坂本龍一さん「ホタルの季節に帰ってきたい」 



昨日、夕方のNBCニュースで、石木ダムの特集がありました。3月25日の坂本龍一さんのトークイベントを中心に、「ほたるの川のまもりびと」試写会や、地元の近況など盛り沢山の内容でした。

まもり隊でも、25日の坂本龍一さんの来訪には多大な感謝と感心を持って密着していましたので、遅ればせながらレポートさせて頂きます。


右から辻井氏、津田氏、こうばる総代Sさん、住民S子さん、坂本氏。

こうばる広場に車から降り立った坂本さんらは、SさんとS子さんの案内で、すぐにガードレールのところに歩み寄りました。皆さんが見ていたものは、



春の小川の石木川。



橋に結びつけられた色あせたリボンのメッセージを読む坂本さん。2016年秋のWTK(こうばる田んぼで野外コンサート)のとき、来場者が残していった応援メッセージです。


坂本さんは何を指さしていたのでしょう。

周辺を散策した後、一行は川原公民館へ。



36年前の強制測量時の写真を見せながら説明するS子さん。
「この時はこんなふうにおばあちゃんたちも一緒に座り込んでですね。…もう私たちが、その歳になりました…」

椅子に乗って壁にサインをする坂本さん。その椅子を押さえる辻井さん。
あ、発見!坂本さんって左利きなんですねー



こちらがそのサイン。上が坂本さん、下が津田大介さん。

「川原のうた」の看板に足を止める坂本さん。

その後、長崎へ移動。
14:10、長崎市平和会館ホールにて、いよいよ今日のメインイベント「スペシャルトークセッション」の始まりです。



いしきをかえよう実行委員会のサポーターであるパタゴニア日本支社長の辻井隆行さんから、まずご挨拶があり、スペシャルゲストのお二人をご紹介。



進行は金髪のジャーナリストでお馴染みの津田大介さん。広い知識と鋭い問題意識で、トークをぐいぐい牽引。

津田さんに投げかけられたテーマについて、常に自然体でフランクに答えていた坂本さん。飾り気のない誠実なお人柄を感じました。



三人のトークで特に印象に残った内容は、

坂本さん:石木川を見て驚いた。非常に小さい。せせらぎに近い。あんなところにダムを造る必要があるの?

辻井さん:計画から50年も経っている。人口も水需要も節水機器の普及も変化しているのに、その部分が話し合われているのか・・・

坂本さん:50年前は必要性があったかもしれない。よくあることだが、官僚とか国とか役人とかは一度決めたことは絶対変えないという悪い習慣がある。それの典型例ではないのだろうか?

必要性をきちんと考えることは大事で、そのためには三権分立や情報公開がとても重要であるという点で三人は一致。

坂本さん:アメリカは裁判官がしっかりしている。決してリベラルではないが、憲法が一番大事で、たとえトランプに睨まれても法に従う。当たり前のことだけど、それは徹底している。どんなに都合の悪いものでも公文書は全て50年間保管している。広島、長崎の原爆による放射能被害などもそれによって明らかにされた。

津田さん:原発や巨大防潮堤もそうだが、必要性の薄いものに対して、忖度や、ムリな理屈をつけて、権力に頼って作業を進めていく。そういうやり方でいいのか、意識を変えないといけない。

辻井さん:ところが、なんとなく政治の話はしてはいけない雰囲気がある。でも、坂本さんの本に民主主義の社会では「ワーワー言うことが大事」と書かれていて、そうだなと共感した。

坂本さん:ワーワー言うのは面倒くさいけど、義務だと思うから。

津田さん:いつ頃からそう思うようになったのか?

坂本さん:一番下の子が生まれたとき。彼が二十歳になった時どういう世界になっているのだろうと思うと怖くなった。僕らが享受している自然とか水とかそういうものを、後の世代に残さないと大人として恥ずかしい。環境資源は有限だから、使えばなくなる、僕らは100年前、200年前に比べるとずいぶん豊かな生活をしている。その豊かな生活のために未来の資源を奪っている。残していく使い方を考えねば。

辻井さん:僕たちもそれは実感している。30年前に登れた氷河が今はないとか、感じることができる。自然が自然の力で回復できるスピードをはるかに超えて、僕たちは資源を使っている。僕たちのビジネスは死んだ地球では成り立たない。

大事なものは何かという話の中で文化予算についての話が出てきました。

津田さん:国の道路予算は1.5兆円。高速道路に2.5兆円使っている。一方、文化予算はわずか1000億円。これはフランスの5分の1で、韓国の半分。国家予算に占める文化予算の割合でみると日本は韓国の20分の1。

これにはショック!ですね。

他にもたくさん興味深い話が聞けました。が、いずれも、もっとじっくり聞きたかったなー。

最後に会場からの質問です。
狭くて濃い地域社会に対して、ノスタルジー以外でどういった意義を感じるか?

