石木ダム建設促進特別委員会

昨日は久しぶりに、石木ダム建設促進特別委員会を傍聴しました。

以前は水資源確保対策特別委員会という名称で、

石木ダム反対の議員もいて、賛否両論の審議がなされ、水道局の説明も聴き応えがありました。

今は、その名の通り、石木ダム推進派議員ばかりの集まりで、水道局とは同志のようなもの?

批判的or客観的な議論は期待すべくもありませんから、なかなか行く気もおきなくて…

 

でも、昨日は、水道施設整備事業再評価の経過報告について水道局からの説明があるとのことで、

行ってみました。

 

去る1月22日の佐世保市上下水道事業経営検討委員会の議事概要と

配布された資料の中身についての説明の後、

3名の委員から質問と意見がありました。

 

いつになく真剣な、突っ込んだ質問が2つほどあり、

それに対して水道局は次のように答えていました

 

Q: 合併地区の公営民営簡易水道の統合はどうなっているのか?

   この需要予測の給水人口に加算されているのか?

   簡易水道は古くて、維持管理に困窮している。早く統合して欲しい。

 

A: 合併地区の統合は一気にはやれない。

   今回の需要予測は36年度までなので、それまでに統合可能な地域の人口は加算されている。

   合併地区の簡易水道統合の財源については一般会計からとなっているので、

   一般会計のスケジュールに則って、順次やっていく。

 

Q: 委員会審議中に委員長の発言に対して傍聴席から声が上がっていたし、

   閉会後にも会の運営に関して相当批判する声が出ていた。

   委員の一人は顔色を変えていた。今後の審議に影響があるだろう。

   事務局としてどう対応するつもりか?

 

A: 傍聴者には事前にルールを書いたものを渡していたが、ああいう結果になってしまい、

   水道局自身としてもたいへん反省をしている。

   次回以降、委員の皆さんの議論が支障なく進むようにしっかり取り組みたい。

「委員の皆さんの議論が支障なく進むようにしっかり取り組む」方法として、

どういうことをお考えなのでしょうか?

まさか、傍聴者を締め出す?

そんな乱暴なことはお考えではありませんよね?

そんなことをすれば、佐世保市の社会のレベルを下げるだけです。

非民主的な時代遅れの印象を与えるだけです。

(実際そうなんだけど…

 

過去の再評価のように、再評価のための委員会を設置すればよかったのに…

そこに賛成派と同数の反対派の市民も委員として採用すればよかったのに…

16年度の再評価のように、事前にパブリックコメントなど求めればよかったのに…

そのような対応(一般市民の声に耳を傾ける)は何もせず、

自分たちが選んだ推進派が大勢を占める委員会で形だけの審議をして終わり…

それでは、批判が出るのも当然じゃないでしょうか?

 

質問をした議員さんは、そんなこともお気づきではないのでしょうか。

それとも、これは、推進派議員と水道局による小芝居か …?

質問書を提出しました

このところ錆び付いた頭を酷使しながら、

水道局が出した水需要予測の資料と格闘しています。

 

みごとな数字合わせ、まやかしの計算式に、敵ながらあっぱれ・・・

いえいえ、この優れた才覚を是非、未来を守るために使って欲しいものだと残念に思いつつ・・

(その内容については、後日お伝えします)

 

そんなわけで、たいへん遅くなりましたが、水道局からの回答を公開します。

これは1月17日に私たちが提出した要請書に対する回答で、21日にいただきました。

 

 

 

書かれてあることを要約すると、

石木ダム建設事業の再評価実施に際し、

「佐世保市上下水道事業経営検討委員会」に諮問するのは妥当なことだと考えている

その主な理由は、

・同委員会の目的は、水道局の経営のありかたや施策策定に関して調査検討をおこなうことであり、

 中でも石木ダム建設事業はその最も重要な施策である。

・同委員会は、これまで水道事業に関する予算や決算等について審議していただいているので、

 本市の水事情や水道施設の状況について詳しく、学識経験者を含む各分野から構成されている。

 

との考えが示されています。

しかし、私たちが一番聞きたかったこと、また、言いたかったことには何も触れられていません。

 

つまり、委員8名中、4名が石木ダム推進派のメンバーだということ。

(石木ダム促進市民の会会員3名+促進川棚町民の会での講演者1名)

公平中立であるべき第三者委員会が、そんな不公平な構成でいいのですか?

