質問書を提出しました

このところ錆び付いた頭を酷使しながら、

水道局が出した水需要予測の資料と格闘しています。

 

みごとな数字合わせ、まやかしの計算式に、敵ながらあっぱれ・・・

いえいえ、この優れた才覚を是非、未来を守るために使って欲しいものだと残念に思いつつ・・

(その内容については、後日お伝えします)

 

そんなわけで、たいへん遅くなりましたが、水道局からの回答を公開します。

これは1月17日に私たちが提出した要請書に対する回答で、21日にいただきました。

 

 

 

書かれてあることを要約すると、

石木ダム建設事業の再評価実施に際し、

「佐世保市上下水道事業経営検討委員会」に諮問するのは妥当なことだと考えている

その主な理由は、

・同委員会の目的は、水道局の経営のありかたや施策策定に関して調査検討をおこなうことであり、

 中でも石木ダム建設事業はその最も重要な施策である。

・同委員会は、これまで水道事業に関する予算や決算等について審議していただいているので、

 本市の水事情や水道施設の状況について詳しく、学識経験者を含む各分野から構成されている。

 

との考えが示されています。

しかし、私たちが一番聞きたかったこと、また、言いたかったことには何も触れられていません。

 

つまり、委員8名中、4名が石木ダム推進派のメンバーだということ。

(石木ダム促進市民の会会員3名+促進川棚町民の会での講演者1名)

公平中立であるべき第三者委員会が、そんな不公平な構成でいいのですか?

という素朴な疑問です。

その答えが、何もありませんでした。

 

それで、私たちは、1月29日に再度、その1点に絞って質問書を出しました。

 

 

                                             2013年1月29日

 佐世保市水道局

  局長 川久保 昭 様

                                              石木川まもり隊

       

                         質 問 書
 

 去る1月17日、私たちは貴局に対し、「石木ダム建設事業の再評価を、佐世保市上下水道事業経営検討委員会に諮問して行うことは直ちに中止し、新たに再評価委員会を設置して行うことを求める要請書」を提出いたしました。

委員会開催前日の1月21日、たいへんご多忙な中、私たちへの回答を出していただきましたことには感謝しております。

ただ、その中で私たちの質問にお答えいただけなかった点がありました。

それは、要請書の(3)のところで、「佐世保市上下水道事業経営検討委員会」の委員8名の中には「石木ダム建設促進佐世保市民の会」の構成団体の代表者等が3名いることを指摘して、石木ダム建設事業の再評価をするための委員会として、公正中立と言えるかどうかお尋ねしました。

この点について、貴局のお考えを知りたいので、再度質問いたします。
 

1.  委員8名中3名が「石木ダム建設促進佐世保市民の会」の構成団体の代表者等である「佐世保市上下水道事業経営検討委員会」は、石木ダム建設事業の再評価をするための第三者委員会として、公正中立な委員会とお考えでしょうか。

2.  公正中立な委員会とお考えであるならば、その根拠をお示しください。

 

さて、今度はどのような回答が届くでしょうか?

一週間以内に文書での回答をお願いしています。

ということは、来週月曜日?遅くとも火曜日には出していただけるでしょうか。

心待ちにしています。。

 

再評価委員会もどき委員会 第1回開催 

いよいよ始まります。

再評価委員会もどき委員会が。

なぜ「もどき」かと言うと、再評価委員会は第三者委員会ですが、

この委員会は第三者委員会とは呼べないからです。

 

委員8人中4人が、石木ダム推進派で占めていて、

うち3人は「石木ダム建設促進佐世保市民の会」です。

 

その会がやってることは、佐世保市民の税金を使って、

「石木ダムは市民の願い」というバスの車体広告を出したり、

早く工事を再開してほしいと県に陳情に行ったり、

アーケード街で石木ダム建設促進パレードを毎年実施したり・・・

それはそれは熱心なのですから。

ダム工事を早く再開せよという人たちが、

石木ダム事業は継続すべきではないなんて意見を言うはずがありません。

 

そして、委員長を除く7人の構成は、

賛成派:中立派=4:3なのですから、採決すれば答えは事業継続に決まっています。

その上、

委員長は、わざわざ委員全員に平成6年の大渇水の苦労話を語らせたり、

人口が減っても、核家族化による使用量の増加を示唆したり、

あれれ???この方は水道局の方?と勘違いしそうになってしまいました。

 

しかし、残る3名の委員の皆さんは、時々鋭い質問をなさっていました。

  ・安定水源と不安定水源を足せば、水は足りているのでは?