坂本さん:15年以上前、環境問題を扱ったマンガの表紙に一瞬違和感を覚えた。それは何十年後かの日本を描いたもの。小川があってトンボが飛んでいて、風車が回っていて・・・え?50年後がこれ?と思った。僕が子どもの頃の風景に似ている。未来社会というと、自動車が空を飛んでいたり、スターウォーズの世界を思い描きがちだけど、そうじゃないんだと気づいた。ぼくたちは沢山いろんなものを壊したりゴミを残したりしてきたけれど、それらをクリーンにして、暮らしやすい環境を創るのがいい未来ではないかと思った。ノスタルジーというと失ったものを振り返るのだけれど、そうではなく、未来にそれを投射する、こっちの方がいいと選んでいく。ほたるあふれる石木川を未来に残していこう、目指していこう、と僕らの意識をかえていくことが大事だと思う。

最後の坂本さんの挨拶も素敵でした。

今日は早起きして、途中かなり眠たかったけど、現地に行けて本当によかった。また、ホタルの季節に帰ってきたい。

最後は恒例の写真タイム。



あらら・・

「まもりびと」が「まもびりと」になってますよー (;^ω^)


ま、いいか~

はい、イシキーーーーー!

過去40年間で淡水域の動物が81%も減少!?

世界自然保護基金(WWF)によると、野生動物の個体数が約40年前と比べて半数以上減ったという。
https://www.wwf.or.jp/activities/data/201610LPR2016_jpn_sum.pdf

特に、河川などの淡水環境に生息している生物が81パーセントと、最も大きく減少しているという。



その要因として、世界に約4万5000基もあるダムの影響が語られていました。

自然河川は淡水環境における原生自然域といえる。

これらの川の様々な自然の流れが、川の中と河岸の多様な形状を定め、形成していく。

自然のままに流れ、合流する川は、堆積物を下流に運び、氾濫原の土壌に栄養素をもたらし、異常気象から川を守る氾濫原と三角州を維持し、保養や精神の安らぎのための場を提供することから、多くの場所で欠かすことができない。

ほぼ例外なく、自然河川が残る場所は脆弱な淡水の生物多様性の拠り所となっている。

ダムなどの設備は、障壁を作ることにより流れを分断し、流れの規則性を変えてしまうことから、自然河川にとっては脅威である。また、ダムは長距離の回遊をする魚に対しても、回遊ルートをさえぎり、魚の完全なライフサイクルを困難にしたり、不可能にしたりするという影響をおよぼす。

こちらのサイトでも、この問題を大きく取り上げていました。
過去40年で動物の半分以上が消えた
(gigazine.2018年02月10日) http://gigazine.net/news/20180210-lost-50-wildlife-40-years/

「世界自然保護基金(WWF)」が行った発表によると、野生の陸上や海中、河川に生息する動物の個体数が約40年前と比べて半数以上減っています。その主な原因は、人々がエネルギーや食卓に並ぶ食糧などを用意する「文明的な暮らし」を行うための自然環境への開発や森林伐採であり、今後の生活の在り方を人々に問う状況となっています。

WWFの「Living Planet Report:生きている地球レポート」によると、約40年前の1970年代に比べ、野生動物の数が半分以上の58パーセントが減少したことが示されています。理由は人々の「消費行動」のため自然破壊の犠牲として、動物の生息域への「汚染」と「破壊」が原因とのこと。

1970年から2012年までにそれぞれの生息域の動物の個体数は、魚類などの海に生息している動物は36パーセント減少し、ゾウなどの陸上に生息している生物は38パーセント減、そして河川などの淡水環境に生息している生物が81パーセントと、最も大きく減少しています。また、鳥類のいくつかの種における劇的な個体数の減少も報告されています。

WWF淡水環境担当チーフアドバイザーのDave Tickner氏によると「河川は自然のシステムの大黒柱」です。河川は、陸上で起こった汚れを最後に引き取り、せき止める、そして水害を抑える役割がある」とのこと。また世界には主に4万5000基ものダムがあり、これらは河川を細かくわけるので河川の水流を妨げます。また、世界には高さが15メートル以上の大きさのダムが約4万5000基あります。Ticker氏によるとこれらのダムは「河川を細かく分断してしまうために、きれいな水の流れが損なわれてしまう」とのこと。さらに、世界人口は50年前に比べ4倍になりましたが、水の消費量は7倍となっている状況があり、これらが合わさることで「人類と河川の生物は水不足に陥るだろう」とTickner氏は述べています。

