、水不足に備えるためには、石木ダムが必要だと説明しました。しかし、地権者側は、すでに対策は進んでいて、ダム建設は必要ないと主張。2時間を超える議論は、平行線のままでした。地権者・岩下和雄さん「私たち13世帯は、ここで生活を営んでいるんですよ。こういうダム計画は、早く中止してほしい」中村知事「これは、我々の使命ですから、これからも努力していかないといけない。」中村知事は、今後も話し合いを続ける姿勢を示す一方、建設予定地の強制収用については否定しませんでした。

 

NCC長崎文化放送
http://www.ncctv.co.jp/news/

知事が石木ダム地権者と面談

県と佐世保市が東彼・川棚町に建設を計画している石木ダムを巡り中村知事が建設に反対する地権者らと4年ぶりに面談しました。中村知事と朝長佐世保市長らは11日夜、ダム建設予定地の公民館を訪ね、ダムに反対する地権者や弁護団と2時間半に渡って意見を交わしました。利水と治水のためダムが必要と訴える県側に対し、地権者側は「必要性の根拠に納得ができない」などとして、議論は、またも平行線に終わりました。石木ダムを巡っては土地の強制収用に向けた裁決申請の期限が9月に迫っています。

 

以上です。

マスコミは「平行線」という言葉が好きなのか、

正直そのようにしか見えないのか…定かではありませんが、

今回も、そのような言葉が目につきます。

後者だとしたら残念です。

 

昨夜は、やっと話し合いの第一歩を踏み出したところです。

今後少しずつ距離を縮めていきたい、

本当に実りある議論をすることによって、

佐世保市の水の実態と川棚川の治水の問題を、行政と市民が真剣に語り合い、

ダム有りきではなく、真の有益な対策を考えていきたい、

と思っているところです。 

マスコミの皆さんにも、そのような目で見守っていただけたら有難いな・・・

 

対話の必要性を説く長崎新聞

今日の長崎新聞には、石木ダムに関して2つの記事がありました。

どちらも大きな扱いです。

 

まず初めは、一面のコラム「水や空」

知事が地権者と会って話し合うことの重要性を示唆しつつ、

その会合が「帳面消し」などでは何の前進も得られないだろうと書かれている。

と同時に、その面談申し入れの経緯もチラリと触れられていて興味深い。

知事が本当に「胸中静かに期するもの」があって、面談の決意をしたのなら、

「ダム事業へのご協力をお願い」などと条件をつけずに、

ただ「会って話し合いましょう」と書くべきだった・・・

その文書は河川課長名で出されているので、条件は課長の意思かもしれないが、

河川官僚などに遠慮せず、地権者とじっくり話し合ってほしい。

 

こちらは、11ページの3分の2のスペースを割いての「記者の目」

イサカン問題と石木ダム問題に対する県の対応について、正論を吐いている。

イサカンに関しては、「開門調査は白紙に戻して撤回すべし」と国に迫り、

石木ダムに関しては、「ダムの必要性を白紙に戻しての議論はできない」と地権者を一蹴する。

どちらも国によって判断されたのに、全く正反対の態度を取っている矛盾をまず指摘。

 

その上で、いやいや、矛盾どころか実は一貫している。

県として決めたことは誰が何と言ってもやり抜くんだという姿勢、

聴く耳持たぬと言う態度は一貫している。

でも、それでは何も解決しない。

県はもう少し懐の深さを持って、地権者と対話すべきだと説いている。

 

そして、これまで同様‶先送り”するだけでは「問題に振り回される住民があまりにも不幸だ」

と書かれていました。

本当にその通りだと思います。

県はそろそろ本気になってほしい。

本気で石木ダム建設を考えているのなら、本気で地権者の疑問に答えるべきです。

第三者の判断だとか、国のお墨付きだとか、責任転嫁したまま強制収用への道を突き進むなら、

イサカンの失敗を再現するだけ。

それでは、住民だけでなく県民もあまりにも不幸です。

 

石木ダム説明会 ダムなしで洪水防げる

今日の西日本の記事のタイトルにご注目!

昨日の説明会の核心を捉えていますね〜

 

こちらは、朝日新聞の記事です。

浅野部長の言葉がきちんと紹介されています。

 

こちらは長崎新聞の記事。

 

宮崎記者は、この日だけでなく、前日にも石木ダムをめぐる記事を大きく掲載しています。

知事との「面談実現が焦点」と指摘。

知事もそろそろご決断を・・・!

