拡幅工事は隠れ蓑だった?

今日の現場は県職員や作業員の姿もなく静かでした。

初めて見る現場は、なるほど、写真や動画で目にした通りの風景。鋼板の長い壁が続いていました。

壁に挟まれて、3つのプレハブ棟があります。
これが現場事務所ですね。

入り口にはロープと「立入禁止」の札が何枚も…

少し離れた高台から見下ろすと囲いの向こうにはたくさんの工事車両が並んでいました。

目の前を「川棚町」の車が通り過ぎ、現場事務所の前に停まりました。

なんだろう?と近づいてみると、中から降りてきた3人の男性。1人は町民の方で2人は町の職員。

町民の方は突然現れたこの建造物にたいへん迷惑していると、役場に駆け込まれたようです。

囲いに沿って下って行くと、

囲いが切れたところの左手に石木川が見えてきました。

川沿いの狭い歩道を、いま来た方向に戻る(Uターンする)と、

小さな堰があり、そこから田んぼに水を引いている。その水の管理をやっている町民の方の訴えでした。

今まで使っていたその歩道は、コンクリートでこんなに狭められ、

靴幅もないような細い所を通らねば、堰に辿りつけません。

なぜ、こんな工事をするのか?
しかも事前に何の説明もなく、あんまりではないか?

石木川の管理者は県ではあるけれど、地元利水者の迷惑も考えず、無断でこんな工事をしていたとは…と驚いて聞いていたのですが、もっと驚いたことには、

なんと、この現場事務所設置の話は川棚町も知らなかった!とのこと。

ほんとにビックリ!( ゚Д゚)です。

長崎県はあまりにもやりたい放題、ルール違反ではないですか?

そもそも、ここの道路工事は、この看板が示すように、「県道嬉野川棚線の交通安全のための工事でした。

採石場が2つもあるので大型ダンプが頻繁に行き交っており、通学児童の安全のため、道路の拡幅や、カーブの緩和、歩道の設置などの工事だと聞いていました。

ところが、そのために「マユミ」から買収した土地に、河川課がおこなうダム建設付替え道路工事のための現場事務所が建設され、長い囲いが設置されたため石木川に近づけなくなった。川棚町や地域住民に事前説明も一切無しに。

一般道の拡幅工事はダム用道路工事のための隠れ蓑だったのでしょうか?

県の土地だから、目的が違っても、担当する課が違っても、同じ土木部の工事だ、何とでもなるさと考えたのでしょうか?それとも「知事のご意向」だったとか?

目的のためには手段を選ばず…いつからそんな県政になってしまったのでしょう。
県民として悲しく、悔しく、恥ずかしい。

妨害禁止仮処分、審理終了

6月19日午後1時半、長崎地裁佐世保支部前。

2時からの石木ダム妨害禁止仮処分審尋の門前集会です。

通行妨害で訴えられた19名を代表して、地権者のS子さんが挨拶。

今こうばるでは、ほたる祭りも田植えも終わり、やっと日常が戻ってきましたが、それでも私たちの日常の中には、24時間体制の見張りと抗議行動があります。

だんだん暑くなってきたので午後からは大変ですが、みな頑張っています。

私たちは、自分たちの住む権利を求めて、勝つまで闘います。
皆さん、ご支援よろしくお願いします!

 

2時からの審尋は、10分ほどで終了。

その後、いつもの報告集会の会場へ。

5回目の審尋。仮処分としては異例の長さでしたが、いよいよこの日で審理は終了。弁護団によると、裁判長は「9月を目途に決定を出す」意向を示したそうです。

審尋だけでなく、審尋後から決定までの期間も長い。ということは、それだけ裁判所が丁寧に判断をしたいということではないだろうか。

高橋弁護士のコメント。
決定がいつになろうが現場の闘いは変わらず続けられるだろう。
皆さんを支えているのは世論。
これをより発展させていけるよう
頑張りましょう。

板井弁護士のコメント。
このような闘いが何十年も続けられていいのか?
チェックをするシステムが必要であり、
裁判所もその機能を果たす努力をすべきではないか?