WWFの自然科学者であるKen Norris教授は、「もし、来週にイギリスのロンドンにある動物園の動物たちの半数が死んでいたら大ニュースになるでしょう。しかし、それが自然界にいる動物の半数でおきています」とコメント。

沖縄県民の投稿 石木ダム辺野古と同じ

最近、石木ダムに関する投稿記事が目につきます。いずれも頷きたくなるご意見ばかりですが、今日の記事は特に心に残りました。



特に後半、もう一度ゆっくり目で文字を追いました。

もし自分の目の前で〝大切なもの″が壊されるとしたら、体を張ってでも止めるのではないだろうか。

そう。そうなのです。今まさに大切なものが壊され奪われようとしているから、重機の前に座り込んでいるのです。それしか止める方法がないから。

法的な手順を踏めば問題ないと考えるのは思い上がりではないか。

ですよね。法は人間が作るもの。時の為政者により作られたもの。悪法もあれば、時代の変化と共に不要となる法もある。法は絶対ではない。そんな法を錦の御旗として、住民には問答無用の姿勢を貫くなら、それはまさに思い上がりに違いありません。

時代はいつも動き続けていて、人間はいつも、その時代にずっと問われ続けながら、何かしらの選択をしていかなければならないのだ。

そう。時代はいつも動いている。けれど、私たちはなかなか気づかない。徐々に変化する映像クイズのように。動きに気付いたときは既に選択をすべき時期を逸していることの方が多いもの。「茶色の朝」のように。

でも、遅すぎるということはないはず。

今日、2月4日はまさにその選択のとき。長崎では県知事選挙が、沖縄では名護市長選挙がおこなわれています。県民、市民の選択や、いかに?

 

2月1日の投稿記事も、是非ご一読を!



川棚公会堂に700人!

まだ開演10分前なのに!すごい!
想定外の来場者です。



「ほたるの川のまもりびと」長崎県限定先行試写会ツアー最終日(1月28日)、開催地は地元川棚町。
人口42万人の県都長崎市や25万人の佐世保市で開催した時よりも、はるかに多くの観客が、わずか1万4千人の川棚町に集まるなんて!

上映実行委員の皆さんはもちろん、地元こうばるの皆さんの熱心な広報活動の成果です。
新聞折込や、チラシのポスティング、SNSやMLでの情報拡散などなど。
そして、それを見て見ぬふりできなかった川棚町民の行動力に拍手を送りたい。
地元だからこそ賛成・反対が言いにくい、推進派と反対派の対立の構図に関わりたくなくてわざと無関心を装ってきた町民も多いと聞いていましたが、そんな人たちも、いつまでもそれではいけない、せめてこの映画くらいは観てみよう、と思われたのでしょうか。

もちろん、元々こうばるの皆さんを応援してきた方々が、待ってましたとばかりに駆けつけたり、既に何回も観てるけど、また来たよ~と長崎や佐世保からやってきたり、そんな方々もいましたね~

さて、開演前の挨拶。今回は、なんと、地元の子どもたちによるものでした。



映画に登場する子どもたちが勢揃いして、挨拶をするはるなちゃんのそばで、いつもとは違った緊張した面持ちの子どもたちの表情が、とても可愛かったです。



この日のテレビニュースでも上映会の様子が報道されました。観終わったお客様の感想は…





など、自然豊かな暮らしの素晴らしさに感動した方が多かったようです。

上映後の挨拶は、今度は大人たち。



こうばるのお母さんたちを中心に、照れ屋のお父さんたちは少しだけ。
これからもみんなで力を合わせてふるさとを守っていきます!と、力強いメッセージに会場から大きな拍手が贈られました。



恒例の「いしきをかえよう」記念撮影にも、こんなに多くの方が残ってくださいました!

会場費、映画会社に支払う機材や上映費などのコストは上映委員会が自腹を切って負担する覚悟でしたが、19万円を超えるカンパが集まって、赤字にならずに済んだとか。ホントに良かったですねー!

とても寒い日でしたが、私たちは、とりわけこうばるの皆さんにとっては、ホッカホッカのあったかーい一日になりました。♡ ♡ ♡

そして、この日は平戸文化センターでも試写会が開催されました。午前と午後、2回も!
また、諫早市では個人のお宅でミニ試写会がありました。

前日の土曜日には、島原文化会館で開催。
佐世保市の世知原町の地球屋でも、若い人が集まって開催。

その前日の金曜日には、佐世保の広田地区公民館でも開催。

わずか3日間で、私が知っているだけでも6ヶ所で開催されていたのです。長与町のカフェではなんと12月から2か月間にわたって開催されたとのこと!

