石木ダム不要、市民から知事へ 初めての直訴

11月24日、ついに知事との面談が実現しました。

石木ダムの早期完成を公約に掲げて当選した知事が、石木ダムに反対の佐世保市民との面談に応じることになったのです。どうせパフォーマンスでしょ?反対派の声も聞きましたというアリバイ作りに過ぎない!と見る向きもあるでしょう。

しかし、仮にそうであったとしても、会うことに意味がある、互いの目を見て直接伝えることが何より大切だと思いました。石木ダムが必要だと思い込んでいる知事に、石木ダムは不要だとなぜ私たちが思うのか、その根拠を示したい、その思いを伝えたい、客観的な事実を知らせたい、そう思いました。事実を知れば認識が変わり、考えも変わる可能性があります。その可能性がどれほど小さくても、伝えなければ可能性はゼロです。

だから、時間制限や人数制限、非公開、そして質疑はしない、知事はただ「皆さんの話を聞かせていただくだけ」等の条件も全て受け入れ、面談の実現を求めました。

その結果、県側からは4人が参加。左から土木部河川課小川企画監、奥田土木部長、大石知事、松園石木ダム建設事務所長です。

市民側の参加者は26名。石木ダムに反対している佐世保市内4団体のメンバーです。冒頭の挨拶で知事はこう言いました。佐世保は慢性的な水不足で、過去には264日間の給水制限が続いただけでなく、その後もほぼ2年に1度の渇水危機に見舞われていると聞いています。石木ダムは必要不可欠で、早期完成を目指しています。

ここにご参加の皆様も大渇水を経験しておられるのではないでしょうか?その上で石木ダムには反対だと聞いております。その思いも含めたご意見を聞かせていただければと思っております。

いきなり、そうきましたか~
必要不可欠、早期完成、そして2年に1度の渇水危機!朝長市長の口癖が頭にこびりついてしまったかのよう・・

いやはや、むしろやりがいを感じますねー
各団体から選ばれた4人は、ますます心を込めて、精いっぱい知事に語りかけました。その話の内容をここに開示します。是非ごらんください。

トップバッターは、「#ダムより花を」の森田さんです。発言原稿 森田敦子:#ダムより花を

森田さんは、ダム花がこれまで行ってきた市民アンケートだけでなく、新聞社やタウン誌が行った結果も紹介しながら、


市民の意見は分かれていますが、このように石木ダムはいらないとか分からないという意見が多数派です」という結果を示し、

子どもたちには50年も前に計画されたダムではなく、こうばるのような多様な生き物がいる自然や持続可能な里山の暮らしを残したい

こうばるの人たちを苦しめて追い出してまで作ったダムの水は欲しくない

など様々な市民の声を紹介。

知事も席を立って近づき、アンケート結果を確認していました。

 

続いて発言したのは、「佐世保の水と石木ダムを考える市民の会」の牛島さん。

発言原稿 牛島万紀子:佐世保の水と石木ダムを考える市民の会

同会が11回にわたって各町内で行ってきた勉強会で誰もがおかしいと感じたこと、「水需要は減り続けているのに、市はなぜ増えると予測するのか?」「佐世保の水源は10万トン以上あるのになぜ7万7千トンしかないと主張するのか?」について、実績値のグラフや水源一覧表を示しながら説明。

そして、「公共の福祉を理由として人権を侵害しても必要がある公共事業は、子どもでも理解できる説明でなくてはなりません」としっかり指摘。

三番手は、「水問題を考える市民の会」の宮野さん。

発言原稿 宮野由美子:水問題を考える市民の会

宮野さんは、一日平均給水量の実績値を示しながら、平均給水量
近年は6万5千トン前後であり、市が主張する7万7千トンの水源でもおつりがくる」と説明。

さらに、佐世保には大きなため池がたくさんあり、ため池

渇水時にはこれらの池の水を活用できる分水協定を結ぶことを提案。分水協定
多額の税金を投入して必要性の乏しいダムを作るより、協定を結ぶだけで水の心配がなくなるため池の活用をぜひ進めていただきたい

 

最後は「石木川まもり隊」から松本が発言させていただきました。

発言原稿 松本美智恵:石木川まもり隊

・このように必要性が疑われる石木ダムに、佐世保市民は357億円も負担しなければならない。資料1.佐世保市民が負担する石木ダム事業費

・その多くは水道会計から支払われ、市民はダムよりも老朽化した水道施設の更新整備に水道料金を使ってほしいと願っている資料2.佐世保市まちづくり市民意識アンケート調査 H30

・石木ダム事業費はまだまだ増えそう。それはダム建設予定地の地質に問題があるから。透水性が高く、その対策工事に今後かなりの費用を要するだろう。資料3.石木ダムの問題点について :建設コンサルタント応用理学技術士 資料4.採石跡地問題

新たな水源確保対策としては水利権の転用を提案する。佐々川の遊休水利権を佐世保市の水道用水として知事が認めるだけで済む。費用は全くかからない。資料5.佐々川の水利権などについて資料に基づき説明し、最後に大石知事に訴えました。

「半世紀前のダム計画の呪縛を断ち切って、どうか50年後100年後の長崎の未来を見据え、県政の方向転換をしていただけますようお願いします」と。

その後、会場からも2人の方からの発言がありました。

石木ダム建設費だけでなく、その後ずっと維持管理費もかかってくる。また、新たに浄水場も造ろうとしているが、他の古い浄水場は切り捨てて2つだけにするようで、浄水量は今よりも減少するだろう。本当に今後水需要が増えると思っているのなら、そんなことはできないはず。

1972年の覚書が守られないまま工事が強行されている。昨年、福岡高裁は判決文の中で覚書に触れ、地元の理解を得る努力をするよう県に求めた。いま大石知事はその努力をしていると思う。が、その対応を佐世保市長や市議会は批判していて、いかがなものかと思う。大石知事は住民の方との話し合いを続けてほしい。