大型公共事業は行政や企業が決めるのではなく、
そこにいる住民の意思で決められるべき。

そのためのルール作りが必要で、
そのためにも共に頑張っていきましょう。

 

の裁判は、7月10日(月)16:00~、同じ佐世保支部です。

この日は、石木ダム工事差止訴訟の第1回目です。ぜひ多くの方が傍聴に来て頂けますよう、よろしくお願いします。

 

初めての弁論対決

今日は事業認定取消訴訟の第6回口頭弁論の日。
長崎地裁前には真夏のような陽射しの中で、熱く訴える原告の姿がありました。
いつもは参列者へ短めにお礼の言葉を伝える岩下さんですが、今日は怒りを込めて、現地の様子を訴えました。

先週から県は付け替え道路工事を強行しているが、今日はいきなり川の土手を壊そうとした。
私たちは、川を勝手に壊すな!と言ったが、我々は河川管理者だ!と言う。管理者なら何をやってもいいということか?
県側が通報してやってきた警察も、事情を知って、仲裁に入ってくれたので、なんとか今日のところは土手を壊す工事は止まった。

とのことでした。
(詳細は、こちらのブログをごらんください。http://blog.goo.ne.jp/bhdsy27 )

そんなに石木ダムを造りたいのなら、裁判で正々堂々と闘うべき。
裁判で勝利した上で工事をすればいい。
この裁判が確定するまで工事は中止すべきです!
と訴え、賛同の拍手が起こりました。

門前集会の後、いつもの401法廷に移動。今日は現地からは4名しか参加できませんでしたが、傍聴席はいつものように満席。

今年度から裁判長が替わったので、なんと今日は、原告・被告双方の意見陳述がおこなわれました。初の弁論対決?です。

まず、原告側です。

トップバッターは原告の炭谷猛さん。
現「川原」総代で、子や孫の7人家族で暮らしています。
必要性の無いダムのために、十数世代の先祖から受け継いだこの土地をなぜ奪われなければならないのか?「公共の利益とは何ですか?」と裁判長に呼びかけ、たとえ土地収用が済んでしまっても、私たちはホタルの里に住み続けます!と宣言。
炭谷さんの声は力強く、時にゆっくり、その間合いが余韻となって心に響く、素晴らしい陳述でした。

2017.5.22意見陳述(原告:炭谷猛)

終わると同時に傍聴者は思わず拍手!
本当は拍手などしてはいけないのですが、裁判長は何も注意しませんでした。

続いて、八木弁護士が利水に関する主張を
2017.5.22意見陳述(利水:八木弁護士)

平山弁護士が治水に関する主張を述べ、
2017.5.22意見陳述(治水:平山弁護士)

最後に、弁護団長の馬奈木弁護士が、「権力にすり寄った司法であってはならない」と、強い批判と願いを込めて陳述。
新しい裁判長に「国民の信頼に値する訴訟指揮と訴訟遂行」を切望していると訴えました。
2017.5.22意見陳述(馬奈木弁護団長)

そして、被告側の陳述はというと…
2017.5.22被告意見陳述

治水面においても利水面においても、まるで県の主張そのまんまです。
これまで当方弁護団が丁寧に鋭く追及してきた問題点には触れようとせず、行政側の主張を述べるのみ。

「法に則っている」「行政には広範な裁量権がある」云々。

しかも、失われる住民の利益については一切触れない。回避している。
どーゆーこと?
なぜ最大の争点に触れないのか?
原告はそれを一番強く訴えているのに、なぜ無視するのか?
きっと触れたらまずいのでしょうか。
逃げるしかないからでしょうか。

この勝負、客観的に見ても明らかに原告にあり。
主観的に見れば、勝負にもならない。比較にならない。
そんなふうに感じました。

報告集会では、炭谷さんから、最近の現地の状況と、今日の裁判の感想が述べられました。

こっちは一生懸命言っているのに、国は気にも留めずに、金を払えばいいんでしょという。イヤな感じがした。

僕らは、司法というのは的確な判断をしてくれる唯一のところ、頼るところはここしかないと思っているから一生懸命訴える。
でも、前の裁判長も現地まで来て話を聞いてくれたのに、何もわかっていなかった。金銭的賠償により回復できると言われた。

県も公共事業は住民のためにやると表では言いながら、実際にやっていることは真逆。何を信じたらいいんだろう…と。

同感です。
でも、私たちには強力な弁護団がついています。
頭脳明晰、弁が立ち、決して諦めない、最強の弁護団が。
まだまだ闘いはこれから!

