もはや地権者の理解など要らない〜それが県の本音?

今日2月28日、県の回答を求めて再びやってきました。

地元地権者、県民、九州各地の弁護士からなる弁護団、そして一番遠方の支援者は神奈川県から!

 

その私たちの前で県の担当官が繰り返した言葉は、

「回答は差し控えさせていただきます」

 

その理由は?と問うと、

すでに事業認定され、事業の必要性や公益性は認められたから

「皆さんの疑問に関しては認定庁が告示の際に意見対照表で答えている」と言う。

 

「それを見てもわからないから質問しているのに、なぜ答えないのか?」と突っ込まれても、

「事業認定で…」と、あくまでも事業認定にすべての責任をおしつけるばかり。

 

板井弁護士が、「川辺川ダムの場合は、事業認定の後に、起業者である国と住民の討論会を

何度もやりましたよ。国は真面目に答えようとしましたよ。長崎県はそれをしないんですね

と念押しすると、「もう説明済みなので…」と言う。

 

地権者が「あんた達は事業について理解してほしいと言いながら、質問すると答えない。

      それでどう理解しろと言うんだ?」と言い、

弁護士が「もう話し合う気はないんだね?」と言うと、

「いやいや、話し合いはしたいと思っている」と答えるので、

「質問には答えないのに、何を話し合うの?」と問われ、

将来への不安なお気持ちとか…」との答えに、みんな失笑。

 

「よく言うねー、不安な気持ちとか。わがどんがしかけてきとっとにから」

「ダムが不安の種です!ダムがなくなれば安心です!」

などの声があがりました。

 

今日のやり取りで、私たちは県の考えが十分に理解できました。

☆ 県は「事業認定」が全てだと思っている。

☆ 地権者の理解は、もはやどうでもいいと思っている。

☆ 話し合うべきテーマはただ一つ、補償交渉だけ!

 

何が何でもダムを造る。

必要性など考えなくてもいい。

住民不在、県民不在の県政。

それが県民にとって、どれほどの被害をもたらすのか…私たち県民自身が考えなければ。

 

今日、熊本県では、県営「路木ダム」について、建設は違法との判決が出されました。

(毎日新聞  2014年02月28日 21時24分)http://mainichi.jp/select/news/20140301k0000m040102000c.html

 

 

熊本地裁の片山昭人裁判長は

ダム建設計画は著しく妥当性を欠き、県知事の裁量権を逸脱、乱用したもので違法」と指摘。

住民側の訴えを一部認め、判決確定後は建設事業の差し止めを命じたのです

 

路木ダムは、治水と利水を目的に、熊本県が2010年から約90億円をかけ建設を進め、

本体はほぼ完成していて、今年4月から運用される予定でしたが、

その路木ダムが「架空の洪水を根拠に計画され、洪水調整施設としての必要性はなく、

社会通念に照らし妥当性を欠き、知事の裁量権の逸脱・乱用で違法」だと断罪されたのです。

建設費90億円は途方もない無駄遣いに終わります。

その負担は結局県民の財布からでたものです。

 

長崎県と佐世保市は、この結果を重く受け止めてください。

路木ダムのようにダム完成後でも、差し止め判決は出るのです。

石木ダムは、まだ付け替え道路さえできていません。

石木ダムは路木ダムの3倍以上の費用がかかります。

 

そして、自然破壊はお金に換算できない大きな大きな損失です。

 

佐世保市議会に注目

昨日から始まった佐世保市議会、3月定例議会。

今議会では7会派中4つの会派が、石木ダムに関して質問をおこなう予定です。

その内容を市議会HPから見てみると

http://www.city.sasebo.nagasaki.jp/gikai/index.html

 

3月4日

田中稔 議員(緑政クラブ)

○ 石木ダム建設事業の事業認定後の確実な進捗に向けた取り組みについて

 

3月5日

片渕雅夫 議員(民主市民クラブ)

○ 公平・公正な第三者機関である事業認定庁の厳正な審査により、「佐世保市の安定水源不足の実態、及び川棚町の河川洪水の危険性」が認められ、その解決策として「石木ダム建設の必要性と公益性」が認定・告示されました。この審査結果を重く受けとめます。 