なんだか知事へのエールのような雰囲気になったところで、終了の時間となりました。

松本:お忙しい中このような機会をつくっていただき、ありがとうございました。今日はお話をさせていただくだけで知事への質問はできませんでした。今日で終わりではなく、今日を出発点として、また、このような機会を設けて頂きたい、そして次は知事のお考えをお聞きしたいと願っています。

知事:短い時間でしたが、皆さんのお話が聞けて、本当に私も嬉しかったです。先ほどの方のお話を聞いて思ったのですが、佐世保市民も私にとっては長崎県民です。知事の私が皆さんのお話を聞くことは何ら不思議なことではありません。それを踏まえた上で、皆様のお考えを佐世保市に届けることも重要なことだと思います。私が口出しすることではありませんが、しっかり届けていただければ、しっかりお答えされると思いますので、よろしくお願いいたします。

最後は互いに感謝の言葉を交わして会場を後にしましたが・・・

この日の夕方のテレビニュースで早速「知事、反対派と面会」と報じていましたが、「いろんな意見があると感じたが、(ダムが必要という)認識は変わらない」という知事のコメントを見て、がっかり!





発言者の目を見て聴き入ったり、熱心にメモを取ったり…真摯な姿勢はやはりパフォーマンスだったのでしょうか?


インタビュー映像で確認できた知事の言葉を拾ってみると、

「市民の方々の中には、(ダムを)求めていない方もいらっしゃるんだと」
「水が足りないんだということでこの事業は進めている」
「いろんな立場からの話を聞いて、しっかりと判断をしなければならないので、そのうちの1つの声を聞かせていただいた。これによって(事業継続についての)認識が変わるということはない」

冷静に聞いてみると当然のコメントですね。

これまでずっと部下である河川課職員からのレクチャーを受け、佐世保市長や県議会、市議会、促進派団体から「一日も早く石木ダムを!」との要望を受けてきた知事の頭の中は、必要論で鮨詰め状態。新たな情報が入る隙間は中々無さそうだし、たかが1時間、市民の話を聞いたくらいで理解できるものではないでしょう。

今日のところは、「市民の方々の中には、(ダムを)求めていない方もいらっしゃるんだと」いうことを知っていただいただけで十分です。

「水が足りないんだということでこの事業は進めている」のですから、「水が足りている」ということになれば、事業は見直すべきだと知事も感じておられるのでは?

そして、毎日新聞が大事なことを伝えてくれています。



私たちが指摘した佐々川からの取水実績について、知事は「事実を確認したい」とおっしゃったようです。

ぜひ確認してほしい。そして確認した結果を公にしてほしい。遊休水利権と認めるのか否か。認めるなら、それを転用するのかしないのか、その理由は?

私たちは、新たなダムを造って自然や住民の暮らしを破壊するのではなく、老朽化した水道管を更新して漏水を減らし、雨水や再生水を有効活用して水を循環させる、そんな持続可能な水道行政を望んでいます。

気候変動による自然災害はますます甚大化しています。これ以上新たなダムを造り続けることは逆効果です。これからは自然との共生による治水や利水の時代です。

大石知事にお願いします。半世紀前のダム計画の呪縛を断ち切って、どうか50年後100年後の長崎の未来を見据え、県政の方向転換をしていただけますよう、心からお願いいたします。

 

以下マスコミ各社の記事です。

NCC長崎文化放送
https://www.ncctv.co.jp/news/109137.html
石木ダム反対派団体が知事と初めて面会

NIB長崎国際テレビhttps://www.nib.jp/nnn/news106lzb1ecx3go3qp657.html
石木ダム建設 知事と反対派市民団体初面談

KTNテレビ長崎
https://www.ktn.co.jp/news/detail.php?id=20221124008
水需要予測に疑問投げかけ…石木ダム建設反対の市民団体が知事と初面会

NBC長崎放送
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/nbc/213482?display=1
石木ダム巡り建設反対の市民団体と大石知事が初めて面会

毎日新聞 https://mainichi.jp/articles/20221125/ddl/k42/040/341000c
石木ダム反対4団体 26人が知事と面談 データ説明に「確認したい」

長崎新聞
https://nordot.app/968701158038994944
大石知事、石木ダム反対団体と初の面会 座り込み現場も訪問

朝日新聞https://digital.asahi.com/articles/ASQCS6X02QCSTLZU008.html
「建設進める認識は変わらない」 知事、石木ダム建設反対派と面会

西日本新聞
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/1019240/
長崎県知事、石木ダム建設反対派と意見交換

 

 

佐世保市民による大石知事との面談要請 3度目の正直なるか

9月22日、私たち4団体(石木川まもり隊、水問題を考える市民の会、佐世保の水と石木ダムを考える市民の会、#ダムより花を)は、大石知事に面談を求める要請書を提出しました。7月28日、8月23日に続く3回目の要請です。

すっかり遅くなりましたが、記録として残しておきます。

7:50~8:50 県庁前でチラシ配りとスタンディング。





2022.9.22県庁前配布チラシ1

 

9:20~9:30 各団体から申し入れと要請書提出。




2022.9.22 知事への要請書

議会中を理由に土木部長も河川課長も姿を見せず、3人の河川課職員が対応。

9:30~10:00 記者会見。

NBCニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/39643409ed3356f41a245efcc3968d17b12a62d8

私たちの願いはただ一つ、石木ダムに対する佐世保市民の想いを知事に直接伝えたい、それだけです。

既に市民の声は聴いていると知事は言われるかもしれませんが、それは推進派の声だけです。7月13日と9月11日の2回とも、知事の前で発言していた佐世保市民とは、いずれも『石木ダム建設促進佐世保市民の会』のメンバーです。運営資金は100%市の助成金で賄われ、事務局は市役所の中にある、「市民の会」とは名ばかりの官製団体です。

利水受益者と言われている佐世保市民の全てが石木ダムを望んでいるわけではない。むしろ少数派です。アンケートをすると、「要らない」とか「わからない」とか答える人の方が多いのです。

それは何故なのか、その理由や根拠を、知事と面会して直接お話したい。県民との対話を重視する大石知事なら応えてくださるはず!との想いで要請書を提出してきたのですが、過去2回はいずれも拒否されました。

