専門用語は分からない?

12月7日は、長崎県川棚町において、石木ダム説明会(第4回)があり、知事が市民委員会委員の質問に回答しました。私も委員の一人として参加してきました。

質問はこれまでの3回の委員会で明らかになったことについて、知事はどう思うかということを宮本博司委員から専門用語を使わずに説明して回答を求めました。

すなわち、実際の計測データがないので、お隣の佐世保市に降った雨が川棚川全流域に降ったと仮定した計画であったことや、再評価の際に現在の河道状況ではなくて、当初計画時の河道状況で便益計算を行い、これらのことを再評価委員会にも報告せずに再評価を行い、B/C(費用対効果)は妥当であるとの結論を出させたことなどが明らかになっています。

これに対して知事は「専門用語は分からない」「適切に手続きは進んだと理解している」の繰り返しです。こんな分かりやすい説明に「分からない」を繰り返すなんて、心の中で「あんた、何が分からないよ!」と叫んでいました。また、やさしい説明に「専門用語」が本当に分からないのであれば、過去3回の議事録も目を通さず、担当者から報告も受けてないことを明らかにしたようなものです。それで、人の生活を奪う事業を進めているなんて信じられません。また、今後も住民に丁寧に説明をしていくと言われても、何も知らないのに、何を説明していくのでしょう?

本当にダムが必要なほど長崎県が困っているなら、きちんとしたデータを示して理解を求めるために住民の下に通うべきです。そのやり方が住民に透けて見えているのだと思います。水が必要だという佐世保市民、治水対策が必要だという下流の人たち、せめて皆さんにはこんな問題点知ってほしいと思いました。

私の方からは、ダムが治水対策にはならず、かえって水害を招くということを住民の皆様に知ってほしいとプレゼンさせてもらいました。皆さんに問題提起をしたかったので、知事には回答は求めませんでした。

つる祥子(市民委員会委員・環境カウンセラー・自然観察指導員熊本県連絡会会長)

  • こちらは、同じく市民委員会委員の今本博健さんの投稿

石木ダム不要 知事は判断を

宮島市長、市民との対話、実現してください!

7月10日、佐世保市内の4つの市民団体が宮島市長への要請書を手渡しました。

要請書はこちら。20230710宮島市長への面談要請書

要請事項はただ1つ。

「石木ダム建設について、私たち市民との直接対話の場を設けてください」

 

秘書課長に手渡した後、各団体から一言ずつ補足説明がありました。

 

Mさん(#ダムより花を):市内のあちこちに「石木ダムは市民の願い」という看板等が見られるが、私たちの周りには「石木ダムはもういらんっちゃない?」という人が多い。他の市民はどう思っているのだろう?という疑問からシール投票やアンケート調査などをやってきた。新市長に、その結果をお伝えしたい。

 

Uさん(佐世保の水と石木ダムを考える市民の会):私たちは石木ダムの賛成反対を問わず広く語り合おうと座談会を開いてきた。が、なかなか賛成派の参加が得られなかったので、参加者からは行政側の説明が聴きたいという声が多く寄せられた。新市長にはぜひ市民の前で語っていただきたい。

 

Uさん(水問題を考える市民の会):私たちの会は2008年に発足し、まずは佐世保の水事情についての勉強会を重ねていった。当初は水道局の職員が講師となって説明してくれたので市民もよく理解できた。現在はそうではない。これからは宮島市長に期待しているので、市民との対話をより多く重ねていただきたい。

 

Mさん(石木川まもり隊):宮島市長は『99の政策』の中で「市民との対話を深化させ市民目線の行政」を目指すと書かれている。私たちは宮島市長のその政治姿勢に共感し、このような要請をすることにした。是非その政策を実行していただきたい。

 

稲富秘書課長:皆様のご意見は私から市長に必ず伝えるただ、7月20日(木)という回答期限は守れそうにない。実は市長が新型コロナに感染しまして・・・

 

そういう事情ならもちろんやむを得ません。

市長にはしっかり療養していただき、一日も早いご快復を祈っています!

今回の様子は石木川まもり隊のYouTubeチャンネルにアップしています。
宮島新市長、私たちの声を聴いて下さい – YouTube

 

さて、皆さんの中には、何故この4団体が一緒に要請することになったのだろう?と疑問をお持ちの方もいるかもしれませんね。それにお答えすると…

 

要請文書の中にも書かれていますが、

昨年11月24日私たち4団体は大石知事と面会しました。その時の知事の最後の言葉が忘れられませんでした。

 

佐世保市民も私にとっては長崎県民です。知事の私が皆さんのお話を聞くことは何ら不思議なことではありません。それを踏まえた上で、皆様のお考えを佐世保市に届けることも重要なことだと思います。

私が口出しすることではありませんが、しっかり届けていただければ、しっかりお答えされると思いますので、よろしくお願いいたします。

 

知事は「私たちの考えを佐世保市に届けることは重要なこと」と認め「よろしくお願いします」とまで語ったのです。それを私たちは私たちへの宿題だと受け止めました。

そして「しっかり届けていただければ、しっかりお答えされると思います」は、佐世保市への注文だと思います。

利水の問題はやはり佐世保市に説明責任があります。これに関して市民からの声が届いたらしっかり対応してくださいねと知事は市長に言いたかったのではないでしょうか?。

 

宮島市長、早く元気になって、大石知事や佐世保市民の期待に応えてくださいね~ 

 

石木ダムアンケート 佐世保市議選立候補予定者の答は?