○ 既に家屋を移転され御協力いただいている、全体の80%53家屋世帯等の皆様に改めて深謝いたします。私たち佐世保25万人の市民は安全に安心して暮らすために、市民が安定的に安心して働ける職場を守っていけるよう、いまだ反対の13家屋世帯等、地権者皆様へ石木ダム建設をお願いする以外に選択の道はありません。地権者皆様の住み慣れたお家・土地への想いはよくわかりますが、何とぞ市民の窮状を御理解いただき石木ダム建設に御協力を心からお願いします。

○ 石木ダム建設実現に向けた長崎県・川棚町との連携、今後の取り組み

 

永田秀人 議員(社会民主党)

○ 石木ダム建設は水道料金の値上げにもつながることが想定されるが、具体的な見通しも示されないまま進められている。料金への影響について具体的な提示を求める。 

○ 現状は法的には強制収用も可能な状態となっているが、様々な疑問点が払拭されない中で強制収用を行うことは、将来にわたって禍根を残す。強制収用は行わない、行わせない意思を表明していただきたい。

 

山下千秋 議員(日本共産党)

○ 慢性的な水源不足どころか、十分に足りている。必要性は皆無。 

○ 実現性についても、①平成28年度完成予定の8カ年工程表も完全に破綻。
           ②用地取得の見通しも皆無であり、行き詰まっている。 

○ 前代未聞の強制収用までやって、建設を進めるのか。

 

賛成反対双方の立場からの質問に、市長や水道局長がどのように答えるのか、

注目したいと思います。

インターネット中継はこちらです。

http://www.sasebo-city.stream.jfit.co.jp/

 

心の決壊

25日の当ブログ記事を、ご自身のFacebookやブログでシェアしてくださった方が数名いらっしゃいました。

そのうちのお一人は、このようなコメントを付しておられました。

 

もし、この佐世保市の作った水増しの水需要予測のもとにダムが造られた後、

水が余ってしまったら、その資料を作った佐世保市役所関係者は

「良心の『受任限界』を超えて『心の決壊』をきたすことでしょう」 

そういう不幸を未然に防ぐためにも、

誇大な水需要予測は未来に禍根を残さないためにも

人口減少の時間軸を考慮したものにするべきです。

 

この方は、佐世保市民ではありませんが、

あまりにもひどい水需要予測を創らされた市役所職員のことを心配しています。

私も同感です。

市長や水道局長は、現場の職員の辛さも考えてほしいです。

 

今日から佐世保市議会3月定例会が始まりました。

市長は施政方針演説の中で、石木ダムについて、このように述べました。

・石木ダムは佐世保市にとって必要不可欠な事業

・なんとしても早期実現を達成したい

・そのためには地権者に誠心誠意お願いしていくことが重要

・県と共に真摯な話し合いができる機会を設けていきたい

 

朝長市長さん、

それが本心なら、是非とも、今回の公開質問状をしっかり受け止め、

その回答を、地権者皆さんの前で、直接語ってください。

それを拒否するなら、あなた方の「誠心誠意」は、やはり、

真っ赤な嘘だと地権者の皆さんは理解するでしょう。

佐世保市長へ公開質問状提出

弁護団と私たちは、ついに佐世保市長にも公開質問状を提出しました。

 

  • 提出日(送付日)=2月21日(金)
  • 提出団体=石木ダム建設絶対反対同盟、石木ダム対策弁護団、
    石木川の清流を守り川棚川の治水を考える町民の会、石木川まもり隊、
    水問題を考える市民の会、石木川の清流とホタルを守る市民の会
  • 質問内容=昨年度佐世保市が示した用途別の水需要予測について、安定水源量について、小佐々地区水源について、下の原ダム嵩上げについて、有収率と負荷率について

その全文はこちらです。

 

佐世保市も県と同様、逃げるつもりでしょうか。

逃げないでください

佐世保市は、県以上に、説明する義務があります。

 