その理由は「石木ダムに関する訴訟が継続中なので会うことはできない」というもの。もちろん、それは口実に過ぎません。法的根拠がないことは河川課の職員もはっきりと認めました。

提出予定日の前々日(9月20日)、石木ダム工事差止訴訟に関する最高裁の決定が届きました。結果は上告棄却という残念なものでしたが、しかし、これで知事が私たちとの面会を拒む理由は無くなりました。

知事は以前、「どちらか一方の話だけではなく、両方の話を聞きながらしっかりと理解を深めていきたい」とおっしゃっていました。その言葉を思い出してください。ほんの3ヶ月前のことです。

推進派以外の市民の声には耳を塞ぎ、事業を強行するなら、これまでの長崎県政と何ら変わりはありません。
賛成にしろ反対にしろ、受益者の声には等しく耳を傾け、その上で判断すべきです。
合意形成の努力を惜しんだ公共事業は、将来に必ず禍根を残します。

私たち県民は、民主的な開かれた県政の実現を心から願っています。

 

回答期限は明日、10月6日です。

知事の本心による回答を待っています。

 

佐世保市民から大石知事へ再要請

8月23日、私たちは再び大石知事へ石木ダムについて佐世保市民の声を聴いてほしい、面談の機会をいただきたい旨の要請書を提出しました。



私たちというのは、「水問題を考える市民の会」「佐世保の水と石木ダムを考える市民の会」「#ダムより花を」そして「石木川まもり隊」の4団体です。

その要請書はこちらです。2022.8.23 知事への再要請書

この文書の中でも説明していますが、そもそもの発端は7月13日。知事はわざわざ佐世保まで足を運び、石木ダム推進派団体と面談しました。

そこで私たち4団体は、28日、推進派以外の市民の声も聴いてほしいとの要請書を提出しました。

それに対する回答が8月18日、電話によってもたらされました。(要請書には文書で回答いただきたいと明記していたのですが)

その内容は、「訴訟が継続中なので会って話し合うことはできない」というもので、なぜ訴訟中だと会えないのか尋ねても明確な説明はいただけませんでした。そこで、回答はやはり文書でいただきたいと言うと、「訴訟中なので文書のやり取りもできない」との返事。何度お願いしても結果は同じでした。

そこで私たちは協議の結果、再要請書を提出することで合意、23日に速達書留で郵送しました。

今回の要請書では要請事項を2つとしました。

1つ目は、なぜ訴訟中だと「面会も文書のやり取りもできない」のかということです。

石木ダムに関する裁判が始まって以来7年間、県も佐世保市も訴訟を理由に話し合いを拒んできました。「石木ダムの必要性については、いま法廷の場で争っているところなので、お話しできません」と言いながら、広報紙や県政or市政チャンネルでたびたび特集を組み、石木ダムの必要性を声を大にして訴えています。

石木ダム訴訟の原告は全て個人の意思によるものです。団体として提訴したわけではありません。仮にその個人としての原告が4団体の中にいるから会えないと言うなら、8月10日知事が川棚で面談した方は全員原告です。矛盾していますね。

もう1つの矛盾、それが2つ目の要請事項に繋がります。

知事は推進派の市民・町民と面談したその日に「どちらか一方ではなく、両方の話を聞きながらしっかり理解を深めていきたい」とテレビカメラの前で語っていました。そんな知事が推進派佐世保市民の意見だけ聞いて反対派佐世保市民の意見を聞かないのは、やはり矛盾しています。

矛盾というより、あれは「本心ではなかったってこと」「住民と会うのもパフォーマンスに過ぎない」「だから騙されちゃダメ」などと批判する声も、あちこちから聞こえてきます。

でも、私たちはまだ知事の言葉を信じたいと思っています。だからこそ再び要請書を提出したのです。

県民との対話を重視する大石知事に求めます。

石木ダムの利水について、受益者である佐世保市民のもう一方の声を、ぜひ聴いてください。

知事自身の判断による回答を私たちは待っています。

 

KTNテレビ長崎  https://www.fnn.jp/articles/-/408787

毎日新聞  https://mainichi.jp/articles/20220827/ddl/k42/040/372000c

大石知事、推進派と意見交換

大石知事は選挙期間中から課題解決のためには、まず関係者の話をよく聴くことが大事と対話重視の方針を示していました。

トップダウンではなくボトムアップという手法は民主的で、県民としても望むところです。

石木ダムに関して知事は、3月就任後まもなく建設予定地こうばるを訪れ、住民へ挨拶。4月には、住民の案内でこうばるを視察。

次は石木ダムの必要性についての意見交換をということになっていたので、住民の皆さんはその日を待ち望んでいましたが、その機会は得られないまま、工事だけが進んでいます。

そして昨日、知事は推進派の声を聞くために、佐世保市と川棚町を訪れました。

佐世保市では「石木ダム建設促進佐世保市民の会」、川棚町では、「石木ダム建設促進川棚町民の会」や元地権者でつくる「石木ダム地域住民の会」との意見交換を実施。

終了後、知事は記者団にこう語っていました。

その考えは立派です。

4月には現地を歩きながら反対派住民と語り合っていたのだから、今度は推進派元住民と意見交換することは全く問題ありません。

でも、それは、あくまでも公平に両方の話を聴くならばということです。

「両方の話を聞きながらしっかり理解を深めていきたい」との言葉通り、知事自身が石木ダム問題を学び理解するために両者から話を聞く。その上で判断する、という道筋でなくてはなりません。

しかし、知事は会議の冒頭このように発言しています。

既に知事の判断(事業は必要→早期完成を目指す)は示されているではありませんか。

同じ推進派同士なのに、なぜ意見交換が必要だったのでしょうか?