あらためて、映画の伝える力、この映画の素晴らしさに脱帽です。

 

映画をきっかけに、いしきをかえよう!

1月20日、アルカスSASEBOのイベントホールは満員御礼!『ほたるの川のまもりびと』の試写会は大成功でした。



上映後のトークショーもとても中身の濃い素敵な時間でした。
もっと多くの人に聞いてほしかったな~ということで、そのポイントをざっくりまとめてご紹介します。

司会はパタゴニア日本支社長の辻井隆行さん。ゲストはこの映画の監督の山田英治さんとライフ企画社会長(ライフさせぼ創刊者)の小川照郷さんでした。

辻井:まずは率直なご感想を…

小川:僕は山が好きで、一年のうちの150日くらいは山に登る。見て触れて自然を十分知っていたつもりだったが、その中で暮らすということがどんなに素晴らしいものであるか、あらためて感じた。



辻井:特に印象に残るシーンは?

小川:最後の歌のシーンに感動した。聞くところによると、あの歌はこの映画のために作られたのではなく、その前からあったらしい。あまりにもこの映画のテーマにピッタリでびっくりした。

辻井:監督はなんでこんな映画を撮ろうと?



山田:僕は広告会社で原発のCMを創っていた、原発はエコでいいものだと思っていた。祖父母のいるふるさとの福島で原発事故がおきた。自分の仕事に疑問が湧いてきて、様々なCMを降り、震災復興に力を入れているNPOなどのCMを作るようになった。
そんなときに知り合いから石木ダムの話を聞き、現地を訪ねた。反対運動をしている人たちということで、ある種の先入観を持っていたが、会う人会う人みな自分のじいちゃんばあちゃんのような感じで面食らった。しかも皆さん元気で楽しそうで、それぞれがチャーミングだった。
こんな田舎の魅力を都会の人に伝えたい。と同時に、ここが失われるかもしれない、それってどういうことなのか、考えてほしい。日常のドキュメンタリーを見せることによって考えるきっかけになるかもしれない、そう思った。

辻井:「ライフさせぼ」が目指しているものは何?月刊誌『99』の中で、石木ダム問題について僕との対談を提案して下さったのはなぜ?



小川:ライフは日本で最初のフリーペーパー。僕は佐世保で生まれ育ち、十数年東京で暮らし、佐世保に戻ってきた時、自分が佐世保について何も知らなかったことを痛感した。そしてそれは僕だけではなかった。地域の文化や情報を伝える必要性を感じ、タウン情報誌を創刊した。
はじめは政治には触れたくないとの思いもあり、石木ダム問題を紙面にするのは良いことかどうか迷っていた。しかし、皆が変わらなければ町は変わらない。僕は自分という人生を作るために帰ってきた。こうばるが破壊されるのと自分が破壊されるのは同次元。スルーしてはいけないと思った。あの記事を載せても、広告を止めるような客はいなかった。

辻井:今日は映画に登場している現地の皆さんもみえている。今の状況を話して頂けないか…



岩下すみ子さん:いまは20台ほどの重機が入って付け替え道路工事が進められていて、私たちは日々現場で抗議を続けている。県は私たちにきちんと説明もしないで工事を強行している。本当は現場に入ってはいけないが、それしか方法がない。私たちは工事現場のごみごみした中でお弁当を食べている。監督はじめ作業員も県の職員も若い。体力もある。自分の息子のような世代の人たちと毎日闘っている。少しでも工事を遅れさせるため、これからも頑張ります。ご理解よろしくお願いします!

辻井:いま話して下さった水没予定地の方はまさにそうだが、現地だけが当事者ではない。当事者って誰?
財政的には350億ほどの負担を強いられる佐世保市民も当事者だし…



小川:50年たっても進まない事業が有り得るのか?僕らの仕事は毎週毎週新しいものを探し変化を捉えている。そうしないと会社は潰れる。全ての人が時代とかけっこをしているはずなのに、税金でやる仕事だけが決まってることだからしょうがないと続けている。
市議会でもまともに議論されていない。情報がほとんど出ない。市民は知らない。情報がオープンになって初めて皆で議論ができる。僕が子どもの頃は開発は人間の発展のためになると言われていた。今そのように考える人はいないのでは?