市水道局は市民に安心安全な水を提供する義務がある。

それには石木ダムがどうしても必要。

市外である川棚町の人々に犠牲を強いるのは申し訳ないが、どうか理解してほしい。

と言い続けてきたのですから。

その犠牲となる人々が名を連ねた質問状には答える義務があるはずです。

地権者の理解を得るべく「誠心誠意お願いしていきます」というのが、

市長や水道局長の決まり文句なのですから、よい機会ではありませんか。

その言葉が真実なら、

地権者が理解できるよう、十分に説明してください。

 

 

県からの回答〜お答えを差し控えさせていただきます

1月31日に提出した2回目の公開質問状に対する回答が2月21日付で届きました。

全文はこちらです。

今回も事実上の回答拒否です。

理由は、「県としては、事業認定の告示がなされたことで、石木ダム事業の必要性・公益性を前提とする事業認定を受けとめる立場にありますので、事業認定自体の是非を問う、ご質問にはお答えを差し控えさせていただきます」だそうです。

平たく言えば、

すでに国は石木ダムの事業認定しちゃったんだよ〜

つまり、石木ダムは必要で公益性が高い事業だと国が判断したんだよ〜

なのに、石木ダムの必要性に関する質問に答えるなんてことは、

国の判断を疑っている君たちと一緒になって、国の判断を評価するようなもので、

そんなことできるわけないだろ?お上は正しいんだから。

というようなこと。

 

一見筋が通っているようですが、そうではありません。

現実は、国の判断の素となったものは、すべて長崎県が提出した資料に依存しているのですから。

県が誤った情報を提供すれば、国の判断も誤って当然です。

だから、県が提出した資料について私たちは疑問を持ち質問しているのに、

上記のような言い訳をして逃げるばかり。

 

県は逃げるしかないのでしょう。

質問にまともに答えようとすれば、自分たちの非を認めざるを得ない、

が、それはできない。

なんと非難されようと、ここは逃げろ!とどなたかに指示されているのでしょう。

 

こういうケースは今までもたくさんありました。

私たちは驚き、呆れ、空しさを感じるばかりでした。

しかし、いま、私たちの傍には最強の弁護団がついています。

裁判に詳しいある方(岐阜県在住)によると、

「九州の(福岡高裁管内の)『闘う弁護団』のあり方はつとに有名です」とのこと。

県の河川課職員の方は、最後まで逃げ切れるおつもりでしょうか?

 

2月28日、弁護団と私たちは、再び説明を求めて県に向かいます。

 

虚構の民意

つい最近のこと、駅前でバスを待っていたら、やってきたのは・・・

あの有名な石木ダム促進バス

この絵柄を目にしたのは初めてだったので、

おお、新作か?!と思い、携帯のカメラで急いでカシャ!

バスの前方はいつものフレーズ「石木ダム建設は佐世保市民の願い」で、

バスの後方には、

「皆さまのご理解、ご協力を心よりお願い致します」として、

広告主の名前(石木ダム建設促進佐世保市民の会)が記されています。

 

同会については何度も指摘していますが、

運営費のすべてが市の助成金=私たちの税金で賄われ、

事務局が市役所内にあるというヘンな「市民の会」です。

 

バスを降りて、もう一度、去りゆくバスをカメラにおさめました。

怒りを込めて。

この大きな車体を使った走る広告に、

なぜ私たちの税金が使われなければならないのか、理解できません。

 

石木ダムの是非については市民の意見が分かれている中で、

片方の願いだけを「市民の願い」として公費を使うことが許されるのでしょうか。

それは「市民の願い」というよりも「行政の願い」です。

県や佐世保市が造りたくてたまらない。

それを市民の願いとすり替えている。

まさに虚構の民意です。

 

今日、私のもとに1通のメールが届きました。

初めていただく方です。

先日の「ダムのツボ出版記念展」の来場者で、

あらためて感想を送ってきてくださいました。

その一部を転載させていただきます。

 

石木川でのダム建設計画について疑問に思っていましたが、会場に足を運びこの計画はおかしいと確信しました。諫早湾の閉め切りと同様、一度計画したら止まらない不要な公共事業に思われます。利権が絡んでいる人たちもいるのでしょう。仮に制限給水が行われるとしても、それはそれで受け入れるべきだと考えます(断水ではありませんから)。私たちは便利さを求めすぎているのではないでしょうか。自然は人間だけのものではありません。

