昨日、佐世保市議会都市整備委員会において、市民有志16名が提出した請願21号の審査結果が出されました。
委員長を除く7名中、賛成派1名(社民党)のみで、他の6人(自民・公明・市政クラブ・緑政クラブ)の委員は反対、よって不採択となりました。
私たちにとっては予想通りの結果でしたが、マスコミの方は驚いていました。
何で反対なんですかね?
請願の内容は、ごく当たり前のことが書かれているような気がしますけどね、と。
ですよね〜
私たちが請願した事項は次の3つです。
1.全ての水道管を点検し、老朽化の実態を早急に把握し、具体的な更新計画を市民に示してください。
2.また、その更新計画を遂行するための費用を算出し、着実に遂行できるよう財源確保計画を市民に示してください。
3.個人所有の水道管の破裂や漏水を未然に防げるよう、老朽化対策について市民への情報提供に努めて下さい。
上記のことを佐世保市水道局に求めてください。
これの何が問題なのでしょう?
その1:私たちが問題にしていたのは、水道局の水道管の老朽化についてです。
個人所有の水道管対策ではありません。
(付け足しで述べたことを逆にメインにして反対の理由とされてしまいました)
その2:水道局が何もやっていないとは言っていません。
「水道ビジョン」だとか「アセットマネジメント」だとか、市民にとっては意味不明の、厚労省の指導に沿った取り組みがなされているのは知っています。
しかし、机上でいかに立派な計画書を作っても、老朽管の更新を急がなければ漏水はなくならず、むしろ水道管破裂による断水の可能性は大きくなるばかりです。
その3:財政的なことを考えると、更新を急ぐことは難しく長期計画でいくしかない?
その発想を変えてほしくて請願をしたのです。
結論ありきでは現状打開はできません。まず何よりも重要なのは情報提示。
厚労省が策定した新水道ビジョンの理念は「地域とともに、信頼を未来につなぐ日本の水道」です。
そして重点的な実現方策の1つが「住民との連携(コミュニケーション)の促進」です。
市民に積極的な情報開示をせずにどうして連携がとれるでしょう?
老朽化した全ての水道管の更新には莫大な費用がかかると聞きますが、それがいったいどのくらいのものなのか、私たち市民は皆目見当がつきません。
だから示してほしいと言っているのです。
それがわかってから、では、その費用はどうしよう?
水道料金を値上げする?
いやいや、一般会計から補てんする?
いやいや、今有る無駄を取り除き、その予算をまわす?
など市民自身も熟慮して、必要な財源確保を目指すことが大事!なはずですが・・・
なぜか議員の皆さんは、そうは思わないようで・・・不思議です。
いや、不思議でもないかな?
佐世保市議会は石木ダム建設促進決議をあげてますからね。
毎年、市が県や国へ要望する最重要課題として石木ダム建設促進を掲げるのを認めてますから。
石木ダムの予算を老朽化対策に回してほしい〜なんて市民の声が盛り上がっては困るのでしょう。
だから、市民には何も考えないでもらいたい。
難しいことは市や議会が考えるので、市民は黙って従ってほしい。
本音はそんなところでしょうか?
昨日の委員会の結果を知り合いの佐世保市民20人ほどにメールで伝えたら、
こんな返信をいただきました。
請願内容のポイントは個人の水道管でなく、佐世保市の「水道本管の老朽化対策」でしょう?
不採択の意味が私には理解できませんね。
漏水が1日に4トントラックで1750台分程度ありますから、まずこれを減らすことですよね。
そのためには「水道本管の老朽化対策」と思いますよ。
え?1750台?
びっくりポン!です。
先日この方から佐世保地区の漏水量を聞かれたので平成26年度の実績値として、
7,035㎥/日と伝えました。
それを4トントラックでは何台分になるかと計算されたのですね。
とてもわかりやすいですね。
しかし、佐世保市全体で考えれば漏水はもっとあって、
26年度は、7.951㎥/日でしたから、
4トントラックでは1988台分です。
4トントラックの大きさがピンとこない方のために別のたとえを考えてみます。
佐世保市民の一人一日の水の使用量は平成26年度の場合188リットルだったので、
一日の漏水量は、42,293人分の水を無駄にしたことになり、
1人で使うとしたら、115年分の水量で、
一生かかっても使いきれない水の量を一日で無駄にしているということですね。
2003年6月、国連アナン事務総長が発信したメッセージには愕然としました。
世界の20億人が水不足で命の危険にさらされています。
6人に1人は、安全な飲料水をいつも利用できずに暮らしています。
水関連の病気は8秒に1人の子どもの命を奪っています。
現在はずいぶん改善されてきました。
昨年6月の、ユニセフ(国連児童基金)とWHO(世界保健機関)の共同発表によると、
1990年以降、26億人が安全な水にアクセスできるようになり、現在世界の人口の91%が安全な飲料水を利用しています。
15年前には、毎日2,000人の子どもが汚れた水や不衛生な環境に起因する下痢で亡くなっていましたが、現在その数は1,000人以下まで減っています。
とのことで、ユニセフ等の努力の成果は素晴らしいと思いますが、
それでもまだ一日に1,000人近い子どもがきれいな水が飲めなくて亡くなっているのです。
ドラえもんのどこでもドアがあれば、佐世保市の漏水を、この子たちに届けられるし、
汚れた水で亡くなる子は一挙にゼロになるのに・・・などとアホなことを夢想してしまいます。
話がすっかり横道に逸れましたが、とにかく、
佐世保市議会議員の皆さん、
もう少し、水問題を真剣に、石木ダムにとらわれず考えてくださいね〜