熊本県の球磨川といえば、日本三大急流の一つ。
川下り、アユ、を連想する清流ですが、ダムが造られてからは、
水質悪化、アユの減少、洪水被害等々流域の人々は苦しめられてきました。
そこで大きな住民運動がおこり、ついに昨年から荒瀬ダムの撤去作業開始。
ダム撤去による効果を確信した住民は、
今度は瀬戸石ダム(荒瀬ダムの約10キロ上流にあるダム)の撤去を求めて、
24日八代市で集会を開きました。
その集会で採択された宣言文をご紹介します。
「川は流れてこそ川」という一文が強く心に残りました。
同感です。
流れを止めれば、それはもはや川ではなく、
川としての死を招き、流域の生態系の死も招いていくでしょう。
私たちの血管の流れを止めたら、私たちの体はどうなるか?
それとおなじことでしょう。
集会宣言
かつて私たちにとって、球磨川は文字通り宝でした。
澄んだ豊かな流れとともに、鮎を始めとする多くの魚が群れ泳いでいました。
球磨川はとりきれないほどの魚を私たちにもたらしました。
また私たちは、川で泳いだり遊んだりしていました。
私たちの生活は川とともにあったのです。
私たちから川を遠ざけたのはダムです。
ダムは水害を引き起こし、私たちの家や財産を奪いました。
ダムが出来る以前には水害という言葉はありませんでした。
ダム湖からの放流やダム湖の水位上昇により、ダムは球磨川を水害頻発地帯
に変えてしまったのです。
また、水質悪化をもたらし、ダムができるごとに漁獲高は激減していきました。
1958年の完成以来、このような瀬戸石ダムによって私たち流域住民は
苦しめられてきました。
しかし、電源開発は、瀬戸石ダムの弊害の実態に目をそむけ、認めようとしません。
私たちの声には耳を貸さず、瀬戸石ダムの水利権申請を急いでいます。
私たちはこのような電源開発の姿勢を容認するわけにはいきません。
熊本県は球磨川水系において、これまで川辺川ダム中止、五木ダム中止、
荒瀬ダム撤去という政策を採ってきました。
ダムのない社会を目指す私たちはこのことを高く評価しています。
私たち流域住民は「球磨川は宝」という熊本県の基本的な立場から、
熊本県が私たちの声を聞いて、
瀬戸石ダム撤去の実現を目指して動いていくことを期待しています。
川は流れてこそ川。
瀬戸石ダムは能力の6割程度の発電しか行っておらず、
川をせき止めているだけの障害物です。
蒲島郁夫熊本県知事の英断で、荒瀬ダム撤去が実現し、今、清流・球磨川や
豊饒の海・不知火海がよみがえりつつあります。
ダム中止・撤去にこそ明るい未来があるのです。
ダムはもう沢山です。
私たちに宝の川、球磨川を返してください。
私たちは、瀬戸石ダムの存続を許さず、その撤去を実現するまで闘っていくことをここに宣言します。
2013年11月24日「球磨川は宝 瀬戸石ダムはいらん!住民大集会」参加者一同