 

このような市民の声に、市は真摯に耳を傾けるべきです。

私たちは諦めずに、伝え続けます。

 

ダムのツボ出版記念展来場者の感想

たいへん遅くなりましたが、

先日(2/3〜2/5)アルカスで開催した「ダムのツボ出版記念展」について、

振り返ってみます。

 

3日間の来場者は約500名で、強制収用反対の署名や、「石木川まもり隊」への入隊希望などなど様々な収穫がありました。

特に来場者の方から頂いた87件のアンケートへの回答は、私たちにとってたいへん勇気づけられるものでした。

①来場のきっかけ
新聞13 フリーペーパー18 友人・知人33 その他28
※その他=アルカス広報紙2 DM2 TVニュース5 Facebook2 地球屋1、川棚バスセンター1
 
②ダムの是非
不要72 必要3 その他9
※その他=わからない、これから考えるなど
 
③「ダムのツボ」について
読みたい53 人にも勧めたい28 その他6
※「読みたくない」はありませんでした。
 

自由に書いて頂いた感想欄には

こ〜んなにたくさんのメッセージが寄せられました。
 
 
 
例えば・・・
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
こんなふうに、
 
川原の素晴らしい自然についての感想〜驚きや感動、残したいという思い
 
ダムの是非についての感想〜要らない、佐世保市民の願いではない
             何も考えてこなかったことが恥ずかしい
             佐世保市民として川棚町の方に申し訳ない
 
この展示会についての感想〜石木ダムについて知る機会が得られ良かった、
             もっと広げたい
 
などと書かれていました。
どれも、丁寧に見て頂いたことが伝わる感想ばかりでした。
 
ご来場いただいた皆様に、あらためて感謝の気持ちでいっぱいです。
 
 
リクエストにお応えして、「ダムのツボ出版記念展」の移動展をおこないます。 
  
  
 
 
アルカスでの展示会に行けなかった方、
 
知らなかった方、
 
良かったら、地球屋さんへお食事がてら、遊びがてら、いらっしゃいませんか?
 
詳しいことは、こちらのブログにアクセスしてください。
 
 
 

 

石木ダムについての講演動画を見て 大学生の感想

先月長崎大学では、環境科学概論や環境社会学の講義の中で、

石木ダム全国集会(2013年11月9日)の動画が上映されました。

 

その内容は、

①石木ダム建設予定地住民いしまるほずみさんによる報告

(紙芝居による地元の紹介と漫画風コラム「ダムのツボ」)と

②水源開発問題全国連絡会の嶋津暉之氏の講演

(石木ダムは必要か〜利水と治水について〜)

が収録されているものです。

 

それを見た学生さんたちの感想が送られてきましたので、ご紹介します。

学生さんたちの理解力はさすが!です。

全国集会で講演をされたお二人はもちろん、

全国集会実行委員会のメンバーとしても、

全国集会での講演内容が、あの場にいなかった人にも伝えられ、

活かされていることを、たいへん嬉しく思います。

 

● 石木ダム建設についての動画を見てとても複雑な気持ちになった。というのも、明らかに県が強引にダム造りをすすめているとしか見えなかったからだ。確かにダムをつくると、そのために職の需要が高まるなど県全体の景気の上昇が見込まれる。しかし、だからといって本来必要性の小さいダムをつくっていいというわけにはならない。県がダム建設の目的として挙げている、今後起こりうる水不足の対策や、川の治水というのがいい例だった。これから水不足に陥る可能性は低かったし、治水の面でも効果の少ない場所に建設を予定していたり、ダム建設だけに固執しすぎていると考えられる。私は県に就職しようと志望しているので、残念な気持ちでいっぱいになった。

 

● 佐世保市の水の需要量は減少傾向にあり、人口の減少などで今後も需要水量が減少する可能性が高い。しかし、市は水需要の架空予測と保有水源の過小評価で石木ダムは必要と主張している。治水においては、石木ダム建設のための治水を目的としているが、実際、必要とされるのは河川の氾濫の防止であり、流域住民の安全確保である。以上のことと、またダムができることで、市民はダムや取水、導水、浄水、送水などの水道施設の建設費を負担しなければならないと思うので、こういった必要のないことに巨費をかけるべきではないと考える。   