県議選が終わったばかりですが、佐世保市ではもうすぐ市長選挙と市議会議員選挙が始まります。
立候補予定の皆さんは石木ダム事業についてどう考えているのでしょう?

どうしても気になる佐世保市民の有志15名が「石木ダムに関するアンケート実行委員会」を結成し、調査を実施しました。

その結果はこちらに公開されています。
Facebook『石木ダムどう思う?アンケート』

アンケート用紙 ’23市議選立候補予定者アンケート
アンケート結果 市議選アンケート結果一覧表
アンケート結果のグラフ 市議選アンケート結果グラフ

まず、こちらのグラフをご覧ください。
市長選に立候表明しているお2人が、どちらも回答されなかったという事実。
これには、有権者の1人として、また、このアンケート実行委員の1人として、たいへん残念に思いました。

宮島氏も橋之口氏も、お二人とも石木ダム建設推進なので争点にならないのはわかっています。しかし、市民の世論は二分している中で市民の多額の税金や水道料金を投じる事業です。
なぜ石木ダムが必要なのか、疑問に思っている市民にご自身のお考えを伝えようとは思われなかったのでしょうか。

一方、市議選の方は、アンケート用紙を受け取った39人中、19人の方から回答が届きました。
約半数の方がアンケートに応じてくださったのは前回に比べると大変喜ばしいのですが、回答者の6割が無記名というのは、これまた、残念で、嬉しさも半減といったところです。

前回の市議選のときは石木川まもり隊がアンケートを実施しました。立候補予定者41人中9人の方が回答されたので、回答率は22%でした。今回は39人中19人が回答され、回答率は49%、大きく改善されました。

しかし、名前を記して回答された方について見てみると、前回は全員記名されていたので22%そのままですが、今回は39人中8人なので21%となり、ほとんど同じです。皆さんはこの結果をどう受け止めますか?

佐世保市議になろうという高い志のある方でも、石木ダムについて名前を出して意見を表明しにくい事情や雰囲気が議会や支持者の中に漂っているのでしょうか?立候補予定の皆さんは、そこを忖度して表明することができないのでしょうか・・・

さて、中身の方で私が気になったのはこちら。

ここ10年で水不足を実感しているか?との質問には、10人が実感していると答えました。
が、その中身はというと、

四半世紀前の大渇水のことだったり、最近の節水を呼びかける広報に接してそう感じたとか、IRや企業誘致のためには水が必要という意見だったりが大部分で、自分自身が水不足で困ったというような事例は皆無でした。
また、水不足を実感している人の中にも、石木ダムではなく、カタールのように海水淡水化による水源確保を考えている方がいたのは驚きでした。

水不足を実感していると答えた人の大部分が、Q.3の質問に「佐世保市の水需要予測は合理的である」と答えていました。

その水需要予測のグラフはこちらです。

右肩下がりの実績値に対して予測はいつも右肩上がり。予測は5~6回出されてきましたが、全て大外れ。それでも合理的な予測だと認める議員が多ければ、行政は安心ですよね。

このように、水不足かどうかも、将来の水需要も、行政の説明に賛同される方が多数派を占めながらも、石木ダム計画の「見直しが必要ない」と答えた人は7人です。回答者の37%であり、全体の18%に過ぎません。

さらに、石木ダムのためなら「行政代執行も仕方ない」と思う人は6人で、全体の15%に過ぎませんでした。

また、私が注目したのは、佐々川についての質問です。
知っているか否かにかかわらず、ほとんどの人が記述欄にコメントしています。

コメントを読むと、水利権の転用に賛同している人が6人、否定的なコメントが5人ですが、否定する根拠は「難しいと思う」とか「取水は困難と聞いています」など。
中には「転用可能な水利権は存在しないという事実(司法判断)は知っています」とのコメントもありましたが、そのような司法判断は出ておりません。何か勘違いなさっているようです。

皆さんが「存在しない」と聞いているのは県の説明だと思いますが、存在するかどうか現時点では不明です。その判断の根拠となる流量調査を今まさに県はやっている最中なのですから。まだ6年ほどかかるそうです。

「知らなかった」と答えた4人中2人は「今後も検討していくべきだ」「有効な手段の一つと考える」とコメント。

私たちは、このような議員を求めています。
石木ダムに限らず、何事も、行政の説明を鵜呑みにせず、
市民の声に耳を傾け、議会に届け、行政をチェックし、
佐世保の未来を切り開いていくために大いに議論して欲しい。

残念ながら、今の市議会は、そんな理想とはほど遠いのが実情です。
今回の調査で、立候補予定の現職議員の方にアンケート用紙を送ろうとしても、佐世保市議会のHPには、住所も電話番号もメールアドレスなども掲載されておらず、連絡の取りようがありません。
しかたなく議会事務局に持参して、なんとか届けることができました。