妨害禁止の審尋の日、午前3時に資材搬入

長崎県が申し立てた通行妨害仮処分に関する4回目の審尋が昨日(4月24日)行われました。

県側弁護団は、本日で審理を終結してほしいと主張し
たのですが、裁判長は認めませんでした。理由は自分以外の2人の裁判官がこの4月から交代したばかりなので、これまでの記録(提出されている主張書面や証拠など)を検討する時間が必要であるとのことでした。

次回審尋期日は6月19日(月)14時からです。

県にとっては、審尋が延長されただけでなく、次回がかなり先の日程ということで、かなり予定が狂ったことでしょう。
2回目の通行妨害禁止という司法のお墨付きを早く得て、工事を加速したいと期待していたはず…。

実は、審尋がおこなわれた日の午前3時過ぎに、県は工事車両や作業員を投入していたのです。


4月に入って一度も来てなかったのに、何故この日に…県のやり方は理解できません。

この状況に未明から現場は騒然とし、地元の人の多くは抗議活動に参加。裁判所には来られませんでした。

いつもと違った寂しい門前集会になりました。

数日前に発売された週刊金曜日に、「長崎県に消耗戦を強いられる石木ダム予定地13世帯の今」という記事が掲載されていましたが、週刊金曜日2017.4.21

その中で、筆者(ジャーナリストのまさのあつこ氏)は、この通行妨害禁止仮処分についても取り上げ、「13世帯は自然豊かに仲良く暮らしたいだけである。その住民を通行妨害禁止命令で苦しめる長崎県の行いは、SLAPPではないか」と述べています。

近年ではインドネシアやフィリピンでも権力の横暴を抑止する動きが起きていて、SLAPPを防ぐ対策が建てられていると言う。日本の人権意識は後退するばかり…。

なぜ?

執行停止却下に対する声明を発表

3月30日の石木ダム事業認定執行停止申立却下に対し、4月11日、石木ダム対策弁護団と石木ダムに反対する県内5団体が連名で声明を発表しました。

執行停止申立却下に対する声明(H29.4.11)

今回の決定は「緊急性がない」として退けるだけでなく、「申立人らの損害は金銭賠償によって回復可能だから重大な損害に当たらない」とまで述べられていました。あまりにも人間の尊厳を踏みにじる許しがたい判断であり、その点を私たちは厳しく批判しました。

                         長崎新聞 2017.4.12

 

事業認定執行停止、却下

2015年11月、地権者110人は石木ダムの事業認定取消を求めて提訴し、直後の12月、同認定の効力の執行停止を求める申し立てをおこなっていました。

これは、この事業認定が取り消すべきものかどうか、つまり、石木ダム事業の必要性について争われている最中に、石木ダム事業の手続きや工事がどんどん進んでいけば、仮に取り消すべきとの判決が出ても、時すでに遅し、ダムは出来上がりました、なんてことになりかねません。
ということで、判決がでるまでは、工事や手続きが進まないよう、その認定効力の執行停止を裁判所に求めたのでした。

昨日、2017年3月30日、その決定が出されました。主文は「却下」です。

決定書はこちらです。石木ダム H29.3.30 決定書(執行停止申立事件)

長崎地裁の判断は、ごく平たく言えばこういうことでしょうか。

★事業認定そのものが皆さんの生活を奪うものではありません。
収用裁決が出され、明渡し期限がきて、行政代執行されるまでは、そこに住めるのだから、いま認定の執行停止を求める緊急性はありません。

★ふるさとの自然やコミュニティが破壊され、住み慣れた土地を強制的に追われ新たな場所での生活を強いられることによる精神的肉体的損害については、金銭的な賠償により解決できるので、執行停止するほどの重大な損害にはあたりません。

「緊急性」の概念が、裁判所と私たち一般市民では大きく異なっているようです。

つい最近まで、警察は事件が起きてからでないと動かない、と言われていましたが、ストーカー被害の続出で、事件前にもある程度対応してくれるようになりましたね。

しかし、裁判所は危機が直前に迫らないと「停止」はしないようです。
急ブレーキが間に合わない可能性については考えないのでしょうか・・・

また、損害は何でもお金で解決できるという考え方のようですが、
精神的肉体的苦痛はお金では解消できません。
また、失われた自然や文化もお金では贖えません。

608名、石木ダム工事差し止め提訴!