辻井:確かに戦後の焼け野原から復興を遂げるには、水とか電気などのエネルギーが必要で、開発が優先されたのは自然の成り行きだった。だから僕も全てのダムに反対しているわけではないし、必要な公共事業も当然あると思っている。が、社会の状況が変わったら国や自治体も計画を見直すべきだ。

小川:これほど加速度的に変化している時代に、変わらないのは公共事業だけ。時のアセスメント(長時間進捗しない公共事業を,行政機関が時代状況の変化を踏まえて再評価し,中止や継続を判断すること)が導入されるようになったが、判断するのは役人。これでは変わりようがない。本当は市民の声で変わるべき。こんなに時間が経ったらもう止めようよという当たり前のシステムを作らなきゃ。



辻井:県の負担金(税金)や国からの補助金(税金)のことを考えると、長崎県民も国民も全てが当事者であるとの意識が必要。失われるものは自然だけではない。憲法で保障されているはずの基本的人権が侵害され、それが当たり前になる土台になりかねない。

<私たちにできること>

辻井:まず知ることが大事。知るためのきっかけとなるこの映画を広めよう。封切は6月に東京のユーロスペースで決定したが、九州に限っては3月から先行上映できることになった。近くの映画館にたくさんリクエストしてほしい。また、「いしきをかえよう」キャンペーンや話し合いを求める署名活動も広げてほしい。



山田:ぜひ現地こうばるに足を運んでほしい。そこには「まもりびと」がいます!声を掛けたらナイススマイルで答えてくれると思います。

小川:政治の話をするのは難しいが、それでも話した方がいい。市会議員と話した方がいい。何のために選挙があるのか?不勉強な議員には聞いてみよう。「あんた、石木ダムのために10万も出すと?家族で50万も出さんばいかんとよ」と。まずはここから楽しく話していきましょう。



最後はみんなで「いしきを変えよう!」のチラシを手に集合写真を撮りました。

ハイ、イシキー、(カシャ!)

ここは沖縄と同じだ

「しなやかに、したたかに、時に毅然として」

山城博治さんの言葉です。

沖縄の基地撤去運動のリーダー。昨年10月、威力業務妨害はじめ様々な罪状を被せられ逮捕された山城さん。3月に保釈されたが、辺野古や高江の現場には近づけない。今は仲間と一緒に座り込むことはできない。その代り、沖縄の現状を多くの人々に伝えようと、いま全国各地を飛び回っている。

7月7日は佐賀、8日は福岡、9日は長崎と3日連続で北部九州を移動。私は福岡で生の講演を初めて聴きましたが、客席に居ても、その温かい人柄が伝わってきました。



会場中が「ひろじさん」の保釈と再会に歓喜。熱気に溢れ、フィナーレは講演会というよりも、まるでお祭り。

先月、ジュネーブの国連本部で演説した博治さんは、こう声をかけられたそうです。「あなたは刑事被告人かもしれませんが、人権の擁護者です。頑張って下さい」と。

その言葉に勇気づけられた博治さん。
「世界は僕たちを見ている」「必ず潮目が変わる時が来る」「心折れないで頑張ろう」と呼びかけました。

この言葉を是非「こうばる」の皆さんにも直接伝えてほしい…

実は福岡のTさんのご尽力で、翌日午後からの長崎講演の前に「こうばる」を訪ねてくださることになっていました♪
が、この日はなんと大雨の予報!

翌日、博治さんとTさんは福岡を6時半に出発。川棚には9時頃着の予定でしたが、豪雨に見舞われ、乗り換えの列車が運休!次の列車に乗って頂いたものの何時に着けるかは駅員の方も明言せず。駅で待つ私たちはハラハラドキドキでしたが、1時間10分遅れで無事に到着!

結局こうばるでの滞在時間は正味40分となってしまいましたが、価値ある40分でした。

川棚駅から川原公民館に向かう車中で、抗議活動の現場や、ダム小屋、緑の中に点在する看板「石木ダム建設絶対反対」などの風景を目にして、「おんなじだ…」と呟いていた博治さん。公民館に着くなりすぐに語り始めました。

ここは沖縄と同じです。
我々は平和でいたい、暮らしを守りたい、その一心でゲート前に座り込んでいます。皆さんも、ただこの地を守りたい、暮らしを守りたい、その思いで抵抗を続けてこられたのだと思います。
そんな私たちを国は、公共工事を理解しない悪者に仕立て上げようとしています。
でも、希望を持ちましょう。声を上げ続ければ仲間が増えていきます。心を結び合って頑張りましょう!