県議会のHPには、議員の住所や電話番号、議員HPのURLまで掲載しています。
雲泥の差ですね。

佐世保市議の皆さんは、まるで市民との対話を拒否しているようで、悲しくなりました。

今回のアンケートにお答えくださった皆さんには、ぜひ当選していただき、議会改革に乗り出していただくことを期待しています。

そして、石木ダムの賛否に関わらず、石木ダムについて市民と大いに対話していただきたい。
市議は市民の声を託された人なのですから。

広報反論リーフレット 市内4割の世帯にポスティング

今年もあと1日と少しで終わり。

年々時の流れは加速する、ように感じる。と同時に、記憶もすぐに右から左へと流れ去ってしまう。このブログも、体力、知力の衰えと共に、書き漏らしが増えている。

3日前の反省会に出席し、その漏れに気付いたので、遅ればせながら報告させていただきます。

その反省会の正式名称は、「反論リーフレット ポスティング反省会」。

何への反論かというと、広報させぼ9月号の特集記事「水を大切にする日2022~渇水の歴史と石木ダム」https://www.city.sasebo.lg.jp/soumu/hishok/kohosasebo/documents/2022090205.pdf への反論です。

そこには、

  • 佐世保は2年に1度渇水の危機に瀕している渇水都市だ。
  • 石木ダムで得ようとしているのは4万トンで、それは必要最小限の水量だ。
  • 水源確保の方法は石木ダムしかない。
  • いま使用中の老朽ダムを改修するためにも石木ダムが必要。

と書かれていましたが、いずれも、その根拠に首を傾げたくなるものばかりでした。

そこで、私たちは、その4つのテーマごとに具体的なデータや資料を提示して反論するリーフレットを作成しました。

広報させぼへの疑問_

仲間の1人が、
これを各家庭に届けたいね。市は私たちの税金を使って、市の主張を市内10万世帯に届けている。私たちは、新聞折込しようにも、意見広告として断られてしまう。郵便物として届けるにはお金がかかり過ぎる。やはり、自分達の足と手で、1軒1軒配るしかないのではないか?

と言い出し、

他のメンバーも、やろう!と賛同し、反論リーフレットのポスティング作戦開始!

終わってみれば、当初計画をはるかに上回る数の家庭に届けることができました。

反省会での集計結果をお伝えすると・・

リーフレット総数=40,180部(発注数40,000+予備180)

ポスティング数=37,274部

その他=2490部

在庫=416部

ポスティング件数の37274世帯は旧佐世保市の世帯数93952世帯の39.7%にあたります。(合併した宇久島や飛び地の小佐々などには行くのが難しかったので、旧佐世保市を対象に配布しました)

ポスティングに参加したのは佐世保市民の有志24人と、佐賀県伊万里市のFさん、福岡市在住のKさんなど合計26人の個人と、健康友の会佐世保や石木ダム建設に反対する川棚町民の会の方々も進んで協力してくださいました。

その結果として、これだけ多くの世帯に配布できたことが心から有難く、感謝の思いでいっぱいです。

しかし、残念なことに、反応がほとんどありませんでした。

お1人だけ、よく書いてくれた!私もそう思っていた。頑張ってほしい!との激励の電話をいただきましたが、ほかには応援もクレームも何もありません。(実はダム推進派の方からの反論や抗議の電話を期待していたのですが・・)

でも、ポスティング中には住人の方に直接手渡す機会も有り、いろんな反応がありました。反省会で出てきたものは、「たまに要らないと言う人もいるが、だいたいは受け取ってくれた」「中には、ご苦労様とか頑張ってくださいとか」「たまに若い人がいて渡そうとしたら、大丈夫ですと言われた」

この「大丈夫」発言には皆も「そう、そう。最近の若い人は、要らないとは言わず、大丈夫って言うんだよね~」「何でだろう?」「いつ頃から?」と、大いに盛り上がりました。

とてもたくさんポスティングをしてくれたTさんは、それだけ多くの人と話す機会があったようで、いくつかのエピソードを伝えてくれました。

*小野町のアパートで配り始めようとしたら、たまたま家主さんがいて、「チラシは入れないように」と言った後で、「何のチラシですか」と聞くから、石木ダム反対のチラシですというと、「じゃあ入れてください」ということになりました。

*棚方で既に配ったところに二重配布したくないので、玄関先にいた主婦の方にリーフレットが入っていたかどうか尋ねますと、「入ってました。よく書けてますね」とお褒めの言葉をいただき、「がんばってください」と激励されました。

 

このような嬉しい反応は滅多にありませんが、私たちの多くが感じたことは、「市が水不足だというからそうだと思っていた」「水不足なら石木ダムは必要でしょう?」という思い込み。

そのような方に、あなた自身は水不足で何か困っていますか?と尋ねると「私は別に困っていない。でも、困っている人がいるんでしょ?」という認識。

では、是非このリーフレットを読んでみてください。そう言って渡してきたというケースがけっこうあったようです。

こういうことが大事だと、あらためて思いました。そして、受け取った方が、読んでくださっていますように・・!

皆の共通の感想は他にもありましたよ。

🔶最近のポスト(郵便受け)は、わかりにくい!

マンションでは、どこにあるのかわからない。奥の方だったり、外にあったり。個人宅では、様々な形のポストがあり、どこから入れれば良いのやら不明のものがあったり、二重扉になっていたり、門を開けて敷地内に入らなければポストにたどり着けなかったり・・・郵便屋さんの苦労がよーくわかりました!