3月6日、今日は石木ダム工事差し止め提訴の日です。

訴えるのは長崎地裁佐世保支部。

でも、その前にまずは長崎地裁へ。

11時開始の事業認定取消訴訟第5回口頭弁論を傍聴するために。

門前集会の後、私たちはいつもの401号法廷で、原告側(私たち)弁護士の意見陳述に耳を傾けました。

利水に関しては高橋弁護士が第6準備書面の要旨を読み上げ、

治水については田篭弁護士が第7準備書面の要旨を読み上げました。

ぜひ、この青字の部分をクリックしてアクセスしてみてください。利水面でも治水面でも、石木ダムの必要性がどんなに虚構に満ちたものであるかということが、本当にわかりやすく述べられています。

次回は被告(国)側の反論ですが、いつも書面の提出のみで終わっています。たまには代理人弁護士の口から語ってもらいたいものです。せっかく多くの傍聴者が集まるのですから。なぜ堂々と反論しないのでしょう。不思議ですね〜

 

さて、長崎地裁での裁判が終わり次第、私たちはマイクロバスに乗り込み佐世保へ。

途中食事休憩をとり、3時前に地裁佐世保支部に到着。

こちらでは長崎地裁前以上に大勢の支援者が集まり、3つの横断幕を持っても、まだまだ列は続いていました。

15:00門前集会、続いて提訴。

15:30妨害禁止仮処分の第3回審尋。

16:00中部地区公民館で報告集会。

ここでもたくさんの人が、高橋弁護士や毛利弁護士、田篭弁護士の説明に耳を傾けました。

利水についての今回のキモは、次の2点。

①慣行水利権について
被告は、佐世保市が慣行水利権を不安定水源と名付け使い物にならないと言う理由として、渇水年(平成19年)度の水量が不安定で70%くらいしか取水できなかったからと説明するが、佐世保市の言う「安定水源」からもこのとき約70%だった。どちらも不安定な度合いは変わらない。では、なぜ慣行水利権だけ保有水源から外したいのか?外さなければ石木ダムが造れないから。

②水需要が増える?理由について
被告は、佐世保の主張「観光客が増えれば水需要が増える」を認めているが実績として相関関係は認められないし、「米軍や自衛隊の万一の場合に備えて過去最大水量を確保しなければならない」とか「SSKの1年に1度あるかないかの水使用量に備えて毎日その水量を確保しなければならない」と言うが、そのようなレアケースのために地権者を犠牲にするのはおかしい。

治水については、次の3点。

①計画規模(どのくらいの大雨に備えるべきか)について
長崎県はダム計画がもちあがると計画規模をレベルアップする。川棚川もそれまでは30年に1度の大雨に耐え得る規模だったのに、石木ダムが計画された昭和50年には急に100年に一度の大雨に変わってしまった。

②水量(どのくらいの水が流れるのか)について
100年に一度の大雨と言うが、その降り方は9パターンの中の1つ(1時間に集中して降る)であり、そのようなケースは500年に1度以上の稀なケースであり、しかも仮にそのような雨が降ったとしても、上流部分で溢れてしまい、下流には算出した水量は流れないはず。なぜなら上流域は未だに30年に1回の計画規模だから。

③余裕について
仮に県が想定した水量が流れてきたとしても流せる。流せるけれど余裕が欲しいと県は言っている。万が一の余裕を持たせるために地権者の暮らしを破壊するのか?

 

続いて平山弁護士から、事業認定取消訴訟関連の「執行停止」についての説明がありました。
国が言っている3つの点と、それについての反論です。

①お金によって補償できるのだから重大な損害ではない。→人格権や歴史や自然などお金では得られないものであり、一度失ったら戻らない。故に重大な損害である。

②原告の言う損害は事業認定によって生ずるのではなく土地の収用によって生ずる。→事業認定があって土地の収用がある。両者は繋がっており、親亀子亀みたいなもの。一連の手続きである。

③緊急性が無い。
既に強制収用は始まっている。家屋等の収用に向けた手続きも進められている。今止めなければいつ止めるのか?緊急性は明らか。

執行停止に関する審尋は今日で終了。後は決定を待つだけ。その決定がいつになるかはまだわからないとのことでした。

 