 

NHK

石木ダム 県が地権者に説明

石木ダム 県が地権者に説明

長崎県と佐世保市が川棚町に建設を計画している石木ダムをめぐり、建設に反対する地権者側の要請を受けて、長崎県は21日、現地で説明会を開きましたが、大きな進展はなく、地権者側は改めて知事本人の説明や新たなデータの提供を県側に求めました。
石木ダムをめぐっては、国が去年9月、地権者から土地を強制的に収容することが可能となる「事業認定」を行い、建設に反対する地権者との対立が深まっています。
21日は地権者側の要請に応じて、長崎県が現地で説明会を開き、はじめに浅野和広土木部長が「これまでの県の説明では十分ではなかった部分もあり、改めて説明をしたうえで、意見交換をしたい」と述べました。
説明会では、地権者側の弁護団がこれまでの河川改修によって、洪水被害は、ダムがなくてもある程度防げるのではないかとただし、県側は、河川改修が完全に終われば理論上は対応できることを認めました。
一方で、県側は、100年に1度の水害を想定するとダムが必要になると説明し、これに対し、弁護団からはそうした予測の根拠となる具体的なデータなどの提供を求めました。
また、地権者側は改めて知事本人の出席を求め、県側は、検討したうえで回答する考えを示しました。
06月21日 20時15分

 

NBC 06月22日
石木ダム 住民説明会

県と佐世保市が東彼・川棚町に計画している石木ダム事業で県は、21日、事業に反対している地権者らに説明会を開きました。石木ダム事業をめぐっては県が強制的に土地を収用できる事業認定を受けたことから地権者は反発を強めています。これまで、地権者らはダムの必要性を中村知事、自らが説明するよう求めてきましたが内容が専門的であるとして土木部長らが地元へ出向き説明会を開きました。この中で、地権者らはこれまでに行われた河川改修によって治水目的のダムがなくても川棚川流域で過去に起きた4度の大きな洪水被害は防げるのではないかと指摘ー。県も、これを認めました。また、ダムの必要性の根拠となるデータなどを開示して説明するよう要請しました。地権者らは改めて知事との面会を求めており県の回答期限を来週いっぱいとしています。
 
 
KTN
石木ダム・4年ぶりに現地で県と地権者面会
 
県と佐世保市が東彼・川棚町に計画している石木ダム建設について、県はきのう現地で地権者に対する説明会を開きました。説明会は、きのう石木ダム建設予定地である川原地区で行われ県の担当者が地権者と意見交換を行いました。説明会では県の浅野土木部長などが治水面でのダムの必要性を強調したのに対し地権者側からは県の根拠を質す声が上がりました。過去の洪水被害により川棚川は改修などが進められていて、県側は過去と同程度の降雨ならば水害は防げると答えたものの、100年に一度の災害への備えを理由にダムの必要性を繰り返しました。地権者側は改めて治水の根拠となるデータを開示するよう求めるとともに知事出席の下で説明会を開くよう要請しました。
 

5月24日の記事

今日の記事を添付します。

昨日の水道局による第3回説明会についての記事は長崎新聞だけでした。

 

今日の西日本新聞には、ブックレットの記事がありました。

これをきっかけに、また注文があるといいな〜

 

 

新聞テレビも伝えています 「中村知事 面談応じず」

今朝の長崎新聞です。

 

西日本新聞はカラー写真入りで報じています。

 

読売新聞

 

毎日新聞

 

朝日新聞

 

NIB長崎国際テレビは、昨夜のニュースで、次のように報じました。

個別か集団か 面会方法で議論平行線
 知事との面会は「個別で」とする県と「集団で」とする地権者ら。両者の話し合いは19日も平行線をたどった。石木ダムの建設に反対する地権者らが19日、県に抗議文を手渡した。
 県のもとを訪れたのは石木ダムの建設に反対する地権者や弁護団など約40人だ。反対地権者らは19日、県庁で知事との面会を求めていたが「個別で話をしたい」として県側が拒否していた。地権者らは「弁護団なども含めた集団であれば知事との面会に応じる」として、改めて日程調整を求める文書を県に送る方針だ。県側は「文書を受け取った上で対応を検討する」としている。
 