🔶空き家が多い!

高台はもちろん、佐世保の中心地にも空き家が多い。ボロボロのアパート。草ぼうぼうのお庭。外観は立派だったので石段を登っていくと門のところに蜘蛛の巣が張っていたり・・

メンバーの1人は言いました。

「30年後、佐世保の人口は19万人になると推定されています。「ダムは必要ない」ということが確信になりました」と。

同感です。

23万7000人の人口の今、私たちは水不足で困ってはいない。

ダムを造って新たな水源を確保しても、人口が19万人になれば、その水は誰が使うのでしょう?不要な水のために、19万人の市民は、無駄なダムの維持管理費を支払い続けなければならないのです。そんな理不尽なツケを未来に託していいのでしょうか?

あなたはどう思いますか?

 

 

 

 

石木ダム不要、市民から知事へ 初めての直訴

11月24日、ついに知事との面談が実現しました。

石木ダムの早期完成を公約に掲げて当選した知事が、石木ダムに反対の佐世保市民との面談に応じることになったのです。どうせパフォーマンスでしょ?反対派の声も聞きましたというアリバイ作りに過ぎない!と見る向きもあるでしょう。

しかし、仮にそうであったとしても、会うことに意味がある、互いの目を見て直接伝えることが何より大切だと思いました。石木ダムが必要だと思い込んでいる知事に、石木ダムは不要だとなぜ私たちが思うのか、その根拠を示したい、その思いを伝えたい、客観的な事実を知らせたい、そう思いました。事実を知れば認識が変わり、考えも変わる可能性があります。その可能性がどれほど小さくても、伝えなければ可能性はゼロです。

だから、時間制限や人数制限、非公開、そして質疑はしない、知事はただ「皆さんの話を聞かせていただくだけ」等の条件も全て受け入れ、面談の実現を求めました。

その結果、県側からは4人が参加。左から土木部河川課小川企画監、奥田土木部長、大石知事、松園石木ダム建設事務所長です。

市民側の参加者は26名。石木ダムに反対している佐世保市内4団体のメンバーです。冒頭の挨拶で知事はこう言いました。佐世保は慢性的な水不足で、過去には264日間の給水制限が続いただけでなく、その後もほぼ2年に1度の渇水危機に見舞われていると聞いています。石木ダムは必要不可欠で、早期完成を目指しています。

ここにご参加の皆様も大渇水を経験しておられるのではないでしょうか?その上で石木ダムには反対だと聞いております。その思いも含めたご意見を聞かせていただければと思っております。

いきなり、そうきましたか~
必要不可欠、早期完成、そして2年に1度の渇水危機!朝長市長の口癖が頭にこびりついてしまったかのよう・・

いやはや、むしろやりがいを感じますねー
各団体から選ばれた4人は、ますます心を込めて、精いっぱい知事に語りかけました。その話の内容をここに開示します。是非ごらんください。

トップバッターは、「#ダムより花を」の森田さんです。発言原稿 森田敦子:#ダムより花を

森田さんは、ダム花がこれまで行ってきた市民アンケートだけでなく、新聞社やタウン誌が行った結果も紹介しながら、


市民の意見は分かれていますが、このように石木ダムはいらないとか分からないという意見が多数派です」という結果を示し、

子どもたちには50年も前に計画されたダムではなく、こうばるのような多様な生き物がいる自然や持続可能な里山の暮らしを残したい

こうばるの人たちを苦しめて追い出してまで作ったダムの水は欲しくない

など様々な市民の声を紹介。

知事も席を立って近づき、アンケート結果を確認していました。

 

続いて発言したのは、「佐世保の水と石木ダムを考える市民の会」の牛島さん。

発言原稿 牛島万紀子:佐世保の水と石木ダムを考える市民の会

同会が11回にわたって各町内で行ってきた勉強会で誰もがおかしいと感じたこと、「水需要は減り続けているのに、市はなぜ増えると予測するのか?」「佐世保の水源は10万トン以上あるのになぜ7万7千トンしかないと主張するのか?」について、実績値のグラフや水源一覧表を示しながら説明。

そして、「公共の福祉を理由として人権を侵害しても必要がある公共事業は、子どもでも理解できる説明でなくてはなりません」としっかり指摘。

三番手は、「水問題を考える市民の会」の宮野さん。

発言原稿 宮野由美子:水問題を考える市民の会

宮野さんは、一日平均給水量の実績値を示しながら、平均給水量
近年は6万5千トン前後であり、市が主張する7万7千トンの水源でもおつりがくる」と説明。

さらに、佐世保には大きなため池がたくさんあり、ため池

渇水時にはこれらの池の水を活用できる分水協定を結ぶことを提案。分水協定
多額の税金を投入して必要性の乏しいダムを作るより、協定を結ぶだけで水の心配がなくなるため池の活用をぜひ進めていただきたい

 

最後は「石木川まもり隊」から松本が発言させていただきました。

発言原稿 松本美智恵:石木川まもり隊

・このように必要性が疑われる石木ダムに、佐世保市民は357億円も負担しなければならない。資料1.佐世保市民が負担する石木ダム事業費

・その多くは水道会計から支払われ、市民はダムよりも老朽化した水道施設の更新整備に水道料金を使ってほしいと願っている資料2.佐世保市まちづくり市民意識アンケート調査 H30