  ・一時的減少が慢性的減少になることも考えられるのではないか?

  ・過去の実績値から見ると、この予測値は明らかにオーバーしているように感じるが…

など。

でも、水道局の説明を聞いて、ほぼそれで納得し、

突っ込んだ再質問が出なかったのは大変残念でした。


一昨年の長崎県公共事業評価監視委員会のときのように、

納得のいくまで質問し問題を引き出してくれる委員の粘りを期待したのですが、

最後に委員長が

「この水需要予測については承認されますか?承認する人は手を挙げてください」と言うと、

なんと!全員があっさり手を挙げてしまったのです。

まさに「全会一致」でした。

 

途中で、ちょっとだけ期待した分、ガックリきましたが、

まあ、予想していたことではありました。

だからこそ、私たちは、この委員会に再評価を諮問するべきではないと要請してきたのです。

 

ところで、今日の水道局の説明で疑問が解けたことが1つあります。 

平成24年度以降の一日最大給水量(青の折れ線)の予測値について、

25年度まではほぼ実績値と同じで、なぜ26年度から急増しているのか?

説明によると

24年度(今年度)は決算の見込みを、25年度は予算を反映させているから

とのことでした。

それって・・・

私には、決算や予算は現実に基づいて提出しなければならないからと言ってるように聞こえました。

裏を返せば、それ以降の数字は非現実的ということになるのでは?

 

この表を見てください。

            H23年度   24年度   25年度   26年度   27年度   28年度   29年度

 
ブルーの欄の数字は、一日平均給水量です。

グリーンの欄は、一日最大給水量。

昨年、つまり23年度実績は、平均と最大の差は9,000トンくらいなのに、

平成29年度の予測では、20,000トンもありますよね。

水需要は最大給水量で考えますから、

最大給水量を大きくするほど不足分が増え、

それを補うにはダムしかないと言えるからでしょう。

 

では、どうやってこの最大値を大きくしてるのか?

それは、上の表の一番下のピンクの欄を見てください。

これは負荷率という数字で、この数字が大きいほど平均と最大の差が少なく、

この数字が小さいほど、平均と最大の差が大きいことを意味しています。

23年度実績の負荷率が88.7%で、24年、25年と同じ率を使っていますが、

26年度からは、80.3%という小さい率を使っています。

その結果、26年度の最大給水量は前年度より1万トンも急増しているのです。

 

試しに計算してみましょう。

26年度の平均給水量は、73,649トンですから、負荷率80.3%を使えば

73,649÷0.803=91,717 になりますね。

もしここで、それまでと同じ負荷率88.7%を使えば

73,649÷0.887=83,032となります。

 

おわかりですよね。

負荷率をちょっと変えることによって、

平均給水量は同じでも、最大給水量はずいぶん違います。

約92,000トンと83,000トンでは、9,000トンもの大差です。

これが、26年度以降の急増のタネ明かし。

 

もう1つの数字の変化を見てください。

   H23年度    H24年度    H25年度    H26年度    H27年度    H28年度

 

これは、工場用水の変化。

1,890トンは平成23年度の実績値。

ここでも、24年度と25年度は横ばいです。

27年度に急増してますね。

前年度の2.7倍!ですよ。

信じられます?1年で2.7倍も水需要が伸びるなんて。

魔法使いじゃあるまいし・・・

 

魔法のタネはここにありました。

大口需要者のSSKが経営方針を変え、修繕部門を強化することにより、

船の洗浄用水が増加するからだそうです。

 

としても…ですよ、信じられます?この数字。

一日に4,412トンも!