冒頭の挨拶以外はマスコミにも非公開だった昨日の会議で、どんな意見が出されたのやら・・。

新聞報道によると、佐世保では、1994年の佐世保大渇水を振り返ったり、老朽化した既存ダムが大雨で崩壊する懸念が指摘されたそうで、川棚では、昨年の大雨で石木川の護岸が崩れ人命に関わる恐れがあったとの訴えがあったそうです。

もしかしたら、次の川原訪問に向けて、知事は「住民の話を聴く」だけでなく逆に住民を説得したい、そのための根拠を求めて推進派の意見に耳を傾けたのではないか・・そんな疑念さえ生じてしまいます。
 まるで行政代執行へと背中を押すような発言・・

知事自らが理解し判断するためだったはずの対話は建前で、所詮はパフォーマンス、行政代執行のアリバイ作りだった・・そうならないよう、

私たちは未だ知事の初心に期待し、真の対話を願っています。


NHK長崎 7/13(水)16:53
石木ダムめぐり知事が建設容認の住民と初の意見交換
https://www3.nhk.or.jp/lnews/nagasaki/20220713/5030015253.html


NCC長崎文化放送 7/13(水) 20:15
大石知事が石木ダム推進派と意見交換
https://news.yahoo.co.jp/articles/1142b45512f78b7da7f97af4ad935e6004a6fc80


KTNテレビ長崎 7/13(水) 20:26
大石知事と石木ダム建設推進派の住民などが初面会
https://news.yahoo.co.jp/articles/4afa678e19e4a82a9cb77ba349da04fd5ced41af


NBC長崎放送 7/13(水) 19:08
大石長崎県知事が石木ダム推進派と面会 ”建設推進” を明言
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/94870?display=1


読売新聞 7/14(水)05:00
知事「石木ダム推進」建設求める3団体と意見交換
https://www.yomiuri.co.jp/local/nagasaki/news/20220713-OYTNT50156/


毎日新聞 7/14(水)
石木ダム 推進団体と意見交換 知事「理解得ること重要」
https://mainichi.jp/articles/20220714/ddl/k42/040/367000c


長崎新聞 7/14(木)11:50
大石知事、石木ダム建設推進派と意見交換 早期完成を改めて強調
https://nordot.app/920140332116819968

大石知事への手紙

一昨日、宮崎県在住の隊員MMさんからメールが届きました。新知事が川原を訪問したと聞いて自分も嬉しく思う。遠くに居て何もできないが大石知事への期待を伝えたいと思い、県のホームページ内の「知事への提案」欄にメッセージを送った、とのことでした。

とても共感する内容でした。知事は読んでくださったでしょうか?そもそも知事のもとに届いているでしょうか?はなはだ疑問に思えてならないし、知事以外にも、土木部長さんや河川課長さん、佐世保市長さんや水道局長さんにも読んで欲しいな~と思いました。ご本人にお願いし、快諾を得たので、ここに転載させていただきます。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

長崎県知事 大石賢吾 様

 

 長崎県知事、ご就任、おめでとうございます。

 私は長崎県民ではありませんが、一言、知事に提案があります。

 それは、石木ダム事業のことです。

 歴代の知事の愚行を踏まぬよう、これ以上、長崎県行政の横暴を許してはなりません。

知事は、「横暴」ではなく、「法にのっとった行政」と言うかもしれません。

しかし、傍から見ていると明らかな、行政の横暴であり、沖縄の辺野古の海の埋め立てと同じです。

 知事が、就任間もないこの時期に現地に行かれ、住民の方に対面されたのは、とても素晴らしいことだと思います。

 その次に、是非、行って頂きたいのは、石木ダムが本当に必要な事業なのかということを客観的にしかもオープンな形で、議論をすすめることです。

 参考になるのは、熊本県の川辺川ダム計画の説明不十分との考えから、当時の潮谷熊本県知事が行った「住民討論集会」です。このオープンな場を事業主体である国土交通省が主催し、ダム有効性、費用対効果、環境影響など様々な観点での議論をオープンな形で行いました。そのことによって、川辺川ダムの本質が皆さんに理解が深まりました。

 このようなことを石木ダム事業についても、是非、行って頂きたいと思います。

 そうして、あくまでも平和裏に、双方が納得いく形で、ダムの是非を問うてみて頂ければと思います。

 知事さんには、知事さんの立場、公約があるとは思います。その公約の裏には「絶対に県民を裏切らない」という強い人間性が存在していると思います。

 今後の知事さんのご活躍に期待しています。

 よろしく、お願い致します。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

長崎県のホームページには「知事のページ」があります。https://www.pref.nagasaki.jp/koho/governor/

大石知事からのメッセージの最後には、
県民一人一人の皆様の声を聞き、寄り添いながら、県政をしっかりと前に進めてまいります。「皆さんと一緒につくる新しい長崎県」の実現を目指し、自らが動く知事として邁進してまいりますので、皆様のご理解とご協力をよろしくお願いいたします。
と書かれています。

MMさんは県民じゃないけれど無視しないでいただきたいですね。

そして、私たち県民こそ大石知事のこの言葉を信じて、MMさんのように「知事への提案」欄にメッセージを送ってみませんか。

入力フォームはこちらです。https://eap.pref.nagasaki.lg.jp/kv2/index_pc.php5?FORMNO=42000G00001085ibS&SETUID=SSL

 

ススキの叫び

もう10日ほど前のことになりますが、県内にお住いの方からメールをいただきました。

「石木のタブノキ」読ませていただきました。現場にいてこその迫力とタブノキへの想いがひしひしと伝わってきました。 応援に駆け付けることが出来ない私のもどかしい思いを詩にしました。 氏名は明記していただいて結構です。

と書かれていました。とても嬉しく思いました。私たちがつい忘れがちになること、現場に来なくても、来れなくても、私たちと同じ思いの仲間は沢山いるのだということ、それを思い出させていただきました。

大好きな金子みすゞの詩にもありましたっけ。見えぬけれどもあるんだよって。

   星とたんぽぽ

 青いお空のそこふかく、
 海の小石のそのように
 夜がくるまでしずんでる、
 昼のお星はめにみえぬ。
    見えぬけれどもあるんだよ、
    見えぬものでもあるんだよ。

 ちってすがれたたんぽぽの、
 かわらのすきに、だァまって、
 春のくるまでかくれてる、
 つよいその根はめにみえぬ。
    見えぬけれどもあるんだよ、
    見えぬものでもあるんだよ。

 