・石木ダム事業費はまだまだ増えそう。それはダム建設予定地の地質に問題があるから。透水性が高く、その対策工事に今後かなりの費用を要するだろう。資料3.石木ダムの問題点について :建設コンサルタント応用理学技術士 資料4.採石跡地問題

新たな水源確保対策としては水利権の転用を提案する。佐々川の遊休水利権を佐世保市の水道用水として知事が認めるだけで済む。費用は全くかからない。資料5.佐々川の水利権などについて資料に基づき説明し、最後に大石知事に訴えました。

「半世紀前のダム計画の呪縛を断ち切って、どうか50年後100年後の長崎の未来を見据え、県政の方向転換をしていただけますようお願いします」と。

その後、会場からも2人の方からの発言がありました。

石木ダム建設費だけでなく、その後ずっと維持管理費もかかってくる。また、新たに浄水場も造ろうとしているが、他の古い浄水場は切り捨てて2つだけにするようで、浄水量は今よりも減少するだろう。本当に今後水需要が増えると思っているのなら、そんなことはできないはず。

1972年の覚書が守られないまま工事が強行されている。昨年、福岡高裁は判決文の中で覚書に触れ、地元の理解を得る努力をするよう県に求めた。いま大石知事はその努力をしていると思う。が、その対応を佐世保市長や市議会は批判していて、いかがなものかと思う。大石知事は住民の方との話し合いを続けてほしい。

なんだか知事へのエールのような雰囲気になったところで、終了の時間となりました。

松本:お忙しい中このような機会をつくっていただき、ありがとうございました。今日はお話をさせていただくだけで知事への質問はできませんでした。今日で終わりではなく、今日を出発点として、また、このような機会を設けて頂きたい、そして次は知事のお考えをお聞きしたいと願っています。

知事:短い時間でしたが、皆さんのお話が聞けて、本当に私も嬉しかったです。先ほどの方のお話を聞いて思ったのですが、佐世保市民も私にとっては長崎県民です。知事の私が皆さんのお話を聞くことは何ら不思議なことではありません。それを踏まえた上で、皆様のお考えを佐世保市に届けることも重要なことだと思います。私が口出しすることではありませんが、しっかり届けていただければ、しっかりお答えされると思いますので、よろしくお願いいたします。

最後は互いに感謝の言葉を交わして会場を後にしましたが・・・

この日の夕方のテレビニュースで早速「知事、反対派と面会」と報じていましたが、「いろんな意見があると感じたが、(ダムが必要という)認識は変わらない」という知事のコメントを見て、がっかり!

発言者の目を見て聴き入ったり、熱心にメモを取ったり…真摯な姿勢はやはりパフォーマンスだったのでしょうか?


インタビュー映像で確認できた知事の言葉を拾ってみると、

「市民の方々の中には、(ダムを)求めていない方もいらっしゃるんだと」
「水が足りないんだということでこの事業は進めている」
「いろんな立場からの話を聞いて、しっかりと判断をしなければならないので、そのうちの1つの声を聞かせていただいた。これによって(事業継続についての)認識が変わるということはない」

冷静に聞いてみると当然のコメントですね。

これまでずっと部下である河川課職員からのレクチャーを受け、佐世保市長や県議会、市議会、促進派団体から「一日も早く石木ダムを!」との要望を受けてきた知事の頭の中は、必要論で鮨詰め状態。新たな情報が入る隙間は中々無さそうだし、たかが1時間、市民の話を聞いたくらいで理解できるものではないでしょう。

今日のところは、「市民の方々の中には、(ダムを)求めていない方もいらっしゃるんだと」いうことを知っていただいただけで十分です。

「水が足りないんだということでこの事業は進めている」のですから、「水が足りている」ということになれば、事業は見直すべきだと知事も感じておられるのでは?

そして、毎日新聞が大事なことを伝えてくれています。

私たちが指摘した佐々川からの取水実績について、知事は「事実を確認したい」とおっしゃったようです。

ぜひ確認してほしい。そして確認した結果を公にしてほしい。遊休水利権と認めるのか否か。認めるなら、それを転用するのかしないのか、その理由は?

私たちは、新たなダムを造って自然や住民の暮らしを破壊するのではなく、老朽化した水道管を更新して漏水を減らし、雨水や再生水を有効活用して水を循環させる、そんな持続可能な水道行政を望んでいます。

気候変動による自然災害はますます甚大化しています。これ以上新たなダムを造り続けることは逆効果です。これからは自然との共生による治水や利水の時代です。

大石知事にお願いします。半世紀前のダム計画の呪縛を断ち切って、どうか50年後100年後の長崎の未来を見据え、県政の方向転換をしていただけますよう、心からお願いいたします。

 

以下マスコミ各社の記事です。

NCC長崎文化放送
https://www.ncctv.co.jp/news/109137.html
石木ダム反対派団体が知事と初めて面会

NIB長崎国際テレビhttps://www.nib.jp/nnn/news106lzb1ecx3go3qp657.html
石木ダム建設 知事と反対派市民団体初面談

KTNテレビ長崎
https://www.ktn.co.jp/news/detail.php?id=20221124008
水需要予測に疑問投げかけ…石木ダム建設反対の市民団体が知事と初面会