地権者の方から現状の説明があり、博治さんは「このあと長崎市で講演をさせてもらいますが、この問題も伝えて、地元を孤立させないよう訴えます」と応えてくれました。



その後、機動隊がやって来た時の話や、発信し続けることの大切さなどを語り、博治さんは「座り込め」の歌も披露。みんな手拍子をしながら聞いているうちに、少し畏まっていた皆さんの心が緩んでいくようでした。

話題が裁判に移ると、博治さんは真剣な顔でこう語りました。
次回は私に対する尋問があります。実はそれを私は心待ちにしてきました。1000人もの機動隊を配置して暴力的に排除した国の行為が正しいのか、それに抵抗して威力業務妨害や傷害罪で訴えられた私が間違っているのか、年寄りや子供まで暴力的に排除した国は間違っていないのか、私はそれを問いたいと。

沖縄の運動は今や基地問題ではない。人権問題だ。人間の尊厳をかけた人権問題だ。国に屈してしまうのか、人間として生きる権利を奪われてよいのか。私たちは、ただそれを守ろうとしているだけだ。

その言葉に深く頷くこうばるの皆さんでした。

まだまだ聞きたい、話したい…でも、もうタイムリミット。講演時間に遅れたら大変。川棚駅にはお迎えの人が来てるはずなのでと、無理矢理切り上げてもらいました。

博治さん、是非また来てくださいね。今度はゆっくり。
こうばるの皆さんは楽しみに待っていますよ。

 

 

僕らの無知と無関心が一番危険

6月15日のこのブログで紹介した東田トモヒロさんについて、ネット上にこんなニュースが掲載されていました。

「やっぱり電気ってありがたい」からの「反原発」「反ダム」 熊本のシンガーソングライター投げかけた問い

http://news.livedoor.com/article/detail/13214241/

 

熊本市在住のシンガーソングライターが、隣県長崎の「ダムに沈むかもしれない里山」に思いをはせたミニアルバムを制作したのはなぜか?
その里山を舞台にした映画「ほたるの川のまもりびと」(パタゴニア特別限定版)の上映会とセットでミニライブを長崎県内8カ所で展開(6月23日まで)しているのはなぜか?

疑問に思った記者の問いに返ってきた答えは…
その歌声と同じように誠実で柔らかく、心にしみるものでした。

新曲「ひだまり」は、「ふる里を奪われ、住めなくなる。震災を受けたフクシマと熊本、ダム建設に向けた工事が進み、住民が立ち退かされるかもしれない長崎県川棚町の川原(こうばる)。この三つが僕の中でつながり、この曲を書いたのです」と。

東日本大震災の原発事故で「一つの文明社会が終わった」との意識を強くしたが、熊本地震では「人のつながりのありがたみを感じた」

身近で起きた震災で、大事なものが何か分かった

WTKに参加して川原で歌っている時、「よみがえった感があった」
「自分の心の中にある、さみしいところにちゃんと手をあてて、ちゃんと向き合った感じがあった。温かい感じがよみがえった感があり、満足しています」

石木ダム建設計画は「大洪水が起きるという不安と恐怖をあおって、地域住民にダムは絶対に必要だと迫っているように映ります。川原のことから目をそらすことは、権力の暴走から目をそらすことになると思う

僕らの無知と無関心が一番危険を呼ぶから、恐ろしい
自分で感じて考え、何がより自然で、何がより平和で、子どもたちの世代、さらにその先に残せるものは何なのか。僕は国境的な考え方じゃなく、大きな地球意識、地球人としてのスタンスでいきたい

ダムを活用した地域おこし?



行ってきました。話題の講演会。
石木ダム建設事務所主催の、ダムマニア宮島咲氏による講演会。
テーマは「ダムを活用した地域おこし」。

宮島氏の本業は日本料理屋だそうですが、ある日ドライブの途中で、群馬県の奈良俣ダムに出会い、その美しさに心奪われ、ダムに魅せられダム巡りをするうちにマニアになってしまったそうです。


そして、ふと思った。ダムって何のためにあるの?と。
その答えはこちら。



そして、そんなダムが全国に約2700基、九州だけで464基もあるそうです。特に長崎県はダム密集地帯!
そのわけは…地形が急峻で川の水がすぐに海に流れ出るから。

また、こんな数字も示して下さいました。



え?平均すると、1つのダムに1日330人も訪れている!?