 

● ダム建設をしたいがために、水源の利用状況をねじまげたり、より良い治水を考えなかったりという行政の姿勢に驚いた。住民の安全がかかっているのに、全く暮らしのことを考えていない。反対運動がこれだけあるのに立ち退かせられる状態というのが横暴で信じられない。   

 

 石木ダム全国集会での利水、治水の話では、特に佐世保市の1日最大給水量の(将来)予測が現実からかけ離れたものであることを知り、大変驚いた。現在の状況から考えても今後は節水が進行し、人口も減少しているため、1日最大給水量は減ると考えられるが、市の新予測では石木ダム完成予定年度に合わせるようにV字回復している。また、ダムの設置場所も理論的ではない。その場所で本当に必要とされているのは氾濫防止策である。専門家(嶋津さん)がこのように言っているのだから、ダムが本当に必要なのか考え直し、より効率の良い対策を行うべきであると思った。

 

● You tubeの動画を見たのちに、長崎市民としてもっと詳しく知りたかったので、自らでも石木ダムの利水と治水の面についてさらに詳しく調べてみた。まず利水の面では節水型機器の普及や佐世保市の人口の減少により水需要自体が減少しているから、渇水になっても対応が可能な範囲にあり、また治水の面でも石木ダムを建設するよりも、下流部における氾濫防止策を練ったほうが良いのではないかと思った。私が石木ダムについて学ぶなかで印象的だったのは、佐世保市の人口減少である。現在、長崎県では若者の流出は問題になっているし、私自身も高齢化の波を感じつつある。その中で、石木ダムを利水という面から建設したいのなら、まず若者の確保政策を実施するべきではないかと感じた。

 

 ● 石木ダム建設のために利水の面では実際とは違う水需要の架空予測や保有水源の過小評価を佐世保市がしていることや、治水の面では河川整備計画が流域住民の安全確保を二の次にしていることなどを踏まえると、石木ダムはあまり必要ではないと私は思った。   

 

● 利水の点では、水量の架空予測による様々なシチュエーションにおけるダムの必要性の議論があった。治水の点では、提出された計画は全てダム事業を目的としており、住民の生活を度外視しているものである。本当に、ダムを建設すべきか、住民の意見に重きをおいて再検討するべきだと考えた。   

 

● 今回の動画を見て、改めて石木ダムの建設は不要であると思った。これからの人口減少や節水、漏水対策のレベル向上を考えれば、水の需要が増えることは考えにくい。不安定水源とされている水源も安定水源と変わらない。むしろ本当に必要とされる治水対策をするべきである。   

 

● 佐世保市は水需要の架空予測や保有水源の過小評価をしすぎていると思った。石木ダムを建設したいがために、住民の安全確保が二の次になっていることがよく分かった。1人1日最大給水量のグラフを見て、その減少の大きさに驚き、よく考えてみると私が小学生のときは家でも学校でも節水するようにとよく言われていた。しかし、最近ではあまり言われなくなったと感じた。本当に必要な治水対策の実施を長崎県に求め、市民の安全対策に努めるべきだと思った。

 

 ● 石木ダム建設について、利水に関しては水の供給量が年々減少しており、今後も減少し続けることが予測されるため、保有水源は十分であると考えられ、治水に関して、大洪水の再来に石木ダムは無力と述べられていた。これらを聞いて石木ダムは必要ないと考えた。   

 

● 石木ダム全国集会のビデオを見て、石木ダム建設は、それをすすめようとしている人たちの、水需要の架空予測と保有水源の過小評価により石木ダムは必要であるとしてつくりあげられた話でしかないとわかった。実際には、給水は減少傾向であり、人口も今後減少すること、また不安定水源と呼ばれているところも、十分利用されており、(推進派にとって)ダムが必要とされる理由でしかないとわかった。治水においても、本当に必要な対策は行われていない。ダムが与える影響を考え、不必要なダム建設に反対したい。   