取消訴訟の次回期日は5月22日(月)14:00〜で、

妨害禁止の仮処分に関しては、4月24日(月)14:30〜です。

やはり、1日2ヶ所は厳しいのでホッ!ですね。

 

さて、いよいよ本日のメインイベント、工事差し止め本訴についてです。

訴えた内容は昨年の工事差し止め仮処分とほぼ同じ。つまり、この工事によって私たちの権利が侵害される。そんな工事は許されない。だから工事を差し止めてくださいというもの。なぜ同じ内容の訴訟をおこすのか。その理由は3つ。

①工事差し止めを求める人が増えていること。昨年は505名だったが、今回は608名。100名以上増えている。

②仮処分では緊急性を第一義とするので、それで争うよりも、侵害される権利の重大さ、これを中心にじっくり争っていきたい。

③仮処分は非公開なので当事者しか法廷に入れない。本裁判は公開なので、いろんな人が傍聴できる。オープンな場で闘っていきたい。

以上の理由から本裁判の提訴をおこない、受理された。明日、福岡高裁へ申し立てた抗告審は取り下げる。

とのことでした。

 

さあ、今日から新たな裁判のスタート。少し長くなるかもしれないけれど、どっしり構えてじっくり向き合いしっかり追求しよう。私たちの権利を。それぞれの権利を。

そこに住み、そこで暮らす権利。

そこで耕し、収穫し、その喜びを生きがいとする権利。

自然の恵みを受け、未来へ手渡す権利。

消費者として水道料金の有効な使い方を求める権利。

納税者として無駄遣いをチェックする権利。

要らないものは要らないと言う権利。

県であっても国であっても、恐れることはない。

主権者は私たち。

私たちの権利を守るのは私たち。

力まず焦らず、軽やかに行動しよう。

石木川の流れのように。

 

 

3月6日提訴へ

空は晴れていますが、長崎地裁佐世保支部の門前にはとても冷たい風が吹いていました。

今日は県から訴えられた通行妨害仮処分の2回目の審尋がおこなわれました。

 

弁護団からの報告によると、今日やりとりされたのは、提出書面の確認と、今後の予定の確認だけだったようです。

①1月20日に当方弁護団より4つの書面が提出された。

②2月28日までに当方は残り全ての書面を提出する。

③それを見て、県は2週間以内に反論や新たな証拠を提出する。

④次回の審尋は、3月6日15:30。

 

報告集会にはマスコミも数社来ていましたが、夕方のニュースで報道されたのは審尋についてではなく、これから起こそうとしている差止訴訟についてでした。

こちらは、夕方のNHKニュースです。

 

川棚町に建設が計画されている石木ダムについて、反対する地権者らは、県と佐世保市を相手にダムを建設しないよう求める裁判をことし3月にも起こす方針を決めました。
長崎県と佐世保市が川棚町に建設を計画している石木ダムをめぐっては、一部の地権者や支援者が計画に強く反対し、建設が進んでいません。
建設に反対する地権者らは去年2月、県と佐世保市に対して工事をしないよう求める仮処分の申し立てを長崎地方裁判所佐世保支部に行っていましたが、裁判所は12月、「緊急性がない」などとして却下しました。
これに対して地権者側は、不服として福岡高等裁判所に抗告しましたが、さらに県と佐世保市を相手に石木ダムの建設工事とダム建設に伴う道路工事をしないよう求める裁判をことし3月6日に長崎地方裁判所佐世保支部に起こす方針を24日開いた集会で決めました。
提訴について弁護団は、「緊急性に関わらず、ダムの必要性などについて争うことができる」としていて、広く原告を集めたいとしています。
石木ダムをめぐっては現在、地権者側が国を相手にダムの事業認定の取り消しを求める裁判を起こしているほか、県が地権者などを相手にダム建設に伴う道路工事を妨害しないよう求める仮処分を申し立てています。

 

ここに書かれているように、「石木ダムの建設工事とダム建設に伴う道路工事をしないよう求める裁判をことし3月6日に長崎地方裁判所佐世保支部に起こす方針」を決めたのです。

仮処分ではなく本訴にするのは、「緊急性に関わらず、ダムの必要性などについて争うことができる」からです。

もしそれが無駄なダムなら?