信じられない!思わず心の中で叫んでしまいました。
というのも、8年前のゴールデンウィークに県内のダム巡りをしたのですが、伊佐ノ浦ダム以外、ほとんど人影はありませんでしたから。

でも、よく聞くと、この数字、国営ダムの話なんですねー
石木ダムとは規模の違う、でっかいダムばかり。



こんなふうに放流の時は、ダムマニアや観光客ががたくさん訪れるそうです。

そんなダムを活用して地域おこしをしましょう!というのが講演のテーマですが、宮島氏の考える「地域おこし」とは、「地域の収益を増やす活動」のことだそうです。

例えば、八ツ場ダムの場合、平成9年度から26年度まで比較すると、18年度までは客数も消費額も減少傾向だったけど、工事が進むにつれてどんどん増加。
26年度には、客数は9年度まで回復していないけれど、消費額は9年度より大幅(1.4倍くらい)アップしているとのこと。

でも、これって、本当に純粋な観光客なのかな~?
平成16年頃から八ッ場ダム反対の声が広がり、裁判も始まり、21年度には民主党政権が誕生して中止の方針が打ち出されたりして、八ッ場への関心が大きくなりましたよね。
全国のダム反対派や専門家が視察に訪れたり、まもなく吾妻渓谷が無くなるかもしれないと、その自然を惜しむ人たちが、店仕舞セールの時のように押し寄せていたのかもしれない。
ダム目当ての観光客と決めつけるのはどうかな~?

いずれにしても、宮島氏によると、ダムは収益をもたらす。その最たるものが「ダムカード」と「ダムカレー」だそうです。

ダムカードは全国の600ほどのダムで配布しており、例えば八ツ場ダムの場合、ネットオークションで3万円ほどで取引されている。高いのでは10万円くらいのもある。だからマニアは、このカードをもらおうと必死になって現地にやってくる。

また、ダムカレーもブームになっていて、現在全国で110種類のダムカレーがある。ダム好きのほとんどが食べるし、これを食べるためにやってくる人もいる。

などなど、宮島氏のお話を聞いていると、ダムカードとダムカレーを造れば地域おこしができると錯覚し、そのためにダムが必要!なんて勘違いする人も出て来そうで、ちょっと不安です。

さらに新しい集客案も紹介。



建設中の足羽川ダムの堤体壁面をクライミングコースとして活用する案が国交省から提案されたそうですが、その足羽川ダムについて、こんなことをおっしゃっていました。

ここの工事は難航しましてね、反対派がうるさかったんですよ。
「ダムは要らない!」「この川は洪水は絶対起きない!」と言って。ところが10年位前ですか、福井豪雨がおき、この川が氾濫してしまいました。建設反対と言ってた所が水浸しになったんですよ。だから言ったでしょうって感じですよね。備えあれば憂い無しなのにね。

最後に、私たちにはお馴染みの石木ダムのイメージ画像を映して、



正直に言って、このダムはつまんなさ過ぎます。ここら辺ののり面(右側の緑のところ)は棚田にしてください、それを分譲するんです

それから、ここ(コンクリートの壁の部分)はクライミングコースにする。有料で500円くらいで
このダムは小さいので1年ぐらいでできるかもしれない。動き出せばね
ただね、この地にね、まだこれだけの人たちが住んでいます
と言って、最後に映し出されたのは、ほーちゃんが描いたこうばるの人々の似顔絵。
これは水没予定地にお住いのイラストレーターの石丸穂澄さんのイラストでございます。ここ(会場)にいらっしゃる皆さま、そしてここ(水没予定地)にお住いの皆様が平和で楽しく暮らせますようお祈りして、地域の発展を願いまして、講演を終了させていただきます
と締めくくられました。
                                  私は思います。
地域おこしなら、ダムがなくてもできる。
八代市では荒瀬ダムを撤去したことにより、釣り客や潮干狩り客が増えました。
大川村のように早明浦ダムのおかげで人口が10分の1になってしまったところもあります。
地域おこしどころか、ダムは地域潰しの可能性も大きいと。

私は願います。川棚町民の方が、ダムに頼らない地域おこしを目指してくださることを。
なぜなら、仮に、ダムにより収益がアップしたとしても、それは、一時的なこと。ダムによる自然破壊のツケは、後に、地域に多くの不利益、衰退をもたらします。水質汚染、悪臭、漁業被害etc.

私が見てきたダムはこんな感じのところばかりでした。



どちらも草ぼうぼうでした。

ダムが出来た当初は、さぞかし素敵な公園だったことでしょう。
数年後にはこの通り。
焼き物のレリーフ作品がまるで墓石のよう…

撮影日=2009年5月5日。快晴。グールデンウィーク最終日。

悪意なきイジメ

つい先日、こうばる住民のお一人から届いたメールを紹介します。

ある婦人がこう言った。「主人が生きている間に石木ダムが出来なかったら…死ぬにも死にきれない」
私がダム水没予定地の住人だと知りながら。
すでに4家の土地(田畑)が強制収用されようとしていることもニュースでやり始めた頃の話だ。

婦人によるとご主人は、当時役場の建設課のお偉いさんだったようで、町長さんにいろいろ言われながら過ごした。それも数年間も。
だから、ダムを造って欲しいのだそうだ。
涙まで流してみせた。それで…?

