”聞きたい” その4

シリーズ4回目の今日登場したのは、石木ダム対策弁護団副団長の板井優氏。

川辺川ダムを止めた弁護団団長として知る人ぞ知る板井弁護士。

私も聞きたいと思っていました。

その通り!と、読みながら頷くことばかり。

★ この国の政策は「はじめにダム有りき」

★ ダムを造りたければスパンを長くすればいい

★ しかし、想定外の大雨が降ればダムもあふれる→ソフト面の対策こそ重要

★ 過去の大渇水を石木ダムで防げるというデータも根拠もない

★ ダムを造らないということを法律で決める時代に来ているのではないか

 

この記事を読んで、目から鱗の読者もけっこういたのでは?

板井弁護士の鋭い視点を、わかりやすくまとめた記者さんに拍手! 

 

”聞きたい” 石木ダム問題

ついに強制収用の手続きに踏み出した長崎県。

もはや地権者だけの問題ではない。

川棚町民や佐世保市民だけの問題であってはいけない。

県の事業なのだから、県民の多額の税金が投入される事業なのだから、

県民自信が関心を持って考えるべきこと。

でも、多くの県民は「よくわからな〜い」というのが実情。

で、少しでもわかるために、まずは話を聞いてみましょう。様々な立場の人に。

 

そういう意図なのかどうかはわかりませんが、石木ダム問題について、

西日本新聞が連載を始めました。とても読み応えがあります。

何回まで続くのか不明ですが、とりあえず、18日〜20日までの3回分をまとめて転載します。

 

今年度から県土木部長に就任された浅野氏の話には、正直がっかりです。

いつも柔らかな言動で、これまでの官僚的、上から目線の部長さんとは違う、話し合える方のように感じていました。

というのも、昨年から何度か公開質問状を出しましたが、今年3月までは企画監が対応するだけ。
しかも、質問に答える必要はないというのが彼の答えでした。

それは企画監の答えというより、それは河川課長の答えであり、土木部長の答えだったはず。

ところが、5月以降、話し合いがもたれるようになり、そこには必ず新土木部長の姿がありました。

だから、私たちは、浅野部長は地権者の理解を得るためには、ちゃんと話し合いをしなければならないことを理解している人なのだと思っていました。
地権者の疑念を払拭するための説明責任を自覚している人だと感じていました。

しかし、このインタビューに答えている浅野部長はまるで違います。
これが部長の本音だったのでしょうか。

「ダムの必要性については、われわれは前から説明して来ている」
「理解が得られていないのは、見解の相違と言わざるを得ない」

その見解の相違を解決するべく、私たちは「県の主張のここが納得できない。県がそう判断する根拠を示してください」と具体的に質問するのですが、県はその根拠を示す具体的な資料やデータは示さず、同じ説明を繰り返すばかりです。

それでは見解の相違が縮まるはずはありません。

その努力をせずして「ご協力いただくしかない」と結んでいるのは、これから話し合いを続けても、それは形だけのものですよということなのでしょうか。

結局、県自身は石木ダム計画を精査する意思はさらさらなく、ただ「理解せよ、協力せよ」と押し付けるだけ。浅野部長も、その方針に沿って仕事する官僚に過ぎないということなのでしょう。残念です。

 

川原で暮らす地権者の思いを実にしっかりまとめてあります。

石丸さんが日頃おっしゃっていることが、そのまま文字化されている。

石木ダムのことを何も知らない読者でも、3回ほど読んでくださったら、きっと、その本質が伝わってくると思う・・・そんな記事でした。

 

推進派の会長さんの話は、私には初耳でした。

予備調査を始めたころの長老たちの条件闘争、強制測量を県に促しておきながら「知らなかった」とコメントした当時の川棚町長の嘘などバラしています。
反対同盟13世帯との昔の思い出や記念写真を大切に持っていることを語るなど・・・
フェアないい人!と思いながら読み進みました。

ところが、ところが、最後に来て、「十分な損失補償金が出るうちに、理解してほしい」「建設できなければ・・・町も大損する」ときた。

うーん、残念!

こりゃダメだ。

ここの違いなんですよね。13世帯はお金ではない。お金を求めてはいない。お金では動かない。本当の豊かさを求めているのだけれど、それが、この方には理解できていないようです。

 

明日は誰が登場するのか、識者とはどなた?