 
KTNテレビ長崎
 
「全員で面談を」石木ダムの地権者などが県に抗議

 東彼杵郡川棚町の石木ダム計画に反対している地元の地権者などが、「中村知事は公開の場での面会に応じるべき」として、きょう県に抗議しました。 
 抗議のため長崎を訪れたのは、石木ダムの計画に反対している13世帯の地権者や支援者などおよそ50人です。地権者・岩下和雄さんは「私たちのダム建設に対する疑問に対し、誠実に説明をしていただきたいと思います」と挨拶しました。 きょうは 抗議文などを、県の浅野和広・土木部長に手渡しました。 石木ダムをめぐっては先月21日、中村知事が「事業への理解を求め生活再建策を相談する」として、現地を戸別訪問しました。 これに対し、地権者側は「県庁に赴いて全員で中村知事と面会したい」と希望しましたが、知事は「地権者一人ひとりに会う」として公開の場で団体で面会することを拒否していました。岩下和雄さんは「私たちが理解する説明をしてくれないから、こういうことになっているんですよ。一人ひとりが聞いて、自分のことに理解できると思えないので、みんなでそのことについて話し合うこそ理解ができるんですよ」と県の担当者に訴えました。 話し合いで、県側は「知事は、それぞれの世帯ごとに違った事情があるので、個別に話を聞きたいと話している」と応えるにとどまり、議論は平行線をたどりました。浅野和広・土木部長は「できれば知事に会って頂いて個別にお話ができたらと思っていますけども、(団体で会うことについて)ご意見はご意見で、一回持ち帰らないといけないなとは思っています」とこたえました。 対する地権者側は「個別の事情に配慮してもらわなくても良い」として、今月23日までに知事との面会日についての書面を県に送る考えです。

KTNは動画ニュースも今なら見れます。
http://www.ktn.co.jp/news/

 

各社の報道はその通りなのですが、「平行線」という言葉に少しだけ「?」を感じます。

確かに昨日のやりとりだけを見れば「平行線」のようですが、過去の県との面談から比べると、完全な平行ではなくなったように思います。

前回まで対応していたのは川内企画監一人だったのに、今回は河川課長と土木部長まで出てきました。

そして、川内企画監は、「お答えは控えさせていただきます」として、一切の質問に答えない方針でしたが、昨日の部長の態度はそうではありませんでした。

地権者の方の具体的な疑問に対しては答える必要があるとの前提に立って、その役目は知事ではなく、担当部署の方でやりたい、というものでした。

私は、大きな前進ではないか?と期待しているのですが…

 

西日本新聞『春秋』に、石木ダムと「ダムのツボ」のことが!

先ほど友人から送られてきた記事。

今日の西日本新聞の『春秋』です。

福岡本社の論説委員の方が書かれたものです。

この方は、現在開催中の「ダムのツボ展inパタゴニア福岡」で、ダムのツボをご覧になって、関心を持たれました。

実際に虚空蔵山にも登られていて、日向の棚田などよくご存知でした。

現地を知る方だからこそ、書かねば…と思われたのでしょう。

「ダムのツボ」の力と、パタゴニア福岡に感謝!です。

 

記事はネット上でも読めます。

http://www.nishinippon.co.jp/nnp/syunzyu/article/87486

 長崎県川棚町、切り立つ山容の虚空蔵(こくぞう)山(609メートル)に源を発する石木川流域は日本の農山村の原風景が残る場所だ。上流には美しい石垣が積まれた棚田が広がり、家の庭先ではこいのぼりがはためく。登山者や湧き水を求める人も多い

▼一帯で石木ダム建設計画が浮上したのは1962年。隣の佐世保市と長崎県による事業着手後も住民の反対で建設が進まなかったが、昨年9月に国が土地収用法に基づく事業認定をして事態は急展開した

▼棚田から下った水没予定地・川原(こうばる)地区の13世帯、約60人の住民は「絶対に移転しない」とダム建設阻止を掲げ運動を続ける。約半世紀の間、反対運動に関わる祖父母、両親の姿を見てきた住民の一人、いしまるほずみさんは故郷の自然の豊かさとダム計画の「おかしさ」をイラストで描いた冊子「ダムのツボ」を発行。「付け替え道路も造られ流域全体の景観や生態系が変わる。多くの人に関心を持ってほしい」と話す