現在の佐世保市内ぜ〜んぶの工場用水が1,890トンなのに、

1社で4,412トンも???

 

その結果、工場用水はこのように、まるで崖を駆け上るように上昇する予定なのですって。

 

仮に、この予測が正しいとしたら、それはそれで、問題なのではないでしょうか?

船を洗う水は、上水道でなければならないでしょうか?

それこそ再生水の出番ではないでしょうか?

佐世保市では、再生水の利用者が少なく、毎日何万トンも海に捨てられています。

 

経済産業省の調べによると、

工業用水は1980年以降減少していて、それは水のリサイクルの進展が原因。

昭和40年は36%だった水の回収率が、平成21年には79%に達したそうです。

 

SSKさんも大企業ですから、水資源の大切さは十分おわかりのはず。

市水道局から高い水道代を払って、

飲み水用のきれいな水をすべての洗浄に使うのではなく、

再生水で可能なところは、リサイクルした水で省資源、省コストを目指していかれるはず

 

やっぱり今回の需要予測も、過大でしたね〜 

委員の皆さん、そう思われませんか? 

 

形だけの再評価委員会 水道局に中止要請

昨日(1月17日)、佐世保市水道局に申し入れに行きました。

何を申し入れたか?

  今やろうとしている再評価のための委員会開催を中止すべきと。

なぜ?「石木川まもり隊」は再評価委員会を開催して公開の場で議論すべきと言ってたのに?

  そう。真剣に公正に議論して欲しい。今もそう願っています。

  でも、そのためには石木ダム事業の再評価のために設置された委員会でなくてはならない。

  常設の「佐世保市上下水道事業経営検討委員会」ではダメなのです。

なぜ?

  経営検討委員会にはダム事業の識者と言える人はいないし、

  この方たちは佐世保市水道局の経営に関して検討してこられた方々で、

  その経営方針の中に石木ダム事業はすでに盛り込まれているのだから、

  石木ダム事業の存在を前提に議論なさってきたわけです。

  石木ダム事業そのものを考える場合に、完全な第三者とは言えないでしょう。

  その上、もっと重大な問題があるのです。

重大な問題?

  そう。公正な再評価をするには公正中立な委員会が求められますが、

  同委員会はとても中立とは言えません

なぜ?

  委員8名中、石木ダム建設促進の立場の人が4名もいるのです。

  佐世保市には「石木ダム建設促進佐世保市民の会」という組織がありますが、

  その構成団体の代表格の人物が3人と、

  川棚町に「石木ダム建設促進川棚町民の会」が結成されたとき、

  その設立総会でダム推進の講演を行なった人物もいて、

  計4人、つまり半数の人が石木ダム推進派なのです。

  これでは結果は見え見えでしょ?

  水道局は、あまりにも、再評価の意義を軽んじています。

 

申し入れ書の全文はこちらです。

 



申し入れについては、水道局に事前通告していましたが、約束の時間に行くと、

水道局長も部長も会議中で、終了後も予定が詰まっているので、会えないとのこと。

私たちは今回は大事な申し入れなので直接局長に渡したいと粘り、1時間弱待ちましたが、

結局、局長にも部長にも会えず、いつなら会えるという約束もしてもらえず、

事業部副理事に読み上げて手渡しました。

その後、2〜3の要望や質問を口頭で伝えましたが、

何を言っても、「伝えます」「私には答えられません」を繰り返すばかりでした。

申し入れへの返事を、せめて委員会開催予定の前日(21日)までにはとお願いしましたが、

副理事は、それも「伝えます」としか言いませんでした。

 

こんな不誠実な対応は、佐世保市水道局員らしくありません。

それだけ焦っているということでしょうが・・・

 

急増と予測

昨日の長崎新聞に、石木ダム再評価に関する記事が大きく掲載されていました。

 