楽しみです。 

 

9月18日の動きを伝える各紙

なるほど、そういうことか〜

と、収用裁決がどういうものなのか知らない人(ほとんどの読者)にも分かりやすく書かれています。

*収用委員会が裁決申請を受理する要件は、書類として整っており、手続き上の不備がないことだけ。

*そこで審理するのは補償額や明渡し期日などをきめること。

*裁決申請書の写しは9月中にも公告縦覧が始まるようです。

*「18日は非公開で開かれた」とありますが、10月に開かれる次回以降の委員会は、公開されるのでしょうか?

 

 

へー!

県は取材に対し、「審尋の内容は明らかにできない」と言ったらしい。

そんな規則でもあるのでしょうか?

あったとしたら、馬奈木弁護士たちは規則違反になりますが・・・

こちら側の弁護団は審尋後に丁寧な報告会を開いてくれました。

マスコミの方にもオープンで。

審尋の内容を明らかにするのが規則違反なら、そんなことはできないでしょう。

 

審尋に対して取材拒否したのは、なんでもこっそりやりたがる、特に都合の悪いことは秘密にしたがる行政側の習い性みたいなものでしょうか・・・

 

 

長崎では裁決申請受理、佐世保では仮処分審尋

石木ダム 県収用委員会

県と佐世保市が東彼・川棚町に建設を計画する石木ダム。県収用委員会は18日、反対地権者の土地の強制収用につながる裁決申請を受理しました。委員会は午後、県庁で非公開で開かれました。委員は知事が任命した弁護士や建築士ら7人で構成します。委員会では県が5日に申請した反対地権者4世帯の農地約5000平方メートルの明け渡しを求める裁決申請について協議し、受理することを決めました。年内には県と地権者双方が出席して意見を聴く場を設定し、土地の補償額や明け渡しの時期を決めます。一方、中村知事は17日の県議会で裁決申請した農地に加え、反対地権者の自宅のある建設用地約14万5000平方メートルについても裁決申請の準備を進める考えを初めて明言しています。(NCCニュース)
 
 
今日夕方のTVニュースです。
県の収用委員会が県が提出した収用裁決申請を受理したと報じました。
申請書類に不備が無ければ受理する仕組みになっていますからねぇ。。
 
 

石木ダム仮処分審尋始まる

佐世保市では18日、付け替え道路の建設工事を地権者らが妨害したとして妨害しないよう県が求めた仮処分申請を受けて地権者らへの聞き取りが始まりました。県は7月末から水没予定地の付け替え道路工事を始めようとしましたが地権者らに阻止されたため工事を妨害しないよう求める仮処分を長崎地裁佐世保支部に申請していました。18日は県側と地権者側双方の関係者と弁護士が裁判所を訪れ、県側が準備書面と証拠資料、地権者側が申立書を提出しました。このあと地権者らは報告集会を開き、司法の場でも粘り強く争う姿勢を確認しました。次回の聞き取りは来月24日の予定です。(NCCニュース)
 
 
「審尋」とは「詳しく問い質すこと」
地元地権者や私たち共有地権者や支援者がおこなった行為が妨害に当たるのかどうか判断するために、双方の言い分を裁判官が詳しく聞き取ることです。
その1回目が今日おこなわれました。
詳しくは次のページに・・・ 
 
 
 

西日本新聞も強制収用のゆくえに注目

今日の西日本新聞の記事を紹介します。

強制収用に関する県の動きと住民の声をまとめています。

ダム推進派の「石木ダム建設促進川棚町民の会」の会長でさえ、

「できれば強制収用は避けてほしい」と発言しています。

ここに書かれている通り。

水需要が減り続けていることは紛れもない現実。

それを無視して水需要が急増する予測のどこに正当性があるというのか。

推進派でも本気で信じてはいないだろう。

100年に一度の大雨に備える必要がないとは言わない。

が、それなら県内みな、そのように備えなければならないだろう。

なぜ石木川合流地点より上流地域では、30年に一度の大雨に備えればいいのか?

しかも近年の豪雨は局地的。

石木川周辺ではなく、川棚川の他の支川に100年に一度の大雨が降った場合は、石木ダムでは対応できない。

 

すべては、石木ダムを造るための言い訳にしか過ぎない。

 

 

署名活動を伝える各紙 9月7日

どの新聞もカラー写真入りで伝えています。

ここに紹介された市民の声はよく聞かれます。

「あそこの水は美味しいですよね〜よく汲みに行きます」

「毎年ホタルを見に行ってます。あの自然は残してほしい・・」

ダムに賛成反対に関わりなく、現地を知っている多くの人が語ります。

 