NBC長崎放送
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/nbc/213482?display=1
石木ダム巡り建設反対の市民団体と大石知事が初めて面会

毎日新聞 https://mainichi.jp/articles/20221125/ddl/k42/040/341000c
石木ダム反対4団体 26人が知事と面談 データ説明に「確認したい」

長崎新聞
https://nordot.app/968701158038994944
大石知事、石木ダム反対団体と初の面会 座り込み現場も訪問

朝日新聞https://digital.asahi.com/articles/ASQCS6X02QCSTLZU008.html
「建設進める認識は変わらない」 知事、石木ダム建設反対派と面会

西日本新聞
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/1019240/
長崎県知事、石木ダム建設反対派と意見交換

 

 

佐世保市民による大石知事との面談要請 3度目の正直なるか

9月22日、私たち4団体(石木川まもり隊、水問題を考える市民の会、佐世保の水と石木ダムを考える市民の会、#ダムより花を)は、大石知事に面談を求める要請書を提出しました。7月28日、8月23日に続く3回目の要請です。

すっかり遅くなりましたが、記録として残しておきます。

7:50~8:50 県庁前でチラシ配りとスタンディング。

2022.9.22県庁前配布チラシ1

 

9:20~9:30 各団体から申し入れと要請書提出。


2022.9.22 知事への要請書

議会中を理由に土木部長も河川課長も姿を見せず、3人の河川課職員が対応。

9:30~10:00 記者会見。

NBCニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/39643409ed3356f41a245efcc3968d17b12a62d8

私たちの願いはただ一つ、石木ダムに対する佐世保市民の想いを知事に直接伝えたい、それだけです。

既に市民の声は聴いていると知事は言われるかもしれませんが、それは推進派の声だけです。7月13日と9月11日の2回とも、知事の前で発言していた佐世保市民とは、いずれも『石木ダム建設促進佐世保市民の会』のメンバーです。運営資金は100%市の助成金で賄われ、事務局は市役所の中にある、「市民の会」とは名ばかりの官製団体です。

利水受益者と言われている佐世保市民の全てが石木ダムを望んでいるわけではない。むしろ少数派です。アンケートをすると、「要らない」とか「わからない」とか答える人の方が多いのです。

それは何故なのか、その理由や根拠を、知事と面会して直接お話したい。県民との対話を重視する大石知事なら応えてくださるはず!との想いで要請書を提出してきたのですが、過去2回はいずれも拒否されました。

その理由は「石木ダムに関する訴訟が継続中なので会うことはできない」というもの。もちろん、それは口実に過ぎません。法的根拠がないことは河川課の職員もはっきりと認めました。

提出予定日の前々日(9月20日)、石木ダム工事差止訴訟に関する最高裁の決定が届きました。結果は上告棄却という残念なものでしたが、しかし、これで知事が私たちとの面会を拒む理由は無くなりました。

知事は以前、「どちらか一方の話だけではなく、両方の話を聞きながらしっかりと理解を深めていきたい」とおっしゃっていました。その言葉を思い出してください。ほんの3ヶ月前のことです。

推進派以外の市民の声には耳を塞ぎ、事業を強行するなら、これまでの長崎県政と何ら変わりはありません。
賛成にしろ反対にしろ、受益者の声には等しく耳を傾け、その上で判断すべきです。

合意形成の努力を惜しんだ公共事業は、将来に必ず禍根を残します。

私たち県民は、民主的な開かれた県政の実現を心から願っています。

 

回答期限は明日、10月6日です。

知事の本心による回答を待っています。

 

佐世保市民から大石知事へ再要請

8月23日、私たちは再び大石知事へ石木ダムについて佐世保市民の声を聴いてほしい、面談の機会をいただきたい旨の要請書を提出しました。

私たちというのは、「水問題を考える市民の会」「佐世保の水と石木ダムを考える市民の会」「#ダムより花を」そして「石木川まもり隊」の4団体です。

その要請書はこちらです。2022.8.23 知事への再要請書

この文書の中でも説明していますが、そもそもの発端は7月13日。知事はわざわざ佐世保まで足を運び、石木ダム推進派団体と面談しました。

そこで私たち4団体は、28日、推進派以外の市民の声も聴いてほしいとの要請書を提出しました。

それに対する回答が8月18日、電話によってもたらされました。(要請書には文書で回答いただきたいと明記していたのですが)

その内容は、「訴訟が継続中なので会って話し合うことはできない」というもので、なぜ訴訟中だと会えないのか尋ねても明確な説明はいただけませんでした。そこで、回答はやはり文書でいただきたいと言うと、「訴訟中なので文書のやり取りもできない」との返事。何度お願いしても結果は同じでした。

そこで私たちは協議の結果、再要請書を提出することで合意、23日に速達書留で郵送しました。

今回の要請書では要請事項を2つとしました。

1つ目は、なぜ訴訟中だと「面会も文書のやり取りもできない」のかということです。

石木ダムに関する裁判が始まって以来7年間、県も佐世保市も訴訟を理由に話し合いを拒んできました。「石木ダムの必要性については、いま法廷の場で争っているところなので、お話しできません」と言いながら、広報紙や県政or市政チャンネルでたびたび特集を組み、石木ダムの必要性を声を大にして訴えています。