話が横道にそれてしまいましたね。では、あらためて、中里さんの詩をご紹介します。

 

 ススキの叫び

                中里和彦

 

パイプ椅子を並べ

婆ちゃんたちは座っている

何を言うでもなく

ただ、じっと前を見つめ

座っている

 

胸のゼッケンには

何かが書かれているが

人々に読まれることもなく

たまに読み上げる婆ちゃんたちの声を

人々が聞くこともない

 

パイプ椅子を並べ

婆ちゃんたちは座っている

行き交うトラックの

巻き上げる砂ぼこりに顔を伏せ

座っている

 

トラックの行先では

草は刈り取られ

木々は切り倒され

大きな重機が

大地をはぎ取っている

 

パイプ椅子を並べ

婆ちゃんたちは座っている

たまに、その視線は傷ついた大地に行き

思い出を胸に

座っている

 

座っている婆ちゃんたちの前を

行き交うトラック

風圧に一本のススキが巻き込まれ

タイヤの圧倒的な重圧に姿を失い

踏みしだかれたススキは

無数の綿のような種をはじき出し、叫ぶ

 

『コウバルに、来年も咲く!』



 

こうばるで人間の鎖

11月25日、平日の午前という時間帯にもかかわらず、「こうばる」に続々と人が集まってきました。

100人集会のはずが、なんと230人を超えました!
用意した地図やスケジュールが書かれたプリントもリボンも底をついてしまいました。

いよいよオープン!
実行委員長の炭谷さんによる挨拶と



I女性会議の皆さんによる合唱=石木の小川(春の小川の替え歌)に続いて、



参加者によるリレートークが始まりました。
トップバッターは、なんと千葉県からやってきた方です!

中台ヒデ子さん(水問題と八ッ場ダムを考える千葉の会)

私たちは無駄で危険な八ッ場ダムを止めようと、1都5県(東京、群馬、栃木、埼玉、茨城、千葉)で住民訴訟を起こしましたが、全て敗訴となりました。八ッ場ダムはもうできてしまいましたが、今でも生態系への影響や造成地の地滑りなどの危険があり、見守り続けています。もうこれ以上ダムは要りません。こうばるに平穏な暮らしが戻るよう、子どもたちの未来に持続可能な社会が残せるよう、共に活動を続けましょう。

その後も県内外の支援者や議員の皆さん10人がマイクを握りました。

松本美智恵(石木川まもり隊)私たち佐世保市民が水不足で苦しんでいたのは過去のことです。いま私たちは全く水に困っていません。しかし、行政は半世紀前のダム計画に縛られ、莫大なお金をつぎ込んで自然を壊し、住民の生活権を侵害しています。ダム建設を止めるには石木ダムは要らないという世論が必要です。この集まりが、2回目、3回目と続き、その度により多くの人が集まることを願っています。そうなるよう、どうぞ皆さん、力を貸してください。石木ダムは要らない!という声を大きく広げていきましょう。

田代圭介さん(石木川の清流とホタルを守る市民の会)私たちは長崎市の街頭で石木ダムの必要性を問うシール投票をやりましたが、NO!という方が圧倒的多数を占めています。他でやられたアンケートの結果も同様で、多くの県民が石木ダムは要らないと思っています。また、1972年、当時の久保知事はダム建設は住民の同意を得た上でやるという覚書を交わしています。この約束を守るよう私たちは言い続けていますが、中村知事は無視したままです。約束を守るのは最低限の義務ではないでしょうか。地元の皆さんと連携して、引き続き闘っていきます。

坂田昌子さん(国連生物多様性の10年市民ネットワーク)東京の高尾山からやってきました。私たち「ケンジュウの会」は高尾山に圏央道を通す計画に反対してきましたが、私たちの土地は強制収用され、圏央道はできてしまいました。1本の木を伐ればどれだけの命が失われるか。川には生きものがうじゃうじゃいます。こうばるの皆さんがこの自然を守ってきました。それは世界の趨勢です。国連では、多くの学者がアセスメントをして報告書を提出しましたが、そこにはダムはもうダメだと書かれています。ダム反対を叫ぶのは世界の流れだということを共有し、手を繋いでいきましょう。

安江綾子さん(いしきを学ぶ会)こうばるが大好きで、ここを守っていきたいと思っています。今回の衆院選で石木ダムに反対する2人の議員が当選した意味は大きいと思います。来年は知事選です。選挙で政治を変えていきましょう。石木ダムを造らせないという運動を多くの方と手を結び、広げていきましょう。

白川あゆみさん(参院選候補者)来年の参院選を目指し活動しています。環境を守る、暮らしを守ることについて、私たち若い世代がもっと声をあげていかなければと思っています。この看板を撤去し、こうばるの皆さんの幸せを取り戻すために、私も全力を尽くしていきたいと思います。

堀江ひとみさん(県議会議員)県議となって15年目です。議会ではずっと石木ダムは要らないと言い続けてきました。明日から定例会が始まりますが、今回も知事に質します。知事は毎回「誠心誠意対応します」と言うけれど、そうであるならば、工事を中断して話し合いをすべきではないかと。本日お集まりの皆さんの想いも届けてまいります。

山田勝彦さん(衆議院議員)私は選挙直前の地元紙の質問に対して石木ダムは不要との立場を示しました。治水、利水の代替案をテーブルに載せてゼロベースで議論すべきであり、住民の人権を第一に考えるべきだと主張してきました。立場の弱い人、困っている人の力になるために政治はあります。一日も早く、ほたるの川のまもりびとの平穏な暮らしを取り戻しましょう!