▼行政が建設理由とする「佐世保市の水不足」や「洪水の危険性」に住民側は専門家の見解を踏まえ反論する。両者の溝は深い

▼県収用委員会への裁決申請期限は今年9月。ダム建設で多くの居住地権者が反対のまま強制収用した例はあまり聞かない

▼地域の象徴、虚空蔵山の由来とされる虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)は無限の知恵と徳をつかさどる。名にふさわしい英知ある策はないか。強い関心を持って推移を見たい。

=2014/05/11付 西日本新聞朝刊=

 

知事定例記者会見 4月30日 質問集中石木ダム問題

4月30日におこわれた定例記者会見。

新聞テレビの記者さんたちは、石木ダムに関する今後の動向について、

これまでになく熱心に知事に質問を繰り返していました。

その記録を転載します。

 

平成26年4月30日 定例記者会見より石木ダム問題のみ抜粋

 

記者(西日本新聞社) 石木ダムについてですが、先日、知事は現地を訪問されて、付替道路については近々着工したいというお話をされていましたが、その目処みたいなものは何かありますか。

知事 まだ、具体的な作業については検討中であり、いつ頃というのは聞いておりません。

○記者(NBC) 同じ(質問)ですが、石木ダムの件で9月着工の見通しと、あと、現地訪問されて、その後の地元の反対の方々とその話し合いが進んでいるのかどうかという部分ですけれども、そういうところを教えて下さい。工事については、入札はもう終わっているわけなんですよね。だから、今、どういう段階にきているのかというのを伺いたいんですけれども。

知事 詳細な作業スケジュール、手順を検討している。例えば、用地についてはもう既に買収済みの用地ですので、どこからどういう手順で工事を進めていくのか、そういう検討作業を進めているのではないかと思います。

○記者(NBC) 地元の方とその後の話し合いはいかがですか。

知事 その後、話し合いをさせていただくような機会は頂いておりません。

○記者(NBC) また行かれるご予定とかはどうですか。

知事 今のところは具体的なスケジュールとして決まったものはございません。

○記者(NCC) 石木ダムの関連なんですが、知事は前回訪れた際に、まだ強制収用のことは考えてないというふうにおっしゃられたと思うんですが、いつごろまでがデッドラインだというふうにお考えでしょうか。

知事 今の手続から言うと、今年の9月ぐらいには一定の期限があると思います。その前には一定方向性をお示ししないといけないのかなと思っています。

○記者(長崎新聞社) 石木ダムに関して9月までに強制収用するのか、しないのかを判断するようなことを言われていましたけれども、判断材料というのは、どういうことで判断されるんですか。

知事 まずは総合的な判断をさせていただく必要があるだろうと思っております。ダム自体は、これまでも繰り返し申し上げておりますように、佐世保市の水不足の解消、川棚川の治水対策のためには欠かせないと思っているところであり、あとはスケジュール感をどう考えて事業を推進していくのか、引き続き地権者の皆様方のご理解が得られるように全力で努力していかなければならないと思っております。
  ただ、手続的には、先の事業認定申請の際に、そういった前提(裁決申請)の手続を取ってきているところもございますので、それまでには一定、考え方を整理していく必要があるものと思っています。

○記者(NCC) もう一度、石木ダムの関連なんですが、話し合いの場を設けるといっても、なかなかこのように座った状況で面と向かって話す時間というのは、なかなかつくれないのかなという中で、先日、訪問されたということも、ああいうのもやはりカウントの一つとして考えて今後取り組んでいかなければいけないと思うんですが、反対地権者の方々との冷静なやりとりというのは、ちょっと難しいんじゃないかというような現状ですが、そういうことが続いたとしても、もう9月にはやむを得ないというような判断でよろしいんでしょうか。

知事 期限が来るということですね。手続上の一つの期限が9月には来るということでありますので、その前に、それはもちろん理解が得られるように最大限の努力を重ねていきたいと思っております。

○記者(NBC) それに関してですけれども、期限が来るというのは、いわゆる収用委員会への裁決申請というか、それを9月までにしなければいけないのではないかと思うんですが、別の次元の話で、先ほど伺った付替道路の工事着手という話があると思うんですけど、これは付替道路の工事というのは収用委員会の裁決申請まで待たれるみたいなことになるんでしょうか。