石木ダム訴訟の原告は全て個人の意思によるものです。団体として提訴したわけではありません。仮にその個人としての原告が4団体の中にいるから会えないと言うなら、8月10日知事が川棚で面談した方は全員原告です。矛盾していますね。

もう1つの矛盾、それが2つ目の要請事項に繋がります。

知事は推進派の市民・町民と面談したその日に「どちらか一方ではなく、両方の話を聞きながらしっかり理解を深めていきたい」とテレビカメラの前で語っていました。そんな知事が推進派佐世保市民の意見だけ聞いて反対派佐世保市民の意見を聞かないのは、やはり矛盾しています。

矛盾というより、あれは「本心ではなかったってこと」「住民と会うのもパフォーマンスに過ぎない」「だから騙されちゃダメ」などと批判する声も、あちこちから聞こえてきます。

でも、私たちはまだ知事の言葉を信じたいと思っています。だからこそ再び要請書を提出したのです。

県民との対話を重視する大石知事に求めます。

石木ダムの利水について、受益者である佐世保市民のもう一方の声を、ぜひ聴いてください。

知事自身の判断による回答を私たちは待っています。

 

KTNテレビ長崎  https://www.fnn.jp/articles/-/408787

毎日新聞  https://mainichi.jp/articles/20220827/ddl/k42/040/372000c

大石知事、推進派と意見交換

大石知事は選挙期間中から課題解決のためには、まず関係者の話をよく聴くことが大事と対話重視の方針を示していました。

トップダウンではなくボトムアップという手法は民主的で、県民としても望むところです。

石木ダムに関して知事は、3月就任後まもなく建設予定地こうばるを訪れ、住民へ挨拶。4月には、住民の案内でこうばるを視察。

次は石木ダムの必要性についての意見交換をということになっていたので、住民の皆さんはその日を待ち望んでいましたが、その機会は得られないまま、工事だけが進んでいます。

そして昨日、知事は推進派の声を聞くために、佐世保市と川棚町を訪れました。

佐世保市では「石木ダム建設促進佐世保市民の会」、川棚町では、「石木ダム建設促進川棚町民の会」や元地権者でつくる「石木ダム地域住民の会」との意見交換を実施。

終了後、知事は記者団にこう語っていました。

その考えは立派です。

4月には現地を歩きながら反対派住民と語り合っていたのだから、今度は推進派元住民と意見交換することは全く問題ありません。

でも、それは、あくまでも公平に両方の話を聴くならばということです。

「両方の話を聞きながらしっかり理解を深めていきたい」との言葉通り、知事自身が石木ダム問題を学び理解するために両者から話を聞く。その上で判断する、という道筋でなくてはなりません。

しかし、知事は会議の冒頭このように発言しています。

既に知事の判断(事業は必要→早期完成を目指す)は示されているではありませんか。

同じ推進派同士なのに、なぜ意見交換が必要だったのでしょうか?

冒頭の挨拶以外はマスコミにも非公開だった昨日の会議で、どんな意見が出されたのやら・・。

新聞報道によると、佐世保では、1994年の佐世保大渇水を振り返ったり、老朽化した既存ダムが大雨で崩壊する懸念が指摘されたそうで、川棚では、昨年の大雨で石木川の護岸が崩れ人命に関わる恐れがあったとの訴えがあったそうです。

もしかしたら、次の川原訪問に向けて、知事は「住民の話を聴く」だけでなく逆に住民を説得したい、そのための根拠を求めて推進派の意見に耳を傾けたのではないか・・そんな疑念さえ生じてしまいます。
 まるで行政代執行へと背中を押すような発言・・

知事自らが理解し判断するためだったはずの対話は建前で、所詮はパフォーマンス、行政代執行のアリバイ作りだった・・そうならないよう、

私たちは未だ知事の初心に期待し、真の対話を願っています。

NHK長崎 7/13(水)16:53
石木ダムめぐり知事が建設容認の住民と初の意見交換
https://www3.nhk.or.jp/lnews/nagasaki/20220713/5030015253.html

NCC長崎文化放送 7/13(水) 20:15
大石知事が石木ダム推進派と意見交換
https://news.yahoo.co.jp/articles/1142b45512f78b7da7f97af4ad935e6004a6fc80

KTNテレビ長崎 7/13(水) 20:26
大石知事と石木ダム建設推進派の住民などが初面会
https://news.yahoo.co.jp/articles/4afa678e19e4a82a9cb77ba349da04fd5ced41af

NBC長崎放送 7/13(水) 19:08
大石長崎県知事が石木ダム推進派と面会 ”建設推進” を明言
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/94870?display=1

読売新聞 7/14(水)05:00
知事「石木ダム推進」建設求める3団体と意見交換
https://www.yomiuri.co.jp/local/nagasaki/news/20220713-OYTNT50156/

毎日新聞 7/14(水)
石木ダム 推進団体と意見交換 知事「理解得ること重要」
https://mainichi.jp/articles/20220714/ddl/k42/040/367000c

長崎新聞 7/14(木)11:50
大石知事、石木ダム建設推進派と意見交換 早期完成を改めて強調
https://nordot.app/920140332116819968