田村貴昭さん(衆議院議員)なぜ石木ダムが必要なのか、佐世保の水が足りないという。その上今後急激に水需要が増えるという。しかし、その根拠は県も佐世保市もまともに説明できない。また、洪水対策としても必要と言うが、今は異常な雨の降り方をする。ダムでは防げない。むしろ下流域に甚大な被害を及ぼしている。もう二重三重の意味で石木ダムは要らない。公共事業チェック議員の会は皆さんと連帯して石木ダムが中止になるよう頑張っていきます。

嘉田由紀子さん(参議院議員)いまコロナで医療費がどんどん嵩んでいる。そういう時に皆さんの税金を公共性の低い事業に注ぎ込んでいいのでしょうか?公共事業には科学的な担保が必要です。昨年7月の球磨川豪雨の後、国交省は川辺川ダム建設に舵を切り、ダムができたらどれだけ水位が下げられるかデータを出しました。それを基に検証したら、あの水害で亡くなった50人中48人の方が川辺川ダムがあっても助からなかったということが分かりました。この石木ダムも科学的データに基づいて必要性が無いことを、山田さん、末次さん、地元新議員と共に国会で示していきます。皆さん、応援してください。

末次精一さん(衆議院議員)数年ぶりにこうばるを訪れ、この光景に唖然とし、自分の無力さを痛感しております。私は県議時代にダムの代替案を示し多くの賛同を頂いていましたが、大きな政治の力で潰されてきました。今回やっと国政の場に立つことができ、より大きな力を持たせていただきました。以前こうばるの方が「三度の食事のおかずはダムの話」と言われたのが心に強く残っています。私はその方に「当たり前の普通の食卓に戻します」と約束しました。その約束が果たせるよう、皆さんとともに頑張っていきましょう!

どなたも本当に熱い思いの籠ったトークでした。

続きまして・・今度は聞くだけではなく、
みんな一緒に叫ぶ「まもりびと宣言」です。
実行委員に続いて皆で復唱しました。

私たちはこうばるを守ります!

  →私たちはこうばるを守ります!

こうばるの里山を

  →こうばるの里山を

石木川の清流を

  →石木川の清流を

子どもたちに手渡したい!

  →子どもたちに手渡したい!

こうばるの集落を

  →こうばるの集落を

水の底には沈めません!

  →水の底には沈めません!

こうばるの人々を

  →こうばるの人々を

その暮らしを

  →その暮らしを

私たちは守ります!

  →私たちは守ります!

力を合わせて守りましょう!

  →力を合わせて守りましょう!
 

こうばるの田んぼで230人が叫んだ「まもりびと宣言」、きっと県職員にも届いているでしょう。だって、あちこちに監視カメラがあるのだから。

さて、いよいよ人間の鎖です。230人を超える人々がピンクのリボンを介在して手を繋ぎ(コロナはまだ終息していないので)、長い鎖となりました。



その繋いだ手を一斉にあげたとき、









想いが一つになったような感動を覚えました。

ここで集会は終了ですが、山道を歩ける人は班ごとに、座り込みの現場まで歩いていきました。

石木川を渡り、

現場で座り込んでいる人たちの説明を聞き、

鎖にしたピンクのリボンに想いを書いて、森のレストラン(こうばるの皆さんが森の中に作った休憩所兼お弁当を食べるところ)に張ったロープに、お御籤のように結び付けました。


参加者の中には、久しぶりに現場を訪れ、その変貌ぶりに言葉を失う人、初めて訪れ、ダムのダの字もできていないことに驚く人など様々でしたが、この皆さんが、今度は1人でひょっこり、あるいは友人を誘って、この現場で共に座るために来てくださることを心から願っています。

またいつか、こうばるで会いましょう!  (‘◇’)ゞ

詩「石木のタブノキ」

『北方(HOPPOH)』という文芸誌の185号(2021.10.31発行)に、「石木のタブノキ」という詩が掲載されました。

そう、あのタブノキ。石木ダム付け替え道路工事現場にあった大きなタブノキ。引き千切られ、引っこ抜かれて、打ち捨てられたあのタブノキを悼む詩です。
作者は石木川まもり隊のU・Mさん。

座り込み現場に集う私たちの想いを詩ってくれました。
ぜひ、じっくり読んでみてください。

 

石木のタブノキ

石木の人々の通い路に、タブノキが二本寄り添って大きくなりました。
大きなタブノキとそれより小ぶりのタブノキは、
数百年の風雪に耐えて、大きく枝葉を伸ばし、巨樹となりました。
夏には大きな葉を茂らせて人々に憩いの木陰を作り、
さまざまな草花や鳥や昆虫たちは、
タブノキと共に生命を育くんできました。
炎天下での座り込みの日々、
涼を求める人々を木陰に誘い、
涼しい薫風で私たちを慰め一息つかせてくれたタブノキよ。

無用で無駄な石木ダム建設という目的のために、
タブノキと共に営んできた動植物の生命サイクルはまた断ち切られました。
凄まじい暴力。
大きく豊かに茂っていたタブノキの枝葉、そして3メートルを超える幹は、
ユンボで無残に打ち砕かれて身ぐるみはがされました。

それでも大きく根を張っていたタブノキはびくともしませんでした。
でも、
二百年以上、大地に踏ん張っていたタブノキは、

再び力任せのユンボで大地からはぎとられ、傍らに打ち捨てられました。

バーミヤンの仏像がタリバンによって破壊された時、
タリバンは世界中の人々から野蛮なイスラム教条主義者として糾弾されました。
バーミヤンの仏像を毀棄したタリバンと
タブノキをねじり伐り倒した人々と何が違うのでしょうか

タブノキの精霊が嘆き哀しんでいます。
タブノキは告発しています。
断ち切られた生命連鎖の報復を受けるまで気づかないのかと。

工事差止訴訟 270人が上告



川原住民の皆さんと支援者計270人は、10月21日の石木ダム工事差止控訴審判決を不服として、最高裁に上告しました。

正確には10月29日(金)付の上告申立書が11月1日(月)に福岡高裁へ届いたということで、最高裁に届くのはまだまだ先のことです。

一審、二審と負け続け、最高裁がその判決をひっくり返してくれる可能性はかなり小さいだろうという現実は受け止めながら、それでも私たちは上告しました。

それは、泣き寝入りしたくないから。憲法に保障された私たちの人権を守るためには、人権侵害されている当事者と、それを間近で感じている者が声をあげ訴え続けなければ、人権侵害が許されてしまうから。

また、諦めたくないから。もう1つの石木ダム訴訟(事業認定取消訴訟)のように今回も最高裁は上告を退けるかもしれない。それでも、最高裁が受理する可能性がゼロではない以上、私たちは諦めない。最後まで可能性を追い続けます。