 

● 石木ダムには利水や治水などの利益は根拠がないことや、不必要なことを学ぶことができた。水道水は今までの生活で不足しておらず、ダムを建設する目的すら明確でないことがわかり、ダム建設の必要性はないのではないかと思った。そして、ダム建設(構想)の早期に市民や環境への影響について調査しておくことで、ダム建設の計画の段階まで進まなくても済んだのではないかと考えた。   

 

● 人口の減少が続いており、水需要にも困っていないのに石木ダムを作ろうとするのは勝手すぎると思う。これは「開発による犠牲のおしつけ」であり、もっと自然や国民の声を大事にし、国民の税金を安全、安心できる社会づくりのために使うべきである。   

 

● 石木ダム建設は渇水対策や洪水防止が目的ということであったが、水需要の架空予測などが行われており、また洪水防止もあまり効果がないようで、ダムの必要性がわからなかった。これからどんどん人口が減ること、水需要が減ることをしっかり考慮すべきである。  

 

● 石木ダムの全国集会の講演の映像を見て、一応2年間も長崎に住んでいるのに、こんなに間近でこのようなことが起こっていることにびっくりしました。まず、市民のお金を使って建設するのに、実際とは少し違う架空の予測値を使用するのは許されることではないと思います。佐世保市の給水量は年々減ってきており、よって水の需要も減ってきているので、渇水の危険性はほぼないにも関わらず、保有水量の過小評価をし、ダム建設を推し進めようとしています。本来なら問題なく使えるはずの水源を、不安定水源としています。佐世保市は、水需要の架空予測と保有水源の過小評価によって、石木ダムの水源が必要だという話をつくりあげており、実際とは異なることを伝えるのはどうかと思います。市民への多額な経済負担もあり、利息も含めると1世帯当たり25−30万円もあり、1世帯でこれだけのお金を負担することはとても大変なので、もっと市民に寄り添って、意見を聞いて、それを反映するのが市議会(の役割)なのではないかなと思いました。  

 

● 映像の前半の講演(ほうちゃん)は、地域住民が困ることについてリアルな意見であると感じた。先祖代々大切にしてきた自然や暮らしが壊されるのは、大きな被害である。大村湾まで影響があることに驚いた。後半(嶋津さん)は、データをたくさん示していて説得力があった。1人あたりの給水量が減っているのは、漏水への対策などの実施に加え、人びとへの節水の呼びかけなどを行った結果であると思う。(ダムの)メリットとデメリットを比べると、デメリットのほうが大きいと感じた。  

 

● まず、石木ダムの利水について、水需要の架空予測と保有水源の過小評価が問題点として挙げられているが、市はもっと現状を正しく分析しなければならないと思う。現状から予想すると、石木ダムを建設しても、特に水の供給に大きく貢献することはないと思う。次に治水については、住民の安全確保を第一に考え、氾濫防止のため、ダムをつくる以外の対策を考えることが住民からは一番求められている。  

清流 最上小国川を守り続けた 沼沢勝善さん 無念の死

山形県の小国川漁協組合長 沼沢勝善さんの訃報は、

私たちに大きな衝撃を与えました。

ダム建設に反対の声を上げ続けた方の無念の死です。

 

昨日告別式が執り行われたそうです。

「最上小国川の清流を守る会」共同代表による弔辞がご自身のブログに掲載されていました。 

http://kusajima.exblog.jp/19457247/?fb_action_ids=593081377439975&fb_action_types=og.likes&fb_source=other_multiline&action_object_map=%5B1420902964821885%5D&action_type_map=%5B%22og.likes%22%5D&action_ref_map=%5B%5D

一部ご紹介させていただきます。

 

今日も小国川は、流れています。

清らかな、川が流れています。

アユ、サクラマス、イワナ、ヤマメ、ハナカジカ、が数多く泳ぎ、

そして夏は、子ども達がザッコしめする。

釣り人が全国から訪れる豊かな川が、今日も流れています。

それは、貴方が信念と行動をもって守り続けてきた小国川です。

 