大石知事への手紙

一昨日、宮崎県在住の隊員MMさんからメールが届きました。新知事が川原を訪問したと聞いて自分も嬉しく思う。遠くに居て何もできないが大石知事への期待を伝えたいと思い、県のホームページ内の「知事への提案」欄にメッセージを送った、とのことでした。

とても共感する内容でした。知事は読んでくださったでしょうか?そもそも知事のもとに届いているでしょうか?はなはだ疑問に思えてならないし、知事以外にも、土木部長さんや河川課長さん、佐世保市長さんや水道局長さんにも読んで欲しいな~と思いました。ご本人にお願いし、快諾を得たので、ここに転載させていただきます。

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長崎県知事 大石賢吾 様

 

 長崎県知事、ご就任、おめでとうございます。

 私は長崎県民ではありませんが、一言、知事に提案があります。

 それは、石木ダム事業のことです。

 歴代の知事の愚行を踏まぬよう、これ以上、長崎県行政の横暴を許してはなりません。

知事は、「横暴」ではなく、「法にのっとった行政」と言うかもしれません。

しかし、傍から見ていると明らかな、行政の横暴であり、沖縄の辺野古の海の埋め立てと同じです。

 知事が、就任間もないこの時期に現地に行かれ、住民の方に対面されたのは、とても素晴らしいことだと思います。

 その次に、是非、行って頂きたいのは、石木ダムが本当に必要な事業なのかということを客観的にしかもオープンな形で、議論をすすめることです。

 参考になるのは、熊本県の川辺川ダム計画の説明不十分との考えから、当時の潮谷熊本県知事が行った「住民討論集会」です。このオープンな場を事業主体である国土交通省が主催し、ダム有効性、費用対効果、環境影響など様々な観点での議論をオープンな形で行いました。そのことによって、川辺川ダムの本質が皆さんに理解が深まりました。

 このようなことを石木ダム事業についても、是非、行って頂きたいと思います。

 そうして、あくまでも平和裏に、双方が納得いく形で、ダムの是非を問うてみて頂ければと思います。

 知事さんには、知事さんの立場、公約があるとは思います。その公約の裏には「絶対に県民を裏切らない」という強い人間性が存在していると思います。

 今後の知事さんのご活躍に期待しています。

 よろしく、お願い致します。

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長崎県のホームページには「知事のページ」があります。https://www.pref.nagasaki.jp/koho/governor/

大石知事からのメッセージの最後には、
県民一人一人の皆様の声を聞き、寄り添いながら、県政をしっかりと前に進めてまいります。「皆さんと一緒につくる新しい長崎県」の実現を目指し、自らが動く知事として邁進してまいりますので、皆様のご理解とご協力をよろしくお願いいたします。
と書かれています。

MMさんは県民じゃないけれど無視しないでいただきたいですね。

そして、私たち県民こそ大石知事のこの言葉を信じて、MMさんのように「知事への提案」欄にメッセージを送ってみませんか。

入力フォームはこちらです。https://eap.pref.nagasaki.lg.jp/kv2/index_pc.php5?FORMNO=42000G00001085ibS&SETUID=SSL

 

ススキの叫び

もう10日ほど前のことになりますが、県内にお住いの方からメールをいただきました。

「石木のタブノキ」読ませていただきました。現場にいてこその迫力とタブノキへの想いがひしひしと伝わってきました。 応援に駆け付けることが出来ない私のもどかしい思いを詩にしました。 氏名は明記していただいて結構です。

と書かれていました。とても嬉しく思いました。私たちがつい忘れがちになること、現場に来なくても、来れなくても、私たちと同じ思いの仲間は沢山いるのだということ、それを思い出させていただきました。

大好きな金子みすゞの詩にもありましたっけ。見えぬけれどもあるんだよって。

   星とたんぽぽ

 青いお空のそこふかく、
 海の小石のそのように
 夜がくるまでしずんでる、
 昼のお星はめにみえぬ。
    見えぬけれどもあるんだよ、
    見えぬものでもあるんだよ。

 ちってすがれたたんぽぽの、
 かわらのすきに、だァまって、
 春のくるまでかくれてる、
 つよいその根はめにみえぬ。
    見えぬけれどもあるんだよ、
    見えぬものでもあるんだよ。

 

話が横道にそれてしまいましたね。では、あらためて、中里さんの詩をご紹介します。

 

 ススキの叫び

                中里和彦

 

パイプ椅子を並べ

婆ちゃんたちは座っている

何を言うでもなく

ただ、じっと前を見つめ

座っている

 

胸のゼッケンには

何かが書かれているが

人々に読まれることもなく

たまに読み上げる婆ちゃんたちの声を

人々が聞くこともない

 

パイプ椅子を並べ

婆ちゃんたちは座っている

行き交うトラックの

巻き上げる砂ぼこりに顔を伏せ

座っている

 

トラックの行先では

草は刈り取られ

木々は切り倒され

大きな重機が

大地をはぎ取っている

 

パイプ椅子を並べ

婆ちゃんたちは座っている

たまに、その視線は傷ついた大地に行き

思い出を胸に

座っている

 

座っている婆ちゃんたちの前を

行き交うトラック

風圧に一本のススキが巻き込まれ

タイヤの圧倒的な重圧に姿を失い

踏みしだかれたススキは

無数の綿のような種をはじき出し、叫ぶ

 

『コウバルに、来年も咲く!』