「水需要 急増と予測」

という大きな文字が、市の評価を、一目瞭然に語っています。

    

市水道局が公表したその予測について、わかりやすくていねいに解説されていますが、

ポイントとしては、以下のような点に集約されるでしょう。

 

☆ これまで年々減少している水需要が、今後は急激な増加に転じる

☆ 2024年度の一日最大給水量は、昨年度実績に比べ、約25,000トン増になる見通し

☆ 前回の予測も右肩上がりで増えるとしたが、実績は予測に反して減少した

☆ 今回の予測は生活用水では前回より少なく見積もるなど、現状を一定反映させた

☆ だが市町合併に伴う給水人口の拡大や、工業団地整備による工場用水量増加などに伴い、

   結果的に水需要は増加すると予測した。

 

その通りです。

前回も、前々回も、いつも水需要予測は過大で、現実離れしていました。

その反省をするどころか、

今回も水需要は増加するという。しかも急激な増加!

その予測に基づいて多額の費用(税金+水道料金)をかけ、ダムを造り、

でも、やはり水需要は伸びませんでした〜

となったら、その無駄遣いは誰が責任取るのですか?

水道局長が返してくれますか?

朝長市長が返してくれますか?

一般企業なら有り得ないことです。

何回も同じ予測ミスを犯していながら、その責任も取らずに、事業を継続するなんて・・・

 

 

再評価のための第三者委員会開催決定

昨日、佐世保市水道局のHPに次のような情報が出されました。

 

    石木ダム建設事業の再評価における学識経験者等からの意見聴取について

本市の最重要施策のひとつであります石木ダム建設事業につきまして、本年度は厚生労働省の国庫補助継続の要件であります事業の再評価の実施年度となっております。この再評価の実施に当たっては、学識経験者等の第三者からの意見を徴すこととされていることから、水道局の経営や施策について総合的に検討するために常設している「佐世保市上下水道事業経営検討委員会」に対して諮問し、第1回目の審議を下記の日程で行うこととなりましたのでお知らせします。

 なお再評価の概要については別添の資料をご参照くださいますようお願いします。
 
 
                          記
 
 
         1 日時  平成25年1月22日(火)13:00〜16:00
 
         2 場所  JA会館6階 大ホール(松浦町2−28
 
 
え?
 
ついに再評価のための第三者委員会を開くことになったの?
 
それは良かった〜と喜ぶのはチト早い。
 
常設している「佐世保市上下水道事業経営検討委員会」に対して諮問すると書いてあります。
 
常設している?つまり石木ダム事業の再評価のために集められた「学識経験者」ではないらしい。
 
では、どんな方々が委員なのだろう?
 
現在の委員についてはわかりませんが、この委員会が設置された平成20年度の委員名簿によると、
 
     大学教授、ハウステンボス役員、ホテル旅館協同組合理事長、
     商工会議所事務局長、町内連絡協議会理事、社会福祉協議会コーディネーター等々、
 
とても水道事業に精通している方々とは思えません。
 
もし今も同じような方々が委員だとしたら、
 
その方々がどうやって石木ダムについて再評価できるとというのでしょう?
 
水道局が提供する専門的なデータを見て、それに反論することはおろか、
妥当なのかどうか判断することさえ難しいのではないでしょうか?
 
 
そうそう、そのデータや資料も添付されていました。
 
第1回目は水需要予測について検討するようですが・・・
 
 
あらあら、相変わらず、水需要は右肩上がりなんですねー
 
人口は減り続けるのに、水の使用量は増えるという不思議・・・
 
しかも、今年度と来年度は昨年度とほとんど変わらず横ばいで、26年度から急増する?
 