また、もう一つ、賛否は言わずに、

「まだやってるんですか?長いですねー」という言葉もよく耳にします。

全く関心の無い人の言葉で残念ですが、これも現実です。

そして、そんな人に

「長いですよねー。ダムの話がもちあがってから半世紀以上ですもんね」

と言うと、

「半世紀も?そんならもうできんでしょ。それにもうこれからは

 人は減り続けるばっかし。造るなら早う造ってほしかったですよ」

としみじみ過去の苦労話をされたり・・・

 

 

 

ここに書かれているように、

市は今年は建設促進パレードを取り止めました。

で、「水を大切にする日」に相応しいイベントを何もしないってことが不思議です。

ほんとに「慢性的な水不足」なら、節水アピールくらいするはず・・・

 

長崎新聞 今日(8月29日)の論説 

 

たいへん公正な論説だと思います。

起業者の側にも地権者の側にも寄らず、

両者を見守る県民の、そのまた後ろから三者を客観的に眺め、

観察した結果見えて来たものを率直に伝えている・・・そのように感じました。

 

・国と自治体の借金が天文学的な数字に膨らむ中、無駄な公共事業は許されない。

・必要な公共事業もある。

・100億単位の金をかけ、土地収用という強権を用いてまでダムを造るという話に、県民の支持がひろがるのか?

・今後水需要が増えると言われても、人口減と経済の不振を実感する県民にとって現実味に乏しい。

・県の説明は必要性と危機を強弁しているようにしか見えないのではないか。

・行政が目的に従い手順を踏もうとするほど、それを見守る民意は離れていく。

 

中村知事、今からでも遅くありません。

裁決申請の方針を見直して、話し合いを続行しましょう! 

 

いよいよ裁決申請に向かうのか?

今日の長崎新聞には、石木ダム建設のための土地収用の裁決申請をするかどうか、

県と佐世保市と川棚町が話し合って26日に判断をすると書かれています。

その結果の見通しについては何も書かれていません。

が、朝日新聞の記事は違います。

ここには、

「県は強制収用の裁決を申請する方針を固めた」とはっきり書かれています。

知事は月内にも佐世保市長、川棚町長と面会し、「申請の方針を伝える」そして、

「両首長の了解が得られれば、申請する考えを明らかにする」と書かれています。

 

知事が申請したいと言えば、市長や町長が反対する可能性は全くありません。

佐世保市長は知事以上に石木ダム推進と思われますし、

川棚町長も説明会では「推進の立場である」と明言してます。

 

これまでずっと「話し合いでの解決を目指す」と言い続け、

実際には知事も市長も地権者や私たちを避け続け、

たった1回だけ7月に面談が叶いましたが、

それも帳面消しにすぎないと新聞にも書かれていました。

そうやって、話し合いらしい話し合いはせずに、タイムリミットが近づいたからと、

いとも簡単に強制収用への扉をまた一つ開けるのでしょう。

 

この1年間、知事がやってきたことは、

地権者の理解を得る努力ではなく、

何もせず、ただひたすら時が経つことを辛抱強く待っていただけ。。

2010年1月、選挙前のアンケートに、

「強制収用はしない」と答えたあの時の思いは、もうすっかり忘れてしまったのでしょうか?

 

まだあと2週間あります。

もう一度、初めて知事に立候補した時の初心を思い起こして、ようく考えてほしい。

住民にとって、県民にとって、知事にとって、強制収用がどんな意味を持つのか。

 

工事妨害禁止の仮処分申請を報じる今日の新聞

・仮処分が決まったら、テントや椅子などは自主的に撤去しなければ強制撤去されるが

・人を強制的に移動させる権限はない

・地権者は工事が再開されれば体を張って阻止する構え

 

・地権者は、「私たちの姿勢は変わらない。法律を盾に権力で弱い住民を攻撃するやり方には、これからも立ち向かっていく」と話す。

 

 

読売新聞 
http://www.yomiuri.co.jp/local/nagasaki/news/20140807-OYTNT50547.html

石木ダム県が仮処分申請
 
 県は7日、川棚町に計画している石木ダム事業で、建設に反対する地権者らが工事車両出入り口の県有地に立ちふさがって通行を妨害する行為の禁止を求める仮処分を長崎地裁佐世保支部に申し立てた。
 県河川課によると、反対派の地権者や支援団体のメンバーは、県が付け替え道路工事に着手した7月30日以降、入り口を横断幕でふさいだり、座り込んだりといった阻止行動を続けている。県は県有地での妨害行為を確認した地権者ら23人に対し、出入り口の封鎖をやめ、県有地に設置したテントや横断幕、いすなどを撤去するよう求めている。

 地権者の岩下すみ子さん(65)は「圧力には屈しない。私たちには自分たちの土地に住む権利がある。これまで通り反対運動を行っていく」と話した。