長崎では裁決申請受理、佐世保では仮処分審尋

石木ダム 県収用委員会

県と佐世保市が東彼・川棚町に建設を計画する石木ダム。県収用委員会は18日、反対地権者の土地の強制収用につながる裁決申請を受理しました。委員会は午後、県庁で非公開で開かれました。委員は知事が任命した弁護士や建築士ら7人で構成します。委員会では県が5日に申請した反対地権者4世帯の農地約5000平方メートルの明け渡しを求める裁決申請について協議し、受理することを決めました。年内には県と地権者双方が出席して意見を聴く場を設定し、土地の補償額や明け渡しの時期を決めます。一方、中村知事は17日の県議会で裁決申請した農地に加え、反対地権者の自宅のある建設用地約14万5000平方メートルについても裁決申請の準備を進める考えを初めて明言しています。(NCCニュース)
 
 
今日夕方のTVニュースです。
県の収用委員会が県が提出した収用裁決申請を受理したと報じました。
申請書類に不備が無ければ受理する仕組みになっていますからねぇ。。
 
 

石木ダム仮処分審尋始まる

佐世保市では18日、付け替え道路の建設工事を地権者らが妨害したとして妨害しないよう県が求めた仮処分申請を受けて地権者らへの聞き取りが始まりました。県は7月末から水没予定地の付け替え道路工事を始めようとしましたが地権者らに阻止されたため工事を妨害しないよう求める仮処分を長崎地裁佐世保支部に申請していました。18日は県側と地権者側双方の関係者と弁護士が裁判所を訪れ、県側が準備書面と証拠資料、地権者側が申立書を提出しました。このあと地権者らは報告集会を開き、司法の場でも粘り強く争う姿勢を確認しました。次回の聞き取りは来月24日の予定です。(NCCニュース)
 
 
「審尋」とは「詳しく問い質すこと」
地元地権者や私たち共有地権者や支援者がおこなった行為が妨害に当たるのかどうか判断するために、双方の言い分を裁判官が詳しく聞き取ることです。
その1回目が今日おこなわれました。
詳しくは次のページに・・・ 
 
 
 

自宅敷地も明渡し求める

今日の長崎新聞です。

昨日9月17日の県議会での知事の発言を伝えています。

「残る用地についても裁決申請をする」との意思を知事が初めて明らかにしました。

「残る用地」とは、石木ダム建設予定地に住む反対地権者の土地のうち、すでに裁決申請された土地を除く残りの土地です。

そこには13軒の家があり、約60人の人々が暮らしています。

その、現に人が生活している土地を明け渡せと迫り、力づくで取り上げるための手続き=裁決申請=の準備をすると公言しました。

知事も2期目になると、権力を行使することへの責任の重さや抵抗感は薄れていくのか…

その権力を行使した先にどんな事態が起こり得るのか、よく考えてほしいものです。

西日本新聞も強制収用のゆくえに注目

今日の西日本新聞の記事を紹介します。

強制収用に関する県の動きと住民の声をまとめています。

ダム推進派の「石木ダム建設促進川棚町民の会」の会長でさえ、

「できれば強制収用は避けてほしい」と発言しています。

ここに書かれている通り。

水需要が減り続けていることは紛れもない現実。

それを無視して水需要が急増する予測のどこに正当性があるというのか。

推進派でも本気で信じてはいないだろう。

100年に一度の大雨に備える必要がないとは言わない。

が、それなら県内みな、そのように備えなければならないだろう。

なぜ石木川合流地点より上流地域では、30年に一度の大雨に備えればいいのか?