なぜでしょうねー
 
 
次ページにいろいろ理由付けは書かれています。
 
専用水道への配慮新規事業所工業団地の開発
また、造船企業の経営方針転換により使用水量が増加等々。
 
 
それにしても、今後13年間で、工場用水は現在の約5倍!ですよ。
 
平成23年度の工場用水=1,890トン/日
平成36年度の工場用水=8,979トン/日
 
 
佐世保の未来は明るいのですね〜
 
人口は減っても、工業は発展し、経済も潤うのでしょうね〜
 
万々歳ですね〜
 
 
そんな話、本気で信じられます?

 

住民の声に耳を傾けて

昨夜は、今年最初の「石木ダム建設反対連絡会」でした。

あのオンボロな(失礼!)川原公民館で、

ストーブの音は轟轟と鳴っていても、コートを脱げない寒さの中での会議。

特に大きな議題はなく、

佐世保市水道局による石木ダム事業の再評価の状況についての説明がメインでした。

そして、みんなのもう一つの関心は、新政権によってダムに関する政策はどう変化するのか?

石木ダムはどうなるのか?

 

どこが政権取ってもおんなじ。

民主党政権になったときはホントに期待したけど、

結局なーんも変わらんかったですもんね。

こうやって50年間闘い続けても何も変わらない・・・

と、地権者の一人S子さんがしみじみつぶやきました。

続けて、

      でも、今は私たちだけでなく、こうして皆さんも一緒に闘ってくださるから

      本当にありがたいです。心強いです。

と。

 

私たちは、心の中で、その言葉に感謝しながら、

地権者の皆さんと共に、今年も私たちにできることを精一杯頑張っていきたい…

と思ったのでした。

 

ところで、熊本県の立野ダムに関する新聞投稿記事を紹介します。

1月9日付の熊本日日新聞に掲載された読者投稿文で、

水源連のMLで目にしたのですが、とても共感しましたので、

転載させていただきます。

 

     双方向性欠く公聴会は疑問
                          赤木光代(熊本市)

 昨年9月、立野ダム建設事業の検証結果に関する公聴会
(国土交通省主催)が南阿蘇村で開催された。白川流域住民
として立野ダム建設はふに落ちないという意見発表をしたい
と思い、受付で申し込んだところ留意事項という書面を渡さ
れた。ダム建設を妥当とする素案に対し、公聴会で出された
意見については、個別に答えることはできない旨が記され
ていた。
 情報公開法の趣旨は、行政機関の説明責任である。同法
施行から10年以上たつ。住民の意見に対し、このような
問答無用の姿勢では、説明責任が果たされたとはとても
思えない。
 1997年制定の改正河川法では、河川行政に関し、住民
参加と環境への配慮を義務づけている。素案は、国、県、
流域7市町村長で構成する「検討する場」で提示された。
しかし、県知事選をはじめ、各首長の選挙で争点化もされ
ていない。住民の合意なき、とりまとめである。
 一方向だけの公聴会ではなく、住民の疑問・質問に
答える双方向性のある集会の開催で、合意を図るべき
と考える。

本当に、その通りだと思います。

国交省は改正河川法を制定した頃の初心に戻って、真摯に取り組んでほしい。

住民の声にきちんと耳を傾けてほしい。

法律や河川工学や経済など、各分野の専門家、有識者?の意見を聴くことも大切ですが、

固有の川、○○川そのものについての一番の識者は、やはり流域住民なのですから。

その住民の疑問にはとことん答えて説明責任を果たすべきだし、

住民の意見も取り入れてこそ、

みんなの責任で、末永く、川を守っていけるのです。


中村知事は、昨日、諫早湾開門問題で林芳正農相を訪ね、

地元の理解が得られない中、一方的に開門準備を進める姿勢を直ちに見直してほしい

と要請しましたが、

その知事に私たちも言いたいです。

地元の理解が得られない中、事業認定手続きを進めよと国に迫るのは見直してほしい!