莫大な財政負担を背負わされる佐世保市民は被害者です。

でも、仮処分だと緊急性が無いとして佐世保市民の権利など考えてもくれません。

全国の支援者の権利など論外って感じ。

やはりここは、腰を落ち着けて、石木ダムの必要性の有無が問える工事差止の裁判で闘いたいですね〜

 

皆さんもよかったら、仲間に入りませんか?

ご希望の方はこちらへ → ishiki-hotaru@buz.bbiq.jp お問い合わせください。

資料をお送りいたします。

 

工事差止、仮処分ではなく本訴へ

昨日は石木ダム事業認定取消訴訟の第4回口頭弁論の日。

門前集会に集まった地権者の皆さんは、これまでよりも少な目…。

なぜなら、昨年末に石木ダム工事差止仮処分が却下されたばかり。

県側としては、「ほーらね。石木ダムの工事はやっていいよって司法の場でも認められたんだよ。抵抗しても無駄なんだよ」と思っているでしょうし、勢いに乗って工事を強行するかもしれません。

ということで、地元には肝っ玉の据わったお母さんたちがしっかりお留守番。

そんなわけで、少し寂しい門前集会でした。

でも、集まった人たちは、寒い北風なんのその。

さあ、今日は被告の国側の番だぞ。

どんな反論をするのか、じっくり聞いてやろうではないか!

と期待?に胸躍らせて、401号法廷に入っていったのですが…。

 

なんと、弁論は無し!

こちら側が前回弁論をおこなった、利水と治水に関して新たなダムの必要性は無いという具体的な主張に対し、国側の具体的な反論が聞けるものと思っていたのですが、それらについては「準備書面2通(利水面、治水面)」と「利水に関する証拠」が提出されただけでした。

そして、それに対する原告側の反論は2月末までに、また書面で提出するという約束が交わされただけ。

ほんの2〜3分で終了です。

あー、裁判ってわかりませんねー。何をやってるのか、素人にはさっぱり…。

だから報告集会をやるのですが…

でも、今日の裁判(事業認定取消訴訟)よりも、1ヶ月ほど前に却下となった裁判(工事差止仮処分)に関する重要な提案が弁護団からなされ、頭の中はそちらでいっぱいになってしまいました。

石木ダム工事差止に関しては仮処分という形で争ってきましたが、それを止めて、本訴、すなわち本訴訟、一般的な裁判の形で、じっくり争いましょうということ。

争い方の方法転換が提案されたのです。

何故そのような転換を図るのか、その理由を、高橋弁護士はこのように解説されました。

*仮処分で問われるのは緊急性。この工事を早く止めなければ大変な被害が生じるという場合にのみ、仮処分命令が出される。しかし、その緊急性を高裁でも認識できなければ、今回のように却下されるかもしれない。

*緊急性を問題視するあまり、根本的な問題、石木ダムの必要性があるのかないのかということや、被保全権利の侵害があるのかないのかなどの重要な部分をスル—しがちで、問題の核心部分が無視あるいは先送りされがちである。

そういう観点から、住民の権利やダムの必要性の根拠についてじっくり議論できる本訴訟を提訴したい、そして結論が出るまでは一定の時間がかかるだろうが、もしもその間に本体工事が強行されるような緊急事態が発生すれば、その時こそ新たな仮処分を申し立てよう、というものでした。

2〜3の質問は出ましたが、皆さん納得された様子でした。
私たち原告団事務局もその方向で、来週から、新たな委任状を集めなければ・・・。

 

このブログをご覧の工事差止仮処分原告の皆様、来週あたり、新たな委任状提出のお願い文書が届くと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。お金はかかりません。委任状だけです。

また、これまでは裁判に関わっていなかったけど、自分も原告として参加したいと思われる方は是非メールでご連絡ください。ishiki-hotaru@buz.bbiq.jp← こちらまでよろしくお願いいたします。(コピーしてメールの宛先欄に貼り付けてください)

 

昨日の発表について、長崎新聞は今日の1面で取り上げていました。大変わかり易いので、こちらの記事をご確認ください。

ただし、ミスプリントが1ヶ所あります。

最後の1文です。

「次回の口頭弁論は3月3日」と書かれていますが、3日ではなく6日です。

3月6日(月)午前11:00です。

よろしくお願いします。(._.)