という素朴な疑問です。

その答えが、何もありませんでした。

 

それで、私たちは、1月29日に再度、その1点に絞って質問書を出しました。

 

 

                                             2013年1月29日

 佐世保市水道局

  局長 川久保 昭 様

                                              石木川まもり隊

       

                         質 問 書
 

 去る1月17日、私たちは貴局に対し、「石木ダム建設事業の再評価を、佐世保市上下水道事業経営検討委員会に諮問して行うことは直ちに中止し、新たに再評価委員会を設置して行うことを求める要請書」を提出いたしました。

委員会開催前日の1月21日、たいへんご多忙な中、私たちへの回答を出していただきましたことには感謝しております。

ただ、その中で私たちの質問にお答えいただけなかった点がありました。

それは、要請書の(3)のところで、「佐世保市上下水道事業経営検討委員会」の委員8名の中には「石木ダム建設促進佐世保市民の会」の構成団体の代表者等が3名いることを指摘して、石木ダム建設事業の再評価をするための委員会として、公正中立と言えるかどうかお尋ねしました。

この点について、貴局のお考えを知りたいので、再度質問いたします。
 

1.  委員8名中3名が「石木ダム建設促進佐世保市民の会」の構成団体の代表者等である「佐世保市上下水道事業経営検討委員会」は、石木ダム建設事業の再評価をするための第三者委員会として、公正中立な委員会とお考えでしょうか。

2.  公正中立な委員会とお考えであるならば、その根拠をお示しください。

 

さて、今度はどのような回答が届くでしょうか?

一週間以内に文書での回答をお願いしています。

ということは、来週月曜日?遅くとも火曜日には出していただけるでしょうか。

心待ちにしています。。

 

再評価委員会もどき委員会 第1回開催 

いよいよ始まります。

再評価委員会もどき委員会が。

なぜ「もどき」かと言うと、再評価委員会は第三者委員会ですが、

この委員会は第三者委員会とは呼べないからです。

 

委員8人中4人が、石木ダム推進派で占めていて、

うち3人は「石木ダム建設促進佐世保市民の会」です。

 

その会がやってることは、佐世保市民の税金を使って、

「石木ダムは市民の願い」というバスの車体広告を出したり、

早く工事を再開してほしいと県に陳情に行ったり、

アーケード街で石木ダム建設促進パレードを毎年実施したり・・・

それはそれは熱心なのですから。

ダム工事を早く再開せよという人たちが、

石木ダム事業は継続すべきではないなんて意見を言うはずがありません。

 

そして、委員長を除く7人の構成は、

賛成派:中立派=4:3なのですから、採決すれば答えは事業継続に決まっています。

その上、

委員長は、わざわざ委員全員に平成6年の大渇水の苦労話を語らせたり、

人口が減っても、核家族化による使用量の増加を示唆したり、

あれれ???この方は水道局の方?と勘違いしそうになってしまいました。

 

しかし、残る3名の委員の皆さんは、時々鋭い質問をなさっていました。

  ・安定水源と不安定水源を足せば、水は足りているのでは?

  ・一時的減少が慢性的減少になることも考えられるのではないか?

  ・過去の実績値から見ると、この予測値は明らかにオーバーしているように感じるが…

など。

でも、水道局の説明を聞いて、ほぼそれで納得し、

突っ込んだ再質問が出なかったのは大変残念でした。


一昨年の長崎県公共事業評価監視委員会のときのように、

納得のいくまで質問し問題を引き出してくれる委員の粘りを期待したのですが、

最後に委員長が

「この水需要予測については承認されますか?承認する人は手を挙げてください」と言うと、

なんと!全員があっさり手を挙げてしまったのです。

まさに「全会一致」でした。

 

途中で、ちょっとだけ期待した分、ガックリきましたが、

まあ、予想していたことではありました。

だからこそ、私たちは、この委員会に再評価を諮問するべきではないと要請してきたのです。

 

ところで、今日の水道局の説明で疑問が解けたことが1つあります。 

平成24年度以降の一日最大給水量(青の折れ線)の予測値について、

25年度まではほぼ実績値と同じで、なぜ26年度から急増しているのか?