しかも近年の豪雨は局地的。

石木川周辺ではなく、川棚川の他の支川に100年に一度の大雨が降った場合は、石木ダムでは対応できない。

 

すべては、石木ダムを造るための言い訳にしか過ぎない。

 

 

短歌「収用法」

生まれ育ったふる里がダムの湖底に沈められるかもしれない…

いまだふる里に住む親せきや友人たちは、理を尽くし、体を張って抵抗しているが、

何が何でもダムを造りたい県は、「土地収用法」という法律を錦の御旗として、

力づくで土地を奪い取ろうとしている。

県への怒りとふる里へのあふれる想いを歌った短歌を紹介します。

作者は元こうばる住民で、今は県内の他所に住んでいる男性です。

 

       「収用法」

「収用法」 お上の都合に あはせし法 幾百年の 里死守すべし 


ダムつくる 白紙撤回 対峙すも 里の山畑 人は揺るがず


百年に 一度あるか無しの 水難の 責負うことの 摩訶不思議なり


耐へに耐へ 県の口説きを 凌ぎきぬ ただ此処に住む 何処がいけない


金で釣る 金で面張る 金せびる 「ダム協力金」の 税虚しかり


あまた有る 金食ひ虫の ダム事業 利権の温床 手離す勿れと


家の鍵 掛けることなき 習はしの 廃れゆくなり ダムのこと故


石木ダム 蟻地獄のごと 待ちまちて Uターンできぬは 面子なる由


法に悖り 理に悖り 情にも悖る 石木ダム 即時中止をすべし


「収用法」 悪法のなかの 極めつき 理に適はざる 時の切り札

 

               

 

署名したい!

一昨日の川原訪問のとき、とても嬉しい出来事がありました。

ダム小屋で、おばあちゃんたちと話していた時のことです。

開け放した窓から、突然若い男性の顔と声が飛び込んできました。

「あのー、こちらで署名できますか?」

「?」

テレビで石木ダムの署名活動やってるのを見て・・・

 どこに行けば署名できるかわからなかったので、ここに来ればできるのかなぁと思って…」

「ええ、ええ、できますよ。どちらから?」

佐世保です

「まあ!嬉しい!わざわざ来てくれたの?」

て言うか・・僕は何回か来たことあるんですが、カミさんを連れてきたくて・・

そう言うと、渡された署名用紙に二人で丁寧に署名し、爽やかな笑顔と共に去って行きました。

 

その日帰宅すると、ポストにA4サイズの茶封筒が。

中には50人分の署名が入っていました。

届けてくれたのは、6日の街頭署名を手伝ってくださった市民のお一人。

帰ってからもご近所などに声をかけて集めてくださったようです。

 

そして、昨日も・・・

ある佐世保市民の方が、なんと川棚町役場に電話して、

「署名はどこに行けばできますか?」と訊かれたそうです。

役場の方は、きっとビックリ仰天!戸惑われたことでしょう。

でも、ちゃんと地権者の I さんに訊いてくださって、I さんから私へ連絡があり、その方とお話することができました。

その方MさんもTVを見て署名活動を知ったそうです。

石木ダムのことは知っていましたが、強制収用までされるなんて、もう黙ってはいられないと思いました

とおっしゃって、今日さっそく署名にきてくださいました。

 

Mさん曰く、

下の原ダムの近くに住んでますが、いつも水はたくさん溜まっていますよ。

水不足なんてとんでもない!

 

現実を知っている人が声をあげ始めました。

より多くの方に知ってほしい、知らせたいと思います。  

 

署名用紙は、こちらから。

電子署名は、こちらから。

よろしくお願いいたします。

 

インフラマネジメントの観点から 石木ダムは必要か? 

今日は佐世保市議会一般質問を傍聴。

目的は、山下市議の石木ダムのための収用裁決申請を撤回せよとの議論を聴くためでした。

昨日の家庭訪問で得た川原の人々の思いとその言葉が、しっかり、切々と伝えられ、

議場はしんとして、議員も行政側も傍聴席も誰もが聴き入っているように感じました。

それでも市長の答えは相変わらず「二度と市民に渇水の苦しみを与えたくない」から、

水道局長は「水の安定供給が我々の使命」だから、石木ダムは必要であり、

「最後まで話し合いによる解決を望む」と答えていましたが、

その空疎な答弁に満足した人はおそらく誰もいないでしょう。

 

山下議員の持ち時間が終わり帰るつもりでしたが、予定表を見ると、次の質問者は永田議員でインフラマネジメントについて質問するらしい、これは、もしや石木ダムにも関係するかも…と思い、そのまま傍聴。

やや聞き取りづらいところもありましたが、とても重要なやりとりが展開されましたので、要点をメモしておきます。

 