知事 それは全く別次元の話ですね。この付替道路の方は、特にこれまで賛同いただいた地権者の方々も、墓地までに行く道路が非常に不便で早く整備してほしいというような要請もいただいているわけであります。そして、この用地は既に県有地として取得済みの用地でありますので、その中で道路工事を進めさせていただきたいということであります。したがって、ダム本体の関連する分とは全く別の性格の事業でありますので、そちらの方を進めさせていただこうと思っております。

○記者(NBC) それはもう、付替道路の工事は早く着手されるということですか。

知事 そうですね。できれば早く着手していきたいと思います。

○記者(NBC) 例えば5月中にとか、いろいろそういったような目処というのはどうでしょうか。

知事 冒頭申し上げたように、スケジュールについては今検討中でございます。

○記者(NHK) 今の石木ダムの関係なんですけど、先ほど、9月に期限が来てしまうと。そこまでには判断ということですけど、確認ですが、それは強制収用もあり得るという意味での判断ということでしょうか

知事 全体を含めて結論を出していくべき時期は9月前後に来るということです。

○記者(NHK) 強制収用も含めてということですか。

河川課長 収用委員会への(裁決申請の)判断を9月にやるということで、(仮に収用をするとなると)まだそれから先の手続になります。9月は収用委員会への(裁決申請)の判断であります。

○記者(長崎新聞社) しかし、道路(工事)に着手される時は、反対派の方々は恐らく抗議行動なりされると思うんですが、その際、強行されますか

知事 強行というと、どういうことが強行でしょうか。工事が順調にできるのであれば着手をさせていただきたいし。工事ができないような阻止活動のことをおっしゃっていますか。
  そうであれば、その時に考えないといけないと思います。

○記者(長崎新聞社) 強制収用の件ですけど、今の環境が9月までにそう変わらなかった時でも、やはり何がしかの判断をせんばいかんという話ですね。今の環境のまま、できると思われていますか。

知事 今の段階で判断できるような状況ではないと思います。その時までにきちんと見極めて(いきたいと思います)。

○記者(長崎新聞社) 今の状況が9月まで進んだとして、9月段階では強制収用できるという判断が可能なんでしょうか

知事 まだそこまでは判断しておりません

○記者(NBC) 知事は地元の方々と話し合いたいという意向でいらっしゃいますけれども、付替道路の工事に着手するとなると、先ほど、長崎新聞さんも言われたように、結構、混乱も考えられるし、逆に言うと、地元の方としては、もうそこですごく反発されると思うので、知事が言われていることの行動が矛盾するような形になるんじゃないかと思うんですけれども。

知事 これまでずっと一貫して地域の皆様方のご理解が得られるようにということで戸別訪問も重ねてまいりましたし、私も話し合いの場等を設けていただけるようにお願いをしてきた経過があります。その姿勢は一貫して変わらないわけでありまして、着手したから県の姿勢が変わるかというと、決してそういうことではないと思っております。

 (太字はブログ人的に重要と感じた部分)

 

要するに、

①9月までに収用委員会に裁決申請するかどうか判断する。現段階では判断できない。

②それとは別に、付け替え道路工事は早く始めたい。

③その工事目的は「これまで賛同いただいた地権者の方々」の墓参のための道路整備。

④今後も地権者の理解を得るべく「話し合いの場等を設けていただけるようにお願い」したい。

ということのようです。

 

①そりゃあ現時点で強制収用に繋がる収用裁決申請をするなんて言えませんよね。(思っていても)

③新しい目的?口実?初耳です。

④地権者の皆さんも「話し合いの場」を求めています。

 これまでも「話し合いの場」を求めて何度も県庁へ行き知事への面会を求めましたが、

 知事は会おうとしませんでした。

 今月19日、もう一度、地権者側から県庁に出向きます。

 そこに知事が出席して頂ければ、「話し合いの場」はすぐに実現します! 

 もし、お断りになれば、「話し合いの場等を設けていただけるようにお願い

 という言葉は真っ赤な嘘知事は嘘つきということになってしまいます。

 今度こそ、会っていただけますよね?

 そして、地権者の思いを聴いてください