流域小委員会は10人の委員会、9名のダム推進論者に囲まれた中で一人、

沼沢さんだけが、小国川や赤倉温泉で起きている真実を語り、

ダムによらない治水を訴えておられました。

 

昨年末山形県と水産行政が、漁業権の剥奪を楯にしダム建設を強要するという

法的にも不当といえる脅しをかけてきました。

 

権力の巨大な圧力からどうしたら小国川を守り、組合員の方々を守れるのか。

毎日毎日ずっと、懸命に全身全霊で考え続けておられました。

 

そして、ついに貴方を死に追いこんでいった

この政治や行政の病理、理不尽に、私達は、憤りをもたずにはいられません。

 

貴方は出席した「協議会」の中で、漁協の代表としてこう述べています。

改めて噛みしめたいと思います

 

  最上小国川は、ダムのない川であるが故に、

ことさら「清流小国川」として広く知れ渡り、

最上町と舟形町のかけがえのない観光資源であり、

流域の人々に計り知れない多くの恵みをもたらしていることは

誰もが認めることであります。

 

小国川漁業協同組合は、川に生息している魚族の生態系を守る事

及び繁殖保護に努めることを使命として、永年努力しております。

ダムが造られれば、これまでの自然環境に変化を及ぼし、

特に河川の生態系に悪影響が及ぶことを回避することはできません。

 

生息している魚族の生態系を守り、これらの増殖保護を行いながら

良好な漁場を維持していくことを使命とし、豊かな自然環境を後世に

引き継ぐため努力している私共小国川漁業協同組合は、

ダム建設を看過することはできないのです。

小国川に育っている魚種は、質、量とも一級品として多くの人々から

認められ、自然豊かな素晴らしい川として羨望され、

たくさんの釣り人が訪れるのです。

恵まれた自然環境は、人の手によって造られたものではありません。

多くの豊かな漁場があり、「清流小国川」として広く世間に認められ

ている大きな観光資源を未来に引き継ぐためにも、

最上小国川の治水対策はダムに依らない対策を要望します。

 

全身全霊で語られた、その言葉を私達は絶対に忘れません。 

 

沼沢勝善さんのご冥福を心からお祈りいたします。

 

ダム建設に反対するのは、川を応援しているから

3日間にわたるダムのツボ出版記念展が終わりました。
とても有意義な3日間でした。
 
 
多くのマスコミに取り上げられたことによるのでしょう、
予想以上の市民の皆さんが足を運んでくださいました。
 
そして、人数だけでなく、来場者の多くが、
真剣に、じっくり見て下さっていました。
 
 
この美しい川を残したい。
清流は私たちにとってだけでなく、すべての生き物の命そのもの。
 
そんな願いをこめて活動している私たちですが、
周りからは政治運動をやっているように見られることもあります。
 
そんな視線を跳ね返し、
堂々とダム反対を語れる、素敵な言葉に出会いました。
 

 

何かに反対しているとき、

それは別の何かを応援していることになります。

ダム建設に反対するのは、川を応援しているからです。

 

これは、環境保護主義者デイビット・ブラウワーの言葉。

川を応援しているからダム建設に反対する。

そう。まさに私たちの思いそのままです。

 

私もまた野生の川が大好きだ。

それゆえに私たちの会社は1993年以来、

川に悪影響を及ぼす廃物と化した古いダムの撤去に携わってきた。

 

これは、イヴォン・シュイナード(パタゴニア社の創設者)の言葉。

「野生の川」…聞きなれない言葉ですが、

自然の川、自然のままの川はもうほとんどなくなって、

野生とさえ表現されるようになってしまったのですねぇ。

石木川は野生に近い貴重な川と言えるでしょう。

 

この出版記念展に福岡から駆けつけて下さったパタゴニア福岡店のIさんが

持参し、展示してくださいました。

来場者も興味津々で写真を撮る人、メモを取る人など見かけました。

 

 

会社は社会を変える道具

「地球税」

収益の1%以上を環境保護グループへ寄付

「1% for the Planet」 

 

素晴らしい企業理念だと思います。

こんな企業が、日本にも世界にもどんどん増えていってほしい…