私は呆気に取られた。
元役場職員ならば、町民にとって何が大事なのか考えること。
今は役職考えずに正しいと思うことが言えるはず…。

それになんで婦人にお願いされなければならないのか?
私はきっぱり「それは残念ですね〜。私たちはずっとこうばるに住み続けるので…。」それだけは伝え、その他のいろんな想いは飲み込んでおいた。

なんのためにダムを造りたいのか…。
呆れてしまった。この問題についてどこまで知っているのか?(内容はさっぱり知らない様子だった)

こうばる住民は50年もの間ずっと付きまとうこの問題に悩まされているのに、たった数年辛かっただけで何を言っているのか?
私たちはいつまで続くかわからない闘いを続けているのに…。
こんな町民がまだまだいるのかと思うと、とても寂しい気持ちがした。

ずっと前に書き留めておいていたものです。
誰かに伝えたかったので…。
送ります。

このメールをくださったこうばる住民のXさんの心には、今も婦人の言葉がトゲのように刺さったままです。でも、婦人はそれを知らない。婦人に悪意はなかったので、きっと忘れていることでしょう。

こういうのを「悪意なきイジメ」というのでしょう。
悪意はないけれど、自分の視点のみで物事を考え、その考えを無邪気に口にする。相手の心情など想像することもなく。

今そんな人が増えているような気がします。
これだけ情報が溢れ、容易に入手できるにもかかわらず、客観的な情報など知ろうともせず、不利益を被る人の想いなど「忖度」しようともせず、自分たちにとって有益ならそれでいいと。

そして、悪意なきイジメが増えていくのを、悪意ある人々は利用します。
それを防ぐために、私たちにできることは何でしょう。
やはり事実を真実を、一人でも多くの人に伝えていくしかないのでしょう。

石木ダムが佐世保市民や川棚町民にとって、どれほど大きな不利益をもたらすかということを。

藻谷浩介さんからのエール

2月19日毎日新聞の書評欄に、藻谷浩介さんの書評が掲載されていました。

天野礼子著『川を歩いて、森へ』の書評であり、天野礼子さんへの讃歌であり、女性へのメッセージです。

でも、もしかしたら、これは私たちへのエールかもしれない…と勝手に受け止めました。

ほんの2ヶ月ほど前、「ふるさと共創シンポジウムin佐世保」のパネリストとして参加して下さった藻谷さん。実は以前から佐世保が大好きで、何回も来られていたそうで、とても詳しくてビックリでした。

海山の幸に恵まれ食べ物は美味しいし、美しい自然はそのまま凄い観光資源なのに、佐世保市民自身がその宝に全く気づいていない。いつも福岡や東京を見ていて、若者は都会へと流れていく。気位が低いとの厳しいコメントも頂きました。

しかし、石木ダムへと話題が移ってからはほとんど何も語ることはありませんでした。
当然ですよね。市民でも無関心な人、あるいはよく知らない人が多いのですから、数回訪れているからといって、知ってる顔をされる方が違和感を感じます。

シンポジウム終了後、藻谷さんはフロアでたまたま川原の女性たちと遭遇。石木ダムの現状と地域住民の苦悩を直に聞き、衝撃を受けられたようです。後で主催者に、「この問題を何も知らなかった。ダムについては不勉強で恥ずかしい。これからきちんと考えたい」とおっしゃっていたそうです。

そして、それから約1ヶ月後に公開された藻谷さんの書評には、ダムについての藻谷さんの思いがしっかりと語られていました。

(天野礼子は)何をもってここまで「ダムのない川」に執着してきたのか。

逆に言えば…あなたはなぜ、川という川を何重にもダムでせきとめてきた戦後を、特に抵抗なく受け入れてこられたのか。

ダムのない自然河川は、洪水を通じて森の栄養を里にもたらし、魚の遡上を通じて海の栄養を森にもたらす通路だ。

ダム建設こそ「自然の大きな流れへの、人間の一時的な都合による反対運動にほかならなかった」

今世紀には勝利は明確に彼女(天野礼子)の側にたつだろう。

天野さんと天野さんが守ろうと闘い続けてきた「ダムのない川」への賛辞、そしてその闘いは必ず今世紀中に勝利するだろうというメッセージですが、それはそのまま、川原の地権者や地権者と共に闘っている私たちへのエールのように思えるのです。

そして、藻谷さんは最後にこう結んでいます。

ダムだらけ、コンクリート構造物だらけ、組織だらけ、利益最優先だらけになってしまった日本だが、自然なモノと心の循環を取り戻す未来は、きっとすぐそこにある