諦めないことの大切さを控訴審判決が教えてくれたました。

法廷の内外で私たちは、覚書について声をあげてきました。その声が判決文の中で活かされていたのです。今日は、その声をご紹介します。

その1.
2021年6月18日、石木ダム工事差止控訴審で地元の石丸勇さんが意見陳述。その中で石丸さんはこう述べています。

「思えば、石木ダム建設計画は、長崎県が当初から県民と住民をだまし続けながら進めて来た事業だったのです。それは石木ダムの歴史からも明らかです。
事の始まりは、1962年に地元や川棚町に無断で現地調査と測量を行いました。
1972年にはダム建設のための予備調査を地元に依頼し、「予備調査はダム建設に直接つながらない」と説明しながら、地元住民が不安と不満を表すと「地元の了解なしではダムは造らない」「一人でも反対があるとダムは造らない」などと言葉巧みに住民をなだめました。「予備調査の結果、建設の必要が生じたときは、改めて書面による同意を受けた後着手する」旨の「覚書」を交わして住民を信用させ地元を予備調査に同意させたのです。時の権力者は長崎県知事久保勘一、住民説得に自信があったのでしょう。「覚書」の精神は守られるはずでした。」

しかし、その後の経緯は、次の通り。
1982年 県警機動隊を導入しての強制測量。(高田勇知事)
2009年 強制収用に道を開く事業認定申請。(金子原二郎知事)
2015年 4世帯の農地を強制収用。(中村法道知事)
2019年 川原住民の全ての土地と家屋を強制収用(同上)

49年前の久保知事が住民と交わした覚書は、本人を含む4人の知事全てが無視をして、事業計画を強引に前に進めてきたのです。
長崎県政には、「約束を守る」というごく当たり前のモラルが欠如しているようです。

その2.
10月の控訴審判決に向けて、私たちは8月からハガキ運動に取り組みました。

何千通というハガキが福岡高裁に届いたはずです。中には、ひとこと欄にこんなことを書きましたよ!と知らせてくださる方もいました。
その中のお1人、福岡市のOさんは一言欄にこう書いて送ったそうです。

「こうばるの皆さんのふるさとと暮らしを守ってください。住民との覚書を反故にして工事を強行する長崎県の姿勢は、決して許されるものではありません。一刻も早い工事差止を切に願います。」

佐世保市のMさんも、こう書いて投函したそうです。

「県営の石木ダムは県民のために造られるはずです。住民=県民の信頼を裏切り、覚書違反のまま建設を進めるなら、それは公共事業とは言えません。まずは約束を守り住民と話し合う、そのためにも工事の差止が必要です」

その3.
ハガキは個人によるメッセージですが、公正な判決を求める声は各団体からもあがりました。その数72団体。要請書送付団体
その中には、やはり、覚書について言及している要請文もありました。
要請書(石木川の清流とホタルを守る市民の会)

「…という覚書を締結しています。しかし、今日においても、長崎県はこの覚書を無視し、約束を守っていない。さらに、中村長崎県知事は、このまま工事を進め家屋等の行政代執行も排除しないと明言していますが、現憲法下において、家族が居住する土地・家屋を行政代執行した例はありません。これを実行するとなると…」

このように、いろんな人が、覚書を無視し続ける県のやり方は許せないという想いを声に出し始めました。それがきっと裁判官に届いたのだと思います。

司法にしろ行政にしろ、弱き者の声はなかなか届きにくい。
その現実に慣らされた私たちは諦めがちになりますが、やはり、諦めてはいけない。

「約束は守りなさい」という当たり前のことを、言い続けていいんだ、言い続けるべきなんだと、今回の判決文を読んで感じました。

そして、覚書には触れていませんが、裁判官の良心に響いたであろうと思われるメッセージもいくつもありました。
裁判官だけでなく、私たち自身の心にも沁みました。その一部をご紹介します。

要請書(長崎高等学校教職員組合)
要請書(言論の自由と知る権利を守る長崎市民の会)
要請書(よみがえれ長良川実行委員会30団体)
要請書(八ッ場あしたの会)
要請書(ラムサール・ネットワーク日本)
要請書(水源開発問題全国連絡会)

ぜひご一読ください。

これらのメッセージに私たちは大きな勇気をいただきました。

今回の上告人は270人ですが、その後ろから沢山のエールが聞こえてくるようです。

私たちは皆さんとともに、最高裁へも公正な判断を求め続けます。

石木ダムレポート by長崎大学生


【Aさんのレポート】
私は去る4月24日に、市民街頭運動「長崎県の3大悪政をSTOP!」を見学してきた。この市民運動はタイトルにもある通り長崎県の3つの悪政といわれる「石木ダム建設」と「諫早湾の干拓事業」、「ハウステンボスへのカジノの誘致」について反対の意思を示し、署名を集め、県民により知ってもらうための運動であった。
私自身このような政治に関する市民運動は正直なところ煙たがっている部分があった。なぜなら、県政に異を唱える人々の話が主観的すぎると思い込んでしまっていたからだ。しかし、今回の街頭集会を見て、実際にそこで活動する方々にお話を伺ってみて、この人たちは自分たちが住むこの長崎県をよりよい場所にしたい一心で活動しているのだと思い知らされた。
私が特に興味を持ったのは石木ダムの建設についてだ。そもそもダム建設には広大な土地が必要であり、住める場所が少ないこの長崎にとって居住可能な場所を減らされてしまうのはとても手痛い問題だと思う。街頭集会に参加していた県議会の女性に話を伺ったところによると、ハウステンボスの建設などが始まり、一時的に労働力が必要となって人口が増え、水の需要が大きくなったことは確かにあったという。しかし現在では長崎県の人口は水の需要が高かった当時より減少し、ダム建設の必要がなくなったということだ。
私はその街頭集会において手渡された資料の中に具体的なデータが載っていないことに少し疑問を感じることはあったが、この問題の中に日本の政治の欠点を垣間見た気がした。
日本でダム建設のような巨大な事業を執り行うには膨大な手続きと金と時間がかかる。その間に問題が解決してしまった場合の柔軟な対処とでもいうべきものがこの国には足りないと感じた。
今回の経験を通して国の意見、県民の意見を聞き、自分の頭で考えていくことができたので、これからも様々な問題に対して自分で情報を集め、自分で悩み続けていきたいと思った。