まず初めに、8月17日付の朝日新聞記事の紹介。

上水道ピンチ かさむ施設の改修、料金アップ次々

http://digital.asahi.com/articles/ASG8C3FZTG8CUTNB007.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_ASG8C3FZTG8CUTNB007

インフラマネジメントは今後の財政に大きく影響するものであり、しっかりとした調査分析が必要なことを述べ、取り組みの現状をまず質しました。

まず、財務部長より、全庁的な取り組み状況が説明され、続いて水道局長が答弁。

水道局長:本市の場合、他都市と比べて老朽化が進んでいる。計画的な維持管理は重要課題である。今年度中に施設台帳の整備を完了し、来年度は施設再構築基本計画に着手し29年度までに完了、30年度からの運用を目指している。

永田議員:既存のインフラの維持費用のめどがたっていない段階で、新たなインフラ整備をおこなうことについては、慎重にすべきではないか。

財務部長:人口減少、財源減少の中での新規インフラは、真に必要なものに集中しておこなうべきと考えている。

永田議員:石木ダムについてはどうか?3月議会で水道料金への影響について質問したら、石木ダム関連で1世帯当たり4000円増との説明があった。老朽化対策などただでさえ負担増の要因がある中で、さらに負担を増やすダム建設が本当に適切なのか、今後の負担額を市民にきちんと示した上で議論すべきではないか。

水道局長:安定供給確保が最大の課題であり、老朽化対策など必要な事業は確実に行っていくが、その中でコスト削減に努めるのでご理解頂きたい。

永田議員:安定供給確保が必要ということは共有されている、そのための方策としてダムを造ると決めた、しかし今インフラの維持経費が大きく膨らむことがわかってきた。この新たな要素を精査して市民に提示し、今のままの方針でいいのかと問うべきではないか。

 

最初の山下議員の心に訴える質問の後、永田議員の頭に訴えるシビアな質問を受け、

水道局長はかなり苦しい答弁に終始していました。

今日のやりとりを多くの佐世保市民が見ていてくれたらな〜 

川原(こうばる)は、一つの家族

今日は川原へ家庭訪問。

明日の市議会で、川原の皆さんの思いを伝えたい、

生の声をしっかり聴いて届けたいと言う山下市議の依頼で、案内役を務めました。

まずは「ダム小屋」

今日は4人のおばあちゃんが全員集合。

いつもの笑顔で迎えてくれましたが、ダムの話になると真剣な顔つきに・・・

4人のうちの2人は、今回の収用裁決申請の当事者。

強制収用されたらどうする?

 「私はこうやってダムの中に沈むよ」

と、Mさんは胸の前で両手を合わせました。

 「ダムを造るなら、私たちを殺してから造れ!って言いたいよ」

と言うのは、いつもは穏やかなKさん。

 「私たちはここを出たら生きていけんもんね」

 「こんないいところはないよ。お金はなくても生きていける。育てる楽しみがある」

と、野菜作りに丹精込めるSさん。

うんうんと皆頷く。

 「私たちはお金じゃないんだ、お金なんかいらない、お金じゃ幸せにはなれん…」

 

その後、7軒ほどのお宅を訪ね、いろんな話を聞かせてもらいましたが、

皆さんの思いは、ホントに一緒。おばあちゃんたちの思いとピッタリ。

男性たちは、その意思をさらにしっかり語ってくれました。

 「一般的にはお金で動くとでしょうが、ここは違うとです。ここだけは違う」

 「強制収用されて県の所有になっても米を作り続けます。訴えられても作り続けます」

 「家を壊すと言うなら、私は柱に体をきびりつけても抵抗しますよ」

 「家がなくなっても、テントを張って暮らします!」

 「私たちの覚悟はそうですよ。それでも知事はやると言うのか?やりきれるのか?」

 「佐世保市長は、”お願いして造ろう 石木ダム”って言うとるでしょ?

  あれは、間違い。ほんとは”脅迫して造ろう 石木ダム”でしょ?

  今や、”強奪して造ろう 石木ダム”じゃないですか!」

 

女性たちも覚悟は同じ。

 「みんな命がけよ。体張ってるもん。殺すなら殺せーって言いたかさ」

ここで生まれ育ったわけでもないのに、どうしてそこまで思うの?