 

仕事始め

昨日は官公庁の仕事始め。

それぞれのトップが抱負や訓示を述べたようですが・・・

 

県庁では、中村知事が、石木ダムに関して、以下のように語りました。

  具体的に進展させなければならない年になる。(反対派の)地権者の理解を得るのが

  大切であり、全身全霊を傾け取り組みたい(長崎新聞)

 

佐世保市でも、朝長市長が大いにアピールしていたようです。

  地権者の根強い反対で工事が中断している石木ダムについて「正念場の状況」と、

  改めて建設に意欲を示しました。(KTN)

 

また市長は、佐世保市と佐世保市商工会議所の共催による新年交歓会でも、

石木ダムの建設促進を課題にあげたそうです。

ちなみにこの新年会には、地元政界・経済界のみならず、

なぜか自衛隊や米軍関係者も出席していて、約550人もの参加だったとのこと。

(商工会議所と共催とはいえ、結婚式場アイトワでの新年会の出費やいかに・・?)

 

知事や市長のみならず、私たちも今年が正念場と思っています。

3月末までに佐世保市水道事業の再評価がなされ、

それを受けて事業認定作業が動き始め、

付け替え道路工事も再開…

県や市が思い描くそんなレールをストップさせたい。

 

そんな古くて錆だらけのレールは、この際しっかり点検し、

使い物にならないことを明らかにして、

新しい持続可能な素材のレールに付け替えたい。

そう思っています。

 

水道局員の中にも、県河川課の中にも、

そのような未来を志向する人たちがいるはず。

必ずいるはず。

市民のため県民のために、本当に未来に残すべきものは何か、

気づいている人たちが、必ずいるはず。

その方たちが、力を、勇気を出してくださることを願っています。

一緒に頑張りたい


 


委員会方式を求め、水道局へ申し入れ

年末も押し詰まってきた12月26日、私たち(水問題を考える市民の会+石木川まもり隊)は、水道局へ、石木ダム事業の再評価について、公開が原則の委員会方式を取るよう申し入れをしました。
 
隊員のM・Mさんによるまとめと感想をご紹介します。
 
 
『水道施設建設の費用が10億円を超え、かつ10年以上を経過しても建設に取り掛かれず継続となっている事業については、国からの補助金を貰うために5年ごとに事業の再評価を行わなければならない。』
これが、国庫補助の用件である。

石木ダムは、その計画からすでに50年が経過している事業である。

機動隊を導入しての強制測量からでも、もう30年が経過している。

慢性的な水不足といわれる佐世保市だが、この間大きな渇水は平成6年だけだ。

それも佐世保市だけが水不足になったわけではない。北部九州一帯に雨が降らず、福岡市でも、長崎市でも大変な水不足に陥ったのだ。

あのときの水不足には、「石木ダムがあっても役に立たなかった」と言ったのは、水道局のお偉方だった。

それに、少子高齢化で人口は減り、水需要はどんどん減少して、水道局が安定的に取水できると言っている水源水からは、おつりが来るほどなのだ。


そして今年、平成24年度は5年ごとに事業を見直す「厚労省の再評価」の年なのだ。

これまでの再評価は、平成11年、16年、19年と3回行われているが、その全てが有識者で構成される委員会方式だった。

それが今年度は、まだ再評価がなされていない。


今回の再評価には、19年以降のデータも入るのだ。過大な水需要と乖離した実績値のデータもその審査対象としてもらわなければならない。

しかし、水道局は再評価はするといいながら、市民に公開された委員会形式でするかどうか、まだ検討中だとしか言わない。

そこで、私たち「水問題を考える市民の会」と「石木川まもり隊」とで、再評価は市民に公開された「委員会方式」で行うようにと申し入れをしたのだ。

水道局の答えは、「このような申し入れがあったと上に伝えます。」「まだ、委員会形式かどうか決まってはいません。」というものだった。

きちんとしたデータで、委員会形式のきちんとした再評価を行えば、石木ダムの必要性の根拠が揺らいでしまう…。

そのことは専門家である水道局自身がよくわかっているのに違いない。
だからこそ、再評価を何とかクリアできないかと画策しているのではないか?

そう疑わざるを得ない今日の水道局の答弁だった。

よーし! 来年も、申し入れだって何だってやるぞ!