Aさんのように、「市民運動をやる人たちの話は主観的すぎる」という先入観を持っている若者は少なくないのではないかと思います。

私たち世代からすると、なぜそのように見られるのか・・悲しいと言うよりも不思議な気がします。今の若い人たちは、今の暮らしや社会に全て満足しているのだろうか?このままでいいと思っているのだろうか?と。

でも、Aさんは実際に活動している人の話を直接聴いて、その考えが変わったという。
そこが大事ですね。じっくり耳を傾けてみるとか、対話してみるとか。1歩近づいてみると印象が変わったり、実像が見えてきたりするものです。互いに、思い込みを横に置いて、まずは話してみる、その大切さを改めて感じました。

また、Aさんは、特に興味を持ったという石木ダム問題については、こう述べています。

この問題の中に日本の政治の欠点を垣間見た気がした」それは、「ダム建設のような巨大な事業を執り行うには膨大な手続きと金と時間がかかる。その間に問題が解決してしまった場合の柔軟な対処とでもいうべきものがこの国には足りない」と。(同感!)
そして最後には「これからも様々な問題に対して自分で情報を集め、自分で悩み続けていきたいと思った」と結ばれていました。

最後の言葉に感銘を受けながら、他の学生さんたちはどうなんだろう?Aさんのような考え方は少数派なのか?それともけっこう多いのか?興味が湧いてきました。

実は、石木ダム問題について学び、レポートを提出した学生さんはAさんだけでないのです。
そのレポート集がこちら。石木ダムレポート
石木ダム問題に対する長大生104人のレポートが詰まっています。

「氏名その他の情報は一切伏せ、本文だけならネット上でも公開OK!」として送られてきた貴重な資料。感謝を込めて公開させていただきます。

ファイルを開いて読まれた皆さん、どうでしたか?
予想通り?意外?それぞれの感想を持たれたことでしょう。

私が感じたのは、意外にも世代間のギャップを感じなかったということ。

多くの学生が、利水面でも治水面でも、石木ダムの必要性に疑問を感じ、人権を無視した県の強権的なやり方を批判していますが、中にはダム必要論を説く学生ももちろんいます。それでも、対話が必要であり、説明を尽くすべきという観点では一致しています。例えば・・

【Bさんのレポート】
 石木ダムで一番の問題は、1882年の県が県警機動隊を導入し、住民を排除しつつ強制測量を行ったことだと思う。「地元の了解なしではダムを作らない」とする覚書を無視している上、強制的に排除されたことにより、住民に心の傷を負わせたこの行動は正当化できないと思う。県は、行動に移す前に住民が反対している理由を考えるべきではないか。私は、住民が反対する大きな理由として石木ダムの必要性があると言えないことがあげられると考えている。まず、石木ダムの建設の目的の一つである佐世保市の水の確保だが、県がその根拠としている将来水需要の過大予測は、実績は全体的に見ると減少しているのに、予測は急激に増加していることから、明らかに不自然な予測であると言える。実際、予測は外れ、佐世保市の水の需要は、急激な増加はなく、減少しているため、この目的は石木ダムの建設の目的として納得することはできない。また、川棚川の洪水の防止という目的だが、石木ダムの建設予定地は、川棚川の中で、狭い範囲しかせき止めることができないため、洪水対策ができるかというと厳しいという判断できるので、この目的もまた石木ダムの建設の目的として納得することはできない。このような納得できない目的で作られる石木ダムの建設費の538億円は、税金の使い道として、はたして適しているのだろうか。県は考え直すべきではないか。覚書にも記載されている通り、住民を、県民を、納得させる目的を提示しない限り、県は石木ダムの建設を進めるべきではない。 

【Cさんのレポート】
石木ダム問題が未だに解決しないのは行政と住民との対話が不十分であるからだと思った。ダム建設は公共の利益のためにそこに住む人々の居住地だけでなく、地域のつながりや思い出などを奪う原因にもなる。しかし、国家規模で考えると、犠牲を出してでもダムを建設する必要があるのだと思う。ビデオの中で、住民の方々が雨の日も毎日バリケードを形成しているのを見て、自分の故郷を奪われるということは耐え難いものであるということを想起させられた。しかし、石木ダム問題はいつか解決しなければならず、住民と行政の間でうまく折り合いをつけなければならないのであろうが、私自身その方法を考え付くことができず、非常に難しい問題であるように感じた。

【Dさんのレポート】
ダムを作ろうとすること自体は悪いとは思わない。しかし、住民からこれだけの反対意見が出ている以上耳を傾ける必要は大いにあるだろう。そもそもこの計画が立てられてからかなり多くの年数が経過しているため、それをそのまま実行しようとするのは技術的な面などもあわせて現実的ではない。技術的面での見直し、地域住民への理解、そもそもの計画の必要性の検討しなおしが必要だと思われる。

若者だろうが高齢者だろうが、石木ダムについてきちんと学んだ人の考えは、1点において共通しています。ダムの賛否にかかわらず、「住民の声に耳を傾けよ」「対話を尽くせ」ということです。

そう言えば、去年こうばるに社会科見学に来た小学生たちの感想文も同じ内容でした!

ということは・・・

石木ダムはとにかく造るべし!
対話も説明ももう要らない。
決められた通り前に進めるべし!

と言っているのは、石木ダムのことをきちんと勉強していない人たち?
ってことになりそうですね~
でも、それって、佐世保市長の議会答弁とよく似ていますが・・・

・石木ダムの必要性については既に説明を尽くしている。
・最高裁の判断も示されている。
・情にとらわれることなく、法のルールに従って執行していくことが法治国家としての行政の務めである。

(2021年6月24日:佐世保市議会本会議で小田市議の一般質問に対する答弁要旨)