説明によると

24年度(今年度)は決算の見込みを、25年度は予算を反映させているから

とのことでした。

それって・・・

私には、決算や予算は現実に基づいて提出しなければならないからと言ってるように聞こえました。

裏を返せば、それ以降の数字は非現実的ということになるのでは?

 

この表を見てください。

            H23年度   24年度   25年度   26年度   27年度   28年度   29年度

 
ブルーの欄の数字は、一日平均給水量です。

グリーンの欄は、一日最大給水量。

昨年、つまり23年度実績は、平均と最大の差は9,000トンくらいなのに、

平成29年度の予測では、20,000トンもありますよね。

水需要は最大給水量で考えますから、

最大給水量を大きくするほど不足分が増え、

それを補うにはダムしかないと言えるからでしょう。

 

では、どうやってこの最大値を大きくしてるのか?

それは、上の表の一番下のピンクの欄を見てください。

これは負荷率という数字で、この数字が大きいほど平均と最大の差が少なく、

この数字が小さいほど、平均と最大の差が大きいことを意味しています。

23年度実績の負荷率が88.7%で、24年、25年と同じ率を使っていますが、

26年度からは、80.3%という小さい率を使っています。

その結果、26年度の最大給水量は前年度より1万トンも急増しているのです。

 

試しに計算してみましょう。

26年度の平均給水量は、73,649トンですから、負荷率80.3%を使えば

73,649÷0.803=91,717 になりますね。

もしここで、それまでと同じ負荷率88.7%を使えば

73,649÷0.887=83,032となります。

 

おわかりですよね。

負荷率をちょっと変えることによって、

平均給水量は同じでも、最大給水量はずいぶん違います。

約92,000トンと83,000トンでは、9,000トンもの大差です。

これが、26年度以降の急増のタネ明かし。

 

もう1つの数字の変化を見てください。

   H23年度    H24年度    H25年度    H26年度    H27年度    H28年度

 

これは、工場用水の変化。

1,890トンは平成23年度の実績値。

ここでも、24年度と25年度は横ばいです。

27年度に急増してますね。

前年度の2.7倍!ですよ。

信じられます?1年で2.7倍も水需要が伸びるなんて。

魔法使いじゃあるまいし・・・

 

魔法のタネはここにありました。

大口需要者のSSKが経営方針を変え、修繕部門を強化することにより、

船の洗浄用水が増加するからだそうです。

 

としても…ですよ、信じられます?この数字。

一日に4,412トンも!

現在の佐世保市内ぜ〜んぶの工場用水が1,890トンなのに、

1社で4,412トンも???

 

その結果、工場用水はこのように、まるで崖を駆け上るように上昇する予定なのですって。

 

仮に、この予測が正しいとしたら、それはそれで、問題なのではないでしょうか?

船を洗う水は、上水道でなければならないでしょうか?

それこそ再生水の出番ではないでしょうか?

佐世保市では、再生水の利用者が少なく、毎日何万トンも海に捨てられています。

 

経済産業省の調べによると、

工業用水は1980年以降減少していて、それは水のリサイクルの進展が原因。

昭和40年は36%だった水の回収率が、平成21年には79%に達したそうです。

 

SSKさんも大企業ですから、水資源の大切さは十分おわかりのはず。

市水道局から高い水道代を払って、

飲み水用のきれいな水をすべての洗浄に使うのではなく、

再生水で可能なところは、リサイクルした水で省資源、省コストを目指していかれるはず

 

やっぱり今回の需要予測も、過大でしたね〜 

委員の皆さん、そう思われませんか?