膨大な税金を使う不必要な公共事業を止めなければ。
 
 
 
形式について、まだ委員会かヒアリングか決まってないそうです。
しかも、いつ決まるのか(いつ公表するのか)さえも未定だそうです。
 
それって、委員会を開く気はないってことと同義語ではないでしょうか?
呆れ果ててしまいます。
 
いつも誠実で親切な水道局職員の方々ですが、
個人的なお人柄がそうであっても、これは許されない不誠実な状況です。
私たちは、これからもしっかり問い続けていきたいと思います。
 
また、この申し入れについては、長崎新聞と読売新聞が翌日報道しています。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/nagasaki/news/20121226-OYT8T01366.htm
 

川原出身者の訴え

昨日、石木ダム建設に反対する5団体は、県に抗議の申し入れをおこないました。

何に対する抗議かと言うと、石木ダム事業認定に関する県からの回答に対する抗議です。 

 

抗議の理由

1.私たちは知事の回答を求めたのに、河川課長からの返事だった

2.回答が出されたのも期限を大幅に過ぎていたし、

  それに対する反論書を送り、会って申し入れしたいと頼んでも、忙しいからと先延ばしにされ、

  やっと実現したのが12月19日。公開質問書を提出してから70日ほど経過している。

  地権者の理解が得たいと本当に思うなら、なぜ、このような不誠実な対応をするのか?

3.地権者は決して話し合いを拒んではいない。事業認定を取り下げたらいつでも応じる。 

  それは何度も伝えているのに、なぜ取り下げないのか? 

 

昨日も、知事どころか、土木部長も河川課長も来ず、企画官が対応。

私たちの扱いは、その程度のものなのです。いつものように。

そして、河川課の回答もいつものように版で押したような決まり文句ばかり。 

 

得られた回答は、

1.この文書は知事に必ず渡すが、知事名で返事を出すか、いつ出すかは確認しないと何とも言えない。

2.地権者の理解は得たいと思っている。是非、直接会って話す機会がほしい。

3.しかし、事業認定申請を取り下げるつもりはない。その手続きの中で話はできる。

 

こうして、昨日も虚しさだけを残して終わろうとしたとき、一人の男性がツカツカと進み出て、

県の職員に向かって叫びにも似た声で、訴え始めました。

子ども時代を川原で暮らしていた男性の言葉には、深く心打つモノがありました。

ここに、そのメモをまとめて、ご紹介します。

 

岩屋、川原、木場は、これまで山津波も水害もほとんど会うてない

 

俺は15歳まで川原におった

 

だからこそ、このふるさとに住みたいという住民の願いがわかる

 

今まで50年、住民は行政から苦しめられてきたんだ

 

あんたらはあそこの歴史を知っとるか?

 

うちの本家は石木小学校の発祥の地、郷土史にそう書いてある

 

岩屋や木場から川原に集まって、寺子屋みたいなのを造って、

そこでみんなが勉強していた

 

何百年の歴史のある、よか棚田もあるとやけん、

地主たちは初めみんな反対だった

 

それをあんたたちが家庭訪問して、どがんことば言うて切り崩したか、

知っとうね?

 

どういう形で切り崩したか?

 

 

割が崩れたからあんたたちも出て行け?

 

それはね、強盗の論理!行政の強盗!

 

 

あんたたちはあそこを実際に見て、知っとろうが

 

もったいなかと思わんとか、あいば水に沈めて

 

基本的なことはそこぞ

 

 

佐世保の水が足らんて、病人が出た?死人が出た?

 

佐世保が水不足になったからって、なんで川原が責任とらんといかんか!

 

なんで川原の民衆に責任がある?

 

 

30年、40年、あんたたちは理屈ばっかり言ってきた

 

もう理屈は超えとっと

 

住民の気持ちになったことがあっとか?

 

初めはみんな反対やったとよ


町長が崩れ、議会が崩れ、

そして最初に崩れたのはボロい家に住んどる人たち

 

そういう人たちがコロコロ転んでいった

よか家ば造ってやるよと言われて

 

 

この際ね、住民の気持ちに百分の一でもなってみんかい!

 

300年間、百姓しながらあれだけのふるさとを築き上げとっとぞ!

 

出直してこい!

 

未だに決められない再評価の形

今日の佐世保市議会本会議において、石木ダム事業の再評価の見通しについて、山下市議が質問。

水道局長の答弁の中から、注目すべき内容を抜粋すると・・・

 

<進捗状況について>

再評価に関する資料作成などを行うための業務委託の入札を先月末行い、12月5日に契約を締結。

これから作業内容や実施方針の詳細については厚労省と調整しながら委託業者を交えて詰めていく。

今年度中に作業を完了させることを目指してとりくんでいきたい。


<年度内に終わるかどうかの見通しについて>

委託期限が3月末になっているが、コンサルに委託したものは随時厚労省とその都度協議を諮っていくので再評価の間に合わないということはない。

第三者の聞き取りも1回ではなく何回もわけてやるので年度内に可能。

え?

コンサルと水道局が共同で作成した資料を基に再評価委員会で審議・検討し、

そこで出された意見を踏まえて、水道局として再評価の結論を国へ提出するのではなく、

資料作成の時点からずっと厚労省と打ち合わせながらやる?

だから、資料作成の最終期限(3月末)には、第三者の聞き取りも終わることが可能?

それって、談合みたいなもの、結果有りきの再評価じゃないですか!



<もしも再評価が年度をまたがった場合>

補助金がどうなるのかは国と協議する。

再評価の着手が遅れたのは、国のダム事業の検証や水道設計指針の改訂が主な要因である。

全国的な事例では、再評価が終わるまで内示を一時保留しているケースもあり、


その場合、仮に年度をまたいでも再評価が終われば保留が解除され、補助金がもらえるはず。

 

<学識経験者等第三者の意見聴取について>

その形式についてはまだ検討中で、委員会形式になるかヒアリング形式になるか未定。

 

この期に及んでもまだ未定?

もう12月ですよ。もうすぐ今年は終わりですよ。

委員会を開く気が多少なりともあるならば、とっくに委員の選定などしてなければならないでしょう。

もしや、委員のなり手がなかったとか・・?

いずれにしても、やる気がないのに、「未定」「検討中」を繰り返すのはなぜでしょう?


<代替案について>

水道施設の水源として可能性があるのは、10年に一度の渇水がきても安定して取水ができることが最大の要件で、安定水利権許可証の添付が必要。

四条橋などの不安定水源はその資格がない。

 

その資格のない水源から何十年も取水してきましたよね?

今日も取水しているでしょう?

安定水利権はなくても、慣行水利権でずっとやってきたし、

19年度の渇水の時も、不安定水源の水をたくさん使用しましたよね。

なぜ安定水利権にこだわるのですか?

安定とお墨付きを与えても、大きな渇水の時はダム湖の水も干上がるし、大きな川も流量が減る。

人間の予測の範囲を超えることは必ずおきる。それが自然界ではないでしょうか。

 

机上の計算で、まるで成績表をつけるように、水源に優劣を付け、

この水源は不安定だから排除してダムを造ろう、なんて考え方をいつまで続けるのでしょう?

 

結局、国交省も厚労省も、

真面目に検証・評価して、無駄な公共事業を減らそうなんてことは考えていないんですね。

国のお役人と地方が一体となって大きな公共事業を造り続ける、

そうすると誰か得をする人がいるのでしょうが、

そういうことは上の方でもう決まっていて、

水道局の職員さんたちは、その決まった方向に沿ってアリバイ作りをさせられているだけかも…。

 

笹子トンネル事故のように、老朽化したトンネルや橋や道路、そしてダムが山積の日本。

これからの公共事業費は補修整備だけで目一杯になるはず。

新たにダムを造る余裕なんてないはずなのに・・・