 「どうしてやろねー、やっぱりここで暮らしているうちにそうなってしもうたね。

  今はもう川原は一つの家族やね。人間関係が財産やね」

そう言って、S子さんはこんな格好をして現れた。

これは交通ボランティアの制服だそうです。

毎朝、川原の子ども3人と木場の子ども5人、計8人の子どもたちを、石木小学校まで送るボランティア活動です。

自分の子や孫でもないのに。

また川原地区の子どもより木場地区の子どもの方が多いのに。

そして、その子たちの親は、ダム推進派なのに。

 「そんなの関係ない。子どもは宝。守りたい…」

 

そんな気持ちが子どもたちにも通じているようです。

毎夏、石木川に遊びに来る子どもたちが、ダムができたら遊べなくなると知って、

なんと、全く自発的に「石木ダム反対グループ」を結成したとか・・

しかも、そのグループには40人もいると聞いてビックリ!

 

清流が育てるものは、お米や野菜だけではない。

人の心も耕し、潤し、豊かな実りをもたらすのですね・・・

 

署名活動を伝える各紙 9月7日

どの新聞もカラー写真入りで伝えています。

ここに紹介された市民の声はよく聞かれます。

「あそこの水は美味しいですよね〜よく汲みに行きます」

「毎年ホタルを見に行ってます。あの自然は残してほしい・・」

ダムに賛成反対に関わりなく、現地を知っている多くの人が語ります。

 

また、もう一つ、賛否は言わずに、

「まだやってるんですか?長いですねー」という言葉もよく耳にします。

全く関心の無い人の言葉で残念ですが、これも現実です。

そして、そんな人に

「長いですよねー。ダムの話がもちあがってから半世紀以上ですもんね」

と言うと、

「半世紀も?そんならもうできんでしょ。それにもうこれからは

 人は減り続けるばっかし。造るなら早う造ってほしかったですよ」

としみじみ過去の苦労話をされたり・・・

 

 

 

ここに書かれているように、

市は今年は建設促進パレードを取り止めました。

で、「水を大切にする日」に相応しいイベントを何もしないってことが不思議です。

ほんとに「慢性的な水不足」なら、節水アピールくらいするはず・・・

 

電子署名いよいよスタート!

昨日は、たくさんの佐世保市民の皆さんの署名をいただきました。

今後ももちろん署名活動は続けます。

そして、より多くの皆さんに、石木ダム問題を知って頂くために、いよいよ電子署名を始めました!

Change.org

長崎県知事 中村法道 様 佐世保市長 朝長則男 様

上をクリックして、ぜひ周りの方に拡散して頂けますよう、よろしくお願い致します。

また、インターネットをなさらない方には、紙の署名用紙をダウンロードして、ご使用いただけますようお願い致します。

 

 

 

強制収用しないで!署名 4時間で588筆!

9月6日午後の昼下がり、買い物客が行きかう佐世保四ヶ町アーケード街で

「強制収用しないでください!」の署名活動をおこないました。

「石木川まもり隊」の呼びかけに賛同して、佐世保市内、川棚町、なんと佐賀県からも助っ人の皆さん20人以上が集まってくださいました。

地元「川原=こうばる」からも、7人の美女が集合!

それが功を奏したのか・・

はたまた、昨日の、収用裁決申請のニュースで関心が高まっていたのか、

多くの人がチラシやウチワを受け取ってくれました。

歩きながら、さっそく目を通す人も・・

 

こちらは、ダム建設予定地の写真に見入る人たち。

地元地権者のS子さんの説明にも、しっかり耳を傾けています。

 

そうして共感した人たちが、あっちでも、

こっちでも、

たくさん署名してくれました。

用意した署名用紙80枚(400筆分)では足りず、コピーに走ってもらいました。

 

終わってみれば、4時間で、なんと588筆!

嬉しい誤算でした。

 

やはり「石木ダムは佐世保市民の願い」ではない。

少なくとも、強制収用してまでダムを望んではいない。

そのことが確認できて、佐世保市民の一人として、とても嬉しく勇気づけられました。

 

手伝ってくださった皆様、本